若年層の一層の人権意識の向上が求められる中、平成25、26年度に実施した学生サポーター会議において「若者の集まる場所へ出向いての啓発が必要かつ有効」である旨のアイデア提示や、「実際の現場で取り組んでおられる人から話をきくことは、より深く人権について考えるきっかけになった」との感想をいただきました。
そこで、若い人たちに人権は身近なものであり、人権の尊重は私たち一人ひとりが考えていかなければならない課題であるという意識をより強く持っていただくことを目的として、県内大学等での講義の中で、各人権分野の最前線で活動されている方からの講話により、人権課題の現状を学ぶ機会を提供しています。
実習前の学生の皆さんに人権のことについてより理解を深めていただくことを目的に、まず、人権の基本的な内容の講義を「人権基礎講座」として、また、QOLと人権の関係性についての講義を「QOL(Quality of Life)と人権」と題して、滋賀県人権施策推進課職員が実施しました。
「人権基礎講座」では、人権は差別を受けている人など、誰か特定の人のものではなく、私たちひとりひとりの普段の日常生活に密接に関係していることを感じていただくため、まず最初に、テレビ、新聞、ネットで気になったニュースの中から人権に関するものを思い出していただきました。また、「障害者差別解消法」や新型コロナウイルス感染症に関連した人権侵害の事例などを説明した上で、人権が日常生活に密接に関わっていること、自分の人権ばかり主張するのではなく他者の人権の尊重が同様に重要であることなどをお伝えし、患者さんに接する際など様々な現場や機会において、「人権尊重の視点」をもって働いていただくことをお願いしました。
「QOL(Quality of Life)と人権」では、まず「わたしの大切なもの」をそれぞれ考えていただき、それを近くの人と共有するワークを行ってもらいました。その上で、QOLとは何かということや、QOLと人権の関係性について説明し、相手のことを思い、大事にすることの大切さなどを実習前に考えていただく機会を提供しました。
次に、花王グループカスタマーマーケティング株式会社様より、「メイクなど美容行動が与える心理的な好影響について」と題して、高齢者向けメイク講座の取組を通じたQOL向上の実践事例等についてご紹介いただきました。
<学生の声>
滋賀県立大学で毎年2月に開催されている課外活動団体の代表者等を対象にした課外活動説明会において、今年度も「人権啓発学習会」を実施しました。
今年度は、違法・有害情報相談センターのセンター長 石原友信さんをお招きし、「インターネット上の人権侵害等、 違法・有害情報における課題と関係者の対策」と題し、オンライン配信で講義を行っていただきました。
講義では、日本のインターネット利用の現状や、インターネット上の誹謗中傷に関する国・事業者の取組について教えていただきました。また、具体的な相談事例から、トラブルを起こさない・トラブルに巻き込まれないためにはどうしたらいいか、困った時はどこに相談したら良いかなどについて学んでいただきました。
参加いただいた皆さんには、インターネットやSNSを使う上での注意点について理解を深めていただき、お互いの人権を尊重することの大切さについて考えてもらうきっかけとなりました。
<学生の声>