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がん情報しが

滋賀県のがんに関する情報を集めた、
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がんとともに生きる

がん相談・緩和ケア

自分の話を聞いてもらうのがとても大切。楽しいことを見つけ、病気を忘れる時間を作って前向きに。

取材日:平成27年2月

須藤恵子さん(60代)平成15年乳がん手術

がん治療から現在までの経緯を教えてください

2003年、50歳のとき、しこりがあることに気がついて病院に行ったら、乳がんと診断されて、手術しました。最初、しこりを見つけたときは産婦人科に行ったのですが、そこで外科に行くように言われました。それぐらい、がんについては何の知識もありませんでした。手術のあと、放射線治療を25回にわたって受け、抗がん剤治療、ホルモン剤治療をしました。
今は手術から12年になりますので、治療はすべて終えて、経過観察をしています。

がんを宣告されたとき、どんな気持ちでしたか?

写真:須藤さん1

なぜ私が、と思いましたね。ずっと元気なつもりでいたので、がんになっているということがとてもショックでした。保育士としてずっと仕事を続けていたのですが、仕事を休まないといけないので職場に迷惑をかけてしまう、ということも心配でした。また、娘の結婚が間近に控えていたので「どうしよう」と頭の中が真っ白になりました。
でも、最初にしこりに気付いたとき、職場の人に相談したら「早く病院に行った方がいい」とみんなに言われたこともあって、最初から病気については気兼ねなく話すことができました。
その後もいろいろ助けてもらって、仕事に復帰することができたので、とてもありがたく思っています。

また仕事をしたい、という思いで乗り越えられたのですか?

そうですね。治療が始まると次の治療、次の治療とどんどん進んでいきますので、「早く仕事に戻りたい」という気持ちでがんばることができました。とにかく、また元気で仕事をしたい、という思いが強かったですね。今はフルタイムの仕事を離れて、アルバイトとして当時とは別の職場で働いています。また、子どもたちもすごく心配してくれたので、元気にならないといけない、という思いもありました。家族の支えも、大きかったですね。
治療を続けて、だんだん気持ちが落ち着いてくると、これまで仕事ばかりしてきましたから、一段落したら、仕事以外のことをいろいろ楽しんでみたいという思いも出てきました。

12年にわたって、がんと付き合ってこられたわけですが、上手に付き合うコツは?

写真:須藤さん2

できるだけ楽しい気持ちで過ごす、ということが大事ですね。友達と旅行するなど、楽しむ時間を持つようにすると、病気のことを忘れられます。病気のことを考えない時間を作ることも、大切だと思います。私は病気になってからの方が、むしろ旅行や仕事以外のことを、いろいろと楽しむようになりました。
今はピアサポーターとして、がん患者サロンなどでお話を聞いていますが、私自身ががんになったときは、誰に相談していいのか分からず、戸惑うことが多かったんです。でもそんなとき、個人的に相談した人が、とても親身になって答えてくださったことがあって、すごく嬉しかったですね。それで、私も元気になったら、同じ病気の人の話を聞いて、少しでもこの経験を役立ててもらいたい、と思いました。がんと言っても、人によって症状や経過は様々ですが、同じ悩みを持っている人に話を聞いてもらうのは、とても安心感があって落ち着けると思います。今元気でいられることは本当に感謝なことで、毎日を大事にしていきたいと思っています。また、いろんな人とお話できることにも、感謝な思いがありますね。

がんに悩んでおられる方へのメッセージをお願いします

写真:須藤さん3

相談できる場所や人を探して、自分の話を聞いてもらうのがとても大切です。私も今でこそニコニコ話すことができますが、がんだと分かった当初は「どうしよう」と不安ばかりで、ふとしたことで涙を流すこともありました。
また、自分の病気についてよく知ることも大切ですね。私ががんになった時は、がんについての知識がほとんどなかったので余計に不安が大きかったと思います。今はがん患者サロンやがん相談支援センターなど、相談窓口や体制も整っていますので、ぜひ気軽に相談してみてください。今は健康でも、もしかしたら将来がんになる可能性は誰にでもあります。身近な家族ががんになることも考えられますので、それぞれが自分の問題として、がんについて「知る」ことを大切にしてもらいたいですね。

お問い合わせ
健康医療福祉部 健康しが推進課
電話番号:077-528-3655
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