「リハビリテーションの心を通して生活に和みを」
人々が生きている世界には、色んなことが、ちりばめられて存在してます。
「滋賀県人です」とか「湖東の者です」のように、住処(すみか)をもって紹介されると、土地の風情や、人となりなど豊かなものを感じます。それは、人々の心に育まれた土地の風物や、生活を通して蓄積された土地特有のなごやかなものが、そこに、ちりばめられているからだと思います。
リハビリテーションという言葉に接する機会が多くなりました。リハビリテーションの過程は、生活への復帰が大きな課題になりますし、住む土地を無視して復帰はあり得ません。誰もが住み慣れた土地で生活が続けられればと願います。住み慣れた土地に住むことを支援するのがリハビリテーションです。
世界保健機関(WHO)は、「リハビリテーションは能力低下の改善のみでなく、高齢者や障がい者の社会統合(参加)の達成をも目指すもの」と定義しています。社会参加とは、社会の中にあるすべてのものを皆で分かち合うことです。社会には自然の恵み・芸術・文化のような心のなごみ、人と人の交流・働き・地域活動のような創造の喜びなどを感じることのできるたまものがあります。その地域社会に生きる方々、高齢の方も障がいのある方も、専門家もお隣さまも一緒に、なごやかで豊かな生活を実現することが「リハビリテーション」の働きと私どもは考えています。
疾病や外傷による障害があっても、日常生活や社会生活から阻害されることなく、人らしく生きることができるよう取り組みを進めることです。
リハビリテーションは、運動機能の回復に限られたものとして思いがちですが、日常生活や社会生活に必要な人としての機能や役割を回復することが重要です。さらに、高齢者や障害のある人たちなどをとりまく生活状況や社会的環境を見直すなどの取り組みも必要です。
こうしたことから、リハビリテーションはその人自身の家庭や住み慣れた地域で、そこに住む人とともに生活し、社会活動へと復帰できるようにすることを目的としています。
高齢者や障害のある方々が住み慣れたところで、そこに住む人たちと共にいきいきとした生活が送れるよう、医療・保健・福祉をはじめ生活にかかわる身近な人々や身近な機関が協力しあって行うすべての活動のことです。