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最新の文献から【基礎的研究】

B-22-10-1 グルココルチコイド(GC)による自然IgEの誘導⇒”アレルギーを抑える“IgE Lim J et al. Induction of natural IgE by glucocorticoids. J Exp Med 2022; 219: e20220903.

GCがB細胞に働いて抗原非特異的な”自然IgE“産生を促すことを示し、及びその分子生物学的メカニズムを解析。さらに腸管内でGC刺激によって産生された自然IgEがアナフィラキシー抑制効果を持つことを示した。

 

B-22-9-1角化細胞においてFRA1:c-JUN:HDAC1複合体はTNFαやIFNγ刺激によるフィラグリン発現低下に関与している➡炎症で皮膚バリアが低下する分子メカニズムを解明Ahn SS et al. FRA1:c-JUN:HDA1 complex down-regulates filaggrin expression upon TNFαand IFNγ stimulation in keratinocytes. PNAS 2022; 119: e2123451119. ★★

フィラグリンは皮膚バリアのための重要な構造蛋白であり、皮膚炎症においてその発現が低下することが知られているが、そのメカニズムはよくわかっていなかった。本研究ではアトピー性皮膚炎モデルマウスの解析から、フィラグリン遺伝子プロモーター領域にあるAP1のFRA1およびc-JUNコンポーネントがTNFαやIFNγ刺激によってヒストンデアセチラーゼと反応し、フィラグリン遺伝子発現を抑制することを示した。これらの分子をブロックすることがアトピー性皮膚炎のような皮膚炎症疾患の治療に役立つかもしれない。

B-22-8-1LEAPスタディのマウスモデルにより明らかになった、環境中ピーナッツ曝露により誘導されるピーナッツアレルギー予防のためのCTLA-4の役割⇒LEAPスタディの機序をマウスで解明Krempski JW et al. A mouse model of the LEAP study reveals a role for CTLA-4 in preventing peanut allergy induced by environmental peanut exposure. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 425-39. ★★★

皮膚や気道を介してピーナッツ抗原に曝露されることでピーナッツアレルギーを起こすマウスの系を用いて、事前にピーナッツを経口摂取することによるピーナッツアレルギー予防モデルマウス(LEAPモデル)を作成。免疫学的に解析したところ、LEAPモデルマウスでは所属リンパ節中のTfh細胞や胚中心B細胞の数が減少していた。さらに、単一細胞RNAシークエンスによりCD4陽性T細胞におけるCTLA-4発現が亢進しており、抗体によるCTLA-4ブロックでピーナッツ特異IgE抗体産生が上昇した。ピーナッツ摂取によりCTLA-4経路がTfh細胞を制御することがピーナッツアレルギー予防に関与している可能性が示唆された。

B-22-7-1 食物に対する免疫寛容はCD4陽性T細胞の機能不全の重なりによって起こる⇒より自然な環境で免疫寛容を検討Hong SW et al. Immune tolerance of food is mediated by layers of CD4+ T cell dysfunction. Nature 2022; 607: 762-768. ★★★

経口免疫寛容(oral tolerance)の研究は従来モノクローナルなT細胞受容体トランスジェニックマウスを用いて行われてきた。本研究では、正常なT細胞レパトアを持つ個体における経口免疫寛容の機序を検討。食物抗原への曝露がCD4陽性ナイーブT細胞を標準から外れた低反応性のヘルパーT細胞サブセットへと分化させ、炎症惹起機能を欠く一方で制御性T細胞へ分化する可能性を持つT細胞を誘導することを示した。

B-22-6-1 西欧型食事が皮膚セラミドを変化させ、耳介の皮膚バリアを障害する⇒食事内容が皮膚バリアに影響Tan KJ et al. A western diet alers skin ceramides and compromises the skin barrier in ears. J Invest Dermatol 2022; 142: 2020-2023. ★★★◎

マウス実験で、高脂肪の西欧型食事を与えたマウスでは耳介の皮膚に炎症細胞浸潤、紅斑、腫脹、経皮水分蒸散量の上昇など、皮膚バリア障害が自然に起こることを見出した。さらに解析した結果、皮膚セラミド構成の変化(より炭素数の少ないセラミドの増加)がその原因であることが分かった。アトピー性皮膚炎のような慢性皮膚炎症の改善に食事介入が有効である可能性を示している。

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