水稲の斑点米発生の原因となる斑点米カメムシ類が、県内各地の畦畔で多く発生しています。7月8日に県内36地点の畦畔雑草で行った調査において、アカスジカスミカメの平均生息数は155.2頭(平年:39.1頭)であり、過去10年間で最も多くなりました。また、ホソハリカメムシも7.3頭(平年:4.8頭)とやや多く生息しています。今後、水稲が出穂すると畦畔や雑草地の斑点米カメムシ類が水田内に侵入し、水稲を加害することが懸念されるます。加えて、すでに出穂しているほ場において、イネカメムシが局所的に生息していることが確認されました。そのため、別添のとおり7月17日付けで令和6年度病害虫発生予察注意報第5号を発表しました。
斑点米カメムシ類の注意報は、発生が多かった令和4年度以来、2年ぶりの発表となります。
斑点米カメムシ類は、畦畔などのイネ科雑草に生息して増殖しており、水稲の出穂後、本田に侵入して穂(籾(もみ))の汁を吸います。吸汁された籾内の玄米は、斑点米(はんてんまい)となり、品質低下の原因となります。大型種であるホソハリカメムシやクモヘリカメムシは吸汁能力が高く、斑点米を多く作るため被害が大きくなります。また、イネカメムシは出穂期に吸汁することで不稔籾(実らない籾)を発生させます。
県では、農業者に対して、(1)水田内にヒエなどのイネ科雑草が生えている場合、斑点米カメムシ類が集まってくるので早急に抜き取ること、(2)ほ場で発生している種に応じて、防除適期に薬剤防除を実施すること、を呼びかけています。
生息数:畦畔雑草で捕虫網(直径36cm)を50回振って得られた個体数。「平年」は平成26~令和5年の10年間の平均値。