琵琶湖と共生してきた滋賀の農林水産業が、2019年2月、「日本農業遺産」に認定されました! 現在は「世界農業遺産」の申請中です。ここでは中心テーマである「琵琶湖システム」についてご紹介します。
滋賀では、琵琶湖の伝統漁法や、水環境や生態系に配慮した農業、水源林やヨシ帯の保全など、琵琶湖とその周囲の環境を大切にする暮らしが何世代にもわたって営まれてきました。
琵琶湖の水産物や、環境にこだわって栽培されたお米を食べることで、琵琶湖の環境や生態系に配慮した漁業や農業を支えることができます。
みんなでおいしく食べながら、豊かな琵琶湖を未来へつなぐ活動を応援しましょう!
滋賀の風土と歴史の中で生み出され、千年以上にわたって受け継がれてきた「琵琶湖と共生する農林水産業」。相互に深く関わり合い、豊かな恵みをもたらしてきた農林水産業のつながりを「琵琶湖システム」と呼んでいます。
湖魚をご飯に漬けこんで発酵させる「ふなずし」などの伝統的な食文化は、祭礼の供え物としても用いられ、地域の人々の絆を深めることにもつながっています。
琵琶湖のエリ漁は、魚の習性を巧みに利用して網の中へ誘導する「待ちの漁法」。必要な量だけを漁獲でき、限りある水産資源を大切にする漁法として受け継がれています。
ニゴロブナなどの湖魚が産卵のために、琵琶湖と水田を行き来していた、かつての湖辺の環境を取り戻す「魚のゆりかご水田プロジェクト」など、環境にこだわった農業が水産資源と生物の多様性の保全につながっています。
琵琶湖の水質や生態系を守る上で、水源林やヨシ帯の保全も大きな役割を果たしています。
「世界農業遺産」は、世界的に重要な、未来に継承すべき農林水産業システムを、国連食糧農業機関(FAO)が認定する制度です。何世代にもわたって続けられてきた伝統的で持続的な農業・漁業・林業と、それに関わる人々が育んできた暮らしや文化、生物の多様性が評価されます。「日本農業遺産」はその国内版で、農林水産省が認定します。
「琵琶湖システム」の豊かな恵みを地域に届けてくださっている漁師さん、農家さんをご紹介します。
中村水産(高島市) 中村 清作さん
若手漁師の一人として、琵琶湖の漁業と魚の魅力をより多くの皆さんに知ってもらえるようPR活動に励んでいます。
「天然ビワマスの親子丼」が日本一に輝いたフィッシュワングランプリへの挑戦や、これまで美味しさを知られてこなかったニゴイを素材とした新たな商品の開発など、異業種の皆さんとも連携した活動を進めています。また、琵琶湖の環境を守る美化活動や子どもたちへの出前講座など、地域の食文化や貴重な自然を未来へ受け渡す取り組みにも積極的に参加しています。
株式会社レイクスファーム(野洲市) 辻 久美子さん
かつて、漁業に従事していた歴史も受け継ぐレイクスファーム。琵琶湖の水や生きものに想いを巡らせて、農薬を極力使わず、草とり、虫とりに手間をかけて育てる農法により、少量多品目の野菜や果樹などを生産しています。
露地やハウスで、カラフルで元気な野菜やブルーベリーを栽培し、地域の安全・安心の味を消費者の皆さんに届けながら、「しが農業女子100人プロジェクト」のメンバーとして、仲間と共に地域の農業振興に尽力しています。
◆びわ湖のめぐみ
「琵琶湖八珍」(ビワマス・ニゴロブナ・ホンモロコ・イサザ・ゴリ・コアユ・スジエビ・ハス)やセタシジミといった湖の味覚は、“びわ湖のめぐみ”です。
◆魚のゆりかご水田米
琵琶湖から遡上した魚が産卵し、稚魚が育った水田で栽培された生きものにやさしいお米です。
◆環境こだわり農産物
農薬や化学肥料を通常の半分以下にするとともに環境に配慮した栽培技術で生産された農産物です。
県では県産農畜水産物の宅配支援キャンペーンを行っています。
詳しくはP5をご覧ください。