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放射線治療担当医より放射線治療についての説明と、治療中や治療終了後の副作用について説明があります。その後、患者さんの同意を得た上で照射方法を決定していきます。
治療体位を決め、治療用CTを撮影します。この時、治療部位に応じて固定具を作成します。固定具とは、シェルと呼ばれるマスクが例に挙げられます。この時治療に用いるマークを皮膚に付けます。
作成された治療計画が安全かつ正確に照射できるかスタッフが治療計画の検証を行います。
1回の治療の入室から退室までの時間は15~20分程度ですが、実際に放射線が照射されている時間は2~3分程度です。
放射線は体に全く感じず、照射中に痛みや熱感を伴うことはありません。
TrueBeam(トゥルービーム)は、定位放射線治療(腫瘍に対してあらゆる方向から放射線を集中して照射する方法)や強度変調放射線治療(腫瘍の形状に合わせて放射線の形や強度、方向を変えて放射線を照射する方法)などを高精度に行うことができるX線照射装置です。また、短時間で放射線を照射することができ、治療時間を短縮できるというのも特徴のひとつです。さらに、治療中に画像を撮影して状況を確認できるので、治療の精度を高く保つことが可能です。
Novalis TXはOBIに加え、Exac Trac X-Rayと呼ばれる位置照合システムを搭載しています。
病変部を多方向から狙い撃ちする定位放射線治療(SRS/SRT)や、強度変調放射線治療(IMRT)を得意とします。
○ 当装置での治療可能疾患前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、大腸癌、子宮頸癌、頭頸部癌など
「線源」と野ばれる放射線を出す小さな粒を体内に入れ、内部から放射線を照射します。アプリケータと呼ばれる器具を体内に挿入し、アプリケータ内を線源が移動し放射線を照射します。体内から放射線を照射することで、正常組織への影響を最小限にしつつ、集中的かつ効率的に治療することができます。当院では多種多様なアプリケータを用意しているため、患者さんの病態に合わせた治療が可能です。
SOMATOM go.Simは治療計画専用CT装置(32列)で、治療時と同じ体位で撮影が可能です。また、DirectDensity(体形など患者の特徴に合わせて撮影条件を最適化する技術)とiMAR(金属アーチファクト低減技術)を搭載しています。これらの技術により精度が高い治療計画を作成することが可能です。
肺がん・頭頸部がん・乳がん・食道がん・子宮頸がん・転移性骨腫瘍・転移性脳腫瘍など
多方向から強さや形の異なる放射線をがんに集中させ,正常組織の線量を減らす工夫をした治療法です。
対象疾患 : 前立腺がん・頭頸部がんなど
小さな領域に対して細い高エネルギーの放射線を用い、線量を集中的に照射する方法です。
対象疾患 : 脳腫瘍・聴神経鞘腫肺がん・肝臓がんなど
県内唯一の高線量率密封小線源治療装置を有し、主に婦人科がんに対する腔内照射治療を行っています。
密封小線源治療とは小さなカプセルなどに放射性物質を密封したもの(小線源)を用いて、体の内側から放射線を照射する治療です。腔内照射は子宮や膣の中にアプリケータと呼ばれる器具を挿入し、アプリケータ内で小線源を移動させ照射します。がんに集中的に放射線を照射し、周囲の正常な組織には出来るだけ放射線を当てないようにします。
滋賀県立総合病院研究所と協力して、下記のような放射線同位元素を組み込んだ薬剤を経口あるいは経静脈的に投与する放射線治療を行っています。
骨に転移したがん細胞に対してアルファ線による放射線治療が行える治療薬です。
ラジウムは周期律表でカルシウムと同じくアルカリ土類金属に属しています。生体内ではカルシウムと似た挙動をとるため、投与した塩化ラジウム-223の大部分が骨転移など骨代謝の亢進した部位に集積します。
上の写真は骨転移を伴う患者さんの骨シンチグラフィです。黒く薬が集まっているところが転移部位で、塩化ラジウム-223も同様の部位に集積します。
塩化ラジウム-223はこの転移部位でアルファ線を出してがん細胞を攻撃しますが、アルファ線の力が届く範囲は0.1ミリ未満と短いため、病変以外の正常細胞に影響を及ぼす事は比較的少ないとされています。
骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌であること。
画像検査で内臓転移が認められないこと。
骨シンチグラフィで骨転移に一致する集積亢進が確認されていること。
骨髄機能が保たれていること。(初回投与前に好中球>1500μL, 血小板>100000/μL, ヘモグロビン>10.0g/dL)
国際共同第3相試験(ALSYMPCA試験)において全生存期間の中央値が、ゾーフィゴ投与群で14.9ヵ月、投与されなかった群で11.3ヵ月という結果が示されており、生存期間の延長が期待されます。(Parker C et al. N Engl J Med. (2013))
4週間ごとに静脈注射(投与時間は約1分)で治療を行います。最大6回の投与で終了です。
骨髄抑制(貧血、血小板減少、好中球減少など)がみられる事があります。他に悪心、嘔吐、食欲減退、骨の痛み、疲労などがあります。
もっと知りたい方はゾーフィゴのホームページ(https://www.xofigo.jp/ja/patients/)もご参照ください。
イットリウム-90を使用した放射性免疫療法薬で静脈から注射します。難治性のリンパ腫などに適応があります。
バセドウ病の治療や甲状腺がんの全摘術後のアブレーション(術後わずかに残存する甲状腺床を破壊する治療)として放射性ヨードの入ったカプセルを内服します。治療の際は食事にヨードの制限や、服用している薬の調節が必要になります。