○滋賀県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な道路の構造等に関する基準を定める条例
平成24年3月30日
滋賀県条例第13号
〔滋賀県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な信号機等に関する基準を定める条例〕をここに公布する。
滋賀県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な道路の構造等に関する基準を定める条例
(題名改正〔平成24年条例73号〕)
(趣旨)
第1条 この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下「法」という。)第10条第1項、第13条第1項および第36条第2項の規定に基づき、移動等円滑化のために必要な道路の構造等に関する基準について定めるものとする。
(一部改正〔平成24年条例73号〕)
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、法および高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成18年政令第379号)ならびに滋賀県道路法に基づく県道の構造に関する技術的基準を定める条例(平成24年滋賀県条例第68号。以下「道路構造条例」という。)において使用する用語の例による。
(追加〔平成24年条例73号〕)
(道路の構造基準)
第3条 法第10条第1項の条例で定める基準は、別表第1のとおりとする。
(追加〔平成24年条例73号〕)
(特定公園施設の設置基準)
第4条 法第13条第1項の条例で定める基準は、別表第2のとおりとする。ただし、災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この限りでない。
(追加〔平成24年条例73号〕)
(1) 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第2条第4項に規定する信号機であって、次のいずれかに該当するもの
ア 人の形の記号を有する青色の灯火の信号(以下「歩行者用青信号」という。)に従って道路を横断し、または横断しようとしている視覚障害者に対し、歩行者用青信号の表示を開始したことまたは当該表示を継続していることを伝達するための音響を発することができるもの(当該表示を開始したことまたは当該表示を継続していることに関する情報を当該視覚障害者が使用する通信端末機器に送信することができるものを含む。)
イ 歩行者用青信号の表示を開始した時に当該信号に従って道路の横断を始めた高齢者、障害者等がその横断を終わるため通常要すると認められる時間内に人の形の記号を有する赤色の灯火の信号の表示を開始しないもの
ウ 歩行者用青信号が表示された時において、当該表示が終了するまでの時間を表示することができるもの
(2) 交差点において他の信号機と一体的に交通整理を行うことができる信号機であって、歩行者用青信号に従って歩行者および遠隔操作型小型車(遠隔操作により道路を通行しているものに限る。)または特定小型原動機付自転車(道路交通法(昭和35年法律第105号)第17条第3項に規定する特定小型原動機付自転車をいう。)および自転車が道路を横断することができる場合において、当該信号機および当該他の信号機のいずれもが、車両または路面電車(交差点において既に左折または右折しているものを除く。)が当該道路を通行することができることとなる信号を表示しないこととなるもの
(一部改正〔平成24年条例73号・令和3年35号・5年33号〕)
(道路標識に関する基準)
第6条 道路標識に関する法第36条第2項の条例で定める基準は、反射材料を用い、または夜間照明装置を施した道路標識であることとする。
(一部改正〔平成24年条例73号〕)
(道路標示に関する基準)
第7条 道路標示に関する法第36条第2項の条例で定める基準は、次の各号のいずれかに掲げる道路標示であることとする。
(1) 反射材料を用い、または反射装置を施した道路標示
(2) 横断歩道であることを表示する道路標示であって、視覚障害者の誘導を行うための線状または点状の突起が設けられたもの
(一部改正〔平成24年条例73号〕)
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。
(一部改正〔平成24年条例73号〕)
(経過措置)
2 別表第1第1項第1号の規定により歩道を設けるものとされる道路の区間のうち、一体的に移動等円滑化を図ることが特に必要な道路の区間について、市街化の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、同号の規定にかかわらず、当分の間、歩道に代えて、車道およびこれに接続する路肩の路面における凸部、車道における狭窄部または屈曲部その他の自動車を減速させて歩行者または自転車の安全な通行を確保するための道路の部分を設けることができる。
(追加〔平成24年条例73号〕)
3 別表第1第1項第1号の規定により歩道を設けるものとされる道路の区間のうち、一体的に移動等円滑化を図ることが特に必要な道路の区間について、市街化の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、同項第2号(イを除く。)の規定にかかわらず、当分の間、当該区間における歩道の有効幅員を150センチメートルまで縮小することができる。
(追加〔平成24年条例73号〕)
(追加〔平成24年条例73号〕)
5 地形の状況その他の特別の理由により、別表第1第1項第6号の規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、当分の間、同号の規定による基準によらないことができる。
(追加〔平成24年条例73号〕)
6 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合における別表第1第1項第8号の規定の適用については、当分の間、同号中「200センチメートル」とあるのは、「100センチメートル」とする。
(追加〔平成24年条例73号〕)
付則(平成24年条例第73号)
この条例は、公布の日から施行する。
付則(令和3年条例第35号)
この条例は、公布の日から施行する。
付則(令和5年条例第33号)
この条例は、令和5年7月1日から施行する。
別表第1(第3条関係)
(追加〔平成24年条例73号・令和3年35号〕)
道路の構造に関する基準
1 歩道等および自転車歩行者専用道路等の構造
(1) 道路(自転車歩行者道を設ける道路、自転車歩行者専用道路および歩行者専用道路を除く。)には、歩道を設けること。
(2) 有効幅員
ア 歩道の有効幅員(縁石、手すり、路上施設もしくは歩行者の安全かつ円滑な通行を妨げるおそれがある工作物、物件もしくは施設を設置するために必要な幅員、除雪のために必要な幅員または道路構造条例第46条第1項の歩行者の滞留の用に供する部分の幅員を除いた幅員をいう。以下同じ。)は、道路構造条例第12条第3項に規定する幅員以上とすること。
イ 自転車歩行者道の有効幅員は、道路構造条例第11条第2項に規定する幅員以上とすること。
ウ 自転車歩行者専用道路の有効幅員は、道路構造条例第44条第2項に規定する幅員以上とすること。
エ 歩行者専用道路の有効幅員は、道路構造条例第45条第1項に規定する幅員以上とすること。
オ 歩道もしくは自転車歩行者道(以下「歩道等」という。)または自転車歩行者専用道路もしくは歩行者専用道路(以下「自転車歩行者専用道路等」という。)の有効幅員を定めるに当たっては、当該歩道等または自転車歩行者専用道路等の高齢者、障害者等の交通の状況を考慮すること。
(3) 舗装
ア 歩道等または自転車歩行者専用道路等の舗装は、雨水を地下に円滑に浸透させることができる構造とすること。ただし、道路の構造、気象状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
イ 歩道等または自転車歩行者専用道路等の舗装は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げがなされたものとすること。
(4) 歩道等または自転車歩行者専用道路等の縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
(5) 歩道等と車道等の分離
ア 歩道等には、車道もしくは車道に接続する路肩がある場合における当該路肩(以下「車道等」という。)または自転車道に接続して縁石線を設けること。
イ 歩道等(車両乗入れ部(車両の沿道への出入りの用に供される歩道等の部分をいう。以下同じ。)および横断歩道に接続する部分を除く。)に設ける縁石の車道等に対する高さは、15センチメートル以上とすること。
ウ イの高さを定めるに当たっては、当該歩道等の構造および交通の状況ならびに沿道の土地利用の状況等を考慮すること。
エ 歩行者の安全かつ円滑な通行を確保するため必要がある場合においては、歩道等と車道等との間に植樹帯を設け、または歩道等の車道等側に並木もしくは柵を設けること。
(6) 高さ
ア 歩道等(縁石を除く。)の車道等に対する高さの標準は、4センチメートルとすること。ただし、横断歩道に接続する歩道等の部分にあっては、この限りでない。
イ アの高さを定めるに当たっては、乗合自動車の停留所および車両乗入れ部の設置の状況等を考慮すること。
(7) 横断歩道に接続する歩道等または分離帯の部分
ア 横断歩道に接続する歩道等または分離帯の部分の縁端は、車道等の部分の縁端より高くすること。
イ アの縁端の段差の標準は、2センチメートルとすること。
ウ イの段差に接続する歩道等の部分は、車椅子を使用する者(以下「車椅子使用者」という。)が円滑に転回することができる構造とすること。
(8) 第2号の規定にかかわらず、車両乗入れ部のうち道路構造条例第27条第3項に規定する基準を満たす部分の有効幅員は、200センチメートル以上とすること。
2 立体横断施設の構造
(1) 道路には、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、横断歩道橋、地下横断歩道その他の歩行者が道路等を横断するための立体的な施設で、高齢者、障害者等の円滑な移動に適した構造を有するもの(以下「移動等円滑化された立体横断施設」という。)を設けること。
(2) 移動等円滑化された立体横断施設には、エレベーターを設けること。ただし、昇降の高さが低い場合その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
(3) 前号に定めるもののほか、移動等円滑化された立体横断施設には、高齢者、障害者等の交通の状況により必要がある場合においては、エスカレーターを設けること。
(4) 移動等円滑化された立体横断施設に設けるエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 籠の内法幅および内法奥行きは、それぞれ150センチメートル以上とすること。
イ アの規定にかかわらず、籠の出入口が複数あるエレベーターであって、車椅子使用者が円滑に乗降することができる構造を有するもの(開閉する籠の出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)にあっては、籠の内法幅は140センチメートル以上とし、内法奥行きは135センチメートル以上とすること。
ウ 籠および昇降路の出入口の幅は、アに掲げる基準に適合するエレベーターにあっては90センチメートル以上とし、イに掲げる基準に適合するエレベーターにあっては80センチメートル以上とすること。
エ 籠内に、車椅子使用者が乗降する際に籠および昇降路の出入口を確認するための鏡を設けること。ただし、イに掲げる基準に適合するエレベーターにあっては、この限りでない。
オ 籠および昇降路の出入口の戸にガラスその他これに類するものがはめ込まれていることまたは籠外および籠内に画像を表示する設備が設置されていることにより、籠外にいる者と籠内にいる者が互いに視覚的に確認することができる構造とすること。
カ 籠内に手すりを設けること。
キ 籠および昇降路の出入口の戸の開扉時間を延長する機能を設けること。
ク 籠内に、籠が停止する予定の階および籠の現在位置を表示する設備を設けること。
ケ 籠内に、籠が到着する階ならびに籠および昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる設備を設けること。
コ 籠内および乗降口には、車椅子使用者が円滑に操作することができる位置に操作盤を設けること。
サ 籠内に設ける操作盤および乗降口に設ける操作盤のうち視覚障害者が利用する操作盤は、点字を貼り付けること等により視覚障害者が容易に操作することができる構造とすること。
シ 乗降口に接続する歩道等または通路の部分の幅および奥行きは、それぞれ150センチメートル以上とすること。
ス 停止する階が3以上であるエレベーターの乗降口には、到着する籠の昇降方向を音声により知らせる設備を設けること。ただし、籠内に、籠および昇降路の出入口の戸が開いた時に籠の昇降方向を音声により知らせる設備が設けられている場合は、この限りでない。
(5) 移動等円滑化された立体横断施設に設ける傾斜路(その踊場を含む。以下この号において同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、200センチメートル以上とすること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、100センチメートル以上とすることができる。
イ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
ウ 横断勾配は、設けないこと。
エ 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げがなされたものとすること。
オ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
カ 2段式の手すりを両側に設けること。
キ 手すりの端部の付近には、傾斜路の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
ク 傾斜路の両側には、立ち上がり部および柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
ケ 傾斜路の勾配部分は、その接続する歩道等または通路の部分との色の輝度の差が大きいこと等により当該勾配部分を容易に識別することができるものとすること。
コ 傾斜路の下面と歩道等の路面との間が250センチメートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合においては、柵その他これに類する工作物を設けること。
(6) 移動等円滑化された立体横断施設に設けるエスカレーターは、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 上り専用のものと下り専用のものとをそれぞれ設置すること。
イ 踏段の表面およびくし板は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
ウ 昇降口において、3枚以上の踏段が同一の平面上にある構造とすること。
エ 踏段の端部とその周囲の部分との色の輝度の差が大きいこと等により踏段の相互の境界を容易に識別することができるものとすること。
オ くし板の端部と踏段との色の輝度の差が大きいこと等によりくし板と踏段との境界を容易に識別することができるものとすること。
カ エスカレーターの上端および下端に近接する歩道等および通路の路面において、エスカレーターへの進入の可否を示すこと。
キ 踏段の幅は、100センチメートル以上とすること。ただし、歩行者の交通量が少ない場合は、60センチメートル以上とすることができる。
(7) 移動等円滑化された立体横断施設に設ける通路は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、200センチメートル以上とすること。
イ 縦断勾配および横断勾配は、設けないこと。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合または路面の排水のために必要な場合は、この限りでない。
ウ 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げがなされたものとすること。
エ 2段式の手すりを両側に設けること。
オ 手すりの端部の付近には、通路の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
カ 通路の両側には、立ち上がり部および柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(8) 移動等円滑化された立体横断施設に設ける階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、150センチメートル以上とすること。
イ 2段式の手すりを両側に設けること。
ウ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
エ 回り段としないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
オ 踏面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げがなされたものとすること。
カ 高さが300センチメートルを超える階段にあっては、その途中に踊場を設けること。
キ 踊場の踏幅は、直階段の場合にあっては120センチメートル以上とし、その他の場合にあっては当該階段の幅員以上とすること。
ク 踏面の端部とその周囲の部分との色の輝度の差が大きいこと等により段を容易に識別することができるものとすること。
ケ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けないこと。
コ 階段の両側には、立ち上がり部および柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
サ 階段の下面と歩道等の路面との間が250センチメートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合においては、柵その他これに類する工作物を設けること。
3 乗合自動車の停留所の構造
(1) 乗合自動車の停留所を設ける歩道等の部分の車道等に対する高さの標準は、15センチメートルとすること。
(2) 乗合自動車の停留所には、ベンチおよびその上屋を設けること。ただし、それらの機能を代替する施設がある場合または地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
4 路面電車の停留場等の構造
(1) 路面電車の停留場の乗降場は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、乗降場の両側を使用するものにあっては200センチメートル以上とし、片側を使用するものにあっては150センチメートル以上とすること。
イ 乗降場と路面電車の車両の旅客用乗降口の床面とは、できる限り段差を設けないようにすること。
ウ 乗降場の縁端と路面電車の車両の旅客用乗降口の床面の縁端との間隔は、路面電車の車両の走行に支障を及ぼすおそれのない範囲において、できる限り小さくすること。
エ 横断勾配の標準は、1パーセントとすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
オ 路面は、平たんで、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
カ 乗降場は、縁石線により区画し、その車道側に柵を設けること。
キ 乗降場には、ベンチおよびその上屋を設けること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(2) 路面電車の停留場の乗降場と車道等との高低差がある場合においては、傾斜路を設けること。
(3) 傾斜路の勾配は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
イ 横断勾配は、設けないこと。
(4) 歩行者の横断の用に供する軌道の部分における軌条面と道路面との高低差は、できる限り小さくすること。
5 自動車駐車場の構造
(1) 自動車駐車場には、高齢者、障害者等が円滑に利用できる駐車の用に供する部分(以下「障害者用駐車施設」という。)を設けること。
(2) 障害者用駐車施設の数は、自動車駐車場において駐車することができる台数(以下「駐車台数」という。)が200台以下の場合にあっては当該駐車台数に50分の1を乗じて得た台数に相当する数以上とし、駐車台数が200台を超える場合にあっては当該駐車台数に100分の1を乗じて得た台数に相当する数に2を加えた数以上とすること。
(3) 障害者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離ができるだけ短くなる位置に設けること。
イ 幅は、350センチメートル以上とすること。
ウ 障害者用駐車施設またはその付近に、障害者用駐車施設の表示をすること。
(4) 自動車駐車場の自動車の出入口または障害者用駐車施設を設ける階には、高齢者、障害者等が円滑に利用できる停車の用に供する部分(以下「障害者用停車施設」という。)を設けること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(5) 障害者用停車施設は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 当該障害者用停車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離ができるだけ短くなる位置に設けること。
イ 車両への乗降の用に供する部分の幅および奥行きは、それぞれ150センチメートル以上とすること。
ウ 障害者用停車施設またはその付近に、障害者用停車施設の表示をすること。
(6) 自動車駐車場の歩行者の出入口は、次に掲げる基準に適合するものとすること。ただし、当該出入口に近接した位置に設けられる歩行者の出入口については、この限りでない。
ア 幅は、90センチメートル以上とすること。ただし、当該自動車駐車場の外へ通ずる歩行者の出入口のうち1以上の出入口の幅は、120センチメートル以上とすること。
イ 戸を設ける場合は、当該戸は、幅を120センチメートル以上とする当該自動車駐車場の外へ通ずる歩行者の出入口のうち、1以上の出入口にあっては自動的に開閉する構造とし、その他の出入口にあっては車椅子使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
ウ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
(7) 障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口から当該障害者用駐車施設に至る通路のうち1以上の通路は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、200センチメートル以上とすること。
イ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
ウ 路面は、平たんで、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
(8) 自動車駐車場の外へ通ずる歩行者の出入口がない階(障害者用駐車施設が設けられている階に限る。)を有する自動車駐車場には、当該階に停止するエレベーターを設けること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
(9) 前号のエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 1以上のエレベーターは、障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口に近接して設けること。
(11) 屋外に設ける自動車駐車場の障害者用駐車施設、障害者用停車施設および第7号に規定する通路には、屋根を設けること。
(12) 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、当該便所は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
イ 男子用小便器を設ける場合は、1以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を設けること。
ウ イの規定により設けられる小便器には、手すりを設けること。
エ 便所の出入口付近に、男子用および女子用の区別(当該区別がある場合に限る。)ならびに便所の構造を視覚障害者に示すための点字による案内板その他の設備を設けること。
(13) 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、そのうち1以上は、前号に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものとすること。
ア 便所(男子用および女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房を設けること。
イ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所とすること。
(14) 前号アの便房を設ける便所は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
イ 出入口は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
(ウ) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識を設けること。
(エ) 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
a 幅は、80センチメートル以上とすること。
b 自動的に開閉する構造または高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないこと。
ウ 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
(15) 第13号アの便房は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
イ 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有するものであることを表示する標識を設けること。
ウ イの標識は、かな、ローマ字、絵等による見やすい表示とすること。
エ 腰掛便座および手すりを設けること。
オ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具を設けること。
6 旅客特定車両停留施設の構造
(1) 公共用通路(旅客特定車両停留施設に旅客特定車両(道路法施行規則(昭和27年建設省令第25号)第1条第1号から第3号までに掲げる自動車をいう。以下同じ。)が停留することができる時間内において常時一般交通の用に供されている一般交通用施設であって、旅客特定車両停留施設の外部にあるものをいう。以下同じ。)から旅客特定車両の乗降口に至る通路のうち、乗降場ごとに1以上の通路は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 有効幅員は、140センチメートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとし、かつ、50メートル以内ごとに車椅子が転回することができる広さの場所を設けた上で、有効幅員を120センチメートル以上とすることができる。
イ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、90センチメートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、80センチメートル以上とすることができる。
(イ) 自動的に開閉する構造または高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
ウ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
(2) 前号の1以上の通路(以下「移動等円滑化された通路」という。)において路面に高低差がある場合は、エレベーターまたは傾斜路を設けること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、エスカレーター(構造上の理由によりエスカレーターを設置することが困難である場合は、エスカレーター以外の昇降機であって車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のもの)をもってこれに代えることができる。
(4) 旅客特定車両停留施設の通路は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 路面は、平たんで、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
イ 段差を設ける場合は、当該段差は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 踏面の端部の全体とその周囲の部分との色の輝度の差が大きいこと等により段差を容易に識別することができるものとすること。
(イ) 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けないこと。
7 移動等円滑化のために必要なその他の施設等
(1) 案内標識
ア 交差点、駅前広場その他の移動の方向を示す必要がある箇所には、高齢者、障害者等が見やすい位置に、高齢者、障害者等が日常生活または社会生活において利用すると認められる官公庁施設、福祉施設その他の施設およびエレベーターその他の移動等円滑化のために必要な施設の案内標識を設けること。
イ アの案内標識には、点字、音声その他の方法により視覚障害者を案内する設備を設けること。
ウ 旅客特定車両停留施設のエレベーターその他の昇降機、傾斜路、便所、乗車券等販売所、待合所、案内所もしくは休憩設備(以下この号において「移動等円滑化のための主要な設備」という。)またはオに規定する案内板その他の設備の付近には、これらの設備があることを表示する案内標識を設けること。
エ ウの案内標識は、日本産業規格Z8210に適合すること。
オ 公共用通路に直接通ずる出入口の付近には、移動等円滑化のための主要な設備(前項第3号前段の規定により昇降機を設けない場合にあっては、同号前段に規定する他の施設のエレベーターを含む。以下この号において同じ。)の配置を表示した案内板その他の設備を設けること。ただし、移動等円滑化のための主要な設備の配置を容易に視認できる場合は、この限りでない。
カ 公共用通路に直接通ずる出入口の付近その他の適切な場所に、旅客特定車両停留施設の構造および移動等円滑化のための主要な設備の配置を点字、音声その他の方法により視覚障害者に案内する設備を設けること。
(2) 視覚障害者誘導用ブロック
ア 歩道等、自転車歩行者専用道路等、立体横断施設の通路、乗合自動車の停留所、路面電車の停留場の乗降場ならびに自動車駐車場および旅客特定車両停留施設の通路には、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、視覚障害者誘導用ブロックを敷設すること。
イ アの規定により視覚障害者誘導用ブロックが敷設された旅客特定車両停留施設の通路と第2項第4号サの基準に適合する乗降口に設ける操作盤、前号カの規定により設けられる設備(音声によるものを除く。)、便所の出入口および前項第14号の基準に適合する乗車券等販売所との間の経路を構成する通路には、それぞれ視覚障害者誘導用ブロックを敷設すること。ただし、視覚障害者の誘導を行う者が常駐する2以上の設備がある場合であって、当該2以上の設備間の誘導が適切に実施されるときは、当該2以上の設備間の経路を構成する通路については、この限りでない。
ウ 旅客特定車両停留施設の階段、傾斜路およびエスカレーターの上端および下端に近接する通路には、視覚障害者誘導用ブロックを敷設すること。
エ 視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周囲の路面との輝度の差が大きいこと等により当該視覚障害者誘導用ブロックを容易に識別することができる色とすること。
オ 視覚障害者誘導用ブロックには、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、音声により視覚障害者を案内する設備を設けること。
(3) 休憩施設
ア 歩道等または自転車歩行者専用道路等には、適当な間隔でベンチおよびその上屋を設けること。ただし、これらの機能を代替する施設がある場合その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
イ 旅客特定車両停留施設には、高齢者、障害者等の休憩の用に供する設備を1以上設けること。ただし、旅客の円滑な流動に支障を及ぼすおそれのある場合は、この限りでない。
ウ イの設備に優先席(主として高齢者、障害者等の優先的な利用のために設けられる座席をいう。)を設ける場合は、その付近に当該優先席を優先的に利用することができる者を表示する案内標識を設けること。
(4) 照明施設
ア 歩道等、自転車歩行者専用道路等および立体横断施設には、照明施設を連続して設けること。ただし、夜間における当該歩道等、自転車歩行者専用道路等および立体横断施設の路面の照度が十分に確保される場合は、この限りでない。
イ 乗合自動車の停留所、路面電車の停留場、自動車駐車場および旅客特定車両停留施設には、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、照明施設を設けること。ただし、夜間における当該乗合自動車の停留所、路面電車の停留場、自動車駐車場および旅客特定車両停留施設の路面または床面の照度が十分に確保される場合は、この限りでない。
(5) 移動等円滑化された通路と公共用通路の出入口は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 幅は、90センチメートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、80センチメートル以上とすることができる。
イ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、90センチメートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、80センチメートル以上とすることができる。
(イ) 自動的に開閉する構造または高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
ウ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
(6) 移動等円滑化された通路に設けるエレベーターは、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 籠の内法幅は140センチメートル以上とし、内法奥行きは135センチメートル以上とすること。ただし、籠の出入口が複数あるエレベーターであって、車椅子使用者が円滑に乗降することができる構造を有するもの(開閉する籠の出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)にあっては、この限りでない。
イ 籠および昇降路の出入口の幅は、80センチメートル以上とすること。
ウ 籠内に、車椅子使用者が乗降する際に籠および昇降路の出入口を確認するための鏡を設けること。ただし、アただし書の構造を有するエレベーターにあっては、この限りでない。
(7) 移動等円滑化された通路に設けるエレベーターの台数ならびに籠の内法幅および内法奥行きを定めるに当たっては、旅客特定車両停留施設の高齢者、障害者等の利用の状況を考慮すること。
(8) 移動等円滑化された通路に設ける傾斜路(その踊場を含む。以下この号において同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものとすること。ただし、アからウまでに掲げる基準については、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ア 有効幅員は、120センチメートル以上とすること。ただし、階段に併設する場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ 縦断勾配は、8パーセント以下とすること。ただし、傾斜路の高さが16センチメートル以下の場合は、12パーセント以下とすることができる。
ウ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
エ 路面は、平たんで、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
(9) 移動等円滑化された通路に設けるエスカレーターは、次に掲げる基準に適合するものとすること。ただし、ウおよびエに掲げる基準については、複数のエスカレーターが隣接した位置に設けられる場合は、そのうち1のみが適合していれば足りるものとする。
ア 上り専用のものと下り専用のものとをそれぞれ設置すること。ただし、旅客が同時に双方向に移動することがない場合は、この限りでない。
イ エスカレーターの上端および下端に近接する通路の路面等において、エスカレーターへの進入の可否を示すこと。ただし、上り専用または下り専用でないエスカレーターについては、この限りでない。
ウ 踏段の幅は、80センチメートル以上とすること。
エ 踏段の面を車椅子使用者が円滑に昇降するために必要な広さとすることができる構造とし、かつ、車止めを設けること。
オ エスカレーターの行先および昇降方向を音声により知らせる設備を設けること。
(11) 旅客特定車両停留施設の乗降場は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 床面は、平たんで、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
イ 旅客特定車両の通行方向に平行する方向の縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
ウ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、誘導車路の構造、気象状況または地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。
エ 乗降場の縁端のうち、誘導車路その他の旅客特定車両の通行、停留または駐車の用に供する場所(以下エにおいて「旅客特定車両用場所」という。)に接する部分には、柵、視覚障害者誘導用ブロック(視覚障害者に対する誘導または段差の存在等の警告もしくは注意喚起を行うために路面に敷設されるブロックをいう。以下同じ。)その他の視覚障害者の旅客特定車両用場所への進入を防止するための設備を設けること。
オ 当該乗降場に接して停留する旅客特定車両に車椅子使用者が円滑に乗降することができる構造とすること。
(12) 旅客特定車両の運行に関する情報を文字等により表示するための設備および音声により知らせる設備を設けること。ただし、電気設備がない場合その他技術上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(13) 前項第12号から第17号までの規定は、旅客特定車両停留施設に設ける便所について準用する。この場合において、同項第14号ア中「第7号に規定する通路」とあるのは「移動等円滑化された通路」と、「同号」とあるのは「第7号」と読み替えるものとする。
(14) 乗車券等販売所を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
イ 出入口を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
a 幅は、80センチメートル以上とすること。
b 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
(ウ) 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
ウ カウンターを設ける場合は、そのうち1以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造とすること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応することができる構造である場合は、この限りでない。
(15) 前号の規定は、待合所および案内所について準用する。
(16) 乗車券等販売所または案内所(勤務する者を置かないものを除く。)には、聴覚障害者が文字により意思疎通を図るための設備を設けること。この場合においては、当該設備を有する旨を当該乗車券等販売所または案内所に表示しなければならない。
(17) 乗車券等販売所に券売機を設ける場合は、そのうち1以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること。ただし、乗車券等の販売を行う者が常時対応する窓口が設けられている場合は、この限りでない。
(18) 災害等のために旅客特定車両停留施設を一時使用する場合は、この項の規定によらないことができる。
(5) 歩道等、自転車歩行者専用道路等および立体横断施設には、積雪または凍結により、高齢者、障害者等の安全かつ円滑な通行に著しく支障を及ぼすおそれのある箇所に、融雪施設、流雪溝または雪覆工を設けること。
別表第2(第4条関係)
(追加〔平成24年条例73号〕)
特定公園施設の設置に関する基準
1 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する園路および広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
(1) 出入口は、次に掲げるとおりとすること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ 車止めを設ける場合は、当該車止めの相互の間隔のうち1以上は、90センチメートル以上とすること。
ウ 出入口からの水平距離が150センチメートル以上の水平面を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
エ オに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
オ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
カ 戸を設ける場合は、自動的に開閉する構造その他の高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないこと。
(2) 通路は、次に掲げるとおりとすること。
ア 幅は、180センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとし、かつ、50メートル以内ごとに車椅子が転回することができる広さの場所を設けた上で、幅を120センチメートル以上とすることができる。
イ ウに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
エ 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
オ 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。
カ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
(3) 階段は、次に掲げるとおりとすること。
ア 手すりを両側に設けること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
イ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
ウ 回り段としないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
エ 踏面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
オ 踏面の端部とその周囲の部分との色の輝度の差が大きいこと等により段を容易に識別することができるものとすること。
カ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けないこと。
キ 階段の両側には、立ち上がり部を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(4) 階段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由により傾斜路を設けることが困難である場合は、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有するものをもってこれに代えることができる。
(5) 傾斜路(階段または段差に代わり、またはこれに併設するものに限る。)は、次に掲げるとおりとすること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、階段または段差に併設する場合は、90センチメートル以上とすることができる。
イ 縦断勾配は、8パーセント以下とすること。
ウ 横断勾配は、設けないこと。
エ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
オ 高さが75センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅150センチメートル以上の踊場を設けること。
カ 手すりを両側に設けること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
キ 傾斜路の両側には、立ち上がり部を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
ク 傾斜路の勾配部分は、その接続する通路の部分との色の輝度の差が大きいこと等により当該勾配部分を容易に識別することができるものとすること。
(6) 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所その他必要な場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するために必要な設備を設けること。
(7) 次項から第7項までの規定により設けられた特定公園施設のうちそれぞれ1以上および主要な公園施設に接続していること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
(1) 出入口は、次に掲げるとおりとすること。
ア 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、80センチメートル以上とすることができる。
イ ウに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
3 休憩所および管理事務所
(1) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 出入口は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、80センチメートル以上とすることができる。
(イ) (ウ)に掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
(ウ) 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(エ) 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
a 幅は、80センチメートル以上とすること。
b 自動的に開閉する構造その他の高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないこと。
イ カウンターを設ける場合は、そのうち1以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造とすること。
ウ 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
(2) 前号の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する管理事務所について準用する。この場合において、同号中「休憩所を設ける場合は、そのうち1以上」とあるのは、「管理事務所」と読み替えるものとする。
4 野外劇場および野外音楽堂
(1) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 出入口は、第2項第1号に掲げる基準に適合するものとすること。
イ 出入口とウに規定する車椅子使用者用観覧スペースおよびオの便所との間の経路を構成する通路は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、120センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとした上で、幅を80センチメートル以上とすることができる。
(イ) (ウ)に掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
(ウ) 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(エ) 縦断勾配は、5パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。
(オ) 横断勾配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。
(カ) 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
(キ) 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所その他必要な場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するために必要な設備を設けること。
ウ 野外劇場には、車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(以下「車椅子使用者用観覧スペース」という。)を設けること。
エ 車椅子使用者用観覧スペースの数は、野外劇場の収容定員の数が200以下の場合にあっては当該収容定員の数に50分の1を乗じて得た数以上とし、収容定員の数が200を超える場合にあっては当該収容定員の数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上とすること。
(2) 車椅子使用者用観覧スペースは、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 幅は90センチメートル以上とし、奥行きは120センチメートル以上とすること。
イ 車椅子使用者が利用する際に支障となる段差を設けないこと。
ウ 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するために必要な設備を設けること。
(3) 前2号の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。
5 駐車場
(1) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、そのうち1以上に、障害者駐車施設を設けること。ただし、専ら大型自動二輪車および普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場については、この限りでない。
(2) 障害者駐車施設の数は、当該駐車場における駐車台数が200台以下の場合にあっては当該駐車台数に50分の1を乗じて得た台数に相当する数以上とし、駐車台数が200台を超える場合にあっては当該駐車台数に100分の1を乗じて得た台数に相当する数に2を加えた数以上とすること。
(3) 障害者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 主要な園路までの経路の長さができるだけ短くなる位置に設けること。
イ 幅は、350センチメートル以上とすること。
ウ 障害者用駐車施設またはその付近に、障害者用駐車施設の表示をすること。
6 便所
(1) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものとすること。
イ 男子用小便器を設ける場合は、1以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を設けること。
ウ イの規定により設けられる小便器には、手すりを設けること。
(2) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち1以上は、前号に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものとすること。
ア 便所(男子用および女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房を設けること。
イ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所とすること。
(3) 前号アの便房を設ける便所は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 出入口は、次に掲げるとおりとすること。
(ア) 幅は、80センチメートル以上とすること。
(イ) (ウ)に掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
(ウ) 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段差を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(エ) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識を設けること。
(オ) 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げるとおりとすること。
a 幅は、80センチメートル以上とすること。
b 自動的に開閉する構造その他の高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないこと。
イ 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
(4) 第2号アの便房は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
イ 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有するものであることを表示する標識を設けること。
ウ イの標識は、かな、ローマ字、絵等による見やすい表示とすること。
エ 腰掛便座および手すりを設けること。
オ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具を設けること。
7 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する水飲場または手洗場を設ける場合は、それぞれそのうち1以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること。
8 掲示板および標識
(1) 不特定かつ多数の者が利用し、または主として高齢者、障害者等が利用する掲示板および標識は、次に掲げる基準に適合するものとすること。
ア 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること。
イ 当該掲示板および標識に表示された内容が容易に識別することができるものとすること。
(2) 前各項の特定公園施設の配置を表示した標識を設ける場合は、そのうち1以上は、第1項の園路および広場の出入口の付近に設けること。