-戦死した夫にあてた手紙-
太田久ゑさん(大正6年生まれ 蒲生郡日野町)
太田久ゑさんが夫の正二郎さんと結婚したのは、昭和13年12月のことです。
翌年の9月に召集令状を受けた正二郎さんは、日中戦争に従軍しました。
そのときお腹にいた長男の正男さんの写真を久ゑさんは戦場の夫に送りました。
正二郎さんは、その写真をずっと身につけていたそうです。
昭和15年1月、久ゑさんは正二郎さんにあてた手紙を出しました。
入れ違いに正二郎さんの戦死公報が届きました。
昭和14年12月27日に正二郎さんは戦死していたのです。
夫の戦死を知った久ゑさんはその場に泣き崩れたそうです。
受取人がなくなった手紙は久ゑさんの元に戻ってきましたが、60年間開封されないままに今も残されています。
(上)「太田伍長中支に散る」という見出しで始まる正二郎さんの戦死の記事
(下)開封されずに戻ってきた手紙