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じんけん通信

 人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

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令和4年(2022年)4月(第168号)

 

 県では、すべての人の人権が尊重される社会の実現を目指して、様々な施策に取り組んでおり、今後の取組に活かすため、5年に1度「人権に関する県民意識調査」を実施しています。

 令和3年に行った調査の結果について、今号と次号の前後編2回に分けて紹介し、人権について考えていきます。

ジンケンダー

特集「人権に関する県民意識調査」から(前編)

 県では、「県民の人権に関する考え方等を調査し、人権教育・啓発をはじめとする今後の人権施策を推進するうえでの基礎資料とする」ことを目的に、この調査を実施しています。

 調査結果から人権が尊重される社会づくりについて考えてみましょう。

 

 調査結果全体については、こちらをご覧ください。

■調査の実施方法

(1)調査対象

 県内に在住する18歳以上の方3,000人(外国人住民を含む。)

(2)調査期間

 令和3年(2021年)9月22日~令和3年(2021年)10月31日

(3)調査方法

 郵送法・オンライン調査法(回答者がどちらかを選択)

 外国人対象者には、やさしい日本語に配慮して作成した調査票と翻訳調査票(ポルトガル語・タガログ語・中国語・ベトナム語・英語の5か国語)を送付。

(4)回収率

 52.0%(有効回収数1,560件)<H28年度52.5%(有効回収数1,575件)>

(5)調査項目

 1.人権についての考え方、2.人権侵害を受けた経験および対応、

 3.人権侵害を見聞きした経験および対応、4.人権の個別分野ごとの課題

 ・女性・子ども・高齢者・障害者・外国人・患者

 ・新型コロナウイルス感染症・犯罪被害者等・性の多様性(性的指向・性自認)

 ・インターネット上の人権侵害

 5.同和問題(部落差別)について、6.人権の尊重や侵害についての考え方

 7.人権啓発について、8.人権が尊重される社会の実現に向けての考え方、9.自由記述

■調査結果の主なポイント

1.人権についての考え方

 今の滋賀県は「人権が尊重される社会」になっていると思うかをたずねたところ、下の図1『【問2】滋賀県における人権尊重の状況』のとおり、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」を合わせた“そう思う”と答えた人の割合は56.3%となっています。

 前回の平成28年の調査結果と比較すると、大きな差はみられませんでした。これまでの人権に関する取組や教育・啓発が一定浸透してきているものと考えられますが、“そう思わない”が依然として2割強あることから、さらに人権が尊重される社会の実現に向けたさまざまな施策を実施していく必要があると考えています。

図1【問2】滋賀県における人権尊重の状況
問2のグラフです

2.人権侵害を受けた経験および対応

 ここ5年以内で人権侵害を受けた経験についてたずねたところ、下の図2『【問4(1)】人権侵害を受けた経験』のとおり、「ある」と答えた人が11.9%、「ない」と答えた人が87.0%となっています。前回、前々回の調査結果と比較すると、大きな変化は見られませんでした。

図2【問4(1)】人権侵害を受けた経験
問4(1)のグラフです

 また、人権侵害を受けた経験が「ある」と答えた人に、人権侵害を受けたときにどのような対応をしたか(複数回答)についてたずねたところ、下の図3『【問4(4)】人権侵害を受けたときの対応(回答はいくつでも)』のとおり、「身近な人に相談した」と答えた人の割合が40.3%で最も高く、次いで「何もしなかった」(32.3%)、「相手に抗議した」(24.7%)の順となっています。

 前回、前々回の調査結果と比較すると、「何もしなかった」が大幅に減少し、「法務局、県、市町、警察等の行政機関に相談した」(※2)が増加しましたが、「何もしなかった」が依然として3割を超えていることから、引き続き相談機関の周知や相談・支援体制の充実を図る必要があります

図3【問4(4)】人権侵害を受けたときの対応(回答はいくつでも)
問4(4)のグラフです

※1 平成23年度、28年度の「NPO等の民間団体に相談した」は、令和3年度は「滋賀県人権センターやNPO等の民間団体に相談した」として整理算出している。

※2 平成23年度の「警察に相談した」、「法務局、人権擁護委員に相談した」、「県の機関、市役所、町役場に相談した」および令和3年度の「警察に相談した」、「法務局や人権擁護委員に相談した」、「県の窓口に相談した」、「市役所や町役場の窓口に相談した」は、平成28年度の「(参考)法務局、県、市町、警察等の行政機関に相談した」として整理算出している。

 

3.人権の個別分野ごとの課題

 次に様々な人権分野についてお尋ねした結果について、一部をご紹介します。

 

(1)新型コロナウイルス感染症に関する人権問題

 まずは、この2年間、皆様もテレビやインターネットなど身近に見聞されたことがある新型コロナウイルス感染症に関する人権問題について、特にどのようなことが問題だと思うかをたずねたところ、下の図4『【問12】新型コロナウイルス感染症に関する人権問題について(回答は3つまで)』のとおり、「感染者やその家族等に対して差別的な言動・いじめ等が行われること」と答えた人の割合が67.7%で最も高く、次いで「インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で誹謗中傷やデマが流されること」(43.8%)、「治療にあたる医療従事者に対して差別的な言動が行われること(41.5%)の順となっています。

 今後も新型コロナウイルス感染症に関する人権侵害が発生する可能性があることから、これを防止するための啓発を行うとともに、被害者を支援する取組を引き続き実施していく必要があります

図4【問12】新型コロナウイルス感染症に関する人権問題について(回答は3つまで)
問12のグラフです

(2)性の多様性(性的指向・性自認)に関する人権問題

 次に、最近様々な場面で取り上げられているLGBTなど(性の多様性(性的指向・性自認))に関する人権問題について、特にどのようなことが問題だと思うかをたずねたところ、下の図5『【問12】新型コロナウイルス感染症に関する人権問題について(回答は3つまで)』のとおり、「様々な性のあり方に関する理解や認識が十分でないこと」と答えた人の割合が62.9%で最も高く、次いで「差別的な言動をされること」(37.4%)となっています。

 前回の調査では選択肢になかった「本人の了解を得ず、その人の性的指向や性自認を第三者に明らかにする行為(アウティング)が行われること」も30.8%と3番目に高い数値となっています。

 性の多様性に関する社会の関心が高まる一方、アウティングの問題に表されるように、職場や学校等、生活の様々な場面での理解や配慮が未だ十分ではない状況があると考えられるため、性の多様性についての正しい理解の増進につながる啓発を実施していく必要があります

図5【問15】LGBT等の人権について(回答は3つまで)※1
問15のグラフです

※1平成28年度は質問文を「性同一性障害者・同性愛者に関する事柄で、人権上、特にどのようなことが問題だと思いますか」としていたが、同一の趣旨ではあるものの令和3年度は「LGBTなどに関する事柄で、人権上、特にどのようなことが問題だと思いますか」に変更した。

※2平成28年度は選択肢の文章を「性同一性障害者・同性愛者等に関する理解や認識が十分でないこと」としていたが、同一の趣旨ではあるものの令和3年度は「様々な性のあり方に関する理解や認識が十分でないこと」と変更した。

 

(3)インターネット上の人権侵害

 次に、インターネット上の人権侵害について、特にどのようなことが問題だと思うかをたずねたところ、下の図6『【問16】インターネット上の人権侵害について(回答は3つまで)』のとおり、「他人を誹謗中傷する情報が掲載されること」と答えた人の割合が72.5%で最も高く、次いで「プライバシーに関する情報が掲載されること」(47.7%)、「子どもたちの間でインターネットやSNSを利用したいじめが発生していること」(46.1%)の順となっており、前回の調査結果と比べると、上位3項目の順位は同じ結果となっています。

 インターネットやSNSの利用が幅広い層に拡大する中、他人を誹謗中傷する書き込みの増加や個人情報の流出などが大きな社会問題となり、法改正も行われています。

 また、同和問題に関しても、インターネット掲示板等で同和地区名の書き込み等が行われていますが、こうした行為は人権侵害のおそれが高い、違法性のあるものと考えられます

 インターネット利用上のルールやマナー、個人のプライバシー等に関する正しい理解についてさらに啓発等に取り組む必要があります

図6【問16】インターネット上の人権侵害について(回答は3つまで)
問16のグラフです

※平成28年度は選択肢の一つを「子どもたちの間でインターネットを利用したいじめが発生していること」としていたが、同一の趣旨ではあるものの令和3年度は「子どもたちの間でインターネットやSNSを利用したいじめが発生していること」と変更した。

 

 今月号(4月)はここまでです。次号(令和4年5月)の後編では、同和問題(部落差別)の解決方法についての考え方や人権が尊重される社会の実現に向けての考え方、全体のまとめ等についてお伝えします。

人権カレンダー4月

AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間

いわゆるアダルトビデオ出演強要問題や、いわゆる「JKビジネス」と呼ばれる営業により児童が性的な被害に遭う問題などが発生しており、若年層の女性に対する性的な暴力に係る問題は深刻な状況にあります。特に、年度当初は、進学、就職等に伴い若者の生活環境が大きく変わる時期であり、こうした被害に遭うリスクが高まることも予想されることから、4月を被害防止月間と位置づけ、必要な取り組みを集中的に実施することとしています。

2日 世界自閉症啓発デー /2日~8日 発達障害啓発週間

平成25 年(2013 年)12月1日にオーストラリアのメルボルンで開かれた世界エイズデーの式典で、国連合同エイズ計画(UNAIDS)により定められました。

7 日 世界保健デー

WHO憲章がはじめて設定された4月7日を記念して、1950年以来、毎年4月7日が世界保健デーとして定められました。WHOが毎年、世界保健デーのテーマを発表すると、世界中の多くの国では、「世界保健デー」として、4月7日(あるいはその前後に)さまざまな健康のためのイベントが行われています。

10 日 法テラスの日

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、国民の皆さんが、どこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるよう、平成18年に、総合法律支援法に基づき設立された公的な法人です。その設立日である4月10日を「法テラスの日」とし、毎年その前後の日に全国各地で無料法律相談会や街頭啓発活動など様々なイベントが行われます。

28 日 職場での安全と健康のための世界デー(労働安全衛生世界デー)

この日は、職場での安全・健康文化の創造と推進について世界の人々の関心を集めるとともに、仕事に関連する死亡者数の削減を図ることを目指して、平成25年(2013年)から毎年実施されています。

ジンケンダー画像です
お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]
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