-滋賀県女子青年団中支嵐部隊慰問団団員として-
善野令子さん(守山市)
昭和18年、善野令子さんは滋賀県が派遣した中国戦線の郷土部隊・嵐部隊の慰問団の団員の一人に選ばれ、約2ヵ月にわたり慰問活動に従事しました。
二十歳前後の7名の女性団員たちは、故郷から遠く離れ、戦場の地にいる兵士たちのために、知事のメッセージを伝えたり、歌ったり踊ったりと、懸命に慰問を続けたのです。
「兵隊さんはどんなに暑うても、最後まで誰一人身動きもなさらないでね。そして、一緒に歌ってね。 兵隊さんと私らは、ひとつになってましたわ。別れしなに兵隊さん感動してね。みな泣かはります。こっちもみな泣いていたんです。」
安慶の街を拠点に、前線を中心にトラックで慰問に回りました。踊りの振り付けは善野さんが担当しま した。
「軍歌や懐かしい歌やら、一生懸命に練習して、みなのリクエストに応えられるようにして行きました。その場で兵隊さんに教えてもらったりもしました。そして、最後は『海ゆかば』をいっしょに歌って別れました。」
歌や踊りが終わると見学した将兵たちから割れんばかりの大きな拍手がおくられたそうです。