-回覧文書と絵日記から-
上野欽一さん(昭和11年生まれ 彦根市)
昭和18年、上野さんは小学2年生。
大人も子どもも戦争と無関係に過ごすことはできない時代でした。
地域の戦争協力を遂行するため、町内会長だった上野さんのお父さんは、様々な役割を担っていました。
「父は銀行員でした。当時は町内会に軍からいろいろ言ってきて、町内会長としていろんな行事をやらされたり、義務づけられたりしていたようで、苦労していたようです」
上野さん自身は、2年生の6月から翌年の2月まで、絵日記を書いています。
とても子どもらしい絵や文章ですが、当時の子どもたちがいかに戦争に影響を受けていたのかを伝えています。
臨時総常会開催の件
昭和18年6月2日各組長、各部長宛
「戦死した連合艦隊司令長官山本五十六元帥の国葬当日に、臨時総常会を開催するので、世帯主および家族も出席するように」などと書かれています。
山本五十六元帥の国葬当日の実施事項について
山本五十六の国葬の日、住民に対して貯金の勧めや禁煙・禁酒の励行、勤労時間の1時間延長などを行うことを求めています。
必勝仇討貯金ノ件他
山本五十六戦死の「仇討ち」として、「弾丸切手購入」など戦費調達のための貯金を勧めています。
8月3日「慰問の手紙をかいた」
徴用され神戸に行った友だちのお父さんにあてて慰問文を書いたという内容です。
8月25日「防空演習」
町内の防空演習を見学したことが書かれています。