お手紙の紹介(かん10)

つかまえたカメについて、図鑑(ずかん)でしっかり調(しら)べたり、琵琶湖博物館(びわこはくぶつかん)に質問(しつもん)をしたり、自然(しぜん)や生(い)きものに興味(きょうみ)を持(も)って学(まな)んでおられること、とてもすばらしいです。

アカミミガメは、ペットとして飼(か)いたいと思(おも)う人間(にんげん)の都合(つごう)で、海外(かいがい)から日本(にほん)に連(つ)れてこられた生きものです。でも、最後(さいご)まで責任(せきにん)を持って飼うことのできなかった人が野外(やがい)に逃(に)がしたことなどにより、日本の生きものたちにとっての「やっかいもの」にされてしまいました。これ以上(いじょう)、野外に逃がされる可哀(かわい)そうなアカミミガメを生(う)まないため、また日本の生きものたちがアカミミガメにより迷惑(めいわく)を受(う)けないようにするため、一度(いちど)飼ったり持ち帰(かえ)ったりしたアカミミガメは、法律(ほうりつ)により逃がすことが禁止(きんし)されました。

琵琶湖博物館では、このようなことになってしまったのは人間のせいであることを多(おお)くの人に知(し)ってほしいと思っています。そのために、外来種(がいらいしゅ)を展示(てんじ)して紹介(しょうかい)しています。

生きたまま持ち運(はこ)んだらダメな種類(しゅるい)や、貴重(きちょう)な生きものを守(まも)るためにとってはいけない種類の生きものもいるので、これからは、わからない時(とき)には、その場(ば)で見(み)て写真(しゃしん)を撮(と)るだけにして、自然に戻(もど)してあげるようにしてください。

アカミミガメは、「凶暴(きょうぼう)」と言(い)われていますが、ずっと飼っていると人にもなれ、一生(いっしょう)の友(とも)だち、家族(かぞく)になります。滋賀県(しがけん)で働(はたら)いている人の中(なか)にも、小学(しょうがく)1年生(ねんせい)の時に小(ちい)さなアカミミガメを飼い始(はじ)めた人がいますが、32年(ねん)経(た)った今(いま)でも家(いえ)にいて、穏(おだ)やかに生活(せいかつ)しているようです。もし良(よ)ければ最後まで飼ってあげてください。

琵琶湖博物館では、琵琶湖の希少(きしょう)な生きものも育(そだ)てており、他(ほか)の生きものをそのまま引(ひ)き取(と)ることは、病気(びょうき)の持(も)ちこみの危険性(きけんせい)から、とても難(むずか)しいです。

今、外来種については、引き取った後(あと)の処分(しょぶん)や駆除(くじょ)の方法(ほうほう)、そのための設備(せつび)などについて相談(そうだん)しているところです。「奈良県(ならけん)では引き取ってくれている」とのことですが、調(しら)べたところ、奈良県の大和郡山市(やまとこおりやまし)でその事業(じぎょう)が行(おこな)われていました。他にも、兵庫県(ひょうごけん)の神戸市(こうべし)や丹波篠山市(たんばささやまし)などがありました。一方(いっぽう)で、市(し)や町(まち)、村(むら)の中には「最後まで責任をもって飼うということを知ってほしいことから、引き取りをしていません」というところもありました。滋賀県で外来種の問題(もんだい)を担当(たんとう)している琵琶湖環境部自然環境保全課(びわこかんきょうぶしぜんかんきょうほぜんか)と、琵琶湖博物館がこれからも相談や意見交換(いけんこうかん)をしていきたいと思います。

みなさんと一緒(いっしょ)に生きもの豊(ゆた)かな琵琶湖を取り戻(もど)していく取組(とりくみ)を進(すす)めていきたいと思います。