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R-24-10-1 リウマチ及びアレルギー疾患における単一細胞分析:実臨床へ向けての洞察⇒単一細胞解析の威力Nihide M et al. Single-cell analysis in rheumatic and allergic diseases: insights for clinical practice. Nat Rev Immunol 2024; 24: 781-797. ★★
単一細胞解析の技術の進歩によって明らかとなったリウマチ性疾患、アレルギー疾患のメカニズムを紹介。バイオマーカーや治療標的の同定への応用についても考察している。
R-24-9-1 食物アレルギー、治療、耐性獲得における樹状細胞の役割➡樹状細胞の関与どこまで?Liu EG et al. Dendritic cells in food allergy, treatment, and tolerance. J Allergy Clin Immunol 2024; 154: 511-22. ★★
食物アレルギーの感作、耐性獲得を調節する樹状細胞の役割について考察し、治療への応用を探る。
R-24-9-2 小児における超加工食品摂取、アレルギー発症とそのメカニズム:EAACIタスクフォースの報告⇒観察研究の結果からCanani RB et al. Ultra-processed foods, allergy outcomes and underlying mechanisms in children: An EAACI task force report. Pediatr Allergy Immunol 2024; 35: e14231. ★★
小児における超加工食品摂取とアレルギー発症との関連について過去文献をもとにメタ分析。アレルギー発症との関連が示されたが、いずれも観察研究であり、それを補完するより厳密な研究が必要である。
R-24-9-3 重症の湿疹や食物アレルギーを予防するための乳児アトピー性皮膚炎管理⇒アレルギーの始まりは皮膚からYamamoto-Hanada K et al. Management and infant atopic eczema to prevent severe eczema and food allergy. Clin Exp Allergy 2024; 54: 669-681. ★
アトピー性皮膚炎の重症化や即時型食物アレルギーを予防するための早期介入の重要性とその方法について解説。
R-24-8-1 小児食物アレルギー疫学研究のための有向非巡回グラフ⇒交絡因子の影響を最小限にPeng Z et al. Directed acyclic graph for epidemiological studies in childhood food allergy: construction, user’s guide, and application. Allergy 2024; 79: 2051-2064. ★
出生後早期からの食物アレルギー予防に関する研究は観察的研究が多く、そこでは交絡因子の影響を避けるのが難しい。有向非巡回グラフは観察的疫学研究の結果から交絡因子の影響を最小化して因果関係をみる新たな手法である。本総説では、食物アレルギー予防研究を行う研究者が有向非巡回グラフを活用するための解説をしている。
R-24-8-2 小児における吸入抗原による予防的アレルゲン免疫療法⇒アレルゲン免疫療法に予防効果があるか?Dwivedi V et al. Preventive allergen immunotherapy with inhalant allergens in children. Allergy 2024; 79: 2065-87. ★
小児期における吸入抗原感作や発症の予防を目指した予防的アレルゲン免疫療法の効果につきメタ分析。エビデンスは限られているが、有望との結果が得られた。
R-24-8-3 IgE依存性食物アレルギーの管理における免疫療法と生物製剤⇒さらなるエビデンスが必要Riggioni C et al. Immunotherapy and biologics in the management of IgE-mediated food allergy: systemic review and meta- analyses of efficacy and safety. Allergy 2024; 79: 2097-2127. ★★
EAACIガイドライン更新のために実施された食物アレルギーに対する免疫療法および生物製剤の効果や安全性についてのメタ分析を報告。有効で安全性も高いとの結果であったが、より質が高く長期にわたる研究が必要とのこと。
R-24-8-4 変化する食事環境の中での食物アレルギー:アジア太平洋地域に注目してLeung ASY et al. Food allergy in a changing dietary landscape:A focus on the Asia Pacific region. Pediar Allergy Immunol 2024; 35: e14211. ★
急速な経済成長、都市化、西欧式食事の普及など、環境変化の激しいアジア太平洋地域における食物アレルギーの疫学について考察。遺伝的要因だけでなく、環境要因や食生活の影響が強調されており、特に農村部から都市部への移住や、西洋への移住がアレルギー感受性に与える影響が指摘されている。今後の研究では、予防や治療戦略の改善が期待される。
R-24-8-5 アレルギー予防と治療の標的としての皮膚⇒皮膚からのアレルギー予防Marques-Mejias A et al. Skin as the target for allergy prevention and treatment. Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 133: 133-143. ★★
アレルギー疾患予防のための皮膚バリアの重要性について解説。特に、アトピー性皮膚炎の新たな治療としてプレ及びプロバイオティクス、フィラグリン置換療法、皮膚標的遺伝子治療などについても言及。
R-24-7-1 食物アレルギーを合併しないアトピー性皮膚炎小児の皮膚症状における、ランダム化対照試験による栄養食事介入についての体系的レビューとメタ分析:EAACI特別委員会報告⇒プロバイオティクスに期待Vassilopoulou E et al. A systematic review and meta-analysis of nutritional and dietary interventions in randomized controlled trials for skin symptoms in children with atopic dermatitis and without food allergy: An EAACI task force report. Allergy 2024; 79: 1708-24. ★★
栄養や食事介入によるアトピー性皮膚炎小児(食物アレルギー合併例を除く)の皮膚症状改善効果につきメタ分析。プロバイオティクスにSCORAD改善効果を認めた。今後はより精密にデザインされた介入研究が必要。
R-24-7-2 短鎖脂肪酸とアレルギー疾患の関連についての体系的レビュー⇒生後早期の投与がポイントSasaki M et al. Systemic review of the association between short-chain fatty acids and allergic diseases. Allergy 2024; 79: 1789-1811. ★★
腸内細菌によって産生され、アレルギー疾患のリスクに影響するとされる短鎖脂肪酸の効果について37の過去文献をもとに考察。3つの短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の生後数年以内の投与がアレルギー疾患、とりわけアトピー性皮膚炎、喘鳴喘息、IgE依存性食物アレルギーに対して予防効果がみられた。
R-24-7-3 IgE依存性食物アレルギーの予防:母および新生児への介入を通じた新たな戦略⇒早期摂取を超えてHerman K et al. Prevention of IgE-mediated food allergy: emerging strategies through maternal and neonatal interventions. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1686-94. ★★★
アレルゲン食品の早期摂取がハイリスク児の食物アレルギー発症予防に有効であることは知られているが、食物抗原感作はそれ以前に起こり得るため、より早期の予防策が必要である。本総説では、妊娠中の母親や新生児期において試みられている様々な予防策の効果について考察。
R-24-7-4 食物アレルギー予防のための早期持続的アレルゲン食品摂取による健康増進⇒早期摂取をいかに進めるかIglesia EGA et al. Health promotion of early and sustained allergenic food introduction for the prevention of food allergy. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1670-83. ★★
アレルゲン食品の早期摂取が食物アレルギー予防に有効とのエビデンスが蓄積されているが、個人レベルと集団レベルでいかに進めるかについての一定の見解はない。本総説では、どのような食品、どのような小児が早期摂取の対象になるか、など具体的な進め方について解説。
R-24-7-5 小児期初期における呼吸器感染症及び喘息のビタミンDによる一次予防⇒ビタミンDの予防効果を考察Brustad N et al. Vitamin D primary prevention of respiratory infections and asthma in early childhood: evidence and mechanisms. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1707-14. ★★
ビタミンDには小児の呼吸器感染症や喘息に対する予防効果があるとの報告があるが、否定する報告もあり評価は一定していない。本総説では、予防効果があると仮定した場合に、考えられるメカニズムにつき最近の知見をもとに考察。
R-24-7-6 短鎖脂肪酸(SCFA):食事、腸内細菌叢、そして免疫をつなぐもの⇒SCFAの多様な役割Mann ER et al. Short-chain fatty acids: linking diet, the microbiome and immunity. Nat Rev Immunol 2024; 24: 577-595. ★★★
腸内細菌によって産生されるSCFAが上皮バリア機能や粘膜および全身の免疫機能に影響を与えている。腸管内で産生されたSCFAは腸管外の組織である肝臓、肺、生殖器、脳などに直接、間接に影響し、感染、腸炎症、自己免疫、食物アレルギー、喘息、がん治療への反応性などに影響する。SCFAの機能の理解をさらに深めることで、治療への応用が期待される。
R-24-6-1 重症喘息治療の新しい時代において、好酸球性炎症の機序を定義し、標的にする⇒喘息メカニズムのこれまでとこれからBoyce JA et al. Defining and targeting mechanisms of eosinophilic inflammation in a new era of severe treatment. J Clin Invest 2024; 134: e182410. ★★★
好酸球とそれに関わるサイトカイン、モデルマウスの解析、気道上皮及び自然リンパ球の関与、Th2反応を標的にした治療の今後、などこれまでの喘息病態解明の流れを解説。
R-24-6-2 新たな食物アレルギー治療への過大評価と期待⇒オマリズマブへの期待と不安Perrett KP et al. The hype and hope of new food allergy treatments. Nat Med 2024; 30: 1528-30. ★★
食物アレルギーの新たな治療として登場した抗IgE抗体オマリズマブについて、治療への応用の可能性やその限界について考察。
R-24-6-3 アトピー性皮膚炎に対する気候変化の影響:国際湿疹会議によるレビュー⇒気候変動の影響は湿疹にもWang SP et al. Impact of climate change on atopic dermatitis: A review by the International Eczema Council. Allergy 2024; 79: 1455-69. ★
気候変動がアトピー性皮膚炎に与える影響について18報の文献をもとに考察。気候変動の多くは悪化要因となる。
R-24-6-4 小児アトピー性皮膚炎と食物アレルギーにおける皮膚細菌叢⇒腸内細菌だけじゃないTham EH et al. The skin microbiome in pediatric atopic dermatitis and food allergy. Allergy 2024; 79: 1470-84. ★★
皮膚細菌叢の乱れが特に出生早期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギー児で観察されるが、それが単一の発症要因ではない。本総説では、皮膚細菌叢がいかにしてアトピー性皮膚炎や食物アレルギーに結び付くかを考察し、さらにはそれらを修飾することによるアトピー性皮膚炎治療の可能性についても言及。
R-24-6-5 皮膚、腸管、肺のバリア:生理学的な接点であり、かつアレルギー疾患予防治療介入の標的⇒上皮に注目したアレルギー治療へCanani RB et al. Skin, gut, and lung barrier: Physiological interface and target of intervention for preventing and treating allergic diseases. Allergy 2024; 79: 1485-1500. ★★
皮膚、腸管、気道などの上皮のバリアの役割と、その破綻がいかにしてアレルギーや炎症に結び付くかについて考察。そのうえで、上皮を標的にした治療の可能性について言及。
R-24-6-6 食物アレルギーに対するオマリズマブ使用の実践的ガイド⇒まだわからないこともあるが…Casale TB et al. A practical guide for implementing omalizumab therapy for food allergy. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 1510-7. ★★
抗IgE抗体であるオマリズマブがIgE依存性食物アレルギーの治療薬として承認された。しかしながら本剤は患者を誤食から守る効果はあるが食物アレルギーを治す効果はない。またどんな症例に有効か、いつまで続けるべきか、など不明な点も多い。これらの限界はあるが、臨床医として本剤を使用するための現実的な指針を示した。
R-24-6-7 中等度から重症アトピー性皮膚炎の小児及び若者におけるデュピルマブの新たな再評価⇒有効性を確認Ciprandi G et al. An updated reappraisal of dupilumab in children and adolescents with moderate-severe atopic dermatitis. Pediatr Allergy Immunol 2024; 35: e14181. ★★
最近の文献から、小児期や思春期のアトピー性皮膚炎に対するデュピルマブの有効性について再評価。
R-24-6-8 経口免疫療法(OIT)へ向けた患者の準備(PPOINT):手続き上の準備と同意に関する国際的なDelphiコンセンサス⇒OIT施行の標準化を目指してMack DP et al. Preparing patients for oral immunotherapy (PPOINT); International Delphi consensus for procedural preparation and consent. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 1621-33. ★★★
36名の専門家が集まってOIT施行に関する推奨項目を作成。
R-24-6-9 関連、合併、そして混同アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの複雑な関係性⇒皮膚炎が先か食物アレルギーが先かShaker Me et al. Correlated, conflated, and confounded. The complex relationship between atopic dermatitis and food allergy. Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 132: 665-666. ★★
古くから議論されているアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関連について最新の知見をもとに改めて考察。
R-24-6-10 FPIESとの関連について指摘されているが、アレルギー予防のための早期摂取開始は続けるべきである⇒それでも続けるべきYe L et al. Early solid introduction to prevent IgE-mediated food allergy should continue unabated while we learn more about food protein-induced enterocolitis syndrome prevalence. Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 132: 674-677. ★★★
ピーナッツや鶏卵によるFPIESが増加しており、IgE依存性食物アレルギー予防のために乳児期からの早期摂取を推奨することがその原因ではないかとの説もある。本総説ではその説について考察し、詳細が判明するまでは早期摂取の推奨は続けるべき、としている。
R-24-5-1 火に油をそそぐ?アトピー性皮膚炎における皮膚ミクロビオーム⇒黄色ブ菌は何をしている? Kashaf SS et al. Adding fuel to the fire? The skin microbiome in atopic dermatitis. J Invest Dermatol 2024; 144: 969-977. ★★
アトピー性皮膚炎における皮膚の細菌叢が黄色ブ菌にシフトしていることが知られている。本総説では、皮膚細菌叢の変化が、皮膚バリア機能や免疫機能の変化とどのように関連して病態に影響を及ぼしているのか、またそれらをどのように治療へ結びつけるか、について考察。
R-24-5-2 黄色ブドウ球菌:アトピー性皮膚炎において痒みの背後に潜む細菌⇒ブ菌が痒みの直接の原因にGallo RL et al. Staphylococcus aureus: the bug behind the itch in atopic dermatitis. J Invest Dermatol 2024; 144: 950-953. ★★
アトピー性皮膚炎の皮膚に多数存在する黄色ブドウ球菌が産生するたんぱく分解酵素(V8プロテアーゼ)が直接神経を刺激して痒みを引き起こすという、最近解明された痒みのメカニズムにつき解説。
R-24-5-3 アトピー性皮膚炎の遺伝的、免疫学的病態⇒遺伝的要素にフォーカスSchuler IV CF et al. Genetic and immunological pathogenesis of atopic dermatitis. J Invest Dermatol 2024; 144: 954-968. ★★
アトピー性皮膚炎は遺伝的要因と環境的要因の複雑な交互作用によって起こるが、本総説ではそのうち遺伝的要因に焦点を当てて解説。
R-24-5-4 アトピー性皮膚炎の痒み:説明を求めて引っ掻く⇒痒みのメカニズムを究めるSoares GB et al. Atopic dermatitis itch: scratching for an explanation. J Invest Dermatol 2024; 144: 978-988. ★
アトピー性皮膚炎の特徴である痒みは皮膚、免疫、神経のクロストークにより生じる。本総説では、そのメカニズムにつき主要な担い手に焦点を絞って解説。
R-24-5-5 アトピー性皮膚炎における皮膚バリア⇒皮膚バリアを究めるSchmuth M et al. Skin barrier in atopic dermatitis. J Invest Dermatol 2024; 144: 989-1000. ★★
皮膚バリアの構造や機能について紹介し、アトピー性皮膚炎で障害される機序や様々な治療の効果について考察。
R-24-5-6 乳児における発症前アトピー性皮膚炎の皮膚:新たな研究領域⇒アトピー性皮膚炎になる子の特徴は? Paller AS et al. Preclinical atopic dermatitis skin in infants: an emerging research area. J Invest Dermatol 2024; 144: 1001-1009. ★★★
アトピー性皮膚炎患者はその発症前の乳児期から特徴があることがわかってきた。本総説では、発症前の皮膚の構造的、免疫学的、細菌学的特徴について述べ、ハイリスク児を抽出して効率的に発症や重症化を予防するための方法を考察している。
R-24-5-7 食物経口免疫療法を臨床現場で実行する:アメリカの学術センターからの質と安全性に関する観点⇒研究レベルから臨床現場へWinslow A et al. Implementing food oral immunotherapy into clinical practice: quality and safety perspectives from a US academic center. J Allergy Clin Immunol Pract 2024; 12: 1159-69. ★★
食物経口免疫療法を研究のレベルから実地臨床のレベルへ移行させるためには質と安全性の確保が必須である。本総説では、過去文献をもとにこれらについて考察し、開始のためのチェックリストや考慮すべき事項についてまとめた。
R-24-5-8 食物アレルギーでオマリズマブの適応になるのは誰か? ⇒症例の選択が重要Sampson HA et al. Who are potential patients for omalizumab for food allergy? Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 132: 569-71. ★★
食物アレルギーに対する抗IgE抗体(オマリズマブ)の有効性が示されているが、適応となるのはどのような患者かについて考察。ハイリスク例、ハイリスク地域居住例、本人または保護者の不安が強い例、経口免疫療法へとつながる例、などが適応になるとしている。
R-24-5-9 大学キャンパスにおける食物アレルギー⇒大学生特有の問題点Yuan IH et al. Food allergies on a college campus. Ann Allergy Asthma Immunol 2024; 132: 579-84. ★
大学生まで持ち越した食物アレルギー患者が抱える特有の問題点について考察。
R-24-4-1 アレルギー疾患や喘息に特化した遠隔医療(telemedicine)2022年の状況:EAACIポジションペーパー⇒遠隔医療の可能性と限界Smolinska S et al. Telemedicine with special focus on allergic diseases and asthma – Status 2022: An EAACI position paper. Allergy 2024; 79: 777-792. ★
遠隔医療とは医師と患者が距離を隔てたところでインターネットなどの情報通信技術を用いて診療を行う行為であり、COVID-19パンデミックの際に急速に広まった。患者、医療者双方にとってコストや時間の削減につながるが、完全に対面での診療に置き換わるものではない。秘匿性や情報の安全性を確立することも課題である。本総説ではアレルギー疾患や喘息の治療における遠隔医療適用の可能性と限界について考察している。
R-24-4-2 腸内細菌が免疫系や欧米に多い疾患に与える影響の機序としての門脈血中高濃度代謝産物の可能性⇒免疫細胞は門脈で教育される?Wang Q et al. High metabolite concentrations in portal venous blood as a possible mechanism for microbiota effects on the immune system and Western diseases. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 980-982. ★★★
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は体循環の中で特に門脈血中において高濃度となる。そのため、免疫細胞は門脈を流れる時に最も短鎖脂肪酸の影響を受けて、G蛋白共役型受容体を介するシグナルやヒストン脱アセチル化などを通じて免疫機能が調整される、との仮説。門脈系こそが短鎖脂肪酸の効果発現に重要であるとの発想は興味深い。