体験者の語り 地元の男女9人による 聞き取り日:平成27年10月2日
【この調査は立命館大学歴史都市防災研究室と協働で行いました】
高島市の東部に位置する朽木野尻地区は、安曇川と北川との合流点付近に位置する、山と川に挟まれた地区。地区の中心を県道23号線が横断しており、住居の多くは県道23号線よりも山側にある。
野尻地区東部の安曇川下流は、蛇行し、川幅が急激に狭くなっている箇所があり、増水時にその部分で流れが詰まり、安曇川が溢れ、地区が浸水するという被害を受けてきている。
過去に、昭和28年・38年・40年・平成16年・25年に地区が浸水しており、このうち、昭和28年・38年・平成25年には、県道23号線を越えて山側の住居まで被害が及んだ。
住民の方たちの体験から、地域の特性と昭和28年・38年40年・平成16年・25年の水害をまとめてあります。
参考(滋賀県災害誌より各水害の概要)
【昭和28年 台風13号】
安曇川が下流の二ツ矢で決壊
朽木村は400mm以上の豪雨に見舞われ、橋梁はほとんど流失し道路は寸断、通信は途絶、全く孤立化して、一時は安否も気遣われた。
【昭和38年 5月6月の長雨と台風2・3号】
4月から5月いっぱい、さらに6月半ばまで天気は悪く、5月の降水量・降雨日数などは彦根気象台開設以来の記録となった。
【昭和40年9月 台風23・24号】
9月9日以来、秋雨前線による雨が続くなか、10日に台風23号が・17日に24号が立て続けにやってきた。台風24号は、この年の最も大きい台風で、各河川はこれまでの増水した水量に加え、さらに急速に増水し、9月17日23時頃には各地で堤防の決壊が起こった。そのため、家屋の全半壊をはじめ、田畑の流失・冠水などによる水害被害・農作物被害が甚大なものになった。
【平成16年台風23号】
この年は、梅雨前線や台風の影響で集中豪雨が頻発に起こった。台風の上陸数は、10月末までに記録を更新し10個となった。
特に、大型で強い台風23号は広い範囲で大雨をもたらし、浸水害が発生した。
【平成25年台風18号】
強風域半径500kmを越える大型の台風18号は、滋賀県で過去に経験したことのない暴風雨をもたらし、滋賀県・京都府・福井県に初の特別警報(平成25年8月30日から運用)が発令された。
このため、県内各地で記録的な大雨となり、高島市鴨川と草津市金勝(こんぜ)川の堤防が決壊したのをはじめ、多くの河川が氾濫し、人家や田畑等広い範囲で浸水して甚大な被害をもたらした。
9月15~16日の総雨量は、大津市葛川(かつらがわ)で635mmを記録している。