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当院では2台のCT装置が稼働しています。
現在、国内では検出器数が1列の装置から320列の装置まで様々な装置が使用されていますが、検出器の列数が多いほど、「より細かなデータを、より短時間」で画像化することが出来ます。当院のCTは320列装置で、現在、世界で最多列/最大視野の撮影を可能にする装置です。
CT検査は、X線を用いた体の輪切り画像を撮影する装置ですが、近年、その輪切り画像をコンピュータ処理して、3D(3次元・立体)画像をつくることができるようになりました。
これにより、従来のように体を輪切りにするだけでなく、あらゆる方向から見ることができるようになりました。
当院に導入した320列の装置は、一度に広範囲を短時間で細かく撮影できるため、「頭部の動脈と静脈(3D画像)を分離して撮影したい」、「(足のように)広い範囲を短時間で撮影したい」あるいは「(心臓のように)動きの速い臓器を撮影したい」といった場合に、威力を発揮します。 特に心臓の撮影には最低64列が必要といわれていますが、当院の装置は320列であるため、被ばく量低減や造影剤量の低減が可能となり、より精度の高い画像を安定的に作成できます。
CT部門には平成25年10月より稼働しているAquilion ONE Vision(320列CT)と令和3年8月より稼働しているAquilion ONE NATURE(320列CT)の計2台のCT装置があります。
CT検査は予約を原則としていますが、予約以外の緊急検査にも迅速に対応する体制を整えており、院内だけでなく院外からの紹介も受け入れております。
頭頸部や胸腹部・四肢または冠動脈や肺動静脈などの血管の描出を目的とした特殊検査(CTA検査)においては、撮影で得られた画像データをもとに、画像処理システム(ワークステーション)を操作することで、手術前シミュレーション画像や、機能評価画像、観察に優れたマルチアングルや空間的に認識しやすい3次元画像といった、より高いレベルの診断画像情報を再構成処理することで、多方面からの要望に対応しています。また、撮影方法や造影方法の工夫、再構成手法を駆使することで、被ばく量や造影剤量を低減し低侵襲な検査に努めています。
我々CT室スタッフは、診断画像情報の提供を担う立場として、CT装置の物理特性の把握のもと、検査目的にあった適切な撮影プロトコールや造影プロトコールの構築を行い、「被ばくの軽減」と「診断画像の画質維持」の両方をマネージメントすることで、「CT検査のクオリティー維持」を心がけております。