平成13年5月に滋賀県環境学習懇話会から「滋賀らしい環境学習を進めるために」が提言され、体系的に環境学習を進めていくにあたって、特に幼少期における体験を通じた環境学習の重要性が示されました。
これを受け、同年に「幼児自然体験型環境学習検討委員会」を設置し、幼児期における取組の先進事例であるスウェーデンの「森のムッレ教室」に学びながら、本県の風土に合った内容について検討を進めました。
本県においては、特定のプログラムを一律に普及するのではなく、幼児教育の現場に即し、地域の素材を活用して地域に応じたプログラムをそれぞれが創り出していくことが重要であるという検討の結果、実践を通したプログラムづくりに取り組むこととしました。
平成14年度から平成16年度にかけて、幼稚園や保育所の現場の指導者を対象に、指導者養成、巡回指導、幼児自然体験教室地域ステップアップ事業を展開し、園の指導者や子どもたちとともに、個々のプログラムの企画→実践→検証→改良のプロセスを積み重ねてきました。
そして、平成16年度には、これらの実践の中で作成されたプログラムを基に、専門家の意見等を加えて、地域に応じたプログラムづくりの参考となるよう、滋賀県幼児自然体験学習プログラム集「うぉーたんの自然体験プログラム」としてまとめました。
幼児期における身近な自然体験を通じて豊かな感性を育み、いのちの尊さを感じとることや自然と人間とのつながりを意識できるようにすることをねらいとしています。
そうした意識のめばえから、地域の自然を大切に思う気持ちや環境保全のために自ら考え行動する力(生きる力)を培っていくため、幼児(3〜6歳児)の自然体験学習に活用いただいています。
また、県では、このプログラム集をきっかけとして、地域特性を生かした独自性あふれる自然体験学習の機会を増やしていくため、県内の幼稚園・保育所を中心にプログラム集の活用および実践の普及を図っています。
自然体験を通じて、人間が地球規模の大きなつながりの環の中で生きていることへの気づきを促すための工夫や指導者の姿勢、具体的な取組内容(プログラム)を紹介します。
「うぉーたんの自然体験プログラム」は平成23年度に改訂し「新・うぉーたんの自然体験プログラム」として活用しています。
追録データ