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R-25-1-6 摂食から脳へ:食物アレルギーにおける神経ー免疫相互作用➔食物アレルギーの影響は脳にも及ぶHoughton V et al. From bite to brain: Neuro-immune interactions in food allergy. Allergy 2024; 79: 3326-3340. ★★★
IgE依存性食物アレルギーの背景にある神経ー免疫相互作用に注目し、食物アレルギーに伴う行動変化や神経学的変化について解説。
R-25-1-7 恒常的な皮膚微生物叢を通じた宿主のレジリエンスに与える生活スタイルや環境要因の影響:EAACIタスクフォースの報告➔皮膚の微生物が生体を守るKrohn IK et al. The influence of lifestyle and environmental factors on host resilience through a homeostatic skin microbiota; An EAACI task force report. Allergy 2024; 79: 3269-3284. ★
健全な皮膚微生物叢を維持することが皮膚の炎症や疾患を制御するために重要である。本総説では、そのための生活スタイルや環境要因について解説。
R-25-1-8 食物アレルギーの遺伝学とエピジェネティクス:ゲノムワイド関連解析(GWAS)のレビュー➡遺伝子からみた食物アレルギーArnau-Soler A et al. Food allergy genetics and epigenetics; a review of genome-wide association studies. Allergy 2025; 80: 106-131. ★
主にGWASを介した食物アレルギーの遺伝学、エピジェネティクスの最近の進歩を解説。将来的にはこれらのマーカーがIgE依存性食物アレルギーの有無や、耐性誘導、免疫療法に対する反応性、などの予測につながることを期待したい。
R-25-1-9 アレルギー疾患における制御性T細胞とその役割➡アレルギー制御の要Conrad ML et al. Regulatory T cells and their role in allergic disease. Allergy 2025; 80: 77-93. ★★★
制御性T細胞(Tレグ)はアレルギーなど過剰な免疫反応を抑制することで免疫の恒常性を保つ役割があるが、環境因子の影響で誤作動が起こることもある。本総説では、変化する環境の中で働くTレグの機能を理解することでアレルギーの予防につなげることを目指してTレグに関する知見を解説。
R-25-1-10 ピーナッツアレルギー治療のための経皮免疫療法➡ピーナッツアレルギー治療の新たな選択肢Ravindran M et al. Epicutaneous immunotherapy for the treatment of peanut allergy. Allergy 2025; 80: 63-76. ★★
ViaskinTM Peanutというシールでピーナッツ抗原を皮膚に貼付して効率的に経皮吸収させ、皮膚ランゲルハンス細胞に取り込ませることで、安全に耐性誘導を起こすことを目的として、経皮免疫療法が検討されている。本総説ではその開発の現状を解説。
R-25-1-11 IgE依存性食物アレルギー管理のEAACIガイドライン➡食物アレルギーガイドラインヨーロッパ版Santos AF et al. EAACI guidelines on the management of IgE-mediated food allergy. Allergy 2025; 80: 14-36. ★★★
ヨーロッパアレルギー臨床免疫学会によって作成されたIgE依存性食物アレルギーガイドラインの解説。食事管理、心理的サポート、治療計画、免疫修飾治療、の4つの視点でまとめられている。
R-25-1-12 食物アレルギー治療としてのオマリズマブの使用と実施:AAAI食物副反応委員会のコンセンサスに基づいた手引きと報告➡専門家が8つの提言Anagnostou A et al. The use and implementation of omalizumab as food allergy treatment: consensus-based guidance and work group report of the adverse reactions to foods committee of the American Academy of Allergy, Asthma & Immunology. J Allergy Clin Immunol 2025; 155: 62-9. ★★S eAIの16名の専門家が8つの提言をまとめた。
R-25-1-13 小児における致死的食物アナフィラキシー:英国における法令に基づいたレビュー➔国家規模のデータStoianova S et al. Fatal anaphylaxis in children: a statutory review in England. Clin Exp Allergy 2025; 55:4-7. ★★★
英国では2019年より国家規模で18歳以下のすべての小児の死亡を登録する制度(NCMD)が出来た。本総説では、このデータをもとに、2019年から2023年の4年間における54例の喘息死、19例のアナフィラキシー死のケースをまとめている。
R-25-1-14 アナフィラキシー治療のためのアドレナリン注射に代わる選択肢➔アドレナリン投与がより簡便にPouessel G et al. Alternatives to injectable adrenaline for treating anaphylaxis. Clin Exp Allergy 2025; 55: 36-51. ★★★
アナフィラキシーの第一選択薬であるアドレナリンは従来注射した投与方法がなかったが、近年経鼻、舌下、経皮など様々な投与ルートが検討されている。非注射製剤として、欧米では最近経鼻スプレー(Neffy)が承認された。今後、注射薬以外の選択肢が増えることが期待される。
R-25-1-15 アトピー性皮膚炎➡最新知識をアップデートGuttman-Yassky E et al. Atopic dermatitis. Lancet 2025; 405: 583–96. ★★★
本総説では、アトピー性皮膚炎の最新の病態生理学的理解と進化する治療状況について議論している。
R-25-1-1 食事から脳へ:食物アレルギーにおける神経免疫相互作用➡食物アレルギーに神経が関与Houghton V et al. From bite to brain: Neuro-immune interactions in food allergy. Allergy 2024; 79: 3326-3340. ★★
最近の研究では、神経-免疫相互作用の存在と影響が強調され、食物アレルギーに関連した行動および神経学的変化が示されている。本総説では、IgEを介する食物アレルギーの根底にある免疫機構の理解を深めることの重要性を強調することを目的として、このような食物アレルギーに起因する神経-免疫相互作用について解説している。
R-25-1-2 花粉食物アレルギー症候群の管理について国際的な合意事項:AAAAI食物副反応検討委員会のワーキンググループ報告➡PFASについて今言えることAI-Shaikhly T et al. An international Delphi consensus on the management of pollen-food allergy syndrome: A work group report of the AAAAI adverse reactions to foods committee. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 3242-9. ★★
花粉-食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome, PFAS)の管理について、国際的な専門家グループが合意に基づく推奨を策定。PFASは、花粉感作に起因する植物由来食品への即時型アレルギーで、口腔内のかゆみや腫れを主症状とするが、まれに全身性反応が見られることがある。本研究では、25施設の専門家が「デルファイ法」を用いて管理声明を14項目策定し、患者教育、食事の回避、エピネフリン自己注射器の使用、免疫療法の適応を含む治療ガイドラインを提示した。特に、PFASの病態生理の理解やリスク要因への対処の重要性が強調され、花粉免疫療法(AIT)がPFAS治療の適応ではないとされた。この研究は、臨床現場でのPFAS管理を支援するための基礎を築く一方で、AITの有効性やPFASの予防策に関するさらなる研究の必要性を示唆している。
R-25-1-3 アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アナフィラキシー、そして他のアレルギー疾患➡包括的な理解が必要Hernandez ML et al. Atopic dermatitis, food allergy, anaphylaxis, and other atopic conditions. J Allergy Clin Immunol 2024; 154: 1416-8. ★★
本総説では、アトピー性皮膚炎(AD)、食物アレルギー(FA)、気管支喘息、およびこれらに関連するアトピー性疾患の病態生理と臨床管理を包括的に検討。これらの疾患は、共通する免疫学的メカニズムを共有し、「アトピーマーチ」として連続的または並存的に進行する。病態生理学的には、IL-33やTSLPといったアラーミンが免疫応答を促進し、Th2細胞を介した炎症性経路が主要な役割を果たす。治療では、抗IgE治療やIL-4/IL-13を標的とした生物学的製剤が、複数のアトピー疾患において有効である。治療の最適なタイミングや費用対効果の評価が今後の課題。
R-25-1-4 経口寛容のルネサンス:古くからの知見と新しい視点の統合➡経口免疫寛容をベンチからベッドサイドへCerovic V et al. The renaissance of oral tolerance : merging tradition and new insights. Nat Rev Immunol 2025; 25: 42-56. ★★★
食物アレルギーの治療や予防のために注目されている経口免疫寛容について、以下の3つのポイントで解説;1)抗原の取り込みと輸送2)異なる抗原提示細胞による摂取抗原の処理、輸送、提示3)抗原特異的免疫寛容を誘導する抑制性T細胞の発達。さらに経口免疫寛容の治療への応用についても言及。
R-25-1-5 母の妊娠中の食事パターンと児のアレルギーに関する体系的総説➡妊娠中の食生活が大事Venter C et al. Systemic review on maternal dietary patterns during pregnancy and offspring allergy. Pediatr Allergy Immunol 2024; 35: e70016. ★★
妊娠中の母親の食事パターンと出生後の児のアレルギーとの関連をメタ分析。妊娠中のビタミンD摂取に児の喘鳴、喘息予防効果があった。
R-24-11-1 栄養素:T細胞免疫の第4のシグナル⇒免疫の要の細胞に栄養素が効くRaynor JL et al. Nutrients: Signal 4 in T cell immunity. J Exp Med 2024; 221: e20221839. ★★★
感染、自己免疫、癌などに対する免疫反応の要であるT細胞は抗原刺激(第1シグナル)、共刺激(第2シグナル)、サイトカイン(第3シグナル)などのシグナルを通じて働いている。本総説では、それらに加えて第4のシグナルとして栄養素を取り上げ、T細胞の機能に与える効果について考察している。
R-24-11-2 アスリートの栄養や環境曝露という観点における上皮バリア理論⇒アスリートのバリア機能が危ないKistler W et al. Epithelial barrier theory in the context of nutrition and environmental exposure in athletes. Allergy 2024; 79: 2912-23. ★★★
アスリートは上皮バリアや細菌叢を障害する物質への曝露の危険が高く、過度の運動は様々な臓器にストレスを与え、組織障害や炎症を引き起こす。食事との関連で言うと、アスリートの高カロリー食には、しばしば上皮バリア障害や細菌叢の乱れを引き起こす添加物を含む加工食品が含まれる。本総説では、アスリートが曝されるこれらの有害物質について紹介し、その対処法について考察している。
R-24-11-3 アトピー性皮膚炎に対する全身療法⇒症例から学ぶSaed S et al. Systemic therapies for atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 3172-74. ★
従来の治療法では改善しない難治性アトピー性皮膚炎児2例に対し、各々デュピルマブ、アブロシチニブを投与した経過を紹介し、アトピー性皮膚炎に対する全身療法の適応について考察している。
R-24-11-4 手湿疹⇒ありふれているが厄介な皮膚疾患Weidinger S et al. Hand eczema. Lancet 2024; 404: 2476-2486. ★
慢性に経過する手湿疹は多因子疾患であるが、アトピー性皮膚炎の現症・既往や過度または長期の刺激物質やアレルゲンとの接触がリスク因子となる。刺激性、アレルギー性、アトピー性などに分類される。本総説では、手湿疹の予防、管理、今後の研究に関しての最新の知見をまとめている。
R-24-11-5 食物アレルギー患者が完全菜食を取るときの栄養学的配慮⇒菜食主義と食物アレルギーが重なったときProtudjer JLP et al. Nutritional considerations of plant-based diets for people with food allergy. Clin Exp Allergy 2024; 54: 895-908. ★
食物アレルギーと完全菜食はともに食事制限を伴うため、子どもの栄養障害、成人の体重減少、ビタミンやミネラルの不足など栄養障害のリスクがある。特に両者が重なった時は、注意が必要である。本総説では、このような状況における栄養指導の注意点について述べている。
R-24-11-6 AAAI-EAACI PRACTALL:食物経口負荷試験の標準化2024年更新⇒負荷試験ガイドラインを更新Sampson HA et al. AAAAI-EAACI PRACTALL: Standardizing oral food challenges – 2024 Update. Pediatr Allergy Immunol 2024; 35: e14276. ★★★
アメリカとヨーロッパのアレルギー学会が共同で2012年に作成した食物経口負荷試験に関するガイドラインを更新。
R-24-10-1 リウマチ及びアレルギー疾患における単一細胞分析:実臨床へ向けての洞察⇒単一細胞解析の威力Nihide M et al. Single-cell analysis in rheumatic and allergic diseases: insights for clinical practice. Nat Rev Immunol 2024; 24: 781-797. ★★
単一細胞解析の技術の進歩によって明らかとなったリウマチ性疾患、アレルギー疾患のメカニズムを紹介。バイオマーカーや治療標的の同定への応用についても考察している。
R-24-9-1 食物アレルギー、治療、耐性獲得における樹状細胞の役割➡樹状細胞の関与どこまで?Liu EG et al. Dendritic cells in food allergy, treatment, and tolerance. J Allergy Clin Immunol 2024; 154: 511-22. ★★
食物アレルギーの感作、耐性獲得を調節する樹状細胞の役割について考察し、治療への応用を探る。
R-24-9-2 小児における超加工食品摂取、アレルギー発症とそのメカニズム:EAACIタスクフォースの報告⇒観察研究の結果からCanani RB et al. Ultra-processed foods, allergy outcomes and underlying mechanisms in children: An EAACI task force report. Pediatr Allergy Immunol 2024; 35: e14231. ★★
小児における超加工食品摂取とアレルギー発症との関連について過去文献をもとにメタ分析。アレルギー発症との関連が示されたが、いずれも観察研究であり、それを補完するより厳密な研究が必要である。
R-24-9-3 重症の湿疹や食物アレルギーを予防するための乳児アトピー性皮膚炎管理⇒アレルギーの始まりは皮膚からYamamoto-Hanada K et al. Management and infant atopic eczema to prevent severe eczema and food allergy. Clin Exp Allergy 2024; 54: 669-681. ★
アトピー性皮膚炎の重症化や即時型食物アレルギーを予防するための早期介入の重要性とその方法について解説。
R-24-8-1 小児食物アレルギー疫学研究のための有向非巡回グラフ⇒交絡因子の影響を最小限にPeng Z et al. Directed acyclic graph for epidemiological studies in childhood food allergy: construction, user’s guide, and application. Allergy 2024; 79: 2051-2064. ★
出生後早期からの食物アレルギー予防に関する研究は観察的研究が多く、そこでは交絡因子の影響を避けるのが難しい。有向非巡回グラフは観察的疫学研究の結果から交絡因子の影響を最小化して因果関係をみる新たな手法である。本総説では、食物アレルギー予防研究を行う研究者が有向非巡回グラフを活用するための解説をしている。
R-24-8-2 小児における吸入抗原による予防的アレルゲン免疫療法⇒アレルゲン免疫療法に予防効果があるか?Dwivedi V et al. Preventive allergen immunotherapy with inhalant allergens in children. Allergy 2024; 79: 2065-87. ★
小児期における吸入抗原感作や発症の予防を目指した予防的アレルゲン免疫療法の効果につきメタ分析。エビデンスは限られているが、有望との結果が得られた。
R-24-8-3 IgE依存性食物アレルギーの管理における免疫療法と生物製剤⇒さらなるエビデンスが必要Riggioni C et al. Immunotherapy and biologics in the management of IgE-mediated food allergy: systemic review and meta- analyses of efficacy and safety. Allergy 2024; 79: 2097-2127. ★★
EAACIガイドライン更新のために実施された食物アレルギーに対する免疫療法および生物製剤の効果や安全性についてのメタ分析を報告。有効で安全性も高いとの結果であったが、より質が高く長期にわたる研究が必要とのこと。
R-24-8-4 変化する食事環境の中での食物アレルギー:アジア太平洋地域に注目してLeung ASY et al. Food allergy in a changing dietary landscape:A focus on the Asia Pacific region. Pediar Allergy Immunol 2024; 35: e14211. ★
急速な経済成長、都市化、西欧式食事の普及など、環境変化の激しいアジア太平洋地域における食物アレルギーの疫学について考察。遺伝的要因だけでなく、環境要因や食生活の影響が強調されており、特に農村部から都市部への移住や、西洋への移住がアレルギー感受性に与える影響が指摘されている。今後の研究では、予防や治療戦略の改善が期待される。
R-24-8-5 アレルギー予防と治療の標的としての皮膚⇒皮膚からのアレルギー予防Marques-Mejias A et al. Skin as the target for allergy prevention and treatment. Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 133: 133-143. ★★
アレルギー疾患予防のための皮膚バリアの重要性について解説。特に、アトピー性皮膚炎の新たな治療としてプレ及びプロバイオティクス、フィラグリン置換療法、皮膚標的遺伝子治療などについても言及。
R-24-7-1 食物アレルギーを合併しないアトピー性皮膚炎小児の皮膚症状における、ランダム化対照試験による栄養食事介入についての体系的レビューとメタ分析:EAACI特別委員会報告⇒プロバイオティクスに期待Vassilopoulou E et al. A systematic review and meta-analysis of nutritional and dietary interventions in randomized controlled trials for skin symptoms in children with atopic dermatitis and without food allergy: An EAACI task force report. Allergy 2024; 79: 1708-24. ★★
栄養や食事介入によるアトピー性皮膚炎小児(食物アレルギー合併例を除く)の皮膚症状改善効果につきメタ分析。プロバイオティクスにSCORAD改善効果を認めた。今後はより精密にデザインされた介入研究が必要。
R-24-7-2 短鎖脂肪酸とアレルギー疾患の関連についての体系的レビュー⇒生後早期の投与がポイントSasaki M et al. Systemic review of the association between short-chain fatty acids and allergic diseases. Allergy 2024; 79: 1789-1811. ★★
腸内細菌によって産生され、アレルギー疾患のリスクに影響するとされる短鎖脂肪酸の効果について37の過去文献をもとに考察。3つの短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の生後数年以内の投与がアレルギー疾患、とりわけアトピー性皮膚炎、喘鳴喘息、IgE依存性食物アレルギーに対して予防効果がみられた。
R-24-7-3 IgE依存性食物アレルギーの予防:母および新生児への介入を通じた新たな戦略⇒早期摂取を超えてHerman K et al. Prevention of IgE-mediated food allergy: emerging strategies through maternal and neonatal interventions. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1686-94. ★★★
アレルゲン食品の早期摂取がハイリスク児の食物アレルギー発症予防に有効であることは知られているが、食物抗原感作はそれ以前に起こり得るため、より早期の予防策が必要である。本総説では、妊娠中の母親や新生児期において試みられている様々な予防策の効果について考察。
R-24-7-4 食物アレルギー予防のための早期持続的アレルゲン食品摂取による健康増進⇒早期摂取をいかに進めるかIglesia EGA et al. Health promotion of early and sustained allergenic food introduction for the prevention of food allergy. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1670-83. ★★
アレルゲン食品の早期摂取が食物アレルギー予防に有効とのエビデンスが蓄積されているが、個人レベルと集団レベルでいかに進めるかについての一定の見解はない。本総説では、どのような食品、どのような小児が早期摂取の対象になるか、など具体的な進め方について解説。
R-24-7-5 小児期初期における呼吸器感染症及び喘息のビタミンDによる一次予防⇒ビタミンDの予防効果を考察Brustad N et al. Vitamin D primary prevention of respiratory infections and asthma in early childhood: evidence and mechanisms. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1707-14. ★★
ビタミンDには小児の呼吸器感染症や喘息に対する予防効果があるとの報告があるが、否定する報告もあり評価は一定していない。本総説では、予防効果があると仮定した場合に、考えられるメカニズムにつき最近の知見をもとに考察。
R-24-7-6 短鎖脂肪酸(SCFA):食事、腸内細菌叢、そして免疫をつなぐもの⇒SCFAの多様な役割Mann ER et al. Short-chain fatty acids: linking diet, the microbiome and immunity. Nat Rev Immunol 2024; 24: 577-595. ★★★
腸内細菌によって産生されるSCFAが上皮バリア機能や粘膜および全身の免疫機能に影響を与えている。腸管内で産生されたSCFAは腸管外の組織である肝臓、肺、生殖器、脳などに直接、間接に影響し、感染、腸炎症、自己免疫、食物アレルギー、喘息、がん治療への反応性などに影響する。SCFAの機能の理解をさらに深めることで、治療への応用が期待される。