滋賀県平和祈念館は、「語りつぐ平和へのねがい」を指針として、平成24年3月に、県民のみなさまの大きな期待を担って開館し、令和4年に10周年を迎えました。
この祈念館の第一の使命は、県民のみなさまから寄せられた数多くの資料やその価値を、次の時代につないでゆくことです。先の大戦が年々遠い過去のできごとになりつつありますが、今日では戦争はかたちを変えて、依然としてわたしたちの生活に入りこんできます。その意味では、戦争を知らない世代の人たちが、戦争体験者の資料や語りをとおして、戦争で亡くなった人びとやその家族に思いをいたし、みずからの生活をふり返ることはとても大切なことだと思います。
本祈念館は、こうした使命を実現するために、県民のみなさまの学習活動や創作活動を支援する、さまざまな事業を実施してきました。
開館して10年が過ぎ、戦争体験者の高齢化や減少および平和学習へのニーズの高まりなどの社会情勢の変化により、本祈念館の担うべき役割はさらに重要になっています。こうした時代に適合した平和祈念館となるため、展示の魅力向上、機能の充実を図り、戦争体験者証言や館蔵資料などの貴重な「モノと記憶」をデジタルアーカイブ化するなど、県民のみなさまに満足していただき、平和の意識を醸成する場となるよう努めてまいります。
今回、その一環としてホームページを刷新いたしました。ぜひ多くのみなさまに本祈念館を知っていただきたいと思っております。
どんな小さなきっかけでもよい、滋賀県平和祈念館においでになり、平和で安全な社会の実現に向けて、一歩あゆみをすすめてみませんか。
滋賀県平和祈念館は、次の三つを基本理念としています。
戦後80年近い年月が経過し、戦後生まれが8割を超える今日、戦争の記憶は日に日に薄れつつあります。滋賀県では、平成5年から、県民の戦争体験とそれにまつわる当時の資料を収集してきました。これらの貴重な資料や当時の体験談を通して、戦争体験者それぞれの思いや平和への願いを次世代へと伝え、継いでいきます。
戦争の悲惨さや平和の尊さを学び、理解を深めるためには、個々人の主体的、意識的な学習と行動が必要となってきます。本館では、資料と多様な学習プログラムを組み合わせることで、県民のみなさんが、戦争と平和について考え、平和への思いを深めるきっかけになることを目指します。
幅広い県民が参加し、展示をはじめさまざまな館の活動を通して、新たな人と人とのつながりが生まれ、今からできることや未来に向けた新たな行動が生まれることを目指します。
昭和59年(1984年) | この頃から断続的に、平和関連施設建設の意見が県議会に出される |
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平成 3年(1991年) | 平和祈念館(仮称)調査費が認められ、基本構想を策定 |
平成 5年(1993年) | 戦争体験者から資料、情報等の収集を開始 |
平成 7年(1995年) | 戦後50年を記念して、平和祈念展を開催 |
平成12年(2000年) | マスタープランを策定 |
平成14年(2002年) | 施設整備をすすめるため、平和祈念施設整備基金を設置 |
平成16年(2004年) | 12月定例会において、建設予定地を八日市市(現在の東近江市)とすることを表明 |
平成19年(2007年) | 平和祈念館(仮称)あり方検討委員会が設置され、12月同委員会調査報告書が提出される |
平成21年(2009年) | 2月定例会において、東近江市の既存施設を活用して整備することを表明 |
平成22年(2010年) | 1月、東近江市から、候補施設として「東近江市愛東支所」が推薦される |
8月、「東近江市愛東支所」を活用した平和祈念館(仮称)整備プランを決定 | |
10月から翌年3月まで、改修工事設計業務および展示設計業務を実施 | |
平成23年(2011年) | 12月、滋賀県平和祈念館の設置および管理に関する条例公布 |
平成24年(2012年) | 2月、改修工事完了 |
3月、滋賀県平和祈念館開館 |