令和2年11 月 13 日(金曜日)午後3時から午後4時30分まで
県庁北新館5階5-B会議室
子どもたちの読書活動の推進について
(福永教育長)
それでは、定刻となりましたので、ただいまから令和2年度第4回滋賀県総合教育会議を開催いたします。なお、本日の会議につきましては、午後4時30分の終了を予定しておりますので、御協力方よろしくお願い申し上げます。
本日の議題でございますが、次第にありますように、子どもたちの読書活動の推進について意見交換を行ってまいります。
本日は、ゲストスピーカーとしまして、長浜市立長浜図書館の下司満里子館長様にお越しいただいております。
下司館長には、長浜市におけます読書活動推進の取組について御紹介いただく予定でございます。よろしくお願いいたします。
また、県立草津東高等学校の司書の池田さんと図書委員の生徒の皆さんに、オンライン会議システムを利用して参加していただいております。池田主査には、草津東高校における読書活動の推進や学校図書館の活用について御説明いただき、生徒の皆さんには、図書委員としての活動について説明をいただいた上で、読書についての率直な意見を伺いたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
それでは、総合教育会議の開会に当たりまして、知事から御挨拶をお願いしたいと思います。
(三日月知事)
どうも皆さんこんにちは。今日も御参加いただきましてありがとうございます。また、常日頃、それぞれの地域で、それぞれの分野で御尽力、御協力いただいていること、感謝申し上げたいと存じます。
今もこちらの会場で、教育委員でいらっしゃる土井さんの、教育功労の表彰をさせていただきました。永年にわたります御貢献に心から感謝を申し上げると同時に、お祝いを申し上げたいと存じます。
私は滋賀県民であることを誇りに思っています。自分のことだけでなく、周りの人のこととか、未来のことを考えて、お互いさま、おかげさまでということで、行動していただく方々が大勢いらっしゃいます。そのおかげで、この新型コロナウイルス感染症対策、いろいろな困難もあるんですけど、みんなで力を合わせて乗り越えていこうという、こういう雰囲気をつくり出せているのではないかと思います。
高校生の皆さんはじめ、子どもたち、先生も、大変不自由な思いをされている。また図書館長はじめ、図書館の職員の皆さん、図書館を利用される皆さんも、戸惑いも多いかと思いますが、どうぞ、みんなで力を合わせて頑張ってまいりましょう。
今日は短く二つのことを申し上げて挨拶にいたします。
一つは、コロナ(ウイルスのこと)もありましたので、こちらの、(「すまいる・あくしょん」の案内ボードを掲示)子どもたちの声を聞いて、子ども版の新しい生活様式を作ろうということで、これは全国で初めてなんですけど、滋賀県として、大学生、高校生、中学生、小学生、小学校入るまでの子どもたちの親御さんにアンケートをとりました。3万1,000件を超えるアンケートが集まりまして、コロナ(ウイルス)でお仕事がなくなったという方々のお力添えもいただきながら、集計集約をしまして、「すまいる・あくしょん」という、そういう子どもたちの声で作った、コロナ(ウイルス)に負けないで頑張ろうという、新しいルールを作ったものです。
これを、一昨日は文部科学省、厚生労働省などに御紹介すると同時に、全国の都道府県に御紹介をさせていただいているところです。子どもたちのことは、子どもたちと一緒に考えるという、こういう滋賀県スタイルでございますので、これからもこういう取組を大事にしていきたいと思います。
もう一つは、昨日も3か国10人の海外メディアの記者さんと10か国の駐日大使館の職員の方々に、ウェブで記者会見をさせていただきました。フォーリン・プレスセンターという、日比谷にある海外メディアの方々のセンターに御協力をいただいて、滋賀県知事として、滋賀県の歴史や魅力、またコロナ禍での悩み、CO₂ゼロもしくは琵琶湖を大切にする、そういう思いについて発信をさせていただきました。
まだ、反応・フィードバックはこれからなんですけれども、大変強い関心を持って海外の皆さんも御参加いただきました。
例えば、朝鮮半島から渡来文化が早く伝わった歴史ですとか、こんなに生産力がたくさんあるにもかかわらず、なぜこのきれいな琵琶湖や山々の自然を保ち得てるのかといったようなことなど、多くの御関心を示していただきました。
これからも、未来に向けて世界とつながりながら感染症を克服し、そして、本当の意味での健康しがをつくっていきたいと思っています。
今日話題として御紹介いただく、御議論いただく読書は、私たちの人生を豊かにする、また、心の健やかさを保つ、そして健康しがをつくるために、とても大切なことだと思います。
いろんな課題が現場、現場にあるとすれば、それをしっかりと力を合わせて取り除いていきたいし、可能性をもっともっと伸ばしていきたいと思っています。
今日はそのための建設的な御議論いただくことを期待いたしまして、一緒に頑張ることをお誓い申し上げて、私からのメッセージとさせていただきます。
皆さん、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
(福永教育長)
ありがとうございます。それでは早速ですが議事に入らせていただきます。
本日の議論の進め方としましては、まず、事務局から県での取組状況について説明をした上で、最初に、草津東高校の池田主査から学校での取組についての説明と、生徒の皆さんの意見をいただきたいと考えております。
その後、長浜図書館の下司館長様から、長浜市における取組について御説明をいただきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
それでは事務局から、子どもたちの読書活動の推進について説明をお願いします。
(生涯学習課長)
生涯学習課の廣部です。県の子どもたちの読書活動の推進の取組について紹介させていただきます。
まず、子どもの読書活動の現状と課題について読書に関する調査結果を御覧いただきたいと思います。
全国の学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で毎年行っている全国の読書調査と、同じ対象を県教育委員会で調査した結果の推移です。実線が滋賀県、破線が全国の値です。
1か月に1冊以上本を読む児童生徒の割合は、滋賀県の小学生では90%代後半、中学生は80%台後半となっており、多くの児童生徒が本に親しんでいることが分かります。高校生については数値は下がりますが、それでも60%近くは読むと回答しています。いずれの校種も全国平均より高くなっていますが、一方、学校段階別にみると、全国と同様に小中高と学校段階が進むにつれて、本を読まなくなる傾向にあることが分かります。
次に、全国学力学習状況調査の結果からです。「学校の授業時間以外での平日1日当たりの読書時間が10分以上の児童生徒の割合」についてです。滋賀県の小学生は、60%台、中学生は40%台を推移していますが、いずれも全国平均を下回っている状況です。
次に小中学校の学校図書館の環境についてです。「学校図書館図書標準」とは、文部科学省が定める学校規模に応じた蔵書の整備目標です。この図書標準を達成している学校数の割合について、滋賀県は、平成26年から28年にかけて改善しているものの、調査時点では全国平均を下回っている状況です。なお、こちらの調査は、平成28年度以降5年ごとの調査となったため、平成28年度の数値が最新となります。
次に「学校司書を配置している学校数の割合」です。こちらも平成26年から平成28年の間に小学校・中学校とも大きく改善していますが、平成28年度時点では、全国を下回っています。調査時点の平成28年度以降も学校司書の配置は進んでいますが、一人の学校司書が複数校を担当している市町が多い状況です。続いて県立高等学校、中学校の学校図書館の状況です。蔵書は128万冊ほどありますが、2010年度以降に購入した書籍が全体の27%です。学校司書は全ての学校に配置されています。これらの結果から、課題を次の3点としました。
1点目は、子どもが楽しんで自主的に行う読書習慣の定着です。県内では、一斉読書活動などが活発に行われていることもあり、本を読む子どもの率が全国平均より高いものの、「学校の授業時間以外での平日の読書時間」については、継続して全国平均を下回っています。子どもが楽しみながら自ら読書をする習慣を身に付けることが課題と考えています。
2点目は、小学校から中学校、高校と学校段階が進むにつれ読書率が低下していることです。これは、全国的傾向と同様ですが、高校生が読書の習慣を手放すことなく、読書活動を継続していくような環境整備が課題と考えています。
また、学齢期の子どもたちにとって最も身近な学校図書館の環境整備について、さらなる改善・機能強化が必要であると考えています。
これらの課題を踏まえながら、「第4次滋賀県子ども読書活動推進計画」に基づき事業を進めています。
計画の全体につきましては、資料1をお手元に配布しております。計画の基本的な考え方としては、基本目標を「すべての子どもがいつでもどこでも楽しく読書ができる環境づくり」とし、3つの基本方針を示しています。第4次計画での重点事項としては、「就学前からの読書習慣の形成」、「読書に対する興味・関心を広げる取組の普及」、「学校図書館の環境のさらなる改善・機能強化」に取り組んでいます。
こちらは、子ども読書活動推進のための方策です。子どもたちの発達段階に応じて、家庭、地域、学校で取組が行われています。県では重点事項を踏まえ、就学前の時期は、読み聞かせの大切さを伝える保護者への啓発、学齢期の子どもたちには学校図書館の整備や同世代で本を薦めあうといった取組を行っています。
それでは、具体的事業について紹介させていただきます。まず、「就学前の読書習慣の形成」に関する事業です。お手元にお配りしておりますこちらの冊子は、赤ちゃんや小さな子どもたちと一緒に保護者に楽しんでいただきたい本のガイドブックです。
乳幼児健診時における読書啓発活動は、県内19市町全てで行われています。こういった機会に活用していただけるよう、全ての子どもたちにこの冊子を用意して、働きかけの支援を行っています。
こちらは、昨年度の大津フォレオ一里山での「おうちで読書」のブース出展の様子です。「おうちで読書」とは、家庭で読書の習慣を身に付け、発達段階に応じた読書活動を通して親子の思いを伝えあい、コミュニケーションを図る取組の合言葉で、読み聞かせの大切さをお伝えする事業です。県では、地域の読書ボランティアの方と協働しながら、大型商業施設などで読み聞かせブース出展を行っています。
図書館などで行われている読み聞かせになかなか行く機会がない保護者の方にも、こういった機会に子どもさんが絵本に夢中になる姿を見ていただいて、読み聞かせの素晴らしさを知っていただこうというアウトリーチの取組です。
こちらは、この10月にあった米原市の伊吹薬草の里文化センターでの屋外での読み聞かせの様子です。今年度はコロナ感染症感染拡大の影響で、上半期は読み聞かせブースの出展が難しい状況でしたが、感染防止対策を行いながら、こういった屋外のイベントなどでは出展を実施しております。
次に「読書に対する興味・関心を広げる取組の普及」についてです。
こちらは、小学校での朝読書の様子です。
県内の多くの小学校では、「朝の10分読書」などの一斉読書が実施されています。
市町の図書館司書やボランティアさんによる読み聞かせも行われているところもあります。
こちらは、小学生向け「おすすめ本ポスター」です。県内小中学校、特別支援学校、公共図書館に配布しています。
続いてこちらは「しがはいすくーるおすすめ本50選」のポスターです。高校生が書いた本の紹介文を、同じく高校生が「この本が読みたい」という目線で選んだ50作品をポスターにして高校に配布しております。
最後に「学校図書館の環境のさらなる改善・機能強化」についてです。写真は大津市の瀬田南小学校で行われた図書館リニューアルの作業中の様子です。こちらの図書館では、学校独自の本の分類をしていたことから、分類しきれない本が複数あったり、同じ本が何冊もあって書庫がいっぱいになっているという課題がありました。そのため図書の分類方法の見直しを行い、複数ある本を除籍しました。写真は分類しなおした本を改めて配架している写真です。リニューアルの成果としては、図書がきちんと整理され、児童にとっても司書にとっても利用しやすい図書館になりました。図書の分類方法が変わったことで、子どもたちと新しい本の出会いも広がりました。小中学校の学校図書館リニューアルについては、県立図書館から、「学校図書館活用支援員」を派遣し、リニューアルについての指導・助言やリニューアル後の図書館活動についての改善提案などを行っています。
最後に「子どもの読書活動に関わる人々への支援事業」を紹介します。
写真は、県立図書館での新刊図書の展示の様子です。県立図書館では年間約4,000冊の児童書を購入していますが、新刊はどうしても利用が多く、学校園関係者や、読み聞かせボランティアといった子ども読書活動に関わる人々が、本を選ぶために新刊をまとめて閲覧することが難しい状況です。そこで、そういった方々に、新刊を実際手に取って見ていただけるよう、貸出用の図書とは別に研修・選定用資料としての図書を整備しています。本日も展示しておりますが、生涯学習課や県立図書館が主催する子どもの読書活動に関わる方々の研修会場でも、こういった展示を実施して、本を見ていただく機会を提供しています。以上で説明を終わります。
(福永教育長)
ありがとうございました。
それでは引き続きまして、草津東高校の学校司書の池田主査と生徒の皆さんから草津東高校での取組についての説明をよろしくお願いします。
(池田学校司書)
皆さんこんにちは。
ここからは草津東高等学校の取組について、私学校司書の池田と、
(図書担当委員長)
図書担当委員長の片岡と、
(本ダフル委員長)
本ダフル委員長の中島が説明します。
よろしくお願いします。
(池田学校司書)
それではスライドをお願いします。
草津東高等学校は、全27クラス、全校生徒1,070人、県立で唯一の体育科がある高校です。体育科は各学年に1クラスで、あとは普通科になります。
これが図書館の入り口です。以前は中が見えない扉でした。琵琶湖森林づくり事業ですてきな扉をつくっていただきました。
こちらは図書館に入ってすぐのコーナーです。図書館前を通りがかった生徒が思わず入ってしまう、そんな図書館を目指しています。
1年生の図書館見学の風景です。今年度は入学直後からの臨時休校によって、図書館オリエンテーションができていません。10月末に一部の生徒のみですが、授業時間で見学してもらうことができました。
1日平均の入館者数が約130人です。複数の学年、クラスの生徒が利用する共有スペースのため、コロナ対策にも力を入れています。
図書委員会の読書週間企画で学級文庫を設置しました。
学級文庫の本は全部で10冊程度。図書担当委員、本ダフル委員、担任等の教職員が選書します。
草津東高等学校では、図書担当委員と本ダフル委員が、読書推進活動を担っています。
図書担当委員は、カウンター当番や館内整備を担当しています。写真は昨年のものです。現在はマスク着用でカウンター前に感染予防の透明フィルムを貼っています。
カウンター当番の感想としては、当番日誌に、思っていたより利用者が多くてびっくりしたとか、また自分も友達と一緒に来ようと思ったという感想がよく書かれています。
本ダフル委員は、広報活動や、本ダフル講演会の運営・進行を担当しています。本ダフル講演会とは、著書のある方を講師に、その著書を読んだ上で講演を聴くという、草津東高等学校独自の行事です。
これはウエルカムボードを作成している様子です。
過去には詩人の谷川俊太郎さん。最近ではノンフィクションライターの小松成美さん。アンドロイド研究者の石黒浩さん。昔話研究者の小澤俊夫さんに来ていただきました。そして、今年12月には、滋賀県在住作家で直木賞にも2度ノミネートされている今村翔吾さんに講演をしていただく予定です。
1年生の総合的な探求の時間で4人1組のビブリオバトルを年に2回実施しています。それぞれが読んでよかった本を5分間のプレゼンで紹介します。
学級文庫、本ダフル講演会、ビブリオバトル、この3つの活動について、生徒の反応や感想はどうなのか、生徒の2人に聞いてみたいと思います。
まず、学級文庫はどうでしたか。
(図書担当委員長)
私のクラスでは、クラスメートが、学級文庫で読みたい本を見つけた、という声が上がっていまして、今度は図書室に借りに行きたいなどといったことをいただきました。
(池田学校司書)
はい、次に本ダフル講演会についてはどうでしょうか。
(本ダフル委員長)
本ダフル講演会では、人生で1度か2度訪れないかもしれないような、本の著者さんと貴重な機会をいただき、その中で本を書いている際の、作者でしか知り得ない裏話などを聞けることに、僕もそうですけど、生徒のみんなが興味を示して聞いています。
(池田学校司書)
はい、ではビブリオバトルについてはどうでしょうか。
(本ダフル委員長)
ビブリオバトルについては、自分の好きな本を人に紹介するということで、紹介する人は自分の好きな本について紹介しているので、皆生き生きした目で楽しそうに本の紹介をしています。
そして、ほかの聞いている人は自分では踏み出せないようなジャンルの本へ踏み出すスタートだと思っており、とてもいい活動だと思っています。
(池田学校司書)
それでは、最後に、高校生の読書実態についてのアンケート結果を御紹介したいと思います。高校生の読書意欲を知るために、毎年4月に新入生アンケートを実施しています。これによると、読書が苦手で読書したくないと答えたのは、回答者355名中の47名のみ、約13%でした。先ほどの生徒たちが卒業するときにもアンケートを実施しています。
大学入試による欠席者もいますので、このときの提出者は、全335名、高校時代によく読むようになったと答えているのは僅か46人、約14%。それに対して、中学高校時代、ほとんど読んでいない、答えたのが127名、約38%。余り読まなくなったと答えたのが113名、約34%でした。
草津東高等学校の生徒は、その大半が入学時には読書したいと思っています。けれどできない。その実態や効果的な読書活動推進への手がかりなど、皆様の気になる事項について、後ほど、高校生の2人に質問していただけたらと思います。
以上、草津東高等学校からの発表でした。御清聴ありがとうございました。
(福永教育長)
ありがとうございました。
それでは、ここで、ただいまお話をいただいた生徒の皆さんと意見交換の時間をとりたいと思いますので、御質問や御意見のある方はよろしくお願いいたします。
(三日月知事)
じゃあ早速聞いてほしいと言われたことを聞きましょうか。
高校生、入学時には読みたいと思ってるのに、3年間で余り読まなかった、読まなくなった。それじゃあ残念だなということで高校生への効果的なアピール方法、何をすればいいですか。
(本ダフル委員長)
むず。恐れていたこと起こった。
(図書担当委員長)
最近の学生は、昔の作品など、そこまで小難しいのは読まないと思います。
(三日月知事)
そうですか、難しいのは読まないんですか。どうしたらいい。
(図書担当委員長)
ライトノベルとか、そういう何ていうかファンタジーとか。そういう感じの方が手にとりやすいですし、最初の一歩にはなりやすいかなと思います。
(本ダフル委員長)
また、クラスの方とかで、結構電子書籍の方で漫画を読むのが多くて、その点から、ただ活字なんじゃなく、小説も少しずつ絵を取り入れた小説を作っていった方が、高校生とか絵があったほうが読みやすいかなと思っております。
(三日月知事)
平家物語とかドストエフスキーとかは読みませんか。
(本ダフル委員長)
読まないですね。
(図書担当委員長)
そういうのは現代文とか古典の授業ぐらいですか。
(三日月知事)
そうですか。
今日はこちらにたくさん先生方もいるから、ほかの先生方からも聞いてもらいましょう。
(岡崎委員)
いいですか、私から。ありがとうございます。
高校生のお二人に聞きたいんですけど、お二人は、先ほどのアンケートでいうと、「あまり読まなくなった」の113人の中に入る2人ですか。それとも、「よく読むようになった」に入るような2人ですか。
(本ダフル委員長)
僕は結構中学の頃からあまり変わらず、もう一定のペースで読んでいく感じなんで、増えも減ったりもしていません。
(図書担当委員長)
私の場合は、ちょっと減りはしましたけど、元が結構多かったので、今でもほかの生徒に比べたら多い感じです。
(岡崎委員)
知ってたらでいいんですけど、お友達の生徒さんたちで、余り読まなくなった人たちの雰囲気っていうのは、なぜだと思いますか。読まなくなった原因というのは何か推測できますか。
(本ダフル委員長)
僕の身の回りにはなるんですけど、結構中学から高校に上がるときに、スマートフォンを持つ生徒が多くなって、そのスマートフォンによるインターネットゲームなどが原因で、ゲームをするために読書時間を削ってるみたいなことが多く見受けられると思います。
(図書担当委員長)
後は中学より授業が難しくなって、予習復習に追われたり、提出物とかも大変になってきたのが原因かもしれません。
(岡崎委員)
なるほどね。
司書の先生にお伺いしたいんですけど、アンケートの数字の中には、今の生徒さんたちが読んでいるスマホの漫画とか電子書籍はカウントされていないですよね。
(池田学校司書)
細かい条件を付けてないので、もしかしたらスマホで読んでるのも、小説読んでるよって答えてる生徒もいるかもしれないです。
(岡崎委員)
なるほど。活字に触れ合うことはすごく大事だというのは私も今の歳になってつくづく思うんですけど、どんな媒体であろうが、どんな、書籍であろうが、きっと文章を読むということは、人生の肥やしになると思うので、ぜひカウントしてあげて、よく読んでるんだよってアピールしてもいいのかなというふうに思いました。ありがとうございます。
(福永教育長)
ありがとうございます。
(下司館長)
こんにちは。長浜図書館の館長の下司です。
公共図書館は皆さんお近くにあるかと思うんですが、どのぐらい使っておられるか教えていただいていいですか。
(本ダフル委員長)
僕の近くにも図書館はあるんですけど、結構部活動とかをやってると帰りが遅くなったりするのと、また、祝日とかも結構部活動に追われてその上で勉強時間とかを取ろうと思うと、移動だけで結構な時間がかかっちゃうんで、自宅学習とか、自宅で、ちょっと本読むぐらいがいいのかなと思ってあんまり通ってはいません。
(下司館長)
そうですか。
(図書担当委員長)
私の場合は、部活に休みが多いほうなので、月に三、四回は行ってますかね。
(下司館長)
そうですか。
そうなると本当に忙しい高校生が本の世界に触れようと思うと、学校の図書館というのは本当に大事な場所っていうことになりますね。
うちの図書館でもたくさんいろんな中高生向けのエリアを作ったりとか、特集を組んだりとか、司書のお薦めの本のポップを作ったりとかいろいろしてるんですけれども、やっぱり同世代の人のお薦めの本の方が、いいなって思ったりするのかな。どうですか。
さっきビブリオバトルはすごく盛り上がってるようでしたけど。
(本ダフル委員長)
ビブリオバトルは、やっぱりその自分の好きなものを、発表するので、何か自分が読みたくない本じゃなくて、自分が好きなことに対してなので、結構生徒の皆さんも積極的に取り組んでるっていう感じが見受けられます。
(岡崎委員)
みんなビブリオバトルでしゃべった後は、満足した感じですか。生徒さんの顔は。
(本ダフル委員長)
ビブリオバトルの後には質問の時間が設けられていて、質問の時間で、結構、質問の量があるので、本に対しての深掘り、自分の気になっていたことに対する答えを、本を一番よく読んだ人からもらえるので、余計にその本を読みたいという意欲がそそられるので、そういう点でいいと思います。
(本ダフル委員長)
ほかには、紹介した本を読みたいと言ってくれるクラスメイトもいましたし、著者さんはほかにどんな本を書いているのかっていうのも聞かれたりしたことがあります。
(岡崎委員)
実りある会ですね。
(下司館長)
そうですね。
自分が読んでいなくても、周りの人が読んでいることで、まるで読んだ気持ちにもなれて、本の世界に少し入れるような気持ちになって、すごく共感呼ぶかもしれませんね。
(岡崎委員)
もう1ついいですか。
さっき、図書館に月2、3回行くと言った理由なんですけど、本が好きだからということもあるでしょうけど、図書館に足を運ぶより、本屋さんでもいいのではないかなと思ったんですけど、図書館に行こうという理由は何かありますか。
(図書担当委員長)
読みたい本がちょっと多かったので、自分で買うとなるとやっぱりお金がないので図書館に行きます。
(岡崎委員)
有効活用ですね。ありがとうございます。
(福永教育長)
はい、ありがとうございます。
(三日月知事)
思わず入りたくなる図書館っていいですね。
(本ダフル委員長)
はい。
(三日月知事)
1回見に行ってみたいですね。
(本ダフル委員長)
ぜひ来てください。
(岡崎委員)
もうちょっと続けていいですか。
生徒さんたちにお聞きしたいんですけど、講演会で先ほど著名な方も見えてますけど、もっとこんな方に聞きたいとか、どうやって人を探したらいいかとか、何か悩まれてることとか、逆に言うと要望とか何かありますか。
(本ダフル委員長)
今のところですけど、自分たちが触れてこなかった著者の講演会で、一部の生徒は、何でなんだろう、何でこの人で、この人は誰で、どういうことなんだろうみたいな感じが多いので、一旦その講演会の前に、それ以前でもいいので、よく読む著者のアンケートをとってみて、1番回答が多い著者でやると、同年代の人が選んでいるので、興味とかも結構出てくるのかなあと思います。
(岡崎委員)
今まで選ばれた講師は先生の推薦とかですか。
(池田学校司書)
予算というものがベースにあって、今生徒に1番人気の作家というと東野圭吾さんとか、湊かなえさんとか、もう100万クラスの方になるので、端的に言ってお金がありませんので。来てくれそうな方で、テレビとかにも出ておられる方でということで、何人かにお手紙やメールを出して、快く引受けてくださった方に来ていただいてるような次第です。
(岡崎委員)
そうですね、高いですよね。有名な方は。
(藤田委員)
今日はありがとうございました。
いろんな例がありますけど、紙の媒体の本というのは図書館という場所に行かないと読めませんが、電子媒体はどこでも読めるわけですけど、電子媒体と本の比率は高校生ではどれぐらいになっていますか。
(図書担当委員長)
もう、個人差がやっぱりありますけど、私の場合は、主に本の方で。電子媒体はそこまで(読まない)です。
(本ダフル委員長)
僕も電子媒体ではあんまり本を読まないんですけどクラスの周りを見てると、紙の本よりも電子媒体の方が多いのかなっていうのは結構感じております。
(藤田委員)
本を実際に読もうと思うと、その場所で、図書館にある本を見ると。でも、電子媒体というのは、どこでも、いつでも読めるわけで、そういう動向、比率というのは、そんなに大きく変化しているわけでもないということですよね。
(図書担当委員長)
電子媒体だとやっぱり通学時間とかちょっとした隙間時間にも読みやすいので。
(藤田委員)
そうですね。
やっぱり効果的なアピール方法ということが、最後の課題なんですけど、実際の本と、電子媒体の組み合わせのようなことが行われていますけども。そういうことを掛け合わせていくようなアピール方法などが今後は問われていくかも分からないなという気がします。
(三日月知事)
僕たちが作っている「しがはいすくーるおすすめ本50選」って見たことありますか。
(図書担当委員長、本ダフル委員長)
ないですね。
(三日月知事)
それは残念ですね。お届けしますので、見てくれますか。
(図書担当委員長、本ダフル委員長)
はい。
(三日月知事)
その中から選んで、また本読んでみて。
(図書担当委員長、本ダフル委員長)
分かりました。
(三日月知事)
今、作っている人が頭抱えていますよ。
(福永教育長)
それではお届けしますので、どこかのスペースに貼っていただいて、その中からいい本を読んでください。
それではこの辺でよろしいでしょうか。時間も参りましたので、草津東高校の皆さんどうもありがとうございます。
(図書担当委員長、本ダフル委員長)
ありがとうございました。
(三日月知事)
部活頑張ってくださいね。
(福永教育長)
それでは続きまして、長浜図書館の下司館長から長浜市の取組について御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
(下司館長)
それでは改めまして、長浜図書館館長の下司満里子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
このたびは貴重な御時間をいただきまして、ありがとうございます。
当市の子ども読書活動につきまして御説明させていただくのですが、その前に、まず、昨年の12月に、当長浜図書館が旧長浜市役所跡地に複合施設のさざなみタウンに移転、新築いたしましたので、その御案内のパンフレットをお配りしております。
こちらの資料は竣工時のものなので殺風景ですけれども、またお近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りいただきたいと思います。
本日、私がこの会議に出席しますということを市長に申し上げましたところ、長浜市長がぜひとも、この場をお借りしてお伝えするようにと申しておりまして、市を挙げて、これまでにない複合施設として、新しい取組に今チャレンジしております。
さて、当市の子ども読書活動ですが、国や県の子ども読書活動推進計画を受け、市で策定している子ども読書活動推進計画に沿って行っております。
長浜市では、「いのち輝く未来に向かって~つなごう子どもと本・のばそうけやきっ子~」というキャッチフレーズを掲げ、この活動を行っております。
けやきっ子と申しますのは、読書を通じて、市の木であります、けやきのように、どっしりと根を張って真っすぐに知恵や創造の枝を伸ばして、しっかりと生きる力を身につけ、豊かに生きていってほしいという願いを込めましてつけさせていただいております。
新しくなりました長浜図書館の壁にも市産材のけやきのモチーフがありまして、木がある児童書のエリアは「けやきっ子の本棚」と名づけるなど、様々な読書の啓発にも活用しております。
こちらは平成31年3月に策定いたしました当市の子ども読書活動推進計画(第3次)です。図書館だけでなく、読書に関わる組織が横断的に具体的な取組を行っております。第3次までの成果と課題を整理する中で見えてまいりましたのは大きく三つです。
一つは、乳幼児がいる御家庭での読書の取組に、保護者によって差があるということです。
二つ目に、やはりどこでもそうだと思うのですが、中学生への読書活動をさらに促す必要があるという点です。
さらにもう一つは、子どもたちの側にいる大人の力をなくしては、読書活動の推進は難しく、子どもの最もそばにいる大人に読書の持つ、大きな力を再認識してもらえるような啓発が必要だということです。
そのような課題があるのですけれども、やはり子どもへの読書活動の推進は、その成長に即して途切れなく、必要なサービスを届けることにありまして、とりわけ図書館で行っている各事業は、赤ちゃんから10代後半の子どもたちまでの幅広い世代を対象に行っております。
その土台となりますのが、乳幼児サービスの一つでありますブックスタートです。
生後4か月健診時に健診会場に出向きまして、絵本2冊と読み聞かせ体験をプレゼントしまして、1組ずつの親子にお声かけをさせていただいております。
赤ちゃんの体の成長のために、おっぱいやミルクが必要なように、言葉と心の成長のために、絵本を通じて言葉をかけてあげてほしいとお伝えしております。
このことがやがて、「僕って、私って愛されている」というお子さんの安心感や、成長過程での自己肯定感につながるということと同時に、大人も赤ちゃんの成長を感じることができて、楽しい子育ての時間につながりますよとお伝えしております。
なぜここを大事にしているかと申しますと、安心できる環境での子育てというのがあってこそ、日常の生活での読書や子どもに本を読んであげるという環境は生まれるのではないかと考えているからです。
本来読書は個人的な活動でもあり、人によっては、生活に余裕がないとできないものでもあります。
子育てに不安を持ったり、子どもを愛せないといった御家庭もあるかと思います。こんな時代だからこそ、子どもの読書の土台となるこの活動は、その後の小中学生への具体的な読書支援につなげるためにも大事にしたいと思っております。
また、小中学校へ各クラス1箱40冊の本をところてん方式で巡回させている学級巡回文庫「おはなしのたからばこ」も、このコロナ禍におきましては、各学校と図書館とで直接やりとりする方法に変更しまして、本を一定期間図書館にとどめることで、感染予防をした上で配本をしております。
また、長浜図書館には、ヤングアダルト世代のお子さん、先ほどの高校生さんたちなどのためのエリアというのを新しく、5,000冊ほどの新刊をそろえまして配置いたしました。
近隣の大学との連携で、本の帯POPコンクールなども企画し、一番読書から離れる世代へのサービスは、図書館に来る子どもたちだけでなく、今後も学校との連携で進めていく必要があると感じております。
このように、成長に即して途切れなくサービスを続けていくことが重要だと考えております。
こちらの写真は様々な事業の様子です。時間の都合でかいつまんで説明させていただきますと、1番、一番左の端ですが、ブックスタートの様子です。
これは私どもと一緒に活動してくださるボランティアさんが、本を読んでくださっている様子です。こういったボランティアさんの存在というのは、私どもの図書館の活動ではなくてはならない存在であります。
4番は、いただいたお手紙です。こちらはこの3月、学校が臨時休校になったのに合わせまして、当館では「おうちライフ応援パック」として、あらかじめ、司書が何冊か本を選びまして、例えば急にお子さんを預かることになってしまった祖父母の方が何を読んであげたらいいかわからないっていうお困りの声などを聞きまして、手に取ってもらいやすく、お子さんにとっても、出会ったことのない本でやるきっかけになるのでは、こう思って始めたものです。
本と一緒に折り紙をそっと入れておきましたら、ブックポストの返却本の中に、心のこもった手紙とともにお子さんが折られた折り紙をいただきました。
返却をされた当時というのは図書館を臨時休館しておりまして、職員も本当に不安な中だったんですが、直接会えなくてもお子さんとつながっているということを感じて、とても感激しました。
5番はお話給食の展示です。最近は学校給食センターと共同で企画展示をしたり、例えば今月は市の家庭児童相談室と連携して、児童虐待防止啓発関連の図書を集めるなど、教育委員会のみならず行政機関との連携展示を積極的に行っております。
様々な取組について御紹介いたしましたけれども、今後の課題として、このコロナ禍における図書館のサービスはどうあるべきか今も模索を続けております。
休館せざるを得なかった時期に、子どもへのサービスを止めないでほしいというメールやお電話をいただきまして、子どもたちの側に本がある環境をしっかり継続して整える必要性を改めて感じました。
学校への支援も方法を変えて継続しておりますが、今後どのような方法がよいか、さらに検討する必要があると思っております。
そしてこの非接触の環境というのを突き詰めましたときに、単に本が届けられるだけで、子どもへの読書推進と言えるのかどうか、これは大変大きな問題だと思っております。
近年、子どもを取り巻く環境の多様化や複雑化というのは図書館のカウンター越しでも感じるところです。
学校に行かずに、図書館に来るお子さんというのもおられ、御家庭の課題というのを垣間見るということがあって、直接支援が必要なケースとなって、職員の力が求められると感じることもありました。
図書館は今後、子どもにとって学校でも家庭でもない、もう一つの居場所として、その役割も多様化するということも予想しております。
それでも、図書館の果たす役割というのは、1冊の本との出会いが、子どもの生きる力になる、そういうことを可能性を信じて、一人ひとりに、本そして読書を通じた支援をしていくことです。
今後も引き続き、人と本、人と人をつなぐ温かいぬくもりが感じられる場所でありたいというふうに思っております。
御清聴ありがとうございました。
(福永教育長)
はい、ありがとうございました。
それではこれより意見交換に移りたいと思います。ただいまの長浜図書館の取組の説明、また、県の取組の説明等踏まえまして、各委員の皆様方から御質問なり御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
(藤田委員)
どうもありがとうございます。
けやきっ子、大変すばらしいと思います。
けやきというのは硬くてですね、大きくて、長持ちするという、それに見合った骨太のいい子が長浜から育っていくことを願っているわけですけれども。
それでね、大人の啓発というのが非常に重要ということですよね。それとあわせて、幼児から高校生までの、いわば読書のユニバーサルデザインのような連携をしていただいていてありがたいと思います。私も長浜市民なんですが、隣の商工会議所にはよく行きますが、ここはあまり行けていないので、勉強になりました。
この連携の中で、大人の啓発というのは、年齢に応じても違うと思うんですけども、どの辺がポイントになるんでしょうね。
(下司館長)
そうですね。やはりそれぞれに活動が途切れなく子どもに対してはできるんですけれども、その周りにいる大人というのは生活環境の中の御家庭での大人であったり、読書に関心の高いボランティアさんで、そういった方々を指すのかなと思うんです。あとは学校の先生ですね。そういった方々と、やはり、横軸になってといいますか、折に触れて、こういった活動を子どもたちに対してしていますよっていうことをお伝えしながら、そこに関心を持っていただいたり、自然に御家庭の中に、本を読むという習慣があるということが大切ですよということで、「けやきっ子読書の日」というふうに、第3日曜日を設けておりまして、御家庭で本を読んでね、ということを広報等も通じて御案内させていただいております。
(藤田委員)
大変すばらしい取組で、やっぱり大人と子どもをどう繋いでいくかという、大人の啓発というのは大事ですよね。
具体的にこれ、例えば広報とか、色々なものがあるんですけども、そういう点で啓発活動っていうのはあるだろうか。
(下司館長)
そうですね、本当に細く長くではあるので、広報などで折に触れてそういったことをさせていただいたり、大人のために読書のきっかけになればということで、講座として、「図書館の達人講座」などをさせていただいたんですが、そういったことで、読書の大切さに触れていただくような機会はつくっています。
読書ボランティアの養成講座「読み聞かせのボランティア養成講座」なども行っています。
(藤田委員)
三つ子の魂百までじゃないですけど、やっぱ母親から枕元でいろいろ童話を読んでもらうということは、私この年になっても覚えていますから、だからそれが小学校、中学校と学年が上がっていくことによってね、一つは恐らく、興味があって自発的に読むという読書と、強制的に読まざるを得ない読書と、もう一つがやっぱり工夫して、親と先生と子どもたちがインタラクティブに、子どもが読んだ後に、感想を聞かせてとかね。そういうふうに読み方とかいろいろ工夫していくことによって、興味を上げているということもあると思うんですよ。
幼児と高校生ではだいぶ違うと思いますが、学生は宿題みたいな、読まざるを得ない強制的な読書もありますが、やっぱ自発的に興味持って読書をする人が増えてくるかどうか。あるいは学校の中とか、親の工夫、読んでみてちょっと感想を聞かせるとか、そういうことの組合せが大事だなという気がしますけどね。
そういう意味で大人をうまく巻き込めればいいかな、先生を巻き込めばいいかなという気がします。大変ありがとうございます。
(土井委員)
今日はありがとうございます。
私の記憶が確かなら、この施設の多目的ホールで総合教育会議をやらせていただいたと思います。
とてもいい施設だと、その時に思いました。今はコロナがあるので仕方がないのですけれども、もし通常の状況だと考えるときに、基本的にはこの図書館でも、本を読まれるようなスペースでは静かにしてください、という感じなんですか。
それとも皆さん話しながら読んでおられるという雰囲気なんですか。
(下司館長)
こちらが複合施設になったときにいろんな整理をしたんですけれども、やはり先ほど申し上げましたように読書というのはやはり個人的な活動でもあって、一人ひとりがどのように読みたいかというのもやはり違うと思うんですね。何か一緒にお話をされたい方もおられるでしょうし、あまり施設内に禁止の張り紙とかはないようにしまして、お話をされているときに静かにっていうようなこともあまり申し上げておりません。
エリアによって、静かに調査研究される方とか、しっかり読まれる方のエリアもあれば、少しにぎやかになっても構わないゾーンもあって、吹き抜けなってますので下のエリアのフリースペースのあたりで読書されている方もおられるし、学習されている方もおられるし、お話しされている方もおられるし、飲食されている方おられます。ただそこに読書のスペース(読み物の本棚→小説などがある書架)もすぐ近くにありますけれども、そこ静かにしろ、なんていうことは、おっしゃられたことがないので、役割分担というかエリアの中でボーダーレスにつながりながら、それぞれの好きなエリアに座って読書をされているような印象です。
(土井委員)
私が、高校生や学生時代のときは、図書館は静かにしていなければならないところというのが、あったのですけれども、今、大学なんかでも、探究的な学習をするときに、本が要るわけですよね。本があって、グループで調べものをしながら喋って、何かをまとめたりするスペースがやはり必要じゃないか、みんなが黙って勉強するとか、絵本を読むスペースも必要だけれども、本を囲んで、みんなで何かをするというスペースも、大事になっています。結構そういうところで学生が集まったりするんですね。
(下司館長)
そうですね。今ちょうどコワーキングのような形で、エリアの中に少し区切って、本来でしたら机や椅子があって、そこでちょっと談笑しながら本のことについてお話をし合うようなエリアもありますし、まちづくりセンターと一緒になっていますので、お部屋を借りていただいたら本を持ち込んで、そこでお話をすることもできるようになっていますし、自由な使い方がいろいろできる想定だったのですが、まだ今は(コロナウイルスの影響で)そこまでは進められていないです。
ただ、学習のために高校生さんも実はたくさんいらっしゃっているのですが、学習のエリアというのは別に、学習室として文化福祉プラザ室で管理して持っています。
図書館では、自主学習というよりも本を読む人にこの席を譲ってあげてねっていうような、優しい呼びかけで御協力をいただいているというふうに、役割分担をしながら、施設を整えているというところです。
(土井委員)
図書館に行くんだ、読書するんだ、というふうに身構えて行くっていうのも、1つの在り方だと思うのですけれども、図書館を取り囲むより広い空間があって、近くにコーヒーを飲むような場所があってもいいし、勉強できる場所もあってもいいし、話し合えるような場所もあって、その一角に本があってという、そういう空間づくりをすると、やはり皆が立ち寄りやすくなるのだろうと思います。長浜図書館で、そういった試みをされておられるのはとてもいいことで、今後、図書館をどうするかを考えていく上でも、大事な示唆なのではないかと思います。
(下司館長)
2階の1番奥が児童のけやきっ子の本棚になりまして、実はそこに配置したのにもすごくいろいろ悩んだんですけれども。お子さんはどうしてもにぎやかになったり、走り回ったりされる方もおられるんですが、図書館だし静かにしなあかんよ、みたいなことをあまり厳しく言いすぎると、敷居が高い場所で、お子さん子育て中のお母さんなどは、行きにくい場所になってしまうかなというのがあって、あえて奥の1番端っこになるんですが、そこまで入ってきてくださったら、安心して使っていただけて、声などは気にせずに、親子で一緒ににぎやかに本を選んでもらってもいいかなということで、奥の方にさせてもらったんです。
入り口の方だとどうしても階段があったり、外に出ますとすぐ道ですし駐車場だったり、ちょっと安心感がないなということもあって、あえて2階の奥にさせていただきました。その辺りのレイアウトをする際にかなりいろんなところを視察もしまして、子どものためにどうしたら、図書館がうまくいくかなというのを中心に考えさせていただきました。
(三日月知事)
長浜市は、琵琶湖とほぼ同じくらいの面積で広い。
(下司館長)
はい。そうです。
(三日月知事)
1市6町が、合併をしたのでしたね。
この図書館は市内中心部にありますけど、旧町の図書館というのも市内にはあるんですか。
(下司館長)
はい。
(三日月知事)
そういったところとの、連携なども何かあるんですか。
(下司館長)
一つの組織として、館長は私1人です。ほかの館は全部地域館とし、長浜図書館は中央図書館機能を持たせた形にしました。
高月図書館は北の拠点という形で、あとは地域の図書館として、それぞれの地域に合併前からある図書館を使っていただけるようになっていますが、組織としては一体型です。
(三日月知事)
長浜市には民間の図書館、江北図書館もありますよね。そういったところとも。
(下司館長)
ここは協力の貸出しとか、行事の御案内をしあうようなことで連携はさせいただいています。
(三日月知事)
いただいた資料を出せますか。5ページのところの、この子どもがいい顔してますよね。お母さんの、何とも言えない表情も印象的。その上の写真は、お父さんお母さんが地べたに座りながら、子どもたちの読み聞かせのシーンでしょう。
(下司館長)
コロナでずっとおはなし会ができなくて、久しぶりにおはなし会をしたときに、ロープで区画をつくりまして、そこに親子さん同士で入っていただいて、おはなし会をしました。
(三日月知事)
このブックスタートの取組って、大事だし、なんかすごくいいことをしていただいてるなというのが、うん。
(下司館長)
元気がもらえます。私たちも。今は限られた職員でないとお子さんと接触しないことに、市でしていますので、保健師だけで。私どもはちょっと行かせていただけてないので、お手紙つきで、保健師から直接本は手渡していただいて、読み聞かせの体験を今、していただけていないんです。
ですがそれでも絵本だけをプレゼントさせてもらって、あとは図書館に行くと、いろんな相談をしてもらえますよっていうふうに保健師から伝えてもらっています。
(藤田委員)
時代とともに変わっていく図書館の地域での役割があります。例えば今の幼児に対してというのは、昔々に図書館に幼児が来るというのはあまり考えられなかったんですね。
だからそういう意味では図書館が地域に果たしている役割というものが、随分変わってきていると思うのですけども、そういう中で、さらに、今後、図書館が地域に大いに役割を果たしていくための何か、もっといい御意見とかありますか。
(下司館長)
本当にゆりかごから墓場までなんですよね。ちょうど地域福祉センターがありますので、本当に福祉と表裏一体だなっていうふうにいつも感じていまして。
本当に赤ちゃんをお持ちの方が、それからお年寄りの方まで全ての方々が、最後まで、生涯にわたって学ぶという場所をずっと提供し続けることなのかな、そういう考えを持つということですね。
(藤田委員)
昔だったらですね、本が買えないから図書館にいかないと仕方がありませんと。図書館へ行って少し写して帰ってくるとかね。
あるいは最近は高齢者の方は暇の時間を図書館に行って、夏は涼しいし、冬はあったかいということで、福祉施設の延長のような使い方になっているように見えないこともないと思いますね。そして今の幼児への読み聞かせ。だから図書館の持つ機能そのものが時代の変化の中で、変わっていっているかなという印象を受けますね。その中で、図書館としての在り様というものが非常に変化していて、随分と取組はありがたいなと思っています。
幼児が図書館に来るということは私が中高の時には考えられません。ほとんどが宿題をやりに仕方ないから行って、帰ってくるぐらいのものだったんですけどね。やはり時代とともに図書館の役割が大いに変わってきているという感じがしますね。
(三日月知事)
長浜は移動巡回図書館はあるのですか。
(下司館長)
移動図書館はございません。
(三日月知事)
昔からないのですか。
(下司館長)
旧の高月町ではございましたけれども、現在はありません。山間部まではなかなか、全ての方々には(サービスが)行き届いていないというのが現状かもしれません。
(三日月知事)
今県内でそれをやっているのはどこでしたか。
(県立図書館長)
大津、彦根、湖南等、一部に限られています。
(野村委員)
ありがとうございました。就学前の幼児期に本を読み聞かせするということを、核家族でいらっしゃる御家庭と、おじいちゃんおばあちゃんがいらっしゃる家庭では、保護者さんの心のゆとりであったり、時間的なゆとりであったりが違ってくると思います。読み聞かせは親だけでなく、おばあちゃんなんかにしてもらうと良い効果が出るように思います。そのような中で読み聞かせ会をしたり、少しでも保護者さんに読み聞かせをすることが大切だということをお伝えしていただける取組はすごくいいなと感じさせていただきました。
そして少し気になったのですけどね、学校に行かずに図書館にいると子どもさんのお話があったのですが、例えば、行きづらい子どもさんのことを学校の方に連携取るとか、その辺りはどうなんですか。
(下司館長)
お話できる範囲で申し上げますと、毎日のように来ているお子さんがあったものですから、気にはなっていまして。1日中いるものですから、御飯を食べていないのかなということが心配になりまして、(お子さんのほうから、朝から何も食べていないとの訴えがありましたので、)それで同じ建物内にあります、地域福祉センターの社会福祉協議会職員に相談をしたところ、家庭児童相談室にお伝えしたほうがいいということになりました。
相談をしましたら、見守りをしておられる御家庭だったということがわかりました。ただお子さんの希望として、自分が図書館にいることは、学校の先生には、伝えてほしくないんだということを言っておりまして、周りの大人というのがある程度把握をしているということがあったので、その場合については、図書館に来たときは自然に見守るということにしております。ただ何か体の様子であるとか、そういったことに何か配慮が必要な場合だけ、家庭児童相談室の方に言おうということにしました。学校の方には図書館から直接はお話はしていないんですが、学校は家庭児童相談室と連携されていますので、直接私どもから何か言うということはしていないです。
そういう気になるお子さんが時折いらっしゃるということはございます。
(三日月知事)
社会のどこかに居場所があって、それが図書館であるということも、いいですよね。
(下司館長)
学校に行かないでこんなところに来ていたら駄目じゃないか、という目線は違うというふうに思っています。それは私たちも地域の大人の1人であって、あの子どうしたのということも、違うと思っているので、本当に純粋に図書館を御利用になっている1人として、認めているという形です。
(藤田委員)
そういう人は多いんですか。
(下司館長)
お子さんについてはそこまではないと思いますが、でも先ほどおっしゃった独居の高齢者の方が本当にたくさんいらっしゃってますので、逆に毎日いらっしゃらないとこちらが心配になる。
(野村委員)
図書館というところは本当に本を読むだけの場所じゃなくて、いろんな意味で勉強したりとか、居場所を求めてとか、そういったところに繋がっているんだなと認識させていただきました。そして、学校、図書館、行政機関などとの連携が必要であることも理解させていただきました。
(下司館長)
職員に親しく自分のことを聞いてほしいとか、次紹介してほしい本のお薦めをしてほしいとか、それから他愛もない会話を楽しんでおられる方というのもたくさんおられまして、カウンター越しのやりとりというのは、職員にとっても大きいです。
(岡崎委員)
お話しありがとうございました。
今すごく、子どもの居場所とか、いろんな年齢でのそれぞれの居場所への活用の仕方に変わってきた図書館というものが、すごくいいなと聞いていて、安心ができる内容でよかったなと思いました。
ちょっと話が変わりますけど、草津東高校でもやっぱり図書館ってそういう生徒さんの利用っていうのも、ありますか。
やっぱり図書館の存在というか、価値がそういうふうに変わってきてるような現状ってあるのでしょうか。
(池田学校司書)
そうですね。教室にいづらい生徒さんもやはりいらっしゃるので、そういう生徒さんが昼休みに来られている様子っていうのも結構ありまして。
図書館というのは1人で行ってもおかしくない場所というか、1人で好きな本を読んで、好きな本を読みながらいろいろ考えることがすごく自然な場所ですので、教室にいると誰かと話しを合わせないと、とか、今の生徒たちは相手に合わせることに疲れてしまっている生徒さんも、すごく多いですし、そういう中で、図書館に来ることで、心を保ってくれてる、そういう様子も担任の先生からはちらほらとお聞きすることもありますので、そのとき私が積極的に声かけることはないんですけども、今日も片隅に来てるなとか、でもちょっと様子がおかしいなと思うと、担任の先生のところに、ちょっと気になったんですけど、という話をしに行ったりとか、そういうことは割と多いです。
(岡崎委員)
ありがとうございます。
共通して言えるのがやっぱり本というものをうまく活用して、そういった子どもや、地域の人の居場所という意味で、先ほど藤田委員が言われたように、図書館という位置付けが変わってきているんだなあというのを、お話をお伺いして感じています。
私も本読みが好きではないんですけども、やっぱり読書というのは、想像力も育てるというか、強くすることができるのかなあというふうに思っています。
先ほどの生徒さんたちの難しい本は(読まない)っていうのは、私も同じで、技術文書なんかも全然頭に入ってこないですけど、でもやはりストーリー性のある、内容というのは、すらすらと読めて、その情景が頭の中に湧いてくるので、想像力がかき立てられる。そういったものになると思います。
それはやはり、電子メディアの媒体であっても何でもそうなんですけど、先ほどの良いお言葉で、「言葉と心の成長のための読書」というのと一緒で、やはり想像力も、これからの時代、もっと必要になると思いますので、そういったものをかき立てる、図書館がそういった環境づくりができたり、仕組みがつくれて、かつ先ほど言われた子ども食堂的なことも、もしかしたら兼ね備えた図書館が生まれるのかなというふうに思ったりもしました。
本当にいい話ありがとうございました。
(福永教育長)
ありがとうございました。
(中條副知事)
今日はどうもありがとうございました。
大変参考になりましてありがとうございます。
今、岡崎先生もおっしゃっていたように、読書って想像力も発達させることができるというのは確かにその通りだと思うし、図書館が様々な地域の方の居場所になっていく、今そういう役割もあるんだなと思いました。
一つ教えていただきたいことがありまして、最後スライドの6のところで、特別な配慮が必要な子どもへの読書サービスというのを書いていただいていると思うんですけども、あらゆるお子さんの読書を推進していくということも重要かなと思っておりまして、障害のあるお子さんへの読書の推進といった点について、取り組まれていることがあったら教えてください。
(下司館長)
特別支援学級に、今はコロナ禍で行けていませんけれども、学校の依頼がありますと、おはなし会に直接職員が行かせていただいています。
それと養護学校さんの方から見学に、新しい図書館ができてすぐなんですが、来ていただきまして、身体に障害のある方、それから知的障害のある方に一緒に来ていただきました。自分たちができることで、図書館のお手伝いをしたいと言ってくださって、本を選ぶという子や、それから、本を片付けるお手伝いをしたいというふうに、先生と何度も事前に打合せをしまして、普通にただ受動的に見学をするだけではなくて、自分たちがその場で活動するのをセットにしたような、見学を受入れさせていただきました。
私たちも初めての試みだったんですが、すごく有意義な時間になりました。そうやって、様々な方々が来ていただける場所というのを、作っていけたらなと思います。
そうするには職員にやはり力が必要です。司書としてだけではなくて、行政職員としてもそうですし、人間力というのがすごく必要になってくるなというふうに感じました。
(福永教育長)
ありがとうございます。
すいませんちょっと本日は時間が短いので、この辺で終わらせていただきます。
皆さんからいろんなお話を聞きました。幾つかポイントがあったと思うのですが、一つは、高校生も小学生も中学生も一緒ですけれども、最初に本を読もうというところに、きっかけづくりっていうのは非常に大事だというふうに思っています。
知事がおっしゃられましたけどこういう本があるよっていうポスターを見ながら、少しでも近く感じていただくとか、あるいは、ライトな本でもいいからまず読み始めようっていうところから次のステップに行けるのではと思っています。そういう中で、子どもだけじゃなくて、子どもを取り巻く大人に対してもしっかりといろんな取組をしていくというお話をしていただきました。特に小さな子どもさんについて、親子で家庭で本を読むというのは、そのスタートがよければ、少しずつよくなっていくのかなと思っています。
そういう意味で、公立図書館の中に、様々な人が、本を囲んで、いろんな活動ができるそういうスペースが広がっていってもいいのかなと思っています。従来型でないような、スペースが広がっていくといいのかなというふうに感じたところでございます。
最後におっしゃられたように、想像力ですね。そういったものをしっかり持つためにも、読書のよさというものをもっと広めていく必要があると思います。特に私も長浜図書館に行かせてもらいましたが、多目的なイメージがあるほうが、最初、本を借りないで、本を借りる用事じゃなく来て、本があるから読もうというところが一つのスタートになるということもあると思いますので、そういった部分も必要だというふうに感じたところでございます。
知事の方から、何かありましたらお願いします。
(三日月知事)
下司館長、せっかく来られたので、何か御要望なり御提言ございますか。
(下司館長)
今、新しい図書館になりましてからは高校生の方が本当にたくさんいらしてくださるようになったので、何もしなくても来てくれる場所になっていったりとか、学習が目的だったり、そこで出会った友達同士でなんとなく過ごすっていうような場所にもなっています。
ただ、やはり先ほどの高校の先生なども、熱心にああやって活動してくださるところもあるかと思いますが、市立の図書館と県立高校との境目が、少しあるかなというのはあって、直接私どもも高校さんから何か御要望があれば、何かできることがないかなと思っています。学習の手助けになるような、市立の小中学校には行っている団体貸出などがあるのですが、県立高校さんの方にどういうニーズがあって、学校図書館をどのように生かされたり、公共図書館と連携する方法がないのかなというのは、考えたりすることはあります。
(三日月知事)
それはいいお話ですね。
(下司館長)
みんな、地域の子どもですので、県立だから市立だからではなく手を広げていきたいなと思っているのですが、何か、それはお互いにどうしたものかなというところがあるかもしれません。
(三日月知事)
敷居が高かったりするんですよね。
(下司館長)
どこまでどのように頼んだらいいかが、お互いが、現場同士では模索していて、高校の先生の司書の方と年に1度ぐらいですが交流させていただいたりはしているんです。でも、市立の図書館をどう使っていくかっていうあたりは、やはり、もう少しトップあたりで整理していただけると積極的に使っていただくきっかけが作れるのではないかと思います。
(三日月知事)
なるほど。是非そういったことも。いいことですね。
(藤田委員)
図書館は総合的な機能があるものではないので、クラスごとでそちらへ行って、全体の複合機能の中で、図書館というファンクションを使って活動するというのは、高校にとってもいいと思います。
(三日月知事)
いいですよね。既に湖北10高校おすすめ本の展示などもしていただいている。
(下司館長)
させていただいております。
(三日月知事)
もっと連携できるように。僕らの方からも働きかけたいと思います。
草津東高校は、池田先生何かありますか。
(池田学校司書)
県立高校としては、1番求めているのは、団体貸出し。これがあるかないかはすごく、授業にとって重要でして。
(三日月知事)
団体貸出しって何ですか。
(池田学校司書)
学校に対して、例えば草津東高校は草津市立図書館から200冊までの本を貸出していただけるという、そういう団体貸出しをサービスしていただいているんです。
具体的によくあるのは、今だったら3年生が大学入試の面接のためにいろいろ下調べをして面接に行くのですけども、求められるだろうテーマについての本を、新書とかを読みたいという依頼がよく飛び込んでくるんです。
(三日月知事)
同じ本を200冊ですか。
(池田学校司書)
草津市立図書館の場合は棚から、直接必要な本を、ピックアップさせていただけるので、セットがあるわけではなく。ただ各市の図書館によって対応が違いまして、団体貸出用にセットをつくっておられるところもあれば、草津市立図書館のように1冊1冊必要なものを選ばせていただける、そういう図書館もありまして、草津東高校は草津市立図書館の1冊1冊必要なものも選ばせていただけることで、それが授業とか生徒の進路の準備にすごく役立っているので、それがない市にある高校は、なかなか生徒が求めるものを手に入れることができない。
今、本が絶版になるのが早いんです。なので、生徒が言ってくる本がもう書店でも入手できないということが多々ありますので、そういうときに団体貸出しをしていただけるっていうのは生徒の進路保障とか、授業保障にすごく役立っているので、それがどの県立高校も求めている、1番の部分かなと思います。
(三日月知事)
なるほど。ありがとうございました。下司館長、池田先生、高校生の皆さんからとてもいいお話聞けましたので、ぜひいい取組は、横展開とか、ほかにも広げられるようにしたいと思いますし、滋賀県の一つの強みは、学校もそうだし、図書館同士の連携というか、助け合いというか、ない本があったら融通し合うといったことだと思います。今日は市立図書館と県立高校とのさらなる連携とか、学校にそれぞれの市の図書館から、もっとタイムリーに本が貸し出せる仕組みっていうのはまだまだできること、やらないといけないことがあるなと思って聞かせていただきましたので、早速また、施策にしたり、予算にしたりしていければと思います。
今日はありがとうございました。
(福永教育長)
ありがとうございました。
では以上で、第4回滋賀県総合教育会議を閉会いたします。皆さんお疲れさまでございました。