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「在来魚介類のにぎわい復活に向けた研究」報告書を公開しました

県の試験研究機関および関係所属で構成する琵琶湖環境研究推進機構(以下、「推進機構」という。)では、平成26年度から令和4年度までの9年間にわたり、在来魚介類の減少に対する総合的視点からの改善に向けた研究として、「在来魚介類のにぎわい復活に向けた研究」を実施してきました。

このたび、令和2年度から令和4年度の成果を取りまとめた「第3期研究成果報告書」および9年間の総括として「総括レポート」を作成し、県ホームページで公開しましたのでお知らせします。

 

内容

琵琶湖の水質は改善傾向にある一方で、水草の大量繁茂やプランクトン種組成の変化など生態系において新たな課題が顕在化しています。特に在来魚介類については、種苗放流やヨシ帯造成、外来魚駆除などを行っているにもかかわらず、琵琶湖漁業全体の漁獲量は減少傾向にあり、大きな課題となっています。

本研究では、在来魚介類のにぎわい復活に対して「生息環境」と「餌環境」に着目し、「水系のつながり(森-川-里-湖)」と「生物のつながり(栄養塩-植物プランクトン-動物プランクトン-魚介類)」の視点から研究に取り組んでおり、これを取りまとめた「第3期研究成果報告書」および「総括レポート」を県ホームページで公開しました。

主な成果と施策への活用イメージ

主な成果

  • 森-川-里-湖のつながりに着目した研究では、森林の下草が砂泥分の多い表層の土砂流出を抑制する効果があることを定量的に明らかにし、河川でのアユやビワマスの産卵にとっては1cm程度の小礫の存在が、湖辺での二枚貝の成育にとっては砂地の確保などが重要であることが分かりました。
  • 湖内の水質については、水質保全と魚類資源量の両立に向けて「転換効率(植物プランクトンが動物プランクトン等に効率よく取り込まれること)」の向上が重要であることなど、在来魚介類のにぎわい復活に向けた必要な要件を明らかにしました。
  • 湖辺の実験フィールドでは、湖底耕耘や水草除去により二枚貝(シジミ)稚貝の増加の兆しがみられ、河川では「小さな自然再生」の活動によってこれまでに確認されなかった場所でもビワマスの産卵がみられるようになりました。

今後の予定

気候変動などの視点を加えて研究を深化させるなど、今後も関係機関によりこれまでの成果を踏まえて研究を進めてまいります。

お問い合わせ
琵琶湖環境部 環境政策課
電話番号:077-528-3354
FAX番号:077-528-4844
メールアドレス:[email protected]