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さまざまな認知症:アルツハイマー病

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)

「最近もの忘れがひどくなりました」 Aさん、73歳、女性

70歳頃からもの忘れが目立ち始め、 同じことを何度も尋ねるようになった。一緒に出かける約束をしたのに忘れていたので「昨日言うたやん」というと「そんなん聞いてへん」と、話した事をすっかり忘れていることがここ1年とみに増えた。以前からよく 眼鏡や財布を置いた場所を忘れて探していたが、最近は財布が見当たらないと「お前が盗ったんとちがうか」と嫁を疑うようになり、ささいなことでも機嫌が悪くなることが増えた。もともと几帳面な性格だが、最近家の掃除やタンスの整理がいいかげんになってきた。また、毎年出していた年賀状を今年は「もうええわ」と書かなかった。

アルツハイマー病

アルツハイマー病(Alzheimer disease)は、一次性認知症のうち最も多い病気です。初期にはもの忘れだけの時期が続きますが、出来事をまるごと忘れていることが病的なもの忘れの特徴です。数年のうちに日常生活の障害(買い物、掃除、料理、着替えなどの障害)が出現し、また物盗られ妄想、気分の不安定、時間や場所の見当が不確かになる、などがみられます。他に、徘徊、失禁などがみられることもあります。

初期には脳CTでは異常が目立ちませんが、脳血流検査では頭頂葉・側頭葉の血流が低下します。