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実績

令和2年度の実績

1. がん化学療法調製件数

  1. 令和2年度の調製件数は、前年度比2%減少の9,187件でした。そのうち入院化学療法の調製件数が前年度比6%増加しました。(図1,表1)
  2. 外来の臓器別調製件数は、月平均は516件でした(図2)。前年度と比較して5%減少しました。膵がん、胃がん等は前年度比30%以上の増加でした。
  3. 入院の臓器別調製件数は、月平均は250件でした(図3)。大腸がん、頭頚部がんでは前年度の2倍以上の調製件数となりました。食道がんでは前年度比60%以上の増加でした。
  4. 薬剤師が経口抗がん薬等の説明指導を実施(がん患者管理指導料ハ)しており、年間の実施件数は422件でした。
  5. 薬剤師が他施設への情報提供等を令和2年8月から実施(連携充実加算)しており、年間の実施件数は95件でした。
(図1)年度別外来・入院調製件数
表1 診療科別患者数・調製件数
診療科 実患者数 調製件数
血液腫瘍内科 114 2,101
外科 145 1,453
呼吸器内科 131 1,162
消化器内科 126 1,451
婦人科 89 651
乳腺外科 107 1,068
呼吸器外科 38 261
耳鼻いんこう科 37 390
泌尿器科 57 319
免疫内科 28 190
放射線診断科 8 8
脳神経外科 9 122
その他 4 11
総計 886 9,187
(図2)外来臓器別件数割合
(図3)入院臓器別件数割合

2. がん化学療法に関する看護相談件数とその内訳

  1. 患者また医療者からの看護相談:延べ71件

患者さんやそのご家族からは害事象対策や意思決定支援についての相談が多く、医療者からは投与管理や血管外漏出についての質問を多く受けました。

3. 外来化学療法センターにおける取り組み

  1. 外来化学療法センターでは、患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、初回治療患者さんには30分ほど時間をかけて、緊急時の連絡方法、有害事象における症状マネジメント、セルフケア支援、外来に移行するに当たっての不安の軽減など、日常生活の指導・支援を行っています。当年度に施行した、外来化学療法初回オリエンテーションの件数は322件(前年度296件)でした。
  2. 外来化学療法を受け治療を継続していくためには、患者さん自身によるセルフケア能力の向上は重要です。そのために、患者さん自身で「薬物療法を受けられる方へ」という自己管理ノートに自宅での生活を記録していただきます。看護師は、その記録をもとに患者の日常生活や症状の有無・出現時期・程度・持続時間などを把握し、次回の化学療法時には少しでもその症状が軽減するよう心がけています。
  3. 令和元年7月より外来化学療法センターでは、壊死性を含めすべての抗がん薬を看護師にて静脈穿刺しています。

業績

研究発表(論文、学会発表)

  1. 後藤知之、ESMO-ASIA 2020、「Anti-VEGF inhibitors and Renal Safety in Onco-Nephrology consortium Urinary Protein/Creatinine ratio (VERSiON UP study)」、令和2年11月、WEB開催

教育活動(医療関係者向け)

  1. 東出千鶴、静脈注射研修、「CVポートについて」、令和2年6月12日、守山市
  2. 東出千鶴、静脈注射レベルIIIC研修、「抗がん薬の特徴と静脈穿刺」、令和2年7月6日、守山市
  3. 東出千鶴、髙野智代美、滋賀県がん診療連携協議会がん看護研修(基礎編)、「がん薬物療法看護」、令和2年10月10日、守山市
  4. 後藤知之、がんゲノムセミナー in Shiga、「がんゲノム医療と当院の検査体制について」、令和2年10月、WEB開催
  5. 後藤知之、第120回がん診療セミナー、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期における外来化学療法の指針」、令和3年1月、当院
  6. 近野祐里、第42回日本病院薬剤師会近畿学術大会、「がん薬物療法への貢献を目指した7年間」、令和3年1月、大阪市オンライン
  7. 大辻貴司、令和2年度静脈注射(抗がん剤コ-ス)看護師研修、院内、令和2年7月 令和3年1月
  8. 美濃部奈都、疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会、「緩和医療に求められる薬剤師の役割」、令和3年1月、WEB開催
  9. 東出千鶴、静脈注射レベルIIIC研修、「抗がん薬の特徴と静脈穿刺」、令和3年1月26日、守山市
  10. 後藤知之、2020年第4回学術部門研修会(滋賀県臨床検査技師会)、「検査の面から見た膵癌診療の進歩」、令和3年2月、WEB開催
  11. 奥村しづ子、第120回がん診療セミナー、「診察面談の導入」、令和3年2月、当院
  12. 八尾尚樹、第120回がん診療セミナー、「連携充実加算について」、令和3年2月、当院
  13. 後藤知之、第10回病理技術向上講座、「がんゲノム医療について」、令和3年3月、WEB開催

執筆活動

  1. 東出千鶴、がん薬物療法看護のWhat’s Trending! PastCurrent Future【6】COVID-19蔓延の中でのがん薬物療法看護~院内医療提供の変化と調整の現場レポート~,がん看護,2021.2,Vo126