文字サイズ

最新の文献から【臨床的研究】

C-22-10-1母が妊娠中の食事の低炭水化物食事スコア(LCDスコア)と児の2歳時点でのアレルギー疾患の関連⇒多すぎても少なすぎてもダメChen X et al. Association of maternal low-carbohydrate-diet score during pregnancy with allergic diseases at 2 years of age. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13842. ★

1736組の母子出生コホートを対象に、妊娠中の母の低炭水化物食事スコア(LCDスコア)と2歳までの児のアレルギー疾患の関連性を検討。LCDスコアが低くても高くても児のアレルギー疾患増加につながることが判明。妊娠中の母の食事内容は腸内細菌叢の変化を通じて児の免疫機能に影響したり、エピジェネティックな機序で免疫細胞の遺伝子発現に影響を与える可能性を示唆。

 

C-22-10-2母乳保育中の母のピーナッツ、及び鶏卵摂取ランダム化パイロット試験⇒鶏卵とピーナッツで異なる結果Palmer DJ et al. Maternal peanut and egg consumption during breastfeeding randomized pilot trial. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13845. ★

109名の母子出生コホートを対象に、6ヶ月間の母乳保育中に母が鶏卵及びピーナッツを多量に摂取する群としない群に分けて、生後12ヶ月までの児の鶏卵およびピーナッツアレルギー発症率を比較。高摂取群では児のピーナッツアレルギー発症は減少、逆に鶏卵アレルギー発症は増加した。

 

C-22-10-3ブドウのGRPによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例⇒ブドウGRPによる初の発症例Kobayashi T et al. A case of food-dependent exercise-induced anaphylaxis due to grape gibberellin-regulated protein. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13850. ★

ブドウのGRPによる発症と証明できた食物依存性運動誘発アナフィラキシーの11歳男子例を報告。

 

C-22-10-4アトピー性皮膚炎治療のための食物除去:体系的レビューとメタ分析⇒わずかなベネフィット、大きなリスクOykhman P et al. Dietary elimination for the treatment of atopic dermatitis: a systemic review and meta-analysis. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2657-66. ★★

アトピー性皮膚炎に対する除去食療法を検討した文献を精査して10報のランダム化対照試験を抽出。また分析の結果、わずかな治療効果(SCORAD、かゆみ、不眠などの改善)が示唆されたが、一方で食物アレルギーになるリスクや他の有効な治療法から遠ざかるリスクなどが指摘された。

 

C-22-10-5小児における牛乳蛋白開始のタイミングと牛乳摂取による誘発症状⇒生直後に与えるのが最も低リスクSwitkowski KM et al. Timing of cow’s milk protein introduction and childhood adverse reactions to cow’s milk. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2713-21. ★

ボストンにおける小児コホートを用いて、牛乳摂取を開始するタイミングと2~5歳時点での牛乳摂取による誘発症状との関連を調査。生直後からの継続的な牛乳摂取が最もリスクが低かった。

C-22-9-1ミルクラダープログラムにおいて、診断時の単回少量牛乳摂取が牛乳アレルギー児の牛乳摂取を加速させる⇒ちょっと飲めると安心M.d’Art YM et al. Single low-dose exposure to cow’s milk at diagnosis accelerates cow’s milk allergic infant’s progress on a milk ladder programme. Allergy 2022; 77: 2760-69. ★★★◎

12ヶ月未満の牛乳アレルギー児57名を対象に、段階的解除のプログラム(MAP Milk Tolerance Induction Ladder)を実施して12か月後まで追跡。施行前にごく少量摂取を医師の管理下に行った群(施行群)37名と行わなかった群(対照群)20名で3か月後、6か月後の進捗具合を比較したところ、施行群で有意に進んでいた。母の不安が強いと、進捗が遅れた。

 

C-22-9-2 PAFアセチルヒドロラーゼ(PAF-AH)は小児における重症アナフィラキシーの倍マーカーである⇒アナフィラキシー重症化を事前に予測Upton JEM et al. Platelet-activating factor acetylhydrolase is a biomarker of severe anaphylaxis in children. Allergy 2022; 77: 2665-76. ★★

PAFが重症アナフィラキシーに関与していることが知られている。本研究では、46名のアナフィラキシー患者について、アナフィラキシー直後の検体とその後4週間を超えた時期の検体で、PAF関連のマーカーを測定して、アナフィラキシー重症度との関連を比較。重度のアナフィラキシー症例ではアナフィラキシー直後だけではなく、普段のPAF-AH活性が低いことが判明。アナフィラキシー重症化の予測因子として使える可能性がある。

 

C-22-9-3食物アレルギーにおける重篤な反応のリスク因子:メタ分析も含めた迅速な英日デンス⇒アナフィラキシー歴の有無は無関係Turner PJ et al. Risk factors for severe reactions in food allergy: Rapid evidence review with meta-analysis. Allergy 2022; 77: 2634-52. ★

重篤なアナフィラキシーのリスク因子につき2010年から2021年に発表された論文のうち88の論文を選んでメタ分析も含めた検討を行った。アナフィラキシー歴、喘息、特異IgE、好塩基球活性化試験などはいずれも良い予測因子とは言えなかった。思春期から若年成人期でリスクは高くなったが危険行動との関連は不明であった。診断や治療の遅れはリスクを高める結果となった。

 

C-22-9-4食物依存性運動誘発膨疹、血管浮腫、そしてアナフィラキシー:体系的レビュー⇒発症メカニズムにも言及Kulthanan K et al. Food-dependent exercise-induced wheals, angioedema, and anaphylaxis: a systematic review. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2280-96. ★★

食物依存性運動誘発膨疹、血管浮腫、そしてアナフィラキシーについて2021年7月以前に発表された文献をもとに722名の患者を抽出して体系的にレビュー。臨床的特徴にはばらつきがあるが、誘発食物としては小麦が、誘発運動としてはランニングが最も多かった。運動前の摂取を止めることで改善した。病態に関しても模式図を提示して解説。

 

C-22-9-5ピーナッツアレルギーに対してH1及びH2抗ヒスタミン薬事前投薬の有無によるピーナッツ経口免疫療法への影響(PISCES):プラセボ対照ランダム化臨床試験⇒お手軽な副反応予防薬になるか?Chu DK et al. Peanut oral immunotherapy with or without H1 and H2 antihistamine premedication for peanut allergy (PISCES): a placebo-controlled randomized clinical trial. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2386-94. ★★◎

43名のピーナッツアレルギー児を対象に経口免疫療法(OIT)を実施する際に抗ヒスタミン薬(H1及びH2)投与することの効果をプラセボ対照ランダム化試験で検討。抗ヒスタミン剤投与は中等度以上の副反応(嘔吐、腹痛)を抑制した。一方で倦怠感や眠気は亢進した。誘発閾値、OITの結果、QOLには影響しなかった。

 

C-22-9-6妊娠中の母へのビタミンD補充と生後4年間における児のアトピー性皮膚炎リスク:ランダム化比較対照試験のエビデンス⇒ランダム化試験で効果を実証El-Heis S et al. Maternal antenatal vitamin D supplementation and offspring risk of atopic eczema in the first 4 years of life: evidence from a randomized controlled trial. Br J Dermatol 2022 DOI 10.1111/bjd.21721. ★★

600名以上の母子ペアを対象として、母の妊娠中のビタミンD補充が児の生後48ヶ月までのアトピー性皮膚炎発症リスクとの関連をダブルブラインド、ランダム化、プラセボ対照試験で検討。生後12か月のアトピー性皮膚炎リスクが有意に減少した。この効果は、1か月以上母乳栄養で育てられた児で顕著であり、母乳中ビタミンDを介する効果であることが示唆された。生後24ヶ月、48ヶ月では有意差がなかった。

C-22-8-1 ピーナッツアレルギーに対する経口免疫療法がピーナッツ特異的免疫反応のダイナミックな変化をもたらす⇒経口免疫療法における免疫学的変化を追跡 Bajzik V et al. Oral desensitization therapy for peanut allergy induces dynamic changes in peanut-specific immune responses. Allergy 2022; 77: 2534-2548. ★★★

ピーナッツ経口免疫製剤であるAR101を用いたピーナッツOIT第3相試験(PALISADE)を施行した患者の血液サンプルを経時的採取して免疫学的変化を観察。ピーナッツに対する好塩基球活性化試験や特異的T細胞の反応性が治療効果と並行して変化し、ピーナッツ低反応性の患者パターンに近づいた。制御性T細胞反応性には変化が見られなかった。

 

C-22-8-2 出産様式は乳児における食物アレルギーリスクと関連しない⇒1歳時点の食物アレルギーと関連なしCurrel A et al. Mode of birth is not associated with food allergy risk in infants. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2135-43.

HealthNuts studyに参加した母子のうち、出産様式のデータが得られた2045組について1歳児の食物アレルギーとの関連を検討。帝王切開は、経腟分娩の有無、選択的または緊急、に関わらず、1歳時点の皮膚プリックテストや経口負荷試験によって確認される食物アレルギーのリスクとは関連しなかった。

 

C-22-8-3 学童においてアトピー性皮膚炎はIL4受容体α鎖変異と食物アレルギーの関係を仲介する⇒本当の関連はアトピー性皮膚炎と食物アレルギーBanzon TM et al. Atopic dermatitis mediates the association between an IL4RA variant and food allergy in school-aged children. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 2117-24. ★★

433名の喘息小児を対象にIL4受容体α鎖の機能獲得性多型とアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの関連を検討。Mediation Analysisの結果、多型と食物アレルギーの関連の一部はアトピー性皮膚炎を介する間接的なものであった。この多型は重篤な食物アレルギー反応のリスクと関連していた。

 

C-22-8-4 プロバイオティクスLacticaseibacillus rhamnosusGG (LGG)の治療効果.ProPAD研究の結果⇒効果は腸管や皮膚の細菌叢を介して…Carucci L et al. Therapeutic affects elicited by the probiotic Lacticaseibacillus rhamnosusGG in children with atopic dermatitis. The results of the ProPAD trial. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13836. ★★

100名のアトピー性皮膚炎児を対象にLGG投与の効果をダブルブラインドで検討。補助療法として有効であり、腸管や皮膚の細菌叢変化と並行していた。

 

C-22-8-5 閾値の高いピーナッツアレルギー児に対する経口免疫療法(OIT)⇒“少し”から“しっかり”食べられる、へYahia SH et al. Oral immunotherapy for children with a high-threshold peanut allergy. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 347-353.

ピーナッツ蛋白100mgは摂取できるピーナッツアレルギー児28名を対象に固定された投与量で続けるOITを施行。6ヶ月経過時点での平均摂取可能量は8gまで増えており、安全で効果的な方法であることが確認された。

 

C-22-8-6 アトピー性皮膚炎患者におけるデュピルマブ不応性の予測因子 機械学習分析⇒効く人効かない人を振り分けWu JJ et al. Predictors of nonresponse to dupilumab in patients with atopic dermatitis. A machine learning analysis. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 354-359.

デュピルマブを使用した419名のアトピー性皮膚炎患者を対象にデータを収集し、デュピルマブの有効でない症例(不応例)を機械学習で予測。145名(35%)が不応性であった。最も有用な予測因子はイブプロフェンの使用であった。皮膚症状の重症度に応じて高まる皮膚の痛みと関係している可能性。

C-22-7-1 小児におけるアトピー性皮膚炎の家族への影響:国際的横断的研究⇒年齢や地域に関わらずBarbarot S et al. The family impact of atopic dermatitis in the pediatric population: results from an international cross-sectional study. J Pediatr 2022; 246: 220-6.

世界18カ国から計7465組のアトピー性皮膚炎親子(6ヶ月から18歳未満)を対象にウェブ調査。アトピー性皮膚炎の重症度が家族の身体的、精神的、社会的、および経済的生活に負の影響を及ぼしていることを示した。

 

C-22-7-2 両親の小児期から思春期にかけての妊娠前BMIの経過と次世代の子どもの喘息⇒自分だけでなく子どものためにも小児肥満対策をBowatte G et al. Parental preconception BMI trajectories from childhood to adolescence and asthma in the future offspring. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 67-74. ★★

1822名の親、及び生まれてきた4208名の子どもを対象に、親の5~15歳までのBMI変化と生まれてきた子どもの10歳までの喘息発症の関連を検討。父親のBMIが高値で推移すると子どもの10歳までの喘息発症リスクが高まることを示した。思春期までの精子のエピジェネティックな変化が次世代に影響か?

 

C-22-7-3 出生早期のペット飼育歴と喘息、アレルゲン感作の関連:EU小児コホートネットワークからの77,000人以上の小児に関するメタ分析⇒ペット飼育の影響なしPinot de Moira A et al. Associations of early-life pet ownership with asthma and allergic sensitization: A meta-analysis of more than 77,000 children from the EU Child Cohort Network. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 82-92. ★★

ヨーロッパの9つの出生コホート計77,434母子を対象に、出生前後のペット飼育とその後の喘息発症の関連を検討。有意の関連性はなかった。ペットの種類、飼育のタイミング、ペット数などの影響もなかった。しかしながら、イヌやネコの感作は学童期喘息と有意に関連していた。

 

C-22-7-4 アレルギー予防ガイドラインの更新に伴う、オーストラリアでの食物アレルギーによるアナフィラキシー入院率の変化⇒ガイドライン更新の効果か?Mullins RJ et al. Changes in Australian food anaphylaxis admission rates following introduction of updated allergy prevention guidelines. J Allergy Clin Immunol 2022; 150: 140-5. ★★

オーストラリアでは2007~2008年に離乳食でアレルゲンとなり得る食品の開始を遅らせないようにとのガイドラインが出た。また2015~2016年には早期摂取を促す世界規模のアレルギー予防ガイドラインが出た。これらのガイドラインにより、実際に食物アレルギーによるアナフィラキシーの入院例が減っているのかどうかを年代別に調査した。その結果、1~5歳、5~9歳、10~14歳の年代では、各ガイドラインの更新に呼応して入院率上昇の程度が鈍化した。逆に1歳未満では既に発症した食物アレルギーの早期発見につながるためか入院率上昇が加速した。

 

C-22-7-5 アレルギー性喘息に対するダニ舌下免疫療法の有効性と安全史:RCTの系統的レビュー⇒症例を選べば有用Wongsa C et al. Efficacy and safety of house dust mite sublingual immunotherapy tablet in allergic asthma: a systemic review of randomized controlled trials. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 1342-55.

喘息に対するダニ舌下免疫療法の効果をRCTで検討した7つの論文をメタ解析。充分または部分的にコントロールされた軽症~中等症の成人または思春期喘息患者に対して、SLITが吸入ステロイド使用量の減量効果があり、安全性も良好であった。

 

C-22-7-6 オーストラリアにおけるピーナッツ早期摂取と乳児期ピーナッツアレルギー頻度との関連⇒減少も統計的有意差なしSoriano VX et al. Association between earlier introduction of peanut and prevalence of peanut allergy in infants in Australia. JAMA 2022; 328: 48-56. ★★★

オーストラリアでは2016年に乳児期食事摂取ガイドラインの改訂があり、生後12か月までのピーナッツ摂取開始が推奨されるようになった。本研究では、その前後(2007年~2011年5276名と2018年~2019年1933名)における一般乳児(11~15ヶ月)のピーナッツアレルギー頻度を同一手法で調査。対象は予防接種センターでリクルートし、全例に皮膚テストを実施し、陽性者には経口負荷試験を実施した。ピーナッツアレルギー児はガイドライン改訂前の3.1%に対して、改定後は2.6%と0.5%低下したが統計学的有意差はなかった。

 

C-22-7-7 食物蛋白誘発アレルギー性直腸結腸炎(FPIAP)の臨床的特徴や臨床経過:3次医療センターにおける10年間の経験⇒概ね予後良好Senocak N et al. Clinical features and clinical course of food protein-induced allergic proctocolitis: 10-year experience of a tertiary medical center. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 1608-13.

トルコの3次小児病院で経験したFPIAP症例の特徴をまとめた報告。発症年齢中央値は2か月、耐性獲得年齢中央値は12か月であった。未熟児やNICU入院例では新生児期に、人工乳栄養例では生後1か月の発症が多かった。アミノ酸乳使用例や下痢出現例では耐性獲得が遅れた。また6%の症例で、経口食物負荷試験でIgE依存性反応が見られた。

C-22-7-8 ヒト母乳中における食物蛋白と母乳栄養中小児におけるIgE依存性アレルギー反応の可能性:系統的レビュー⇒可能性は千分の1以下Gamirova A et al. Food proteins in human breast milk and probability of IgE-mediated allergic reaction in children during breastfeeding: a systematic review. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 1312-24.

母乳に含まれる食物抗原レベルがアレルギー症状を起こす可能性について計32の過去データをもとにメタ分析。牛乳、鶏卵、ピーナッツ、小麦いずれも1%のアレルギー患者に症状を誘発させるレベル(ED01)よりはるかに少量しか含まれず、アレルギー症状を起こす可能性は1000分の1以下と推定された。

 

C-22-7-9 牛乳アレルギーの診断と管理:デルフィーコンセンサススタディ⇒牛乳アレルギーの過剰診断を防ぐAllen HI et al. Detection and management of milk allergy: Delphi consensus study. Clin Exp Allergy 2022; 52: 848-858.

牛乳アレルギーの過剰診断が問題となっている。著者らは乳幼児の牛乳アレルギーの安全な診断および管理についてのコンセンサスを得た指針を作成。これは、過剰診断を減らし、牛乳アレルギー疑いの乳児に対して特殊ミルクの使用を減らして母乳栄養を推進することを目的としている。

 

C-22-7-10 日本における経口負荷試験の運用:診療報酬明細書データの後方視的解析⇒概ね安全に実施されていたOgasawara H et al. Oral food challenge management in Japan: A retrospective analysis of health insurance claims data. Clin Exp Allergy 2022; 52: 898-900.

2008年から2018年のJMDCが提供するレセプトデータベースをもとに、日本における9歳以下小児に対する経口負荷試験の実態を後方視的に検討。アドレナリン使用例は0.8%(10050例中82例)で、死亡例や呼吸器装着例はなかった。アナフィラキシー歴と喘鳴がアドレナリン使用のリスク因子であった。9歳以上のデータがないこと、アナフィラキシー例としてアドレナリン使用例しか分析できていないこと、食物アレルギーの経過をみていないこと、などいくつかの限界がある。

 

C-22-7-11 鶏卵に感作された乳児における閾値と安全摂取量⇒段階的に食べさせてみようMitomori M et al. Threshold and safe ingestion dose among infants sensitized to hen’s egg. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13830. ★★★

誘発歴はないがたまたま実施した血液検査で鶏卵感作が判明した乳児に対して少量、中等量、大量(通常量)と3段階に分けて行った経口負荷試験の成績を後方視的に検討。対象者87名のうち、56名(64%)は大量(通常量)摂取まで可能であった。完全除去が必要なのは12例(14%)のみであった。段階的負荷は比較的安全に施行でき、完全除去回避に有用な方法であった。

 

C-22-7-12 小児におけるアトピー性皮膚炎合併喘息のバイオマーカー⇒合併例のマーカーは見つかるか?Basu MN et al. Biomarkers in asthma in the context of atopic dermatitis in young children. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13823.

アトピー性皮膚炎と喘息のバイオマーカーは別々に検討されることが多い。本研究では、6~12歳の小児を対象に、対照群、AD単独群、AD/BA合併群、BA単独群、に分けてバイオマーカーを解析。Th2マーカー(CCL8、TSLP、Eotaxin-3など)や感作アレルゲン数の増加が合併群で見られた。自然保湿因子(NMF)レベルはAD群で低下していた。

 

C-22-7-13 成人中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)患者におけるアブロシチニブとデュピルマブの有効性、安全性の比較:ランダム化、ダブルブラインド、多施設第3相試験⇒アブロシチニブのほうが効果発現早いReich K et al. Efficacy and safety of abrocitinib versus dupilumab in adults with moderate-to-severe atopic dermatitis: a randomized, double-blind, multicentre phase 3 trial. Lancet 2022; 400: 273-82. ★★

世界各国から727名の成人中等症~重症AD患者を集め、アブロシチニブ200mg経口投与とデュピルマブ300mg皮下注(2週毎)の効果を2週後のPP-NRS4と4週後のEASI-90を指標に比較(JADE DARE)。アブロシチニブのほうが、目標達成率が高かった。副反応はアブロシチニブ群74%、デュピルマブ群65%で見られたが、治療中断が必要な重症例はなかった。

 

C-22-7-14 分娩様式や分娩時間が乳児期の食物抗原感作に与える影響⇒経腟ほど、長いほど、感作率高いSakihara T et al. Effects of delivery mode and labor duration on the development of food sensitization in infancy. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 129: 212-219.

日本の4病院で行われたコホート研究対象者462名のデータを解析し、帝王切開より経腟分娩のほうが、また分娩時間が長い方が、食物抗原感作率が高かった。

C-22-6-1乳幼児期の食物アレルギーは学童期の口腔アレルギー症候群(OAS)のリスクを上昇させる:出生コホート研究⇒食物アレルギーマーチ?Song KB et al. Food allergy in early childhood increases the risk of oral allergy syndrome in schoolchildren: a birth cohort study. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13786. ★

韓国の出生コホート930名を対象とした調査で、6~10歳時点のOAS頻度が4.7%であった。アレルギー性鼻炎有症者のうち、3歳までに食物アレルギー既往のあるものはOASのリスクが有意に高かった。

 

C-22-6-2アトピー性皮膚炎に対する漂白剤入浴の効果⇒漂白剤の効果をメタ分析Bakaa L et al. Bleach baths for atopic dermatitis. Ann Allergy Asthma Immunol 2022; 128: 660-668. ★

およそ0.005%まで薄めた濃度の漂白剤(NaOCl)による入浴のアトピー性皮膚炎に対する効果が報告されているがまとまった報告はない。本研究では、計307名の患者を対象とした10のランダム化コントロール研究の結果をメタ分析。重症度をおよそ22%改善し、目だった毒性もなかった。

 

C-22-6-3第2相、ランダム化されたオマリズマブ併用多項目経口免疫療法の‘実臨床’研究⇒少量でも有効Sindher SB et al. Phase 2, randomized multi oral immunotherapy with omalizumab ‘real life’ study. Allergy 2022; 77: 1873-1884. ★

経口免疫療法(OIT)の摂取量を下げることで副反応の程度や頻度が減らせることが示されているが、具体的のどの程度まで下げることができるのか不明である。本研究では2~25歳の多項目食物アレルギー患者について、まず前処置としてオマリズマブ投与をしてから、複数項目(2~5項目)の食物抗原最終維持量として計30mg投与群と計120mg投与群に分けてOIT を実施。抗原特異的血清マーカー(IgG4/IgE)の上昇は早期に起こり、両者で有意差はなかった。また副反応発生頻度にも有意差はなかった。

 

C-22-6-4IgE依存性食物アレルギーに対するアレルゲン免疫療法及び/又は生物学的製剤:体系的レビューとメタ分析⇒免疫療法は有効生物学的製剤は?De Silva D et al. Allergen immunotherapy and/or biologicals for IgE-mediated food allergy: a systemic review and meta-analysis. Allergy 2022; 77: 1852-1862. ★

食物アレルギーに対するアレルゲン免疫療法や生物学的製剤の効果をみた36の論文(2126名の主に小児患者が対象)をメタ分析。経口免疫療法はピーナッツ、牛乳、鶏卵について治療期間中に耐性を誘導し、概ね安全であった。生物学的製剤についてはごく少数の論文しかなくて評価できなかった。

 

C-22-6-5ピーナッツアレルギー児におけるプロバイオティクス投与及びピーナッツ経口免疫療法(PPOIT)に続く長期的な抗体反応⇒PPOIT後の抗体レベルを追跡Hsiao KC et al. Longitudinal antibody responses to peanut following probiotic and peanut oral immunotherapy in children with peanut allergy. Clin Exp Allergy 2022; 52: 735-746. ★

プロバイオティクス投与及びピーナッツ経口免疫療法(PPOIT)は治療終了時の持続的脱感作の誘導と、その後4年間にわたる効果の持続が期待できる。本研究ではPPOIT後の長期的な抗体の変化を62名の患児を対象に追跡。特異IgEレベルは治療中に低下し、治療後も低下が持続した。特異IgG4レベルや唾液中分泌型IgAレベルは治療中に増加したが、治療終了後は低下して元のレベルに戻った。

 

C-22-6-6プロバイオティクス投与及びピーナッツ経口免疫療法(PPOIT)は8週間の持続的脱感作の長期維持と長期間続く生活の質改善をもたらす⇒長期間効果が維持Lake P et al. Probiotic peanut oral immunotherapy is associated with long-term persistence of 8-week sustaied unresponsiveness and long-lasting quality-of-life improvement. Clin Exp Allergy 2022; 52: 806-811. ★★

著者らはPPOITの効果を2015年に発表していたが(PPOIT-001)、今回は診断のためのDBPCFCの導入や持続的脱感作評価のための中断期間を8週間に延長するなど、より厳格なプロトコールで再評価(PPOIT-02)。20名中16名がプロトコールを終了し、終了時及び8週間の中断後の持続的脱感作率は各々94%、75%であった。このうち、その後3年間の自由摂取後に持続的脱感作を維持していたのは50%であった。健康に関連した生活の質も維持されていた。

 

C-22-6-7乳児へのごく少量の多項目食品早期開始:ランダム化試験⇒複数のアレルゲン同時投与の試みNishimura T et al. Early introduction of very small amounts of multiple foods to infants: a randomized trial. Allergol Int (in press). ★★★◎

日本の小児科クリニック14施設が共同で、3~4か月のアトピー性皮膚炎児163名(83名介入群、80名対照群)を対象に、6品目(鶏卵、牛乳、小麦、大豆、そば、ピーナッツ)の食品を12週間漸増投与して、その食品に対するアレルギー予防効果を生後18か月まで検討。食物アレルギー、とりわけ鶏卵アレルギーに対する有意の予防効果が見られた。

 

C-22-6-8小児アレルギー疾患や喘息に対する環境の影響―ファーム効果⇒農家の子にアレルギーが少ない理由Frei R et al. Environmental influences on childhood allergies and asthma – The Farm effect. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13807. ★

農家で育った子にアレルギーが少ない(ファーム効果)ことが知られているが、その機序について環境中微生物の多様性、栄養などの観点から考察。これらの要因が免疫系に影響を与えてアレルギーを抑制する。さらなる解析がアレルギー予防に役立つ。

 

C-22-6-9免疫に関連した遺伝子のCGが豊富な部位におけるエピジェネティック及びジェネティックな多様性が小児食物アレルギーの発症に影響する⇒食物アレルギーの遺伝子解析Kostara M et al. Epigenetic/genetic variations in CG-rich elements of immune-related genes contribute to food allergy development during childhood. Peditar Allergy Immunol 2022; 33: e13812. ★

64名の食物アレルギー児、44名の対照児についてFoxp3やHLAの発現調節に関わる遺伝子部位のメチル化パターンや遺伝子多型を解析し、食物アレルギー発症に関わる部位を同定。

 

C-22-6-10マルチオミックス解析で、アトピー性皮膚炎の免疫学的起源を理解する⇒マルチオミックス解析で迫るBeheshti R et al. Understanding immunological origins of atopic dermatitis through multi-omic analysis. Pediatr Allergy Immunol 2022; 33: e13817. ★

129名の出生コホート(AD児37名、その他92名)について、様々な背景因子や、唾液を用いたマルチオミックス解析(サイトカイン、miRNA、mRNA、細菌叢)を行い、1歳までのAD発症との関連を検討。AD発症やその重症度と関連する複数のオミックス因子が同定された。

 

C-22-6-11乳児に対する食物アレルギー予防のための早期食事介入と皮膚介入の試み(PreventADALL):階乗的な、多施設の、クラスターランダム化研究⇒早期摂取は有効、スキンケアは効果なしOve Skjerven H et al. Early food intervention and skin emollients to prevent food allergy in young children (PreventADALL): a factorial, mutlicentre, cluster-randomized trial. Lancet 2022; 399: 2398-411. ★★★◎

ノルウェーとスウェーデンで、2397名の一般出生児を対象に(1)無介入群、(2)皮膚介入群(皮膚軟化剤や顔面へのクリーム使用を生後2週から9ヶ月まで最低週4回実施)(3)食事介入群(生後3か月からピーナッツ、牛乳、小麦、鶏卵の摂取開始)、(4)両介入群、の4群に分けて、3歳時点でのいずれかの介入食品に対するアレルギーの有無を比較。食物アレルギーは(1)群2.3%、(2)群3.0%、(3)群0.9%、(4)群1.2%で発症した。食事介入では食物アレルギー発症が有意に抑制されたのに対し、皮膚介入では効果が見られなかった。特記すべき副反応はなかった。一般集団に対して早期の食事摂取を行なうことは食物アレルギー予防に有効と考えられる。

 

C-22-5-1ピーナッツアレルギーの生後早期予測因子とリスク因子、また以後の喘息との関連:一般集団出生コホート調査⇒Kotsapas C et al. Early-life predictors and risk factors of peanut allergy, and its association with asthma in later-life: Population-based birth cohort study. Clin Exp Allergy 2022; 52: 646-657. ★★

959名の出生コホートを対象にピーナッツアレルギーの関連因子や予測因子を検討。ピーナッツアレルギーは早期発症継続性の湿疹や喘鳴と関連していた。湿疹のない小児においては、フィラグリン遺伝子変異はピーナッツアレルギーと強く関連していた。ピーナッツアレルギー小児は喘息を発症するリスクが高かった。しかしながら喘息のある小児においては、ピーナッツアレルギーは喘息重症度とは関連していなかった。

 

C-22-5-2 個別参加者データ(IPD)メタ分析と集合データメタ分析:湿疹と食物アレルギーの予防に関するケーススタディ⇒IPDメタ分析に軍配Van Vogt E et al. Individual participant data meta-analysis versus aggregate data meta-analysis: a case study in eczema and food allergy prevention. Clin Exp Allergy 2022; 52: 628-645. ★

スキンケアによるアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防についてのメタ分析でIPDメタ分析と集合データメタ分析の2つの手法を比較。結論に大きな違いはなかったがエビデンスの確からしさやより細かい分析が可能である点において前者のほうが優れていた。

C-22-4-1 IgE依存性牛乳アレルギーまたはその疑いの日本人患者において経口負荷試験は完全除去を回避するために有用か?⇒まず少量から始めようMaeda M et al. Is oral food challenge test useful for avoiding complete elimination of cow’s milk in Japanese patients with or suspected of having IgE-depedent cow’s milk allergy? Allergol Int 2022; 71: 214-220.

タイトルのようなクリニカルクエスチョンへの回答を得るために、関連する40の文献をレビュー。経口負荷試験は66%の牛乳アレルギー患者で完全除去回避に有用であった。しかし、50.5%で副反応が起こっていたため、施行には充分な注意が必要。

 

C-22-4-2 一般集団のコホートにおける小児から成人へ向けての喘鳴の臨床経過⇒4つのパターンを同定Weber P et al. Wheezing trajectories from childhood to adulthood in a population-based cohort. Allergol Int 2022; 71: 200-206.

ブラジルの出生コホートを対象に22歳まで追跡して喘鳴の経過(trajectory)を分析。4つのパターン(なし/稀、一過性早期型、遅発型、継続型)が同定された。特に継続型では呼吸機能が低下し、喘息やアレルギーのリスクが高かった。

 

C-22-4-3 小児から成人へ向けての喘息やアレルギー症状の経過⇒思春期にも注目をForster F et al. Trajectories of asthma and allergy symptoms from childhood to adulthood. Allergy 2022; 77: 1192-1203.

ドイツにおける小児コホート2267名を30歳台まで追跡して喘息や他のアレルギー症状の経過をLatent class analysis(LCA)で解析。無症状以外に5つの経過パターンを同定。喘鳴に関連したパターンでは思春期に頻度が増加し、環境要因(喫煙など)と関連していた。

 

C-22-4-4 経口負荷試験では、60分間隔の負荷のほうが30分または40分間隔の負荷より安全である⇒時間をかけて観察をKitamura K et al. A 60-minute interval is safer than a 30- or 40- minute interval in oral food challenge. Allergol Int 2022; 71: 230-235.

少量の鶏卵、牛乳、小麦負荷試験について、異なる増量負荷間隔(30分、40分または60分間隔)による安全性の違いを後方視的に検討。偏りを防ぐために、各群で事前のリスク評価は合わせた。60分間隔負荷では総合的な症状スコア、抗原負荷量、重症反応の頻度、などがいずれも低かった。

 

C-22-4-5 重篤な牛乳アレルギー小児における乳加工品経口免疫療法の有効性と安全性➡まず加工品から始めよDantzer J et al. Efficacy and safety of baked milk oral immunotherapy in children with severe milk allergy: A randomized, double-blind, placebo-controlled phase 2 trial. J Allergy Clin Immunol 2022; 149: 1383-91. ★★★

乳加工品で症状が誘発される牛乳アレルギー小児15名を対象に、乳加工品を用いた経口免疫療法(BMOIT)を施行してプラセボ15名と比較。1年後、BMOIT群では73%、プラセボ群では0%が4044mgの加工乳蛋白量を摂取可能となった。誘発症状はあったが多くは軽微なもので、QOLも改善した。

 

C-22-4-6 プエルトリコの若者の前方視的調査における食事、喘息、そして重症喘息増悪➡食事の質が喘息と関連Reyes-Angel J et al. Diet, asthma, and severe asathma exacerbations in a prospective study of Puerto Rican youth. J Allergy Clin Immunol Pract 2022; 10: 1013-9. ★★

プエルトリコで406名の小児を対象に5年間の前方視的調査を行ない、食事の質とその間の喘息発症や喘息悪化との関連を検討。質の悪い食事と、喘息発症や悪化が関連していた。

 

C-22-4-7 小児ピーナッツアレルギーにおいて即時型アレルギー歴があると予測精度が変化する➡誘発歴の有無で予測が変わるFusayasu N et al. History of immediate reactions changes the predictive accuracy for pediatric peanut allergy. Allergol Int 2022; 71: 248-250.

ピーナッツ3gの経口負荷試験を行った患者につき過去の誘発歴の有無で層別化して結果を解析。誘発歴ありで特異IgE高値なら負荷試験せず除去、逆に誘発歴なく特異IgE低値なら負荷試験せず自宅摂取開始が可能と思われた。

 

C-22-4-8 アレルゲン特異的T細胞と食物アレルギーの臨床的特徴:CoFAR免疫療法コホートから学ぶこと➡タイプ2T細胞が鍵を握るBerin MC et al. Allergen-specific T cells and clinical features of food allergy: lessons from CoFAR immunotherapy cohorts. J Allergy Clin Immunol 2022; 149: 1373-82. ★★★

84名のピーナッツアレルギー患者、142名の鶏卵アレルギー患者を対象に、末梢血から抗原特異的T細胞の解析を行ない、二重盲検法による経口負荷試験やその後の免疫療法の経過に伴う変化を追跡。開始時における抗原特異的タイプ2T細胞が負荷試験の結果やその後の経過予測に有用であった。

お問い合わせ
病院事業庁 小児保健医療センター
電話番号:077-582-6200
FAX番号:077-582-6304
ページの先頭へ戻る