飼えない外来種【小学生(低学年)】

飼えない外来種【小学生(低学年)】

わたしのおとうとがぜぜこうえんでおたまじゃくしをつかまえようとしたらあみにかめがかかりました。いえにもってかえって図かんでしらべると、ミシシッピアカミミガメの赤ちゃんでがいらいしゅで、30センチになってきょうぼうで30年生きることをしりました。でも一回つかまえるとにがせないことをしってこまってしまいました。そこで、びわこはくぶつかんに行って学げいいんさんにそうだんしました。がいらいしゅのせんもんの学げいいんさんは三年まえにいなくなり、そのあとはお金がなくていないそうです。にがすのはだめ、じゅみょうまでかうか、かってくれるひとにあげるしかないそうです。わたしはびわこをむかしのようにもどしたいです。びわこにがいらいしゅをはなす人がいなくなってほしいけど、つかまえてもだめなことをしっておきたかったです。ならけんではがいらいしゅのかめをひきとってくれるそうです。しがけんでもひきとってほしいです。

お返事(へんじ)

つかまえたカメについて、図鑑(ずかん)でしっかり調(しら)べたり、琵琶湖博物館(びわこはくぶつかん)に質問(しつもん)をしたり、自然(しぜん)や生(い)きものに興味(きょうみ)を持(も)って学(まな)んでおられること、とてもすばらしいです。

アカミミガメは、ペットとして飼(か)いたいと思(おも)う人間(にんげん)の都合(つごう)で、海外(かいがい)から日本(にほん)に連(つ)れてこられた生きものです。でも、最後(さいご)まで責任(せきにん)を持って飼うことのできなかった人が野外(やがい)に逃(に)がしたことなどにより、日本の生きものたちにとっての「やっかいもの」にされてしまいました。これ以上(いじょう)、野外に逃がされる可哀(かわい)そうなアカミミガメを生(う)まないため、また日本の生きものたちがアカミミガメにより迷惑(めいわく)を受(う)けないようにするため、一度(いちど)飼ったり持ち帰(かえ)ったりしたアカミミガメは、法律(ほうりつ)により逃がすことが禁止(きんし)されました。

琵琶湖博物館では、このようなことになってしまったのは人間のせいであることを多(おお)くの人に知(し)ってほしいと思っています。そのために、外来種(がいらいしゅ)を展示(てんじ)して紹介(しょうかい)しています。

生きたまま持ち運(はこ)んだらダメな種類(しゅるい)や、貴重(きちょう)な生きものを守(まも)るためにとってはいけない種類の生きものもいるので、これからは、わからない時(とき)には、その場(ば)で見(み)て写真(しゃしん)を撮(と)るだけにして、自然に戻(もど)してあげるようにしてください。

アカミミガメは、「凶暴(きょうぼう)」と言(い)われていますが、ずっと飼っていると人にもなれ、一生(いっしょう)の友(とも)だち、家族(かぞく)になります。滋賀県(しがけん)で働(はたら)いている人の中(なか)にも、小学(しょうがく)1年生(ねんせい)の時に小(ちい)さなアカミミガメを飼い始(はじ)めた人がいますが、32年(ねん)経(た)った今(いま)でも家(いえ)にいて、穏(おだ)やかに生活(せいかつ)しているようです。もし良(よ)ければ最後まで飼ってあげてください。

琵琶湖博物館では、琵琶湖の希少(きしょう)な生きものも育(そだ)てており、他(ほか)の生きものをそのまま引(ひ)き取(と)ることは、病気(びょうき)の持(も)ちこみの危険性(きけんせい)から、とても難(むずか)しいです。

今、外来種については、引き取った後(あと)の処分(しょぶん)や駆除(くじょ)の方法(ほうほう)、そのための設備(せつび)などについて相談(そうだん)しているところです。「奈良県(ならけん)では引き取ってくれている」とのことですが、調(しら)べたところ、奈良県の大和郡山市(やまとこおりやまし)でその事業(じぎょう)が行(おこな)われていました。他にも、兵庫県(ひょうごけん)の神戸市(こうべし)や丹波篠山市(たんばささやまし)などがありました。一方(いっぽう)で、市(し)や町(まち)、村(むら)の中には「最後まで責任をもって飼うということを知ってほしいことから、引き取りをしていません」というところもありました。滋賀県で外来種の問題(もんだい)を担当(たんとう)している琵琶湖環境部自然環境保全課(びわこかんきょうぶしぜんかんきょうほぜんか)と、琵琶湖博物館がこれからも相談や意見交換(いけんこうかん)をしていきたいと思います。

みなさんと一緒(いっしょ)に生きもの豊(ゆた)かな琵琶湖を取り戻(もど)していく取組(とりくみ)を進(すす)めていきたいと思います。