文字サイズ

老人ホームの入居権を譲りたい? 劇場型詐欺にご用心

相談概要

自宅に大手企業の社員だと名乗る男性から電話があり、「近々市内に老人ホームができます。あなたには優先的に入居できる権利があります。」と言われた。不審に思い、「不要です。」と断ったところ、「老人ホームに入居できず困っている他の方に権利を譲りたいので、あなたの名義を貸してほしい。」と言うので、「いいですよ。」と答えた。その後、弁護士を名乗る男性から電話があり、「あなたが行ったことは名義貸しという犯罪行為になる。権利はあなたが買ったことになっているので、入居するためのお金300万円を払ってもらわないといけない。」と言われ、怖くなって電話を切った。(70歳代・女性)

解決への糸口

  • 大手企業を名乗り、「老人ホームに優先的に入居できる権利があります」などと言い、ありもしない老人ホームなどに入居する権利を購入させる詐欺の手口です。中には、消費者の親切心や同情心につけこみ、「入居したくても権利を購入できず困っている人がいるから名義を貸してほしい」と言って、後から様々な口実で金銭を要求されることがあります。一度お金を払ってしまうと、次々に請求されることがあるうえ、お金を取り戻すことは極めて困難です。
  • 不審に思ったときは、きっぱり断ることが大切です。理解できないことや不安に思うことは、他の人に相談しましょう。

アドバイス

  • このように、複数の業者が登場して、うまい話を持ちかけて契約させる手口を「劇場型詐欺」と言います。契約を勧める役、その契約を信用させる役、買い取る役など役割分担をしています。商品は老人ホームの入居権のほか、未公開株、社債、CO2排出権、医療機関債、金の採掘権等、多岐にわたります。
  • 今回ご紹介した手口の他にも、下記のような手口が報告されています。どの型も、だまされたとわかった時には業者と連絡が取れなくなるケースが多く、被害回復は非常に困難です。

1. 「公的機関装い型」 
金融庁などの公的機関を装って電話をかけ、消費者を安心させ、未公開株や社債などを買わせるものです。
2. 「代理購入型」 
「代わりに買ってくれたら高値で買い取る」「お金を振り込むので代わりに購入してほしい」などと誘います。
3. 「被害回復型」 
過去の被害を救済してあげると持ちかけて新たな契約をさせます。

「おかしいな」「困ったな」と思ったら、まずは消費生活センターにご相談ください。

「消費生活相談事例集」一覧に戻る

相談専用窓口(月曜日~金曜日9時15分から16時00分まで、祝日・年末年始は除く)
滋賀県消費生活センター(彦根市元町4-1)
電話番号:0749-23-0999
ネット相談も受け付けています
相談以外のお問い合わせ
滋賀県消費生活センター(彦根市元町4-1)
電話番号:0749-27-2234
FAX番号:0749-23-9030
メールアドレス:[email protected]
(上記アドレスでは相談は受け付けておりません。相談専用窓口をご利用ください)