-野戦郵便隊の軍属として-
藤井憲一さん(大正5年生まれ 長浜市)
昭和14年7月、長浜郵便局に勤める藤井さんは、野戦郵便隊の軍属として日中戦争に従軍しました。
日本から遠く離れた戦場の兵士たちが心待ちにしている、家族からの便りや慰問品。藤井さんは、家族と兵士たちをつなぐ大切な郵便物を配達するという役目を、2年近くつとめました。
「軍事郵便がくると、部隊ごとに分類して、軍のトラックに乗って各部隊に配るわけですわ。」
所属した湖州・野戦郵便局の建物の前で。 藤井さんの腕にしているのが郵便局員の腕章。 この腕章をつけていると自由に移動できた。
100キロ200キロと、遠くの部隊へ配達することもありました。
「遠い所になると、朝5時くらいに起きて、帰りは夜の7時か8時くらいになりました。トラックで帰ってくるときには襲撃されたこともあって、それがいちばん怖かったな。明かりをめがけてバリバリ撃ってくるんやからね。」と命がけの配達の様子を語ってくれました。