がんの予防対策のご紹介
長年の研究により、がんの原因やがんになるリスクを高める要因などが明らかになってきました。研究成果に基づいて、がんの予防法が開発されつつあります。そうしたことから、様々ながんのうち半分程度のがんは、予防できる病気と考えられるようになっています。効果的な予防対策を行うことができれば、がんの発生を防ぐことができるのです。
健康生活の実現のためには、できるだけ若い頃から、がんの発生を予防するための対策を心がけることが大切になってきます。
がんの原因と考えられている生活習慣は「喫煙」「塩分の高い食事、肉中心の食事」「運動不足」そして「飲酒」です。
がんの死亡原因の約7割を占めるこれらの生活習慣を改善することで、がんを防ぐことができると考えられています。
(ハーバード大学がん予防センターによる発表)
喫煙 | 口腔がん、喉頭がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、尿路がん、膀胱がん、子宮頸部がん、骨髄性白血病 |
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他の人のたばこの煙による影響 | 肺がん |
飲酒 | 口腔がん、喉頭がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がん |
加工肉 | 結腸がん、直腸がん |
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食塩・塩分を多く含んだ食品 | 胃がん |
熱すぎる飲食物 | 口腔がん、喉頭がん、食道がん |
国立がん研究センター がん情報サービスより)
たばこを吸っている人は、禁煙しましょう。
たばこの煙に含まれる有害な化学物質の中には発がん物質も多く含まれています。発がん物質は主にタールに含まれ、これが細胞の遺伝子に傷をつけます。通常は人間の免疫力により細胞を正常に修復するのですが、それがうまくいかない場合に細胞をがん化させてしまいます。
たばこを吸わない人も、たばこの煙をできるだけ避けましょう。
たばこを吸う本人が吸引する主流煙よりも、立ち上る煙の副流煙の方が、数倍有害物質を含んでいると言われています。
飲酒量は、1日あたり、アルコール量に換算して、約23g程度までにしましょう。
お酒を飲まない人、お酒が飲めない人には、無理に飲酒をすすめないようにしましょう。
BMI指標を意識し、適正な体形の維持を常に心がけましょう。(※)
※適正な体形は、BMIという指標で表します。肥満とがん全体との関係は、日本人の場合、欧米とは異なりそれほど強い関連がないことが明らかになっています。逆に、やせによる栄養不足は免疫力を弱め、感染症をひき起す、血管の壁がもろくなり脳出血を起こしやすくなる、などのリスクが高まることが知られています。
太りすぎず、やせすぎない適正な体形の維持を心がけましょう。
この計算式で男性は21~27、女性は21~25の範囲になるよう、心がけましょう。
感染症に起因するがんは多くあり、例えば肝炎ウイルスは肝がんと、ピロリ菌は胃がんと、HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんとの因果関係のあることがわかっています。また、HTLV-I(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)はATL(成人T細胞白血病)の原因となります。
これらの感染症の予防と早期発見、早期治療に努めましょう。
肝炎ウイルス感染検査を受けましょう。
機会があればピロリ菌検査を受けましょう。
HPVワクチン接種を受けましょう。
HTLV-Iについては、厚生労働省HP「HTLV-Iに関する情報」をご覧ください。
建材に用いられてきた「アスベスト」(石綿:せきめん・いしわた)を吸うと「中皮腫」というがんにかかることがあります。
中皮腫について詳細は、以下をご覧ください。
ご相談についてはがん相談支援センターで応じますのでご利用ください。
アスベスト(石綿)に関する情報の詳細は、以下をご覧ください。
がん情報サービスでは、がん予防についてのさらに詳しい情報を得ることが出来ます。