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一般撮影部門は一般撮影装置4台、乳房撮影装置1台、骨密度測定装置1台、歯科パノラマ装置1台、TV装置3台、ポータブル装置4台が稼働しており、全身に対応できる装置を取りそろえることで目的に合った撮影を行うことができます。
一般撮影装置とポータブル装置はCALNEOシリーズで揃えており、画質・操作性を統一することができ、管理面においても合理性が向上しました。画像確認においても撮影後数秒で表示、PACSへの送信が可能となったため待ち時間が大幅に減りました。
令和3年に導入された乳房撮影装置は従来の2Dマンモグラフィ撮影に加えて3Dマンモグラフィ撮影が可能です。3Dマンモグラフィ撮影で得られた画像は今まで病態の診断が付きにくかった腫瘍や石灰化の分離が容易になり、詳しく観察できるようになっています。
CT部門には平成23年10月より稼働しているAquilion ONE ViSION(320列CT)と、令和3年8月より稼働しているAquilion ONE NATURE(320列CT)の計2台のCT装置があります。
CT検査は予約を原則としていますが、予約以外の緊急検査にも迅速に対応する体制を整えており、院内だけでなく院外からの紹介も受け入れております。またCTによる頭頸部・胸腹部・四肢・冠動脈や肺動静脈などの血管の描出を目的とした特殊検査(CTA検査)においては、撮影で得られた画像データをもとに、画像処理システム(ワークステーション)を操作することで、手術前シミュレーション画像や、機能評価画像、観察に優れたマルチアングルや空間的に認識しやすい3次元画像といった、より高いレベルの診断画像情報を再構成処理することで、多方面からの要望に対応しています。
診断画像情報の提供を担う立場として、CT装置の物理特性の把握のもと、検査目的にあった適切な撮影プロトコールや造影プロトコールの構築を行い、「被ばくの軽減」と「診断画像の画質維持」の両方をマネージメントすることで、「CT検査のクオリティー維持」を心がけております。
2台のMR装置(1.5テスラ/3.0テスラ)を稼動させ、全身部位を対象とした検査を実施しています。
令和4年度に1.5テスラのMR装置(キヤノンメディカルシステムズ社製1.5T DLR-MRI Vantage Fortian)を更新しました。人工知能(AI)技術を用いた検査時間の短縮・高画質の両立が可能となり、患者さんの負担の軽減や各診療科の要望に応じた検査が可能となりました。
近年MR対応の体内留置デバイスの増加により、SPD等と連携し手術及び処置に関する留置デバイスの把握に努めています。
令和元年より運用を開始しているMR直近枠(指定の曜日から二日空けて一週間分ずつ展開する予約枠)が診療科にも浸透し、活用されています。術前検査目的の患者さんの症状等で早めに撮影したい検査オーダーに対して、日数を置かずに取得出来るため、各診療科のニーズに合わせた検査が可能です。検査予約時は複数の予約枠から、用途に合わせて使い分けています。
また、医療安全の観点からサイボウズ内に放射線部の各検査マニュアルを整備し、同意書や造影検査における腎機能の取り決め、MR対応ペースメーカー/ICDなどの体内デバイスに対する取り決め文書等を共有出来るようにしています。時間外(日・夜勤)のMR件数も100件/年以上あり、時間外の対応においても安全に検査を行えるように努めていきたいと思います。
MR検査には強磁場による吸着事故や、深部体温の上昇、閉所恐怖症など注意すべき点が多く存在しています。今後も安心、安全な検査に取り組んでいくために、本人からの申告や主治医や依頼医からの情報、およびMR検査室での状況の最終確認を徹底していきたいと思います。また、診療連携拠点病院としての地域の医療機関からの紹介患者さんの予約検査枠を一定数毎日設けており、利便性を高めています。
現在、二検出器装置と三検出器装置の2台の核医学診断装置を用いて核医学検査を実施しています。二検出器装置は広い視野で汎用性が高く、全身の検査が可能です。令和2年度に導入した三検出器装置は従来の検出器が2つの装置と比較して、得られる信号が1.5倍となるため、ノイズの少ない高画質な画像が得られます。特に頭部領域や心臓領域に対して優れた画像を提供することが可能です。
核医学検査はその性質上、画像がCT画像やMR画像のように鮮明ではなく、ボケたような印象の画像となります。そのため、解剖学的な位置を認識することが難しく、病変の診断が困難になることがあります。我々は正確な診断が可能となるよう積極的にCT画像などとのFusionを実施することを心掛けています。特に心臓核医学検査においては事前の患者本人の冠動脈CT画像とFusionを実施することで、より正確な虚血診断に寄与しています。
また、RI部門では放射線内用療法を実施しています。既存のガンマ線、ベータ線を利用した治療に加え、令和元年度からはアルファ線を利用した治療を開始できるよう、体制を整えました。
今後も放射性同位元素を用いて安心・安全なRI検査とRI内用療法に取り組んでまいります。
PET部門については、R4年度に機器更新を行い、半導体PET/CT装置を用いて保険診療のFDG-PET検査や、サイクロトロンで合成された薬剤を用いた研究検査を行っています。今年度はアルツハイマー病の治療薬が9月に承認されたことを受け、次年度より保険診療のアミロイドPETが開始されることから、アミロイドPET検査を行うために必要となるPET施設撮像認証(1)を11月に取得しました。(検査実績については、臨床研究センター部門の報告に掲載)
B棟3階にある血管内治療室では、血管に細い管(カテーテル)を挿入し、血管を映し出す薬(造影剤)を注入して、血管の造影撮影をする検査や、ステント・コイル等による血管内治療を行っています。
血管撮影装置は3台あり、循環器検査室には心筋梗塞・狭心症の検査・治療を行う血管撮影装置が1台と不整脈の検査・治療を行うバイプレーン血管撮影装置が1台あります。ハイブリッド手術室には、令和5年度に新装置へと更新された頭部から下肢まで全身の血管内治療に対応する大口径のバイプレーン血管撮影装置が1台あります。ハイブリッド手術室は外科的な処置を伴った治療を行う事が可能で、外科、内科合同での治療が行われることもあります。また、現在当院では施行できない治療についても施設認定の取得を目指しており、選択できる治療の拡充が試みられています。
血管内治療ではX線を使用した透視、撮影が行われ患者さんへの被ばくが伴います。そのため、令和2年度に診断領域の医療放射線防護における最適化のツールである診断参考レベル(Diagnostic Reference Level; DRL)が改定され、血管造影領域では部位別の検査や治療方法ごとに指標となる被ばく線量が設定されました。この指標を基に、装置の設定や業務の手順等の見直しを行い被ばくの最適化を行っています。
患者さんの被ばく線量の低減や管理だけでなく、手技に携わる医療スタッフの被ばく低減にも努め、安全な放射線検査・治療の提供を心掛けています。
(研究発表)
(教育活動記録:医療関係者向け講演)
(雑誌)
(その他 原稿)