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2026年4月1日に滋賀県立総合病院の病院長を拝命しました中村 敬哉(たかや)です。当院には2021年に呼吸器内科科長として着任し、2022年からは副院長として当院の運営・経営に携わっており、このたび、足立 壯一総長・前病院長が当院を統括する病院事業庁長に就任することに伴い、後任として病院長を仰せつかりました。私は京都大学を卒業して医師になって以来、大学院でも臨床研究を行い、ずっと現場で働いてきた臨床医であり、経営に関して学ぶべきことがまだ多々ありますが、現場と経営をつなぐ“界面活性剤”役を担って尽力する所存ですので、なにとぞよろしくお願いいたします。
以下、当院の現状に関してご説明いたします。
当院は、1970年に開設された旧・成人病センターから2018年に改称し、全ての診療科により高度急性期・専門医療や救急医療を提供している滋賀県湖南地域の基幹病院です。滋賀県で唯一の都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、2025年1月に小児保健医療センターと統合しました。
当院の理念は「笑顔で患者に寄り添いチームで取り組む姿勢を基本とし子どもから大人まで安心・信頼・満足の得られる高度かつ専門的な医療の実現」です。
厳しい経営環境ですが、私に課せられた使命と考え、「逆境は飛躍のチャンスである」というマインドセット(物事の捉え方)に変えて、足立 壯一病院事業庁長・総長とともに改革に挑戦したいと考えております。
当院が飛躍するため、「Why not?」(まずはやってみよう/できない理由より、できる方法を考えよう)を全職員のスローガンとして、下記の4つの重点項目を策定しています。
1.「選ばれる病院」
・地域に貢献するさらなる高度急性期・専門医療が充実する「県立病院」
・地域の患者さんにも職員にも信頼され、選ばれ続ける病院
・生活習慣病、認知症、神経難病などのニーズある医療を手放さない
<実績・方針>
■産科以外の全ての診療科がそろっており、数少ない免疫内科(膠原病内科)と腫瘍内科もあり、緩和ケア病棟も備えています。
■最先端治療の導入
【がん】
・大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がんなど、様々な悪性腫瘍に対する最新の薬物療法を行っています。
・新放射線治療棟が竣工し、最新の治療装置(TrueBeamとOXRAY)が稼働しています。
・小線源放射線治療:子宮頸がんなどに対する内部からの放射線治療
・ルタテラ治療:神経内分泌腫瘍に対する内部からの放射線治療
【循環器】
・TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術):重症の大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療
・WATCHMAN(左心耳閉鎖デバイス):心房細動による脳梗塞を予防するデバイス治療
・パルスフィールドアブレーション(PFA):心房細動などの不整脈に対するカテーテル治療
■都道府県がん診療連携拠点病院、および、がんゲノム医療連携病院であり、高度医療センターに含まれていたがんに関わる部署を統合して2026年4月に「がんセンター」を設立しました。すでに行われている脳ドック・乳線ドック・前立腺ドックを発展させた「がんドック」開始を予定しています。
■今後の予定:ICU・HCU改修、手術室造設、小児病棟の本館への移転、小児新棟の供用、救急外来改修
■多職種連携によるチーム医療を行い、多職種が関わる共同意思決定(SDM)を推進し、患者満足度を向上させます。
■職員の心理的安全性を保ち、しなやかな適応力(レジリエンス)を強化し、安心・安全な医療の提供に努めます。
■DXやAIの利活用を推進します。
■病院ブランディング強化チーム活動を行い、診療などの内容を充実させて当院独自の価値を構築して認知度と信頼性を向上させ、患者さんや他の医療機関からの信頼を得ることに加えて、職員が当院でぜひ働きたいと誇りを持てる”すごそうな病院”を目指します。その上で、他の医療機関への訪問、講演会や学会活動、オープンホスピタル、広報誌や診療科・部門紹介の冊子、ホームページやSNSなどにより、当院の魅力を精力的に情報発信します。
2.「断らない病院」
・全県対応で患者と地域の信頼を集める拠点病院
・子どもから大人まで幅広い世代に寄り添い、受け入れる病院
<実績・方針>
■紹介患者さんを円滑に受け入れるため、他の医療機関からのご紹介に速やかに対応できる体制を構築し、研修医の屋根瓦方式の当直を含めて救急診療体制を強化しています。また、観察入院を体制化しています。
■急性期の循環器疾患の患者さんを迅速に受け入れることができる体制を構築しています。
■外科と整形外科は、通常の当直業務を免除し、常に緊急対応・手術ができるオンコール体制としています。
■脳卒中センター医師により脳神経系当直体制を強化しています。
■精神疾患は滋賀県立精神医療センターなどと連携しています。
■災害拠点病院に指定されました(2025年4月)。
3.「育てる病院」
・臨床に活かせる研究の推進と医療専門職を育成するアカデミック病院
<実績・方針>
■卒後臨床研修評価機構(JCEP)の認証を取得しました(2025年3月)。
■全職種で人材を育成し、学習して成長できるようにサポートします。
■学会発表や専門医等の資格取得を支援し、医療の未来を創るための臨床研究を推進します。
■他施設の医学生・研修医・看護学生などの研修・実習を積極的に受け入れています。
4.「健やかな病院」
・コストカットとハイパフォーマンス経営による健全化病院
<実績・方針>
■経営状況を「見える化」し、全職員が経営に関して主体的に考えることができるようにしています。
■全診療科・部署が行動計画書を作成し、それに基づいて総長・院長と経営改善強化プロジェクトチームによるヒアリングを行い、改善点を協議しました。
■持続可能な病院経営が可能となるため、財務基盤を安定化させるように改革を進めます。
■全職員に経営改善のための自由なアイデア提案を募り、ワーキンググループで議論して実現化を検討しています。
皆さまにさらに信頼され選ばれる病院を目指して邁進してまいりますので、今後ともご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
滋賀県立総合病院
病院長 中村 敬哉