文字サイズ

クーリング・オフ(特定商取引法)

1.クーリング・オフとは

  • クーリング・オフとは、特定の販売方法での取引について、定められた期間内であれば、無条件で消費者が契約の解除をできる制度です。
  • 一度契約が成立すると、その契約に拘束され、お互いに契約を守るのが契約の原則ですが、この原則に例外を設けたのがクーリング・オフ制度です。
  • 不意打ち的な取引や高額で複雑な取引について、頭を冷やして(Cooling Off)冷静に考え直す機会を消費者に与えることを趣旨としています。
  • クーリング・オフについて定めている代表的な法律が「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」です。特定商取引法の概要は
  • 当センターではクーリング・オフに関する啓発資料をご用意しています。また資料の印刷用データを提供しますので、ダウンロードしてお使いください。(本資料では、「必ず文書で通知」することとありますが、令和4年6月1日より電磁的記録による通知も可能とされました。詳しくは、下の「6.クーリング・オフの方法」をご覧ください。)

2.クーリング・オフの効果

  • 契約解除通知を出した時点で、一方的に契約を解除できます。
  • 事業者は消費者に対して違約金や損害賠償請求などができず、支払い済みの金額があれば速やかに全額を返還しなければなりません。
  • 商品を受け取っている場合は返品する必要がありますが、引き取り費用は事業者負担になります(着払い等を利用)。
  • 役務がすでに提供されている場合も、代金を支払う必要はありません。
  • 商品が設置済みであったり、建物の工事が着手されていても解除できます。あわせて事業者負担による原状回復を要求できます。
  • 訪問購入においては、事業者に引き渡した商品があれば返却してもらうことができます。また事業者から受け取った売却代金は返還します。

3.クーリング・オフができる取引の種類と商品・役務等

  • 特定商取引法でクーリング・オフの対象となる取引の種類(販売方法)と商品・役務等は次の通りです。

訪問販売

販売方法(例)

  • 家庭、職場などで訪問販売された
  • 街頭で呼び止められて店舗に連れて行かれた(キャッチセールス)
  • 電話で呼び出されて店舗に連れて行かれた(アポイントメントセールス)等

適用される商品・役務等

すべての商品・役務(一部適用除外有[※1])・特定権利[※2]

電話勧誘販売

販売方法(例)

  • 自宅・職場などに勧誘の電話がかかってきた等

適用される商品・役務等

すべての商品・役務(一部適用除外有[※1])・特定権利[※2]

特定継続的役務提供

販売方法(例)

  • 家庭への訪問販売以外に、店舗(営業所)での契約も含む

適用される商品・役務等

エステティック・美容医療[※3]・語学教室・学習塾・ 家庭教師・パソコン教室・ 結婚相手紹介サービス
関連商品も解約可能

連鎖販売取引(マルチ商法)

販売方法(例)

  • 友人に「商品を買って会員になり、友だちを紹介していけばマージンが入ってくる」と勧誘された等
  • 店舗(営業所)での契約も含む

適用される商品・役務等

すべての商品・ 役務・権利

業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)

販売方法(例)

  • 仕事の提供を約束するかわりに、仕事に必要な物品を買わされた等
  • 店舗(営業所)での契約も含む

適用される商品・役務等

すべての商品・ 役務・権利

訪問購入

販売方法(例)

  • 自宅に押しかけた事業者に貴金属等を買い取られた

適用される商品・役務等

すべての商品(一部適用除外有[※1])

指定役務

エステティックサロン

  • 契約期間1か月超

美容医療

  • 契約期間1か月超

語学教室

  • 契約期間2か月超

学習塾

  • 契約期間2か月超

家庭教師等の在宅学習

  • 契約期間2か月超

パソコン教室

  • 契約期間2か月超

結婚相手紹介サービス

  • 契約期間2か月超

4.クーリング・オフができる期間

  • クーリング・オフできる期間は次のように決められています。起算日は、基本的に契約書面を受け取った日を1日目として計算します。
クーリング・オフができる期間

取引の種類と期間

  • 訪問販売法定書面を受領した日を含めて8日間
  • 契約書面に不備があったり、契約書面自体を受け取っていない場合は、期間を過ぎていてもクーリング・オフできます。
  • 嘘の説明や脅迫によりクーリング・オフを妨害された場合は、販売会社から改めてクーリング・オフについて記載された書面を渡されかつ、クーリング・オフできる旨口答で説明をうけた日を起算日にしてクーリング・オフできます。

5.クーリング・オフができないもの

  • 通信販売で購入したときはクーリング・オフができません。ただし、返品等が可能な場合もあるため、返品特約を確認しましょう。返品特約が表示されていない場合は、商品到着後8日以内であれば返品が可能です。
  • 訪問販売、電話勧誘販売で契約した場合でも、下記のものはクーリング・オフができませんのでご注意ください。
  • 個人用・家庭用ではなく事業用として契約をしたとき
  • 自分の意思で店舗に出向いて契約したとき
  • 買う意思を告げて事業者に来訪を要請したとき
  • 化粧品、健康食品等の消耗品で開封・使用したときの使用分
  • 総額3,000円未満で、商品等をもらっており、かつ代金の全部を支払ったとき
  • 電気通信(光回線、プロバイダー等)、葬儀、自動車等
  • 上記以外にもクーリング・オフできないものがあります。
  • 訪問購入で契約した場合でも、下記のものはクーリング・オフができませんのでご注意ください。
  • 自動車(2輪のものを除く。)、家具、有価証券、家電(携行が容易なものを除く。)本、CDやDVDゲームソフト類 等

6.クーリング・オフの方法

  • 書面または電磁的記録(メールやFAX、事業者のウェブサイト上のクーリング・オフ専用フォーム等。令和4年6月1日より、これら電磁的記録による通知も可能になりました。)により、事業者に通知します。
  • 以下では、書面による通知の記載例を紹介しています。書面の作成は、契約当事者がご自分の意思に基づいて行ってください。署名はご自分で署名されることをお勧めします。
  • ハガキの両面をコピーし、5年間保管しておきましょう。
  • 郵便局で簡易書留または特定記録郵便で出しましょう。
  • 支払方法がクレジット利用の場合は、クレジット会社に対する通知も必要です。
  • 電磁的記録による通知の場合も、記載事項は同様です。ただし、電磁的記録の場合は、通知先となるメールアドレスや専用フォームが指定されていることがありますので、契約書を確認するか、事業者に確認しましょう。また、クーリング・オフを行った証拠として、電子メールであれば送信メールを保存しておく等の対応を行いましょう。
記載例:販売会社宛
記載例:クレジット会社宛
記載例:訪問購入会社宛
  • 次のサンプルをダウンロードして、必要な箇所を書き足し、プリントアウトしてご利用下さい。

7.その他

  • クーリング・オフが使えなくても消費者契約法で契約を取り消せる場合や、各事業者個別の規約で契約を取り消せる場合もあります。あきらめないで、消費生活センターにご相談ください。
  • 特定商取引法以外の法律(宅地建物取引業法、保険業法など)にもクーリング・オフ制度は定められていますが、いずれの制度もいろいろな条件があります。
Adobe Readerのダウンロードページへ(別ウィンドウ)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

相談専用窓口(月曜日~金曜日9時15分から16時00分まで、祝日・年末年始は除く)
滋賀県消費生活センター(彦根市元町4-1)
電話番号:0749-23-0999
ネット相談も受け付けています
相談以外のお問い合わせ
滋賀県消費生活センター(彦根市元町4-1)
電話番号:0749-27-2234
FAX番号:0749-23-9030
メールアドレス:[email protected]
(上記アドレスでは相談は受け付けておりません。相談専用窓口をご利用ください)