「わからない」だから「かわらない」そんなあなたの人権意識、「かわりたい」だから「わかりたい」へチェンジしませんか?
あなたの「わかりたい」を応援したい。人権施策推進課では、そんな思いで毎月1日に「じんけん通信」を発行しています。
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これまでに発行した「じんけん通信」は、バックナンバーからご覧いただけます。
平成30年(2018年)5月(第121号)
今回のじんけん通信のテーマは、「男女共同参画」です。
県では、男性、女性にかかわらず、お互いを尊重し、助け合いながら、個性や能力を発揮し、多様な生き方を選択できる、だれもが輝ける男女共同参画社会を実現するため、「滋賀県男女共同参画推進条例」を定め、県と県民・事業者のみなさんそれぞれの主体的な取組みを推進しています。
その一つとして、男女が互いに協力し、社会の支援のもとに、家族の一員として役割を果たすことはとても大切なことであり、そのためには、男女が共に仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現できる環境づくりが求められます。
ここで、共働き世帯数の推移を見てみましょう。
1990年頃(平成初期)までは、専業主婦世帯が共働き世帯を上回っていましたが、現在では、逆転し、約6割が共働き世帯となっています。
一方で、共働き世帯夫婦の生活時間のうち、「家事・育児・介護等」にかける時間の割合を見ると、妻と夫で大きな差があり、女性に家事・育児・介護等の負担が偏っていることがわかります。
ワーク・ライフ・バランス実現のためには、働きやすい職場環境だけでなく、家庭において男性が育児・家事に積極的に参画し女性に偏る家事・育児負担を分かち合っていくことが求められています。
そこで、これから就職、結婚、子育て、介護等を経験する大学生に向けて、ファザーリング・ジャパン滋賀監事 宮本一幸さんより、「イクメン」を事例に男女共同参画について考えるお話をしていただきました。今回のじんけん通信では、その講義の内容を紹介します(※)。
(※)2月19日に滋賀県立大学において開催した「若年層向け人権啓発講義」 の講演内容を基に記事を作成しています。
◆ ファザーリング・ジャパン滋賀とは
「良い父親」ではなく、「笑っている父親」を増やしたい!!
ファザーリング・ジャパン滋賀は、「『良い父親』ではなく『笑っている父親』を増やす」ため、「父親の積極的な子育てへの参画」「母親の心身の負担や不安の軽減」「企業の意識改革、社会不安の解消、次世代の育成」を目的に、2012年1月から活動をしています。
活動を始めたきっかけは、NPO法人ファザーリング・ジャパン、ファザーリング・ジャパン関西、県、大津市等の主催により、初めて全国規模で、「ファザーリング全国フォーラムin しが ~琵琶湖から発信!父親の笑顔、母親の笑顔、子どもの笑顔が社会を変える!~」を滋賀県で開催したことです。
具体的な活動としては、子育て、ワーク・ライフ・バランスをテーマにした講座や育休体験談、座談会等の開催、また、自治体等のイクボス宣言の立会などがあり、「パパの笑顔ママの笑顔 子どもの笑顔が 社会をかえる!! 笑顔あふれるパパ・ママを応援します。」をミッションに活動しています。
パパ料理教室 | ワークショップ(ワイルド遊び) | イクボス宣言(大津市)の立会 |
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その他、絵本の読み聞かせ、バルーンアート教室、企業等での講座の開催 等 さまざまな活動をしています。 |
◆ 「ファザーリング」とは?
「育児に参加する」という受け身ではなく、父親であることを楽しもう!
「イクメン」という言葉をよく新聞などで見かけると思います。「イクメン」とは子育てを積極的に楽しむ男性のことで、国家プロジェクト(厚生労働省「イクメンプロジェクト~育てる男が、家族を変える。社会が動く。~」)にもなっています。
なぜ「イクメン」という言葉が注目されるのか…それは育児をする父親が、まだ「珍しい」からではないでしょうか。女性の労働参加が進んだことにより共働き世帯が増え、「男性は仕事」「女性は家庭」という考え方も変わってきています。しかし、家事・育児時間における男女の差はまだ大きく開いているのが現状です。
この差を縮めて、男性も仕事と生活の両方を充実させるにはどうしたらよいか…それが「ファザーリング」の姿勢だと思います。「ファザーリング」とは、「父親であることを楽しもう」という意味です。「育児に参加する」という受け身ではなく、まず、一人の親として「できること」「やりたいこと」を積極的に行う姿勢を持つことが大切だと思います。
◆ 子育てを積極的に楽しむ「イクメン」になりたい!どうすればいいの?
子どもは、いつか親離れをする時期が来るため、子育ては「期間限定のプロジェクト」とも言えます。そんな子育てを、ママだけに独り占めさせるのはもったいない!ということで、「パパの極意」として、5つのポイントをご紹介いただきました。
★パパの極意★
1 パパ・スイッチを入れる
自ら身体を動かして、心で感じて、「自分が父親になった」と自覚する瞬間が、「パパ・スイッチ」です。「パパ・スイッチ」が入る瞬間は、人によって様々だと思いますが、スイッチが入ると、考え方も変わることがあります。例えば、子どもの成長を楽しみにするようになったことで、自分も成長しなければ、と前向きな気持ちになったり、子どもの素直な気持ちを大事にするようになったことで、時には弱音をはいてもいいじゃないか、とよい意味で大らかな気持ちになったりします。
まずは早い段階から「パパ・スイッチ」を入れること。これが、1つ目のポイントです。
2 パパの子育て、「得意技」から始めるのがおすすめ
だっこ、お風呂、体をつかった遊び、絵本の読み聞かせ、写真、料理など、得意なところから始めてみるとよいと思います。
また、子育てに限らず、人生、困難なことであればあるほど、歓びや感動を得られると思います。子どもの成長も同じです。どんな小さな困難でも、親と一緒にそれを乗り越えられたとき、歓びや感動が得られ、そして仲間意識も芽生えます。乗り越えるまではすごく大変でも、振り返れば一緒に笑い合える、よい思い出にきっとなると思いますので、ぜひ、親子で難しいことにも挑戦してみてください。
3 パートナーとの素敵な関係
女性の愛情に関するある調査では、結婚直後は最上位に位置していた夫への愛情が、子どもが産まれると10%くらいに低迷するという結果が報告されています。この状態で「子どもは放っておいても育つ」と子育ての傍観者になっていると、気がつけば夫への愛情はゼロになっている、なんてことも!「手伝ってあげる」「家族サービス」ではなく、ママの孤独な子育てにならないよう、日常的にねぎらいの言葉をかけるなどの気遣いや、家事・子育てについて夫婦で共感することが大切だと思います。また、夫が「私はやっている」という気になっていても、妻は「やっていない」と感じるなど、夫婦間で意識に差が生じることもあるので、よく話し合うことが大切です。
4 ワーク・ライフ・バランス
仕事と育児の両立を実現する心構えとして大切なことは、「できるかなぁ」「できないかなぁ」ではなく、「やるしかない!」と腹をくくるくらいの気持ちを持つことだと思います。共働き世帯が多い今、ワーク・ライフ・バランスは一人ひとりが考えなければならない時代になっています。
また、育児休業の制度も時代に合わせて年々変わってきています。ワーク・ライフ・バランスを実現するためには、自分に合った制度を活用するのも大切なことです。
5 イキメン~地域の「おとうさん」に
「イキメン」とは、地域で活躍するお父さんのことです。家庭内だけでなく、地域活動にも積極的に参加できるとよいと思います。
地域活動の入り方として、例えば…
・保育園、幼稚園の父母会でリーダーになる
・地域の子育て拠点などでのパパイベントに参加する
・地域のお祭りの主催者側に加わる 等
◆ 学生のみなさんに向けてメッセージ何事にも積極的に取り組んでみよう!
私自身、学生の頃は、引っ込み思案で、このように人前で話すことなど考えられませんでした。社会人になって、あるセミナーに参加したことで、人生が変わりました。そのセミナーでは、これから自分の人生をどう歩んでいくのか、ビジョンや夢を明確にし、プレゼンをする機会があり、これからの自分を見つめ直すことができました。これを機に、積極的にいろいろなことに参画するようになり、たくさんの人とのつながりができていきました。こうして今の自分があると思っています。
何事にも積極的に参画すれば、人生は変わると思います。男性・女性である前に人として、生きていく上で、人と人とのつながりは本当に大切です。若い皆さんが、これから様々なことに挑戦し、たくさんの人とのつながりを作っていただき、楽しい人生を送ることができるよう願っています。
ファザーリング・ジャパン滋賀「パパの笑顔 ママの笑顔 子どもの笑顔が 社会をかえる!!笑顔あふれるパパ・ママを応援します♪」をミッションに、イベントや講演会などを実施しています。ただいま、メンバーを募集中。https://m.facebook.com/FJ.SHIGA/?locale2=ja_JP)をご覧ください。 |
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今回は「イクメン」についてご紹介しましたが、男性が家事・育児をしたいと考えていても、「家事・育児に関する知識を得る機会が少なく、具体的な方法がわからない」、「夫婦がお互いを尊重し協力し合うことについて意識が希薄で、お互いに助け合えていない」といった課題もあるようです。
そこで県では、マンガやインタビュー記事でわかりやすくまとめた、男性の育児・家事参画を推進する情報誌「MEN’s CARAT Shiga(メンズカラットしが)」を発行したり、子育て期の夫婦等を対象にした講座「しがパパママスクール」を開催したり、といった取組みも行っておりますので、「自分たちの働き方・生き方」について、夫婦で話し合う参考にしてみてください。
2018年の「しがパパママスクール」は、秋ごろに開催予定です。詳細が決まり次第、県ホームページ等でお知らせします。
【問合せ先】 商工観光労働部女性活躍推進課 TEL:077-528-3771、FAX: 077-528-4807
犯罪被害者等がひとりの県民として、一日も早く平穏な暮らしを取り戻すことができるよう、行政、県民、事業者、民間支援団体等が連携し、県民みんなで犯罪被害者等の心に寄り添った支援を推進するため、「滋賀県犯罪被害者等支援条例」が施行されました。