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手術室の紹介

手術室ツアー

手術室へようこそ!特別に、中の様子をお見せします。

手術部のエリア内はすべてHEPAフィルターを通した清潔な空気で満たされています。
一般手術室でNASAのクラス10000、クリーンルームはクラス100の基準を満たしています。

つまりチリひとつないということです。

チリひとつない手術室

患者さんが入室するとスタッフが集まって血圧を測ったりモニターをつけたりしています。
静脈に点滴のラインを入れます。これだけが、少し痛い。すみません。

手術室入室後

次に麻酔をはじめます。

硬膜外麻酔をするときは、まだ眠る前にします。
背中に注射をするなんて、少し怖い感じがしますが、局所麻酔をしますので、そんなにいたくありません。

トレーニングを積んだ麻酔科医のみが行っています。

麻酔を始める

いよいよマスクで酸素を吸入しながら、全身麻酔薬の点滴を始めます。すぐに眠ってしまいます。
くさいガスを吸う必要もないし、苦しいことは何もありません。

麻酔にかかってから

患者さんはこれで眠ってしまいますが、ここから麻酔科医と外科医の仕事が始まります。

麻酔薬で意識がなくなると同時に呼吸が止まってしまった患者さんにマスクで人工呼吸をおこない、気管内挿管のチューブをいれて呼吸を確保します。

飛行機が離陸するような、ちょっと緊張の瞬間です。

全身麻酔中

頸の静脈に肺動脈カテーテルを入れているところ。
これはちょっとテンションのあがる仕事です。 慎重に、かつ、すばやく。

準備が整うと、外科医が手術を始めます。

外科医の手術開始

ちょっとだけ、設備の紹介をします。
(麻酔学会認定施設ならどこにでもあるものたちです。)

心肺モニター

患者さんの血圧、心拍数、血液中酸素飽和度、呼吸の状態etc.・・・を監視するための心肺モニター

脳波計

脳波から麻酔の深さを読み取るモニター

シリンジポンプ

麻酔薬を精密持続中入するための「シリンジポンプ」です。体質や、手術の進み具合によって、麻酔薬の投与量は刻々変化します。

人工呼吸器

全身麻酔中、患者さんの呼吸を補助するための人口呼吸器です。やや旧式ですが、長年にわたって信頼性の高かった機種を使っています。

肺の手術

☆☆☆

肺の手術では、気管支ファイバーを使って気管の中を確認、左右の肺に別々のチューブを挿入する。(マジックみたいですが、日常的にやっています。)

心臓の手術

心臓の手術では、口から食道に超音波診断装置のプローべを挿入させてもらって心臓の動きを直接観察します。(もちろん、この間、患者さんは眠っていています。)

手術中

終了するまで、意識のない患者さんの体の反応を読み取って、麻酔薬の投与量を調節し、呼吸を助け、適切な輸液や、血圧のコントロールを行います。(外科手術では体液の多くが失われます。何リットルもの点滴が必要です)生理学や薬理学を、駆使して、考えます。

そして、何もなかったように目覚めてもらう、のが理想です。

注射一本ですむ仕事ではないのです・・・

「麻酔は歯医者さんにさせれば良い」と言っているエコノミストや国会議員がいましたが、現場をもう少し知ってほしかったですね・・・。

手術終了

集中治療室・・・ここまで帰ってくれば一安心です。お疲れさまでした。