賃貸借契約…入居トラブル
相談概要
【事例】
息子が他県の大学に合格したので不動産業者の営業所に出向き物件の下見をした。担当者から、「この時期はすぐに埋まってしまうので早めに物件を押さえておくと良い」と勧められ、入居申込書を記入し申込金を支払った。その後、別の県の大学に進学することになったのでキャンセルしたい。支払ったお金は返してもらえるだろうか。(40歳代・女性)
解決への糸口
預り金について
- 入居申し込みの際、事業者から申込金・予約金・預り金などの名目でお金を入れることを求められることがあります。契約成立前に支払ったお金は預り金とみなされ、宅地建物取引業法では取引の仲介または代理を行う不動産業者が返金を拒むことは禁止されており、申込金は返してもらえます。
契約の成立時期
- 原則として、貸主と借主の双方が賃貸契約書に記入・押印した時点で契約が成立します。
- しかし、現実的には遠方からの申し込みであったり、入居までの日数が迫っていたり、契約書を交わす機会が遅れるケースもあります。
- 借主が事業者から賃貸物件についての重要事項説明を受け、敷金や前払い賃料等の契約に伴う金銭を支払って鍵の引き渡しを受けているようなときは、賃貸契約書に署名捺印がないとしても契約は成立していると考えられます。
アドバイス
物件を選ぶ際の注意点
- 賃貸物件を探す際、インターネットからでも多くの情報を知ることができますが、現地や部屋を直接見ないで契約することはやめましょう。広告だけで判断せずに、必ず現地で、間取り図と図面との照合(広さ・使い勝手等の確認)、風通し・日照(方位)、設備の整備状況(エアコン・給湯器・ガスコンロ・照明器具等)、共有部分の管理の状況等を確認しましょう。同じ建物内や近くに店舗や施設がある場合、時間帯や曜日によって環境が変わることがあります。
契約の締結
- 契約の際は、「原状回復」「敷金返還」「特約」についてはしっかり説明を受け、納得してから署名捺印することが大事です。
- いくつかの物件を比較検討中に、とりあえず仮押さえするために安易に申し込みをするのはやめましょう。
- また、申込金を支払う時は必ず預かり証をもらい、キャンセル時に返金してもらえることを確認しておきましょう。
「おかしいな」「困ったな」と思ったら、まずは消費生活センターにご相談ください。