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遺伝子診療センター

医療機関の皆様へ

当院は2019年4月1日より「がんゲノム医療中核病院」である京都大学医学部付属病院と連携する「がんゲノム医療連携病院」に認められ、保険診療でのがん遺伝子パネル検査を行っています。検査を希望される患者さんがいらっしゃいましたら以下をご確認の上、「がんゲノム外来申し込み手順」に沿って申し込みを御願い致します。

がん遺伝子パネル検査保険適応チェックリスト

チェックリスト
  • 全身状態が良好(ECOG PS 0〜1で肝・腎機能などが保たれている)であり、予後3ヶ月以上が見込まれる
  • 悪性固形腫瘍と診断されている
  • 治癒切除不能または再発の病変を有し、以下のいずれかに該当する
    • 標準治療が確立されていない(原発不明がんや希少がん)
    • 標準治療が終了しているか終了が見込まれる
      「標準治療終了見込み」の目安は以下の通りです。記載のない癌腫も、おおむねガイドラインで「強く推奨される治療」の2次治療開始後であれば実施可能です。
      【肺癌】 ドライバー陰性肺癌の場合、プラチナダブレットとICIとタキサンの投与歴がある
      【乳癌】 アンスラサイクリンとタキサンの投与歴がある(アンスラサイクリンは周術期に使用歴があれば再発後の使用歴は無くても可)
      【大腸癌】 FOLFOXとFOLFIRIベースの治療の投与歴がある
      【胃癌】 プラチナ+フッ化ピリミジン併用療法とタキサンの投与歴がある
      【膵癌・胆道癌】 標準的な一次化学療法をすでに開始している
  • 可能であれば提出できる腫瘍組織検体があるか、もしくは生検が可能である(セルブロックは不可)。腫瘍組織検体がない場合は末梢血検体を用いたリキッドバイオプシーを検討しますが、検出感度などの検査品質が低下する恐れがあります。

当院で行っているがん遺伝子パネル検査

  • OncoGuide NCCオンコパネルシステム
  • 検体:病理組織標本、血液
  • 124のがん関連遺伝子の変異情報などを一度の検査で調べることができます。また、がん免疫療法との関連が報告されている腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutation Burden:TMB)の算出を行うことができます。
  • 血液も採取することで、生殖細胞系列の遺伝子変異と体細胞遺伝子変異を区別できることから、遺伝性疾患の診断がなされることがあります。
  • FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル
  • 検体:病理組織標本のみ
  • 324のがん関連遺伝子の変異情報などを一度の検査で調べることができます。国内で承認されている分子標的薬の適応判定の補助(コンパニオン診断)として使用することも可能です。免疫チェックポイント阻害薬のコンパニオン診断としての、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability :MSI)の判定や、腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutation Burden:TMB)の算出を行うこともできます。
  • FoundationOne Liquid CDxがんゲノムプロファイル
  • 検体:血液検体のみ
  • 324のがん関連遺伝子の変異情報などを一度の検査で調べることができます。国内で承認されている分子標的薬の適応判定の補助(コンパニオン診断)として使用することも可能です。マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability :MSI)の判定や、腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutation Burden:TMB)の算出は行うことはできません。
  • Guardant360 CDxがん遺伝子パネル
  • 検体:血液検体のみ
  • 74のがん関連遺伝子の変異情報などを一度の検査で調べることができます。国内で承認されている分子標的薬の適応判定の補助(コンパニオン診断)として使用することも可能です。マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability :MSI)の判定はできますが、腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutation Burden:TMB)の算出を行うことはできません。

検査費用:検体提出時44,000点、結果説明時12,000点

いずれのがん遺伝子パネル検査を用いた場合も検査費用は同一です。ただし組織検体を用いた場合は別途病理診断料などが必要となることがあります。検査は保険適用となります。

検査を依頼される場合の注意点

  • 検査は保険適応ですが、検査後の治療費は含まれていません。検査結果から効果が期待できる治療薬が推奨された場合でも、保険適応外の薬剤を用いることとなった場合は高額の治療費が必要となることがあります。
  • 一人の患者さんにつき、生涯でいずれかを1回のみ実施可能です。
  • 参加できる治験等がない場合、検査後の治療に関して原則的に紹介医による実施をお願いします。
  • 検査から検査結果説明まで約6~8週間かかります。標準治療が終了している患者さんでは予後が厳しいケースが多く、約2ヶ月後にがん薬物療法が受けられる状態かどうかご検討の上お申し込み下さい。ご紹介いただいた時点で、当院で予後が非常に不良と判断した場合には、ご紹介をお断りする場合がございます。
  • 現状では保険点数の算定上、検査実施と検査結果説明は原則として当院の外来にて行わせていただく事になりますのでご了解下さい。また他院入院中の場合は検査を実施することはできません。
  • 検査の解析結果やエキスパートパネルの報告書は貴院へ郵送させて頂きますが、患者さんやご家族に直接お渡しされないようにお願い致します。

がんゲノム外来受診までの流れ

1.前方連携担当へお申し込み下さい

    1. ゲノム外来申込書
    2. 診療情報提供書(紹介状)

を滋賀県立総合病院 前方連携担当へFAX下さい。予約日を設定してご連絡致します。

 

2.滋賀県内のご施設で、びわ湖メディカルネットの使用が可能な場合、できるだけ患者さんから同意を取得の上、利用をお願いします。

3.検査のために以下のものをゲノム外来受診予約日までに郵送下さい。

1. がん遺伝子パネル検査診療情報提供書

2. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)検体の未染色スライド10枚

*検査に適した病理組織検体がない場合、新たに生検等で組織採取いただければ検査は可能です。ただし採取は基本的に貴院で施行していただきます。貴院での採取が困難な場合はご相談下さい。

3. 同部位のHE標本2 

4. 診断に使用された免疫染色標本すべて

5. 病理診断書コピー

6. 病理検体情報チェックリスト 

7. 直近の画像(CD-R等)と読影レポート

8. 直近の採血結果

送付先

滋賀県立総合病院 前方連携担当 宛

住所:〒524-8524滋賀県守山市守山5-4-30

TEL:077-582-9711

FAX:077-582-9712

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