がん相談・緩和ケア
がんを治療して職場復帰したパート社員が2人おります。Aさんは2013年、Bさんは2014年に会社の健康診断で要精密検査となり、がんの早期発見に至りました。二人とも女性でAさんは大腸がん、Bさんは子宮頸がんでした。
Aさんは2ヶ月休業されましたが、そのうち1ヶ月は有給休暇、残りの1ヶ月は欠勤扱いで、傷病手当金をもらう形にされました。
Bさんは6月頃の健康診断でがんが発見され、夏期休暇を利用して長期の休みを取る形で入院治療をされ、有給休暇の範囲内で退院・自宅療養を終えて職場に復帰されました。
もともと、会社の社風として比較的有休が取りやすい土壌があったことが、良い結果に結びついていると思います。看護休暇や介護休暇もあり、有給休暇はパート社員の方は皆さんほとんど年間で消化されていると思います。また、2013年にがんになられたAさんの場合は、有休は通院のために残しておいて、傷病手当の出る欠勤扱いで休みを取るようにアドバイスしました。またAさんの上司の方から、「どれだけ休んでもいいからしっかりと病気を治してください」、とフォローしていたと聞いています。
がんになった方が社内におられるということで、がん検診のポスターを掲示して、社員の皆さんに呼びかけています。当社はベンチャー企業としてスタートしましたが、設立から30数年がたち、中途採用が増えたこともあって、今は社員の平均年齢が42歳前後になっています。40歳を超えると、健康な人でもどこかしら不調なところが出てくることもあり、がんに絞った対応ではないのですが、全体的に福利厚生を見直し、健康診断の内容を充実させてきています。今回、2人の方のがんが早期発見に至った背景には、そのようなこともあったのかなと思います。
健康診断では、身長、体重、心電図という基本的な検査に加えて血液検査やバリウム検査もしています。また、もともと永年勤続15年以上の社員は人間ドックが無料でできる体制でしたが、それでは中途採用の社員がなかなか受けられないため、見直しをかけて今年から、35歳以上の社員は5年に1度人間ドックに入れるようにしました。人間ドックでは、バリウム検査が胃カメラになったり、血液検査がさらに詳しくできますので、より効果的な疾病予防になるのではと考えています。
また、社員とともに配偶者の方も健康診断を受ける場合には会社で予約を取れるようにしています。また、配偶者の方の主婦検診、人間ドックも通常より軽い自己負担で受けられるようにしています。
社員の皆さんに、健康でいきいきと働き続けていただけるよう、担当者として健康診断を大切にしています。どんな検診が受けられるか案内し、面倒な予約などを引き受けるなど、健診が受けやすい体制づくりに取り組むことで、がんの早期発見につながれば、治療、職場復帰もよりしやすくなると考えています。ぜひ、皆さんも定期的な健康診断で、健康でいきいきと働ける職場づくりに取り組んでください。