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当院の「がん遺伝子パネル検査」の対応について

2019年41日より、当院は「がんゲノム医療中核拠点病院」と連携する

「がんゲノム医療連携病院」に認められました。


2019年6月より、がん組織の遺伝子(がんゲノム)の変異を調べて効果が期待できる薬の選択につなげることを目的とした「がん遺伝子パネル検査」が保険承認されました。がんができた「臓器」ではなくがんに生じた「遺伝子異常」を調べることで治療を選択するため、たとえば、肺がんに対して使用される薬剤が大腸がんに対して有効であるという結果になることも想定されます。今後のがん診療に大きな影響を与える検査手法でありますが、現状では下記に記した制約がありますのでご自身の病状に合わせて慎重にご判断いただく必要があります。


・保険診療でがん遺伝子パネル検査を受けられるのは、根治不能な病状で現状で保険承認されている最適な治療である「標準治療」が終了する見込みの患者さん、あるいは標準治療がない「希少がん」の患者さんに限ります。本検査は固形がんのみを対象とした検査なので、血液腫瘍(白血病や悪性リンパ腫など)は対象となりません。外科手術などによりがんを根治することが可能な段階の病状や、抗がん薬治療を開始していない、行えない方はこのがん遺伝子パネル検査の対象とはなりませんのでご留意ください。


・本検査は治療に有用な遺伝子変異が見つからないことは少なくなく、遺伝子変異などが見つかっても治療薬が承認されていなかったり投与対象とならないことが少なくないため実際に治療薬を投与できる可能性は10%と低い状況です。

 

・本検査でその臓器のがんに対しては保険承認されていない治療薬が見つかった場合は、参加可能な治験や臨床試験がないかの調査を行います。治験や臨床試験は遺伝子異常だけではなく、がんの種類や各種検査データ、過去の治療内容によって参加できるかどうかが決まるため、最終的な判断はその治験や臨床試験を行っている医療機関が行うことになります。



・保険で承認されていない治療薬が見つかり、治験や臨床試験に参加できない場合は保険外使用での投与を行うかどうかを検討します。保険適用外での投薬が可能かどうかは所定の審査が必要です。その治療費は保険適用外となり全額自己負担(10割負担)となります。また一定額以上の医療費の自己負担が免除される高額療養費制度の対象ともなりません。このため、治療薬の費用は月額10100万円程度と非常に高額になることがありますので御注意ください。

 

 

当院のがん遺伝子パネル検査の体制と申し込み方法については、当院の遺伝子診療センターのページをご覧ください。

 遺伝子診療センターでの診療について


なお、本検査は「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」のみでしか実施できません。また、「がんゲノム医療連携病院」は、連携している「がんゲノム医療中核拠点病院」との共同で検査結果について確認することが義務づけられております。