それぞれの地域に多様で豊かな美の魅力が満ちあふれている滋賀は、県全体がいわばひとつの「美術館」。
リニューアルする「滋賀県立美術館」と「新・琵琶湖文化館(仮称)」を核として、滋賀の美の魅力を広く発信します。
滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
1976年生まれ、2021年より現職。慶應義塾大学大学院修士課程(美学美術史学分野)修了。2000年から2020年まで東京国立近代美術館勤務。
主な著作に『アール・ブリュットアート 日本』(監修、平凡社、2013)など。『すばる』の連載など、芸術についての寄稿多数。
生まれ変わって再開館する「県立美術館」が目指すのは「リビングルームのような美術館」です。入場自由のエントランスはソファやベンチを増やし、カフェも併設します。「公園に来たついでに」くらい気軽に美術に触れてみてください。
新たにキッズルームを設け、親子向けのワークショップなども開催予定です。なるべく早い年齢から美術に親しみ、見たり創ったりする楽しさを知ってほしいと願っています。
滋賀にはまだまだ知られていない、すばらしい美術がたくさんあります。例えばオープニング展の「桑実寺縁起絵巻」は近江八幡の寺に伝わる重要文化財で、知る人ぞ知る室町期の絵巻の名品です。
蒲生(東近江市)の洋画家・野口謙蔵は、東京美術学校を卒業するとすぐ郷里に戻り、身のまわりに画題を見出しました。その生き方は、現代の私たちの心に響くものがあります。このような新たな視点で、小倉遊亀や山元春挙、現代アートやアール・ブリュットなど、おなじみの滋賀の美についても紹介していきたいと考えています。
滋賀に着任して、毎朝、琵琶湖を眺める暮らしが始まりました。自分が落ちこんでいるときには琵琶湖に癒やされたり、浮き立つ気持ちを静められたり、自然との対話が生まれる経験は初めてのこと。東京ではできない体験を日々重ねています。
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