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最新の文献から【臨床的研究】

C-26-3-1湿疹発症年齢と多項目食物アレルギー➡早いと食物アレルギー、遅いと喘息、鼻炎と関連Hussien H et al. The age of eczema onset and multiple food allergies. Ann Allergy Asthma Immunol 2026; 136: 340-345. ★★

多施設縦断研究にて小児食物アレルギー(FA)患者におけるアトピー性皮膚炎(AD)の有無および発症時期と、FAの数・種類や併存アレルギー疾患との関連を検討。1309例中77%にAD既往があり、その大半は生後1年以内に発症していた。早期発症ADは多重FAや牛乳・卵アレルギーと強く関連した一方、遅発型ADは多重FAのリスクが低いが、喘息やアレルギー性鼻炎のリスクが高かった。これらより、AD発症時期はアレルギー表現型の違いに関与し、早期発症は食物感作、遅発発症は呼吸器アレルギーと関連する可能性が示唆された。

C-26-2-1妊娠中および授乳中の地中海食摂取と児の食物アレルギー:MEALLIONコホート研究の結果➡食物アレルギー予防は妊娠中からVassilopoulou E et al. Adherence to Mediterranean diet during pregnancy, breastfeeding, and development of food allergy in the offspring: results from the MEDALLION cohort study. Allergy 2026; 81: 563-572. ★★★

妊娠中および授乳中の母親の地中海食(MedDiet)への遵守度と、子どもの食物アレルギー(FA)発症との関連をMEDALLIONコホート430組の母子で検討。MedDietスコアと各食品群の摂取量を評価し、ロジスティック回帰分析を行った結果、妊娠期・授乳期ともにMedDietへの高い遵守は子どものFA発症リスク低下と関連した。また妊娠中の果物および全脂肪乳製品の摂取、授乳期の野菜摂取はリスク低下と関連した。一方で妊娠期・授乳期の赤身肉や鶏肉の多量摂取、妊娠期の魚摂取はリスク増加と関連した。これらの結果は、母親の食事内容が乳児の免疫発達とアレルギー予防に影響する可能性を示し、特に地中海食のような伝統的食習慣が食物アレルギー予防に有用である可能性を示唆している。

C-26-2-2ピーナッツアレルギーに対する保護因子としての初乳:出生コホートからのエビデンス➡生後3日間の栄養が決め手になるBhasin M et al. Colostrum as a protective factor against peanut allergy: evidence from a birth cohort. Allergy 2026; 81: 552-562. ★★

出生後3日間の初乳摂取と食物アレルギー発症との関連をオーストラリアの出生コホート666組で検討した。初乳のみを摂取した児(ECF)と、初乳と人工乳を併用した児(PCF)を比較したところ、PCF児では12~18か月時点のピーナッツアレルギー(調整オッズ比4.47)および複数の食物アレルギー(同11.44)のリスクが有意に高かった。また初乳摂取回数が多いほどリスクは低く、特に1日9回以上の初乳摂取児ではピーナッツアレルギーは認められなかった。出生直後の十分な初乳摂取は食物アレルギー、特にピーナッツアレルギーの予防に重要な保護因子である可能性が示唆された。

 

C-26-2-3すべての鼻炎がアレルギーマーチの通りになるわけではない:JECSコホートの3つのフェノタイプと生後早期のリスク因子及び感染症の関与➡鼻炎の経過も様々Harama D et al. Not all rhinitis follows the atopic march: early-life risk factors and implications of infectious disease across three phenotypes in JECS cohort. Allergy 2026; 81: 585-590. ★

日本の大規模出生コホートJECSを用いて、4歳までのアレルギー性鼻炎(AR)を既往アレルギーに基づきAD先行型(AD-AR)、他アレルギー先行型(Other-AR)、単独型(AR-only)の3表現型に分類し、早期リスク因子を検討した。男性、IgE高値、空中アレルゲン感作は全型に共通するリスクであった。一方、AD-ARは両親のアレルギー歴と強く関連し、従来のアトピーマーチを反映していたのに対し、AR-onlyはこれらの遺伝的要因との関連が弱く、感染頻度が多いほどリスクが低下する傾向を示した。これらの結果は、ARは単一の経路ではなく、遺伝的要因に基づく型と環境要因主体の型が存在することを示唆している。

 

C-26-2-4ピーナッツアレルギーにおいて、経口免疫療法は末梢血のピーナッツに対するトランスクリプトーム反応を抑制する➡遺伝子発現の解析でOITのメカニズムを探るZhang L et al. Oral immunotherapy suppresses peripheral blood transcriptome response to peanut in peanut allergy. J Allergy Clin Immunol 2026; 157: 398-408. ★★

ピーナッツアレルギー児に対する経口免疫療法(OIT)が末梢血トランスクリプトームに与える影響をランダム化試験で検討。4~14歳の73人をOIT群と回避群に割り付け、食物負荷試験時の血液RNAを解析した。その結果、OIT群は100%が脱感作を達成し、回避群の約21%を大きく上回った。回避群ではピーナッツ曝露により好中球脱顆粒やIL-4、IL-13シグナルなど295遺伝子の発現変化が認められたが、OIT群ではこれら炎症関連転写応答が著明に抑制され、治療中止後も持続した。また機械学習によりFOS、NDST1、LTB4Rなど27遺伝子が脱感作の分類に有用であると示された。これらの結果は、OITが炎症性分子機構を抑制することで臨床的脱感作をもたらすことを示し、新たな治療標的の可能性を示唆する。

 

C-26-2-5多項目食物アレルギー患者におけるオマリズマブ治療に対する予測因子や反応と関連する因子の探索的解析➡オマリズマブが有効なのはどんな人?Chinthrajah RS et al. Exploratory analyses of predictors and correlates of response to omalizumab therapy in patients with multiple food allergies. J Allergy Clin Immunol 2026; 157: 442-453. ★★

多項目食物アレルギー患者に対する抗IgE抗体オマリズマブ療法の反応予測因子を探索的に検討。OUtMATCH試験参加者116例を対象に、治療後の食物負荷試験での耐容量と臨床・免疫学的指標との関連を解析した。その結果、オマリズマブは遊離IgEを低下させ、多くの患者で耐容量を増加させた。特に治療前の総IgE値が高いほど治療反応が良好である傾向が最も一貫して認められたが、その予測力は中等度にとどまった。一方、特異的IgE値、皮膚テスト、好塩基球活性などは有用な予測因子とはならなかった。総IgEが反応予測の候補となる可能性を示す一方で、より信頼性の高いバイオマーカーが求められる。

 

C-26-2-6投与時の反応と投与の欠如がピーナッツ経口免疫療法の結果に影響する➡成功を拒むものOlayiwola O et al. Dosing reactions and missed doses affect peanut oral immunotherapy outcomes. J Allergy Clin Immunol Pract 2026; 14: 453-63. ★★

ピーナッツ経口免疫療法(pOIT)において投与欠如や投与時の反応が治療効果に及ぼす影響を検討。1~4歳のピーナッツアレルギー児を対象に、連続投与欠如の回数および投与時の反応と脱感作・寛解との関連を評価した。その結果、build-up期の連続投与欠如回数が多いほど脱感作および寛解の達成率が低下し、また維持期の投与時反応数も脱感作達成率の低下と有意に関連した。一方、単発の投与欠如の総数は有意な関連を示さなかった。欠如の主因は感染症や服薬忘れであった。これらの結果は、特にbuild-up期の投与継続と維持期の反応管理がpOIT成功のために重要であることを示している。

 

C-26-2-7日本における早期摂取勧奨ガイドライン前後における小児食物アレルギー患者の救急受診の傾向➡早期摂取勧奨後も減少せずOhnishi S et al. Trends in emergency department visits for food allergy in children before and after early introduction guidelines in Japan: a 10-year retrospective study from a national tertiary centre. Clin Exp Allergy 2026; 56: 186-189. ★

日本の早期食物導入ガイドライン(特に加熱卵の早期導入)が小児の食物アレルギーによる救急受診に与えた影響を検討するため、2015~2024年に国立成育医療研究センター救急外来を受診した18歳未満の患者を対象に後方視的調査を行った。約2800件の受診があり、受診数や重症度は10年間で大きな変化を認めなかった。原因食品では木の実が有意に増加し、牛乳は減少、卵は全体では有意な減少を示さなかった(但し、3歳以上では有意に減少)。ガイドライン導入後も救急受診の減少は確認されず、普及不足や新たなアレルゲン増加への対応の必要性が示唆された。

 

C-26-2-8シラカバ関連食物アレルギー:時に重篤、でも自宅での経口負荷試験は安全➡シラカバ花粉に関連した食物アレルギーの特徴は?Kallen EJJ et al. Birch-pollen-related food allergy: occasionally severe, yet home-based oral food challenges are safe. Clin Exp Allergy 2026; 56: 190-192. ★

シラカバ花粉関連食物アレルギー(BPFA)の重症度と自宅での経口食物負荷試験(HOFC)の安全性を検討。18~65歳のBPFA患者38名に対し、病院または自宅で計109回の負荷試験を実施した結果、症状は軽症が43.0%、中等症が44.1%、重症が12.9%であり、従来考えられていたより重症例も一定数存在することが示された。一方、自宅で行われた試験の45%ではアドレナリン投与を要した例はなく、適切な患者選択と中止基準を守ることにより安全に実施可能であった。まとめると、BPFAは多くは軽症だが重症例も存在し、自宅負荷試験は診断効率向上に有用であった。

 

C-26-2-9維持療法中の軽症アトピー性皮膚炎児における自覚的疾患負荷を反映する生物学的指標としてのSCCA2➡POEMとよく相関Yasuda Y et al. SCCA2 as a biomarker reflecting patient-reported disease burden in children with mild atopic dermatitis under maintenance therapy. Pediar Allergy Immunol 2026; 37: e70298. ★

維持療法中の軽症アトピー性皮膚炎(AD)小児において、血清SCCA2が疾患活動性を反映するバイオマーカーとして有用かを検討した前向き観察研究。69例を対象に、医師評価(EASI)、患者報告アウトカム(POEM)、および血清SCCA2・TARCを測定した。その結果、SCCA2はEASIとの相関は弱かったが、POEMとは有意な相関を示し、患者が自覚する症状負担をよりよく反映した。また、SCCA2とPOEMの関連は測定後3日目に最も強く、短期的な症状変動の予測にも有用である可能性が示された。一方、TARCは有意な相関を示さなかった。以上より、SCCA2は軽症ADの維持療法中における潜在的炎症や症状負担を捉える有望な指標と考えられる。

 

C-26-2-10新生児期のビタミンDレベルと5歳以降の喘息リスク:デンマークにおける一般集団対象のコホート研究➡生まれたときのビタミンDレベルは喘息発症に影響せずLiu X et al. Neonatal vitamin D status and asthma risk after age 5 years: a Danish population-based cohort study. Pediatr Allergy Immunol 2026; 37: e70299. ★

本研究は、新生児期のビタミンD状態と5歳以降の喘息発症リスクとの関連を検討したデンマークの人口ベースコホート研究である。新生児乾燥血液スポットから25(OH)DおよびビタミンD結合タンパク(DBP)を測定し、14,005人を最大25年間追跡した。その結果、2308人(16.5%)が喘息を発症したが、新生児期の25(OH)DおよびDBP濃度はいずれも喘息リスクと有意な関連を示さなかった。また、これらの遺伝的予測値(ポリジェニックスコア)も喘息と関連しなかった。一方、喘息の遺伝的リスク自体は発症と強く関連していた。以上より、新生児期のビタミンD状態は5歳以降の喘息発症に重要な影響を及ぼさない可能性が示された。

 

C-26-2-11様々なタイミングにおける血中ビタミンDレベルと5歳時点の小児喘息リスク➡胎児期のビタミンDが喘息発症と関連?Hara C et al. Blood vitamin D levels at multiple time points and childhood asthma risk at age 5 years. Pediatr Allergy Immunol 2026; 37: e70297. ★

日本のアレルギー高リスク出生コホート205例を対象に、妊娠後期、臍帯血、生後1・2・5歳の血清25(OH)D濃度と5歳時の喘息との関連を縦断的に検討した。5歳時に11%が喘息と診断された。臍帯血ビタミンD濃度は喘息と逆相関傾向を示し、濃度が高いほど喘息リスクが低い可能性が示唆された(調整OR 0.801)。一方、母体および出生後のビタミンD濃度は有意な関連を示さなかった。累積ビタミンD曝露も同様に逆関連傾向を示した。以上より、胎児期のビタミンD状態が小児喘息発症に重要な影響を及ぼす可能性が示された。

 

C-26-2-12重症クルミアレルギーに関連するアレルゲンを調べるためのプロテオームによるアプローチ➡重症度のマーカーはJugr9Mochizuki S et al. Proteomic approach to investigate allergens involved in severe walnut allergy. Pediatr Allergy Immunol 2026; 37: e70291. ★★

小児の重症クルミアレルギー(WA)に関連するアレルゲン蛋白を同定することを目的に、経口食物負荷試験を実施した48例を対象にプロテオミクス解析を施行。重症度指標(TS/Pro)と特異的IgEを比較した結果、従来の主要アレルゲンJug r 1特異的IgEは重症度と有意な関連を示さなかった。一方、免疫ブロットおよび質量分析によりphospholipase D alpha 1(PLDa1:Jug r 9)が同定され、そのIgE反応性は重症例で高頻度に認められ、ELISA値は重症度と有意に相関した。以上より、PLDa1は重症クルミアレルギーの新たな重症度予測マーカーとなる可能性が示された。

 

C-26-2-13小児における食物アレルギーに関連したいじめ:混合研究法で明らかになった頻度と心理的負担Nocerino R et al. Food allergy-related bullying in children: prevalence and psychological burden from a mixed-methods study. Pediatr Allergy Immunol 2026; 37: e70295. ★

食物アレルギー(FA)児におけるアレルギー関連いじめ(FARB)の有病率と心理社会的影響を混合研究法で検討した横断研究。73例を対象に質問票と半構造化面接を行った結果、35.6%がいじめを経験し、27.4%はFAが原因であった。主な形態は言葉による侮辱や社会的排除で、教室内で同級生グループにより行われることが多かった。いじめは悲しみや不安、社会的孤立を引き起こし、過剰な警戒や回避行動などの対処行動が認められた。一部ではアレルゲン曝露の脅威もあり、身体的危険も伴った。以上より、FARBは頻度が高く重大な心理社会的および健康上の問題であり、学校における教育や予防策の強化が必要とされた。

 

C-26-2-14アトピー性皮膚炎患者において全身的治療が皮膚細菌叢にもたらす効果➡新規治療は細菌叢も改善Thomova T et al. Effect of systemic therapies on skin bacteriome in patients with atopic dermatitis: a pilot prospective study. J Invest Dermatol 2026; 146: 483-492. ★★

アトピー性皮膚炎(AD)患者60例を対象に、新規治療のdupilumab・JAK阻害薬、および従来治療のシクロスポリンA、外用ステロイドの4治療が皮膚細菌叢と臨床症状に及ぼす影響を6か月間前向きに比較したパイロット研究である。全治療で重症度は改善したが、dupilumabのみが血清IgEの低下とStaphylococcus aureusのほぼ完全な消失を示した。また、dupilumabとJAK阻害薬では皮膚細菌叢のバランスが正常化方向に変化した一方、従来治療では変化は限定的であった。以上より、2型炎症を標的とする治療は皮膚微生物叢を改善し、疾患制御に重要な役割を果たす可能性が示された

C-26-1-1食物アレルギー児において、経口免疫療法が成長の経過に及ぼす影響➡早めの開始が成長にも好影響Elkan M et al. Effects of oral immunotherapy on the growth trajectories of food-allergic children. J Allergy Clin Immunol Pract 2026; 14: 215-22. ★★

本研究は、IgE介在性食物アレルギーを有する小児において、経口免疫療法(OIT)が成長指標に与える影響を大規模に検討した後ろ向き研究である。4~16歳の小児458例を対象に、OIT前後の身長・体重の年齢別zスコアを比較した。その結果、治療後約19か月の短期追跡で身長年齢別zスコア(HAZ)は有意に改善し、体重年齢別zスコア(WAZ)の増加と正の相関を示した。特に治療開始年齢が6歳未満の児や、治療前のHAZが低い児で改善効果が大きかった。さらに一部症例の長期追跡(中央値34か月)では、HAZの改善がより顕著となり、分布は健常児に近づいた。一方、OIT不成功例では同様の成長改善は認められなかった。これらの結果から、OITは食物制限の緩和や栄養摂取の改善を通じて、特に若年・低身長の食物アレルギー児にキャッチアップ成長をもたらす可能性が示唆された。

 

C-26-1-230mgと300mgの維持量で実施したピーナッツ経口免疫療法➡効果は同じ安全性は向上Upton JEM et al. Peanut oral immunotherapy using 30 and 300mg maintenance doses. J Allergy Clin Immunol Pract 2026; 14: 223-32. ★★

ピーナッツアレルギー小児を対象に、低用量(30mg)と標準用量(300mg)のピーナッツ経口免疫療法(P-OIT)の有効性と安全性を、無作為二重盲検試験で除去群と比較した。30mg群、300mg群ともに、1年後の二重盲検食物負荷試験で耐容閾値が有意に上昇し、免疫学的にも特異的IgG4の増加や好塩基球活性の低下が認められた。臨床効果は両群で概ね同等であった一方、全身性副反応や治療中断は30mg群で少なかった。以上より、30mgという極めて低用量でも、除去継続に比べ十分な脱感作効果が得られ、安全性と継続性に優れた治療戦略となり得ることが示唆された。

 

C-26-1-3オーストラリアにおける食物アレルギーによるアナフィラキシー入院率とアレルギー予防ガイドライン更新との関連:2022アップデート➡早期摂取推奨の効果はまだ見えずMullins RJ et al. The relationship between Australian food anaphylaxis admission rates and updated allergy prevention guidelines: 2022 update. J Allergy Clin Immunol Pract 2026; 14: 293-6. ★

オーストラリアにおける食物アナフィラキシー入院率の長期推移と、乳児期の食物アレルギー予防ガイドライン改訂(2008年の「導入遅延撤廃」、2016年の「早期導入推奨」)との関連を疫学的に検討した。1998~2022年の全国入院データを解析した結果、食物アナフィラキシー入院率は全体として増加を続けているが、2008年以降に出生した1~14歳では年次増加率が明らかに鈍化した。一方、2016年以降も入院数の明確な減少は認められず、1歳未満では増加率の加速がみられた。これらは、ガイドラインの実施が不十分である可能性や、観察期間がまだ短いことを反映していると考えられる。早期食物導入が集団レベルで一定の予防効果を示唆する一方、その効果を最大化するには実臨床での普及と実践が重要であることを示唆している。

 

C-26-1-4小麦脱感作後の小児において運動誘発試験が偽陰性になることと関連する因子➡運動誘発試験はパスしたけれど…Mukai M et al. Factors associated with false negative exercise provocation tests following exercise-induced allergic reactions in children desensitized to wheat. Pediatr Allergy Immunol 2026; 37:e70274. ★

小麦経口免疫療法後に運動誘発性アレルギー反応(EIARD)を評価する運動負荷試験(EPT)の偽陰性頻度と関連因子を検討した後ろ向きコホート研究。陰性または判定不能例53例中14例(26.4%)に追跡中症状が出現し偽陰性と判定された。EPT時のω5-グリアジン特異的IgE高値が有意な関連因子であり、陰性後も継続的な経過観察の必要性が示唆された。

 

C-26-1-5FPIESの寛解と再発:経口負荷試験結果からの検討➡3年後の寛解率は75%以下Umezawa K et al. Remission and recurrence of food protein-induced enterocolitis syndrome: insights from oral food challenge outcomes. Clin Exp Allergy 2026; 56: 5682-84. ★

日本の三次医療機関におけるFPIES患者218例の経口食物負荷試験(OFC)成績を後ろ向きに解析し、寛解と再発を検討。年次推移では卵黄のOFCが増加し、牛乳は減少した。陰性OFC後の自宅摂取で6.6%に再発を認め、特に卵黄で高率であった。3年時点の寛解率は牛乳・卵黄・大豆いずれも約70~75%であり、段階的少量導入と継続摂取の重要性が示唆された。

 

C-26-1-6ピーナッツや木の実類にアレルギーの小児は、誤食によるアレルギー反応のリスクが高い➡除去指導だけでは不充分Vasse M et al. Children allergic to peanut/or tree nuts are at risk of accidental allergic reactions. Clin Exp Allergy 2026; 56: 68-71. ★

ピーナッツや木の実アレルギー児147例を1年間前向きに追跡し、偶発的アレルギー反応(AAR)の発生率と特徴を検討した。17件の偶発摂取による反応(うち29%がアナフィラキシー)を認め、年間発生率は10.9%で、両アレルギー合併例で高率であった。多くは家庭外で発生し、除去指導の限界と継続的教育や新規治療戦略の必要性が示された。

 

C-26-1-7小児の食物アレルギーにおける生活の質:ROAD調査における親子の報告から見えた多様化する影響➡QOL低下の要因は様々Jimbo C et al. Quality of life in paediatric food allergy: diverging influences on parent and child reports in the ROAD study. Clin Exp Allergy 2026; 56: 72-75. ★

日本の小児食物アレルギー患者と保護者を対象に、FAQLQ10を用いてQOLに影響する因子を検討した横断研究。保護者回答ではエピペン処方、就学前通園、兄弟の存在、原因食品数、多臓器症状がQOL低下と関連した。一方、子ども自身の回答では女性と牛乳アレルギーが有意因子であった。親子で影響因子が異なり、双方の視点を踏まえた支援の重要性が示された。

 

C-25-12-1EAT、LEAP、PASの3つのコホートにおけるピーナッツアレルギーの発症と寛解の過程➡ピーナッツアレルギー児の経過を追跡Foong RX et al. Kinetics of early peanut allergy development and resolution in the EAT, LEAP, and PAS cohorts. J Allergy Clin Immunol 2025; 156: 1628-38. ★

EAT・LEAP・PASの3コホートを用いて乳幼児期のピーナッツアレルギー(PA)の発症と自然寛解の経過を縦断的に解析した。PAの約56%は生後12か月までに発症し、そのうち約32%は幼児期に寛解した。早期発症・持続型、早期発症・寛解型、遅発型という異なる表現型が同定され、皮膚プリックテスト径やピーナッツ特異的IgE、Ara h2-IgEの推移が表現型を特徴づけた。湿疹や卵アレルギーの欠如、低IgE値は寛解予測因子であった。

 

C-25-12-2早期発症ピーナッツアレルギーの進展と寛解におけるエピトープ特異的IgE、IgG4の時間経過➡抗体価で経過を予測Suarez-Farinas M et al. Kinetics of epitope-specific IgE and IgG4 in early peanut allergy development and resolution. J Allergy Clin Immunol 2025; 156: 1639-49. ★

LEAP試験に参加した乳児を対象に、ピーナッツアレルギー(PA)の発症と自然寛解に伴うエピトープ特異的IgE・IgG4抗体の経時的変化を解析。乳児期早期から感作された児では、Ara h 2特定エピトープに対するIgEが高いと持続型PAとなる可能性が高くなる一方、寛解例ではIgG4が相対的に高値であった。機械学習モデルにより、1歳未満時点のエピトープ特異的IgE測定が将来の持続型PA予測に有用である可能性が示された。

 

C-25-12-3経口免疫療法開始前の食物アレルギー患者における好酸球性食道炎評価のための内視鏡観察➡予想以上に病変が見つかったSenol HD et al. Endoscopic evaluation of patients with food allergy for eosinophilic esophagitis before oral immunotherapy. J Allergy Clin Immunol Pract 2025; 13: 3346-54. ★★

食物アレルギー児に対する経口免疫療法(OIT)開始前に、好酸球性食道炎(EoE)/食道好酸球増多(EE)が潜在的に存在するかを内視鏡で評価。無症状の牛乳・卵アレルギー児48例のうち約3分の1にEEを認め、多くで内視鏡・組織学的異常が存在した。症状と炎症所見は乖離しており、周産期リスク因子(帝王切開、人工栄養、抗菌薬使用、NICU入室、母体発熱など)が3つ以上重なるとEEリスクが約5倍に上昇した。OIT中に診断されるEoEが必ずしも治療誘発ではない可能性を示し、全例一律の内視鏡ではなく、リスク層別化に基づく選択的スクリーニングの有用性を提唱している。

 

C-25-12-4小児アレルギー性鼻炎において、アレルゲン感作や症状の重症度によって腸内細菌が変化する➡小児の鼻炎にも腸内細菌が関与Miyake K et al. Gut microbiome alterations by allergen sensitization and symptom severity in paediatric allergic rhinitis. Allergy 2025; in press. ★★★

小児アレルギー性鼻炎(AR)における腸内細菌叢の変化を、感作抗原と症状重症度の違いに着目して解析。日本の出生コホート(JECS)に参加した8歳児857名の便検体を16S rRNA解析し、ダニ感作による通年性AR(HDM+PAR)とスギ花粉感作による季節性AR(JCP+SAR)を比較した。その結果、いずれの表現型でもα多様性の低下とβ多様性の変化が認められ、Akkermansia、Alloprevotella、Holdemanellaなど免疫寛容や上皮バリアに関与する菌の減少が共通してみられた。重症化に伴い短鎖脂肪酸産生やエネルギー代謝関連経路が抑制され、機能的再編成が示唆された。これらの所見は、腸内細菌叢が小児ARの病態形成や重症度に関与し、将来的な治療標的となる可能性を示す。

 

C-25-12-5ピーナッツや木の実に対する経口負荷試験をクリアすることが実臨床で食事摂取や生活の質に与える影響➡食べ続けることが大事Shen J et al. Real-world impact on dietary intake and quality of life post-successful oral food challenge to peanut and tree nuts. Clin Exp Allergy 2025; 55: 1232-35. ★

ピーナッツおよび木の実に対する経口食物負荷試験(OFC)で耐性を示した小児において、試験後の実際の摂取状況と生活の質(QOL)を前方視的に評価。耐性OFC後も約2割が摂取を中止しており、特に木の実で継続率が低かった。家族の食習慣は木の実の継続摂取に影響した。OFC結果そのものはQOLに差をもたらさなかったが、継続的な摂取はQOLの有意な改善と関連しており、OFC後の継続摂取を支援する指導の重要性が示された。

 

C-25-12-6重症度と関連したピーナッツアレルゲンのプロテオミクス解析を通じた探究➡新たなコンポーネントを発見Matsui T et al. Exploration of severity-associated peanut allergens via proteomic analysis. Pediatr Allergy Immunol 2025; 36: e70254. ★

小児ピーナッツアレルギー患者を対象に、プロテオミクス解析を用いて重症度と関連するアレルゲン成分を検討。OFCで評価した重症度(TS/Pro)は、Ara h 2およびAra h 6特異的IgEと強く相関し、Ara h 1、3、7とも中等度の関連を示した。さらに、新規候補として種子ビオチン結合タンパクSBP65(Ara h 20)を同定し、重症度との関連を認めた。感作成分の多様性も重症度と相関し、重症化予測における成分解析の重要性が示唆された。

 

C-25-12-7ROCKET-IGNITE及びROCKET-HORIZONにおける中等症~重症アトピー性皮膚炎治療のためのロカチンリマブの有効性、安全性:2つの世界的な、ダブルブラインド、プラセボ対照のランダム化された第3相臨床試験⇒OX40受容体を標的にしたアトピー性皮膚炎治療の成果Guttman-Yassky E et al. Efficacy and safety of rocatinlimab for the treatment of moderate-to-severe atopic dermatitisin ROCKET-IGNITE and ROCKET-HORIZON: two global, double-blind, placebo-controlled, randomized phase 3 clinical trials. Lancet 2026; 407: 53-66. ★★

中等症〜重症アトピー性皮膚炎成人患者を対象に、OX40受容体を標的とするT細胞調整抗体ロカチンリマブの有効性と安全性を第3相国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験(ROCKET-IGNITEおよびROCKET-HORIZON)で検証した。24週間の治療により、ロカチンリマブはプラセボと比較してEASI-75達成率およびvIGA-AD 0/1達成率を有意に改善した。安全性については、発熱や悪寒などの注射関連反応が主で、多くは軽度〜中等度であり、重篤な有害事象や死亡は認められなかった。これらの結果から、ロカチンリマブは中等症〜重症アトピー性皮膚炎に対する有効かつ忍容性の高い新規治療選択肢であることが示された。

C-25-11-1東京の思春期若者における花粉食物アレルギー症候群の頻度と感作➡出生コホートを思春期まで追跡Kiguchi T et al. Prevalence and sensitization of pollen-food allergy syndrome among adolescents in Tokyo. J Allergy Clin Immunol Global 2025; 4: 100561. ★★

東京都で出生した一般コホート(T-Child Study)を追跡し、17歳思春期における花粉‐食物アレルギー症候群(PFAS)の有病率と感作状況を解析した。458名のうち54.4%が花粉アレルギーを有し、PFASは11.2%に認められた。主な原因食品はリンゴ(45.1%)、キウイ(41.2%)、パイナップル(39.2%)で、Cry j 1(スギ)、Bet v 1(シラカンバ)、Mal d 1(リンゴ)、Pru p 1(モモ)などへのIgE感作が高頻度であった。PFAS患者の43.1%にアトピー性皮膚炎の既往があり、「アレルギーマーチ」との関連が示唆された。13歳時点の同コホートと比較してPFAS有病率はほぼ一定であり、思春期における顕著な増加は認められなかった。花粉症状は春季に集中し、特に3〜4月に多く報告された。これらの結果は、PFASが日本の青年期において一般的であり、花粉感作やアトピー歴と密接に関連することを示している。

 

C-25-11-2FDAで承認されたピーナッツ経口免疫療法用の製品と市販のピーナッツ製品の比較➡市販品はばらつきが大きいCasale TB et al. Comparison of an FDA-approved peanut oral immunotherapy product with peanut food products. J Allergy Clin Immunol 2025; 156: 1420-1423. ★★

市販のピーナッツ食品は、総タンパク量や主要アレルゲン(Ara h1, h2, h3 など)の含有量が製品間・ロット間で大きく変動し、最大で数百倍の差を示した。一方、FDA承認の医薬品PTAHはロット間のばらつきが小さく、成分が安定していた。非標準化食品をOITや食物負荷に用いると、過量・過少曝露による有害事象や診断誤差のリスクが高まるため、標準化製剤の使用がより安全で望ましいと結論づけている。

 

C-25-11-3経口免疫療法における市販のピーナッツ含有製品の使用➡ばらつきの影響は限定的Ali L et al. Using real-world peanut-containing foods for oral immunotherapy. J Allergy Clin Immunol 2025; 156: 1427-1429. ★★

市販ピーナッツ製品に含まれるアレルゲン量のばらつきは、個人の反応閾値の日内変動に比べて影響が小さく、臨床的懸念は限定的である。また市販品を用いたOITにおいて「安全性が低下したとの明確なエビデンスはなく、むしろ嗜好性の高い食品は継続しやすいかもしれない。ただしヨーロッパで作られたピーナッツ製品M&M’sではアレルゲン量が低く、維持療法の効果がやや減弱する可能性があり、食品選択の影響を今後検証すべきと結論づけている。

 

C-25-11-4日本の小児におけるクルミによるアナフィラキシーの11年間の傾向➡3.2%から26.1%へ急上昇Iwashita Y et al. Eleven-yar trends in walnut-induced anaphylaxis in children in Japan: a multicenter retrospective study. Pediatr Allergy Immunol 2025; 36: e70243. ★★

2011~2021年に日本の3施設を受診した小児食物アナフィラキシー904例を後方視的に解析したところ、クルミによる症例は3.2%から26.1%へ急増し、近年では最も多い原因食物となった。クルミ群は事前診断例やアドレナリン自己注射処方が少なく、初回発症の幼児が多い傾向を示した。また消化器症状が他の食品より高頻度であった。クルミ摂取機会の増加が一因と考えられ、早期診断と予防体制の強化が求められる。

 

C-25-11-5小児の定期摂取と食物負荷の関連性についての実臨床における評価➡摂取可能量が少ないと定期摂取もしにくいHamaguchi S et al. Real-world evaluation of associations between regular intake and food challenge outcome in children. Clin Exp Allergy 2025; 55: 1134-57. ★

食物アレルギー児における日常的な摂取状況と食物経口負荷試験(OFC)結果との関連を実臨床データで検証。卵白・牛乳・ピーナッツ・クルミ・カシューナッツを対象に解析したところ、定期摂取のない群では総累積摂取量が低く、OFC陽性率も高い傾向を示した。症状の重症度に差はなく、定期摂取が閾値上昇や脱感作維持に寄与し、OFCの安全性向上につながる可能性が示唆された。

 

C-25-11-6小児における酪酸をアジュバントとしたピーナッツの免疫療法(OPIA):ランダム化コントロール試験➡酪酸を足しても有効性みられずHsu PS et al. Oral peanut immunotherapy with butyrate adjuvant (OPIA) in children: a randomized, controlled trial. Clin Exp Allergy 2025; 55: 1105-1117. ★

ピーナッツ経口免疫療法(OIT)に酪酸を併用し、持続的反応性消失(SU)の割合が増加するかを無作為化比較試験で検証した。OIT単独と比較してSU率や安全性に差はなく、臨床的上乗せ効果は認められなかった。一方で酪酸併用群ではピーナッツ特異的Tregの持続が示され、免疫学的効果の可能性が示唆された。

 

C-25-11-7就学前ピーナッツアレルギー児に対する実際的な少量経口免疫療法:ランダム化コントロール試験➡実際的な少量OITが有効O’Sullivan M et al. Pragmatic low-dose oral immunotherapy for preschool children with peanut allergy: a randomized controlled trial. Clin Exp Allergy 2025; 55: 1093-1104. ★

1〜4歳のピーナッツアレルギー児を対象に、保護者が市販ピーナッツ粉を計量する形で行う低用量OITの有効性と安全性を、完全除去と比較して評価した。12か月後、OIT群は600mg以上が摂取可能となる割合が高く、QOLも改善した。副作用は多いが大半は軽度で、安全性は許容範囲であった。簡便なOIT手法が有効な治療選択肢となる可能性が示された。

 

C-25-11-8就学前の経口免疫療法が親の食物アレルギーに対する不安や生活の質の改善につながる:実臨床での観察研究➡不安解消にOITをBaaske A et al. Preschool oral immunotherapy is associated with improved parental food allergy -specific anxiety and quality of life: a real-world observational study. Clin Exp Allergy 2025; 55:1083-1092. ★

就学前児を対象とした食物経口免疫療法(OIT)が保護者の食物アレルギー特異的不安(FAA)および生活の質(FAQL)に与える影響を実臨床データで検証。OIT導入後、保護者のFAA総得点と関連下位尺度、FAQLはいずれも有意に改善した。改善は主に増量期に生じ、その後は維持された。OITが保護者の心理的負担軽減に寄与する可能性が示された。

 

C-25-11-9アトピー性皮膚炎に対してデュピルマブで治療された小児期および思春期患者における食物アレルギーの臨床経過➡特異IgEは下がったけれど…Emerson AG et al. Food allergy clinical course in children and adolescents treated with dupilumab for atopic dermatitis. ★

アトピー性皮膚炎の治療としてデュピルマブを使用している小児・思春期患者における食物アレルギーの経過を後方視的に検討した。60例の解析では、治療期間が長いほど特異的IgE値は有意に低下したが、皮膚プリックテストの変化は乏しかった。また食物経口負荷試験の通過率は76%で、既報と同等であった。デュピルマブはIgE低下を伴うが、臨床的耐性獲得との関連は明確でなく、SPTの方が経過指標として有用な可能性が示唆された。

 

C-25-10-1牛乳アレルギー小児における生活習慣、免疫、そして腸内細菌叢の相互関係➡様々なエンドタイプが存在Yamamoto-Hanada K et al. Interaction between lifestyle, immunity and gut microbiota in milk allergy children. Clin Exp Allergy 2025; 55: 960-963. ★★

牛乳アレルギー(CMA)児における生活習慣、免疫応答、腸内細菌叢の相互関係を明らかにすることを目的として、重症CMA児59名を対象に、背景因子、血清サイトカイン、腸内細菌叢データを統合解析し、UMAPによるクラスタリングを行った。その結果、CMA児は3つのクラスターに分類され、1.TSLP・IL-3高値で炎症性特徴を示す群、2.Lachnospiraceae・Rikenellaceae優勢で免疫抑制的特徴を示す群、3.TNF-α・TARC高値で強い炎症傾向を持つ群が認められた。[2.]群は制御性T細胞誘導に関わる酪酸産生菌を多く含み、耐性獲得が早い可能性が示唆された。社会経済的要因(親の教育水準)も免疫マーカーと関連しており、生活環境が免疫応答に影響することが示唆された。これらの結果から、CMAには複数のエンドタイプが存在し、個別化した治療戦略が必要であることが示された。

 

C-25-10-2思春期や若年成人における食物経口負荷試験の実施頻度や必要性の上昇:アレルギー管理への示唆➡成人移行期の食物アレルギー管理へ向けてOmori M et al. Rising use and need for oral food challenges in adolescents and young adults: implications for allergy management. Clin Exp Allergy 2025; 55: 939-941. ★

思春期・若年成人(AYA)における経口食物負荷試験(OFC)の実施状況と必要性を明らかにする目的で、2013~2023年の単一施設データ13,470例を解析。AYA群(16歳以上)は全体の2.6%で、年次割合は2014年0.8%から2023年4.2%へと増加した。AYAは多重食物アレルギー(75.1%)、経口免疫療法歴(58.5%)、アナフィラキシー既往(27.8%)が多く、OFC陽性率は小児より低かった(25.2% vs 32.1%)。OFCは耐性確認やリスク評価、心理的支援、自己管理への移行を支える重要な役割を持ち、AYAに特化したリスク評価と移行支援体制の整備が求められる。

 

C-25-10-3ピーナッツアレルギーにおける反応閾値と関連する口腔および腸内微生物ハブ:循環免疫因子との相互作用➡閾値と関連した口腔内、腸内の細菌を同定Zhang L et al. Oral and gut microbial hubs associated with reaction threshold interact with circulating immune factors in peanut allergy. Allergy 2025; 80: 2800^2809. ★

ピーナッツアレルギー患者における反応閾値の個人差と、口腔および腸内マイクロバイオームとの関連を解析。120名の小児を対象に二重盲検食物負荷試験を実施し、唾液・便・血液中の遺伝子発現や免疫指標を統合的に解析した。その結果、唾液中のRothia aeriaおよび腸内のBacteroides属が反応閾値と有意に関連し、これらは血中でのFcγR依存性食作用経路やTLRシグナル伝達、好中球数、ピーナッツ特異的IgE/Ara h 2抗体と相互作用することが示された。これらの「微生物ハブ」は、局所的マイクロバイオームと全身性免疫応答を結ぶ中心的役割を果たし、アレルギー重症度や耐性獲得の理解や治療標的の開発に新たな視点を提供する。

 

C-25-10-4 食物経口負荷試験を受ける患者において、エピネフリン点鼻スプレーはアレルギー症状を改善する第3相試験➡第3相試験で有効性、安全性を確認Ebisawa M et al. Epinephrine nasal spray improves allergic symptoms in patients undergoing oral food challenge, phase 3 trial. J Allergy Clin Immunol Pract 2025; 13: 2787-94. ★★★

食物アレルギー児を対象に経口負荷試験で誘発された中等度以上のアナフィラキシー症状に対するエピネフリン点鼻スプレー(neffy)の有効性と安全性を評価した第3相試験の結果を報告。6〜17歳の15例に投与し、全例で症状の改善を認め、追加のエピネフリン投与を要したのは1例のみであった。症状の改善時間は中央値16分で、副作用は軽度の振戦や鼻粘膜発赤に限られた。neffyは注射を伴わない迅速なアドレナリン投与法として有効であり、投与への心理的抵抗の軽減が期待される。

 

C-25-10-53歳未満の小児に対するカシュー経口免疫療法の安全性と有効性➡カシューナッツにも有効Jacobs SR et al. Safety and efficacy of cashew oral immunotherapy in children under age 3. J Allergy Clin Immunol Pract 2025; 13: 2845-48. ★

3歳未満の子どもを対象に実施したカシューナッツ経口免疫療法(OIT)の安全性と有効性を検討した後方視的研究。63例中45例が維持量に到達し、19例全員が3〜6gのカシュープロテインを耐性化後も摂取可能で持続的寛容を達成した。治療関連のエピネフリン投与は5例(7.9%)にみられたが、重篤例は少なかった。カシューナッツOITは、慎重な管理下では3歳未満児においても安全かつ有効な治療選択肢となり得ることが示唆された。

 

C-25-10-6Akagawa S et al. Faecalibacterium in the gut microbiota predicts tolerance acquisition in pediatric hen’s egg allergy. Allergy 2025; 80: 2886-2889. ★★

本研究は、鶏卵アレルギー児において腸内細菌叢が耐性獲得を予測できるかを検討した。未治療の36例を対象に腸内細菌を解析した結果、耐性獲得群ではFaecalibacterium属の割合が有意に高く(13.5%対2.7%)、耐性予測のAUCは0.858と最も高かった。Faecalibacteriumの多い児では血中制御性T細胞比率も高く、酪酸代謝経路の活性も上昇していた。これらの結果から、Faecalibacteriumは鶏卵アレルギーの自然寛解を予測する有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。

 

C-25-10-7尿中プロスタグランジン代謝産物はIgE依存性食物アレルギーとFPIESを鑑別するバイオマーカーとして有望である➡尿を分析してFPIESを診断Umezawa K et al. Urinary prostaglandin metabolites as potential biomarkers for differentiating IgE-mediated food allergy and food protein-induced enterocolitis syndrome. Allergy 2025; 80: 2890-93. ★

IgE依存性食物アレルギー(IgE-FA)と非IgE型食物蛋白誘発性腸炎症候群(FPIES)の鑑別における尿中プロスタグランジン代謝物の有用性を検討した。経口食物負荷試験中に尿を採取し分析した結果、IgE-FAではアレルギー反応後に尿中PGD₂代謝物(PGDM)が有意に上昇したが、FPIESでは上昇を認めなかった。PGDM/PGEM比とPGDM/PGFM比もIgE-FAで高値を示した。このことから、尿中PGDMは非侵襲的にIgE-FAとFPIESを鑑別する有望なバイオマーカーであることが示唆された。

 

C-25-10-8乳児期牛乳アレルギーの診断管理における単回負荷の意義に関する5年間の追跡調査➡最初に少量やった方が早く治る? Corcoran A et al. Five-year follow-up study of single dose challenge in the diagnosis and management of cow’s milk allergy in infants. Allergy 2025; 80: 2931-33. ★★

乳児期牛乳アレルギー(CMPA)診断時に行った単回低用量負荷(ED05)の長期効果を5年間追跡。初回研究参加者60例のうち47例が追跡に応じ、5年後には介入群の90%、対照群の76%が耐性を獲得していた。両群間の最終耐性率に差はなかったが、介入群では早期に耐性を獲得した。診断時の牛乳特異的IgE高値は耐性獲得遅延と関連した。単回低用量曝露は、CMPAの早期寛解促進に有効な補助的管理法となる可能性が示された。

 

C-25-10-9プロバイオティクス併用経口免疫療法が鶏卵や牛乳のアレルギーに対する持続的脱感作を誘導する➡プロバイオティクスを併用して急速法を乗り切るLloyd M et al. Probiotic oral immunotherapy for egg and milk allergy induces sustained unresponsiveness. Pediatr Allergy Immunol 2025; 36: e70222. ★★

卵および牛乳アレルギーに対するプロバイオティクス併用経口免疫療法(OIT)の安全性と有効性を検討したオープンラベル試験の結果を報告。5〜17歳の患者40名が、プロバイオティクスと卵または牛乳OITを18か月間受けた。8週間の除去後に二重盲検食物負荷試験を行い、持続的非反応性(SU)を評価した。その結果、卵群の55%、牛乳群の50%がSUを達成し、治療完遂者の約75%が寛解を維持した。副作用は多く(中等度〜重度反応は45〜65%)、特に牛乳群でアドレナリン投与を要する事例がみられたが、大半は管理可能であった。治療後には特異的IgE低下、IgG4上昇、生活の質(HRQL)の改善が認められた。高用量・急速OITにプロバイオティクスを併用することで、治療期間の短縮とSU達成率の向上が期待されることが示唆された。

 

C-25-10-10食物早期摂取ガイドラインと食物アレルギーのパターン➡早期摂取推奨の効果を確認Gabryszewski SJ et al. Guidelines for early food introduction and patterns of food allergy. Pediatrics 2025; 156: e2024070516. ★★★

ピーナッツなどの食物アレルギー予防を目的とした「早期食物導入ガイドライン」発表後のアレルギー発症率の変化を検証。米国小児科学会の電子診療記録ネットワーク(CER²)を用い、0〜3歳児約12万人を対象に、ガイドライン導入前後でIgE依存性食物アレルギー(IgE-FA)の診断率を比較した。その結果、ピーナッツIgE-FAは0.79%から0.53%、全IgE-FAは1.46%から1.02%へと有意に減少し、ガイドライン追加後にはさらに低下した(ハザード比約0.6、p<0.0001)。アトピー性皮膚炎の診断率は増加したが、全体として食物アレルギーの減少傾向が確認された。これらの結果は、早期食物導入が実際の臨床現場においてもアレルギー予防に有効であることを支持し、ガイドライン普及と教育の重要性を示している。

 

C-25-10-11ハイリスクコホートにおいて、出生時に短期間の保湿剤を使用した後に起こる生後2か月時点での乳児皮膚細菌叢の変化が、生後12か月におけるアトピー性皮膚炎有症率減少と関連している➡出生時のスキンケアが湿疹発症を抑えるStamatas GN et al. Shifts in infant skin microbiome at 2 months after short-term emollient use from birth are associated with reduced prevalence of atopic dermatitis at 12 months in a high-risk cohort. J Invest Dermatol 2025; 145: 2640-43. ★

家族歴をもつ高リスク乳児で、出生直後から短期間保湿剤を用いた介入群とコントロール群で皮膚菌叢やアトピー性皮膚炎(AD)発症率を比較。介入群は生後2か月で菌叢が有意に変化し、多くが12か月まで持続、AD発症率低下と関連した。AD増加と結びつくStaphylococcus等は抑えられ、CutibacteriumやMalasseziaなど保護的な菌が増加し、効果はFLG変異でより顕著だった。

 

 

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滋賀県立総合病院
電話番号:077-582-5031(代表)
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