文字サイズ
てんかんの治療には、正確な発作型とてんかんの病型の診断を基に、適切な抗てんかん薬の選択が必要です。
当センターでは、日本てんかん学会認定医1名を含む小児神経科専門医が、現在約800人以上のてんかんのお子様を外来治療しております。
外来での脳波検査は1日4名の予約検査が可能で、連日フル稼働しています。
また、てんかんの正確な診断をするために、発作時の脳波が必要になる場合がありますが、そのような場合には携帯式脳波計(テレメーター脳波計)を装着して、ビデオを撮りながら脳波を記録する検査が可能で、一泊入院で長時間記録を行っています。
また、てんかんの原因部位を同定する目的で、MRIや脳波に加えて、隣接する成人病センター研究所で、PET検査も可能です。外来での治療が困難な例では、入院の上で発作のコントロールを行います。
点頭てんかんの治療にはACTHの注射が必要になる場合が多いですが、当センターでは、出来るだけ副作用を抑える目的でACTHの少量療法を行い、良い成績をあげています。また、近年認可された様々な新規抗てんかん薬を従来の抗てんかん薬とうまく組み合わせて治療に活用しています。
しかし、これらの薬物治療に抵抗性のてんかん、いわゆる「難治てんかん」をもつ方が全てんかん患者の2〜3割を占めるといわれており、難治てんかんに対しては、当院では後述する食事療法(ケトン食療法)を積極的に取り入れています。また、近年保険適応になった迷走神経刺激療法を行う方も増えています。
・ ケトン食療法:詳細はケトン食治療入院についてをご覧下さい。一般的なケトン食以外に、より緩和され、長期継続しやすい、修正アトキンズ食療法や低グリセミック指数食療法も可能です。これらのケトン食療法は一旦入院の上で行い、有効と判断されれば、ご家族にケトン食の献立の指導を栄養士が行い、家庭で継続していただきます。
・ 迷走神経刺激療法:植込型の電気刺激装置によって左頚部迷走神経を刺激し続けて発作を抑制する治療です。電気刺激装置とコイルを植込む手術は当院では出来ないため、近隣のてんかん外科施設に依頼し、植込み後の電流の調整を当院の外来で行っています。
てんかんの診断および治療に関して、セカンドオピニオンの要望も積極的に受け付けています。