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最新の文献から【総説】

R-22-10-1喘息におけるステロール⇒高脂血症治療薬が喘息にも有効?Guerau-de-Arellano M et al. Trends Immunol 2022; 43: 792-799. ★★

肥満、喫煙、感染症などに関連して見られるTh17細胞主体の重症喘息にはステロールやオキシステロールが関与していることが知られている。本総説では、高脂血症治療薬であるスタチンがステロール産生抑制を介してTh17タイプの喘息治療に有効である可能性につき論じている。

 

R-22-10-2食物アレルギー予防のための乳児期栄養に対する実際的なアプローチ⇒早期摂取だけじゃなくMcWilliam V et al. A pragmatic approach to infant feeding for food allergy prevention. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13849. ★★★

アレルゲン食品を生後早期に摂取開始することが食物アレルギー予防のために有効であることがわかってきて、世界各国で乳児期栄養法に関するガイドラインが修正されている。しかしながらオーストラリアでは、その取り組みが必ずしも食物アレルギーの減少に結び付いていない。本総説では、特に離乳食開始前の食物アレルギー発症予防策としてビタミンD補充、保湿剤の使用、ワクチン接種などの可能性を論じている。

 

R-22-10-3スポーツにおけるアレルギーと呼吸障害の診断および管理:EAACIタスクフォースポジションペーパー⇒スポーツとアレルギーの関係に焦点Price OJ et al. Diagnosis and management of allergy and respiratory disorders in sport: An EAACI task force position paper. Allergy 2022; 77: 2909-2923. ★★

スポーツ活動に伴うアレルギー症状や呼吸障害は、エリート選手のみならず一般のスポーツ愛好家にとっても重要な問題である。本総説では、この問題に焦点を当ててその対応につき提言している。

 

R-22-10-4 食物アレルギー、機序、診断および治療:多角的なアプローチを通じた革新⇒これからの方向性Sindher SB et al. Food allergy, mechanisms, diagnosis and treatment: Innovation through a multi-targeted approach. Allergy 2022; 77: 2937-2948. ★★

増え続ける食物アレルギーについて、早期摂取や皮膚バリア維持による予防のみならず、治療法についても解説。特に今後の展望としてプロバイオティクスの併用、生物学的製剤、修飾アレルゲンを用いた新たな治療の可能性について言及。

 

R-22-10-5可能性と見込み:アレルギー疾患における臨床的方針決定のためのトランスクリプトームの進歩⇒アレルギー診療に変革をもたらすかMoore CM et al. Possibilities and promise: Leveraging advances in transcriptomics for clinical decision making in allergic diseases. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 756-65. ★★

エンドタイプの解析や狙いを定めた生物学的製剤治療など、アレルギー疾患におけるトランスクリプトーム解析の有用性につき紹介し、いかにして将来の個別化治療や合理的な患者管理につなげるかを考察。

 

R-22-10-6アレルギー性、免疫性疾患に対する生物学的製剤⇒2021年の進歩Morita H et al. Biologics for allergic and immunologic diseases. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 766-77. ★★

アレルギー疾患に対して生物学的製剤の使用を検討した2021年発表の論文をレビュー。同時に病態の理解に関する進歩についても考察。

 

R-22-10-7湿疹治療のための最も有効な局所ステロイドの使い方は?⇒最小で最大の効果を得るためにBanerjee N et al. What is the most effective way to use topical corticosteroids for treating eczema? Clin Exp Allergy 2022; 52: 1132-34. ★

湿疹に対するステロイド塗布薬の有効で安全な塗り方につき、コクランレビューの結果を紹介。1日1回と2回以上で効果は同様である、プロアクティブ療法はリアクティブよりおそらく有効、副作用としての皮膚菲薄化は希だがステロイドのランク上昇に伴って増加する、など。

 

R-22-10-7一次予防に失敗したピーナッツアレルギー児に対する早期救済経口免疫療法⇒OIT開始はできるだけ早くChua GT et al. The case for prompt salvage infant peanut oral immunotherapy following failed primary prevention. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10:2561-9. ★★

リスク児に対するピーナッツ早期摂取による一次予防の試みが失敗した例に対しては、保護者の同意(SDM)のもとで早期から経口免疫療法を開始すべき、と述べている。

 

R-22-10-8アレルギー疾患に対する遠隔医療の将来⇒これからはテレヘルスの時代Bajowala SS et al. The future of telehealth for allergic disease. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2514-23. ★★

COVID-19パンデミックをきっかけに広まった遠隔医療(テレヘルス)のアレルギー疾患への応用につき考察。各疾患管理における具体的活用方法についても提示。

 

R-22-10-9アレルギー・免疫領域における遠隔医療に対する患者、医療者の受け止め⇒遠隔医療の生かし方Ramsey A et al. Patient and clinician attitudes toward telemedicine for allergy and immunology. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2493-9. ★★

COVID-19パンデミックの影響で否応なく広まったテレメディシンのアレルギー・免疫領域における今後の可能性につき考察。

R-22-9-1アレルギー疾患進展予防の入り口としての細菌叢⇒細菌を味方につけるKloepfer KM et al. The microbiome as a gateway to prevention of allergic disease development. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2195-204. ★★

ヒトの組織に存在する細菌叢は抗原提示、耐性誘導、上皮バリアへの影響などを通じてアレルギー反応に深く関わっている。本総説では、細菌叢とアレルギーとの関わり、及びそれを利用した疾患の予防戦略などについて考察。

 

R-22-9-2アレルギーにおけるプロバイオティクス、プレバイオティクス使用の現状➡アトピー性皮膚炎に対しては有効かも?Fiocchi A et al. Current use of probiotics and prebiotics in allergy. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2219-42. ★★

プレバイオティクスやプロバイオティクスは腸内細菌叢を修飾してアレルギー疾患の治療や予防につながることが期待できるが、それらの効果を検討した論文を紹介。その効果は各疾患で一定しなかったが、現状ではアトピー性皮膚炎の予防に対してだけは補助手段として利用できるかもしれない。

 

R-22-9-3アナフィラキシー緊急時の自宅対応:911:緊急時とは?➡“エピペン使ったら必ず救急受診”は必要か?Casale TB et al. Acute at-home management of anaphylaxis: 911: what is the emergency? J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2274-9. ★★★

98%のアナフィラキシーは2回以下のアドレナリン投与で改善し、死亡は極めてまれである(年間0.002人/100万人)、二相性反応の頻度は5%以下である。また救急受診したからと言ってその後の予後が良好になるとは限らない。筆者らは、患者家族と充分に話し合った上で(いわゆるShared Decision Making)、自宅で適切に対応すれば救急受診は不要な場合もあると述べている。

R-22-8-1 2020年代におけるアレルギーや喘息の流行を管理する―フィンランドの経験から学ぶことHaahtela T et al. Managing the allergy and asthma epidemic in 2020s – Lessons from the Finnish experience. Allergy 2022; 77: 2367-2380.

予防戦略を見直してアレルギー疾患の負担を軽減するために2008年から2018年にかけてフィンランドで行われた公衆衛生プログラムの取り組みとその成果を紹介。

 

R-22-8-2 食物繊維や発酵食品の摂取とアレルギー反応との関連⇒食事への介入でアレルギーを克服するLosol P et al. Dietary fiber and fermented food consumption and its link to allergic responses. Allergy 2022; 77: 2568-70. ★★★

高繊維食品や発酵食品の腸内細菌を通じた炎症・アレルギー反応制御につき、最近の報告を総括。

 

R-22-8-3 皮膚を介したアレルギー予防⇒皮膚を制するものはアレルギーを制すwinslow A et al. Preventing allergies through the skin. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 276-285. ★★★

過去文献を検索して、皮膚への介入を通じたアレルギー予防(一次、二次、三次)について論述。一次予防では経口プロバイオティクスやω3脂肪酸投与の効果についても言及。今後予防戦略の効果を高めるには、リスク評価に役立つバイオマーカーや環境因子を同定する必要がある。

 

R-22-8-4 我々はアレルギー疾患の経過を変えることができるか?⇒150年前からのアレルギーの歴史を振り返るPlatts-Mills TAE et al. Can we alter the course of allergic disease? Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 271-273.

150年前からのアレルギー疾患疾患の変遷を振り返り、アレルギーが増えた原因を考察。

 

R-22-8-5 アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法は喘息を予防するか?⇒いわゆるbystander効果を考えるArshad SH et al. Does allergen immunotherapy for allergic rhinitis prevent asthma? Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 286-291. ★★

アレルゲン免疫療法(AIT)はアレルギー疾患の自然経過を変えて長期の緩解を得る唯一の手段である。本総説では、アレルギー性鼻炎(AR)に対するAITbystander効果として他のアレルゲン感作や喘息発症を予防するのか、について文献をもとに考察。ARに対する雑草やカバノキ科花粉によるAITが喘息予防になるとのエビデンスはあるが、ダニに対するAITに同様の効果があるかについては報告が少なかった。いずれにせよ、小規模な研究やデザインが不充分な研究が多く、今後の検討が必要。費用対効果についても考慮すべきである。

 

R-22-8-6 小児期初期における食物アレルギーや感作の予測やバイオマーカー⇒生後の1000日が勝負Davis EC et al. Predictors and biomarkers of food allergy and sensitization in early childhood. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 292-300. ★★

食物アレルギーや食物アレルゲン感作に関するリスク因子やバイオマーカーについて既報に基づいて考察。リスク遺伝子と環境要因の相互作用でエピジェネティックな変化が起こる可能性や、生活習慣が腸内細菌への影響を通じて食物アレルギーリスクを高める可能性、などについて言及。今後さらに前方視的な出生コホート研究が必要であると述べている。

R-22-7-1 いかなるアレルギー疾患も取り残さない―縦断コホートにおける食物アレルギーの重要性⇒食物アレルギー疫学調査の課題Robinson LB et al. No allergy left behind  The importance of food allergy in longitudinal cohorts. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 140-141. ★★

他のアレルギー疾患と比べて食物アレルギーの疫学調査が少ないのは、食物アレルギー診断のためのDBPCFCがやりにくいこと、コホート調査における食物アレルギーの定義が定まっていないこと、などによる。喘息の疫学調査ではそれが確立しており、多くの新たな知見が見いだされた。食物アレルギーもそれに倣って、正確、簡便で、経口負荷試験による妥当性評価を受けた疫学的診断方法の確立が急がれる。

 

R-22-7-2 アトピー性皮膚炎–併存症や治療に関する総説⇒アトピー性皮膚炎の最新知識Appiah MS et al. Atopic dermatitis Review of comorbidities and therapeutics. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 142-149. ★★★

アトピー性皮膚炎の病態に関する理解が進み、それに伴って新たな治療に関する選択肢が広がっている。また患者の精神的、身体的負担についても研究が進んでいる。本総説では、アトピー性皮膚炎の発症、併存症、新たな治療についての最新の知見を紹介。

R-22-6-1加工品に含まれる微量食物アレルゲンの自主的表示の上限として食品100g当たり0.5mg蛋白質を提唱する―患者へのより良い情報提供と致死的アレルギー反応予防を率先するための最初のステップ:AGA2LENポジションペーパー⇒コンタミ表記の基準Zuberbier T et al. Proposal of 0.5mg of protein/100g of processed food as threshold for voluntary declaration of food allergen traces in processed food – A first step in an initiative to better inform patients and avoid fatal allergic reactions: A GA2LEN position paper. Allergy 2022; 77: 1736-1750. ★

EUでは14の主要アレルゲン表示義務があるが、コンタミの可能性表示についての法的定義はない。本論文では、安全性に関する文献の体系的レビューをもとに、自主的なコンタミ可能性表示として“100g当たり0.5mg未満の濃度で含まれる可能性あり”と表記することを提唱。

 

R-22-6-2アトピー性皮膚炎予防のための乳児期における保湿剤:体系的レビューとメタ分析⇒発症予防というより発症遅延効果?Zhong Y et al. Emollients in infancy to prevent atopic dermatitis: a systematic review and meta-analysis. Allergy 2022; 77: 1685-1699. ★★

乳児期早期からの保湿剤使用によるアトピー性皮膚炎発症予防効果を検証するため、2020年1月から7月までに発表された論文から厳選された10論文をメタ分析。ハイリスク群に対して継続的に使用した場合に抑制効果がみられたが、予防というより発症を遅らせる効果であることが示唆された。食物アレルギー予防効果は見られなかった。

 

R-22-6-3ピーナッツアレルギーに対するパルフォルジア:万能薬か、苦しみをもたらすものか⇒経口免疫療法の製剤の功罪を考察Perkin MR et al. Palforzia for peanut allergy: Pacacea or predicament. Clin Exp Allergy 2022; 52: 729-731. ★★★

ピーナッツアレルギーに対する経口免疫療法の製剤として承認されたパルフォルジアについて、その効果が限定的であること、副反応のリスクが高いこと、費用対効果の問題、などから否定的な見解を述べている。

R-22-5-1疾患を調整する抗ぜん息治療薬⇒喘息治療のパラダイムシフトLommatzsch M et al. Disease-modifying anti- asthmatic drugs. Lancet 2022; 399: 1664-1668. ★★★

かつてステロイド全身投与や短時間作動型β2アゴニストなどで症状を調整することに留まっていた喘息治療が、最近では根本的な免疫学的メカニズムの調整を目的とした生物学的製剤やアレルゲン免疫療法に置き換わってきた。これらの薬剤をリウマチの場合のdisease-modifying anti-rheumatic drugs (DMARD)に倣ってdisease-modifying anti-asthmatic drugsと位置付けて最新の治療コンセプトを解説。

 

R-22-5-2喘息や呼吸器系アレルギーの早期介入:予防の未来像⇒予防へ向けての研究の方向性を示すWahn U et al. Early priming of asthma and respiratory allergies: future aspects of prevention. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13773. ★★

2021年10月に開かれたヨーロッパの専門家によるワークショップをもとに、アレルギー、とりわけ喘息の遺伝的、環境的要因と一次予防、二次予防に向けての研究の方向性を示している。

 

R-22-5-3アトピー性皮膚炎における皮膚バリア修復のための柔軟剤(emollient)治療の最適化⇒賢く使おうElias PM et al. Optimizing emollient therapy for skin barrier repair in atopic dermatitis. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 128: 505-511. ★

アトピー性皮膚炎における皮膚バリア修復のために様々な保湿剤が用いられているがすべての保湿剤が有効なわけではない。本総説では、市販の保湿剤の最適な使い方について文献をもとに考察し、ガイドラインを提示。

 

R-22-5-4アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを予防するための保湿剤治療:使うか、使わないか?⇒評価は定まらずKatibi OS et al. Moisturizer therapy in prevention of atopic dermatitis and food allergy: To use or disuse? Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 128: 512-525. ★★

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを予防するために保湿剤の使用が有効か否かにつてい既報の文献をもとに考察。保湿剤の種類、頻度、期間、年齢など様々な要因が影響する可能性がある。

 

R-22-5-5アトピー性皮膚炎の局所療法を最適化する⇒増えた選択肢をどう使い分けるか?Butala S et al. Optimizing topical management of atopic dermatitis. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 128: 488-504. ★★

ステロイド塗布を基本としてアトピー性皮膚炎の局所療法について解説。さらに最近登場した非ステロイド性局所治療薬や全身療法についても言及し、どのタイミングで全身療法に移行するかについてもアルゴリズムを提示している。

 

R-22-5-6喘息に対する吸入ステロイドの使用は副腎抑制と関連する⇒少量でも要注意Lasky-Su J et al. Inhaled corticosteroid use for asthma is linked to adrenal suppression. Nat Med 2022; 28: 645-666. ★★★

4つの独立したコホート集団の14,000名を対象としたメタボロミクス調査により、喘息治療に対する吸入ステロイド療法が例え少量であっても副腎抑制につながることを示したNat Med誌掲載の論文を紹介。

 

R-22-5-7生後早期における免疫-微生物相互作用:長期的な健康と疾病の決定要因⇒“生活史仮説”(life history theory)って何?Brodin P et al. Immune-microbe interactions early in life: a determinant of health and disease long term. Science 2022; 376: 945-950. ★★★

生後早期の常在菌叢と生体の免疫反応の相互作用がその後の人生における健康状態に影響し、その破綻がアレルギーや自己免疫疾患に結び付くことを述べている。そして、先祖の時代、出生早期、そして成人期における環境のミスマッチが免疫-微生物相互作用の破綻をきたし、免疫系疾患に結び付くとの“生活史仮説”を提唱。具体的には、摂取エネルギーが欠乏しがちな大昔の時代には専ら成長のために使われていたエネルギーが、近年では余ったエネルギーが免疫のほうにも向けられるようになり、免疫系疾患、肥満、代謝疾患などの増加につながっているという。

 

R-22-5-8細菌叢と皮膚バリア機能の維持⇒皮膚バリアに与える菌叢の影響を解説Harris-Tryon T et al. Microbiota and maintenance of skin barrier function. Science 2022; 376: 940-945. ★

いかにして皮膚常在菌叢が皮膚バリア機能維持に貢献しているか、そしていかにしてその破綻が疾患に結び付くかについて解説。

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