まずは基礎を知りましょう
がんを知るまずは基礎を知りましょうがんについて正しく理解することにより、不安や疑問を軽減しましょう。
がんは、「不治の病」から「長く付き合う慢性疾患」へ
私たちのからだは約60兆個の細胞からなっています。正常な細胞は、体や周囲の環境にあわせて増えたり、増えることを止めたりします。また古くなった細胞は、徐々に新しい細胞に入れ替わるよう調節されています。遺伝子がこの仕組みをコントロールしています。
そんな中、遺伝子に何らかの変化が起こることで、こうした細胞の入れ替わる仕組みが調節できなくなることがあり、異常な細胞が増え続けたり、正常なものに入れ替わらなくなったりします。こうして出てくるものが、「がん細胞」です。がん細胞には、次のような性質があります。
このようにして増え続けた細胞が、体に害を与える「悪性腫瘍」となります。これが「がん」です。
がん細胞ができる仕組みは、私たちのからだの成長や維持のための仕組みと深いかかわりがあるため、「完全にがん細胞ができないようにすることはできない」と考えられています。しかし、一部のがんについては、喫煙や飲食などの生活習慣や感染症が発がんの原因になっていることが明らかになっています。生活習慣の改善やがん検診による感染症のチェックによって、これらのがんの予防や早期発見が可能になってきています。
がんの予防に関心を持ち、積極的に検診を受けてがんの早期発見につとめましょう。
診断と治療の進歩により、がんになっても治る人が多くなり、がんは「不治の病」から「長く付き合う慢性疾患」に変わってきました。がんと付き合いながら前向きに過ごしましょう。
最近のがん診療の進歩で、がんになっても、治療を受けながら仕事や学業を続けたり、治療後経過をみながら、社会復帰する人が増えてきました。
がん患者さんと家族が療養と社会生活を両立し、安心して暮らせるよう社会全体で理解、協力しましょう。