平成16年10月15日
滋賀県人事委員会(委員長市木重夫)は、地方公務員法の趣旨に則り、昨年の勧告以降、物価、生計費その他給与決定に関する諸条件の推移について調査するとともに、職員給与等実態調査および職種別民間給与実態調査(企業規模 100人以上かつ事業所規模 50人以上の県内 411民間事業所のうち 100事業所、調査実人員3,842人)を実施し、本年4月における県行政職職員と民間の事務・技術関係従業員との給与を比較(双方とも新規採用者を除く。)したところ、職員給与が民間給与を平均 0.02%、額にして78円上回っていることが認められました。
一方、本年の職員給与は、平成15年度および平成16年度における知事等の給与の特例に関する条例(平成14年滋賀県条例第70号。以下「特例条例」という。)により、給料等の一部が減額して支給されていることから、この減額措置後の職員給与を基に比較すると、職員給与が民間給与を平均1.07%、額にして4,310円下回っています。
なお、本年の公民給与較差の算定に当たっては、特例条例による減額措置が財政健全化のために行われる臨時・特例的な措置であることから、昨年と同様、当該措置がなかった場合の職員給与により比較することが適当であると判断しました。
本委員会は、これらの調査結果および国家公務員に対する給与改定ならびに民間事業所における賃金改定の状況などを総合的に勘案した結果、職員給与について所要の改定を行う必要があると認めたため、本日(平成16年10月15日)、県議会議長ならびに知事に対して、職員の給与等について報告および勧告を行いました。
本年の勧告では、公民の給与較差が極めて小さいことなどから、月例給の改定は見送るものの、大学教育職給料表については、人事院勧告に準じ1級を削除して4級構成の給料表に改めるとともに、寒冷地手当については、来年度から、支給地域の縮小、支給額の削減等の抜本的な見直しを行うこととしました。
その結果、行政職給料表適用職員(3,950人、平均年齢42.6歳、平均勤続年数 21.6年)の給与は、現行の職員1人当たり月額401,416円に据え置かれることとなります。なお、特例条例による減額措置後の月額は397,086円です。
また、期末・勤勉手当等の年間支給月数についても、改定を見送ることとしたため、職員の年間給与は、6年ぶりに前年の水準が維持されることとなります。
1.07% 4,310円
〔△0.02% △78円〕
(参考)人事院勧告官民較差 0.01% 39円
平成15年度および平成16年度における知事等の給与の特例に関する条例(平成14年滋賀県条例第70号。以下「特例条例」という。)による給与の減額措置については、当該措置が財政健全化のための取組の一つとして実施される臨時・特例的なものであることから、勧告における公民較差は、当該措置がなかった場合の較差〔△0.02%、△78円〕とする。
改定見送り
(参考) 現行平均給与月額 397,086円 〔401,416円〕 (行政職、平均年齢42.6歳)
※注1 1〜3の〔〕内は、特例条例による給与の減額措置がなかった場合の額(率)。
2 人事院勧告の官民較差は寒冷地手当の見直しを含む。含まない場合、△0.05%△207円。
改定を見送り。ただし、大学教育職給料表については、国に準じて1級を削除して4級構成とすること。
(1)期末・勤勉手当等 ------改定を見送り。
現行年間支給月数4.40月。民間の支給割合(4.42月)とおおむね均衡。
(2)寒冷地手当 -------国に準じて改定すること。
条例の公布の日から実施。ただし、2(2)については、平成17年4月1日。
(1) 人事給与制度の見直し職員の士気の高揚や組織の活性化を図るため、今後の国の動向に留意しつつ、他の都道府県や民間の状況も参考にしながら、新たな人事給与制度が本県の実情を踏まえた納得性の高いものとなるよう検討を重ねる必要がある。
新たな任期付採用や部分休業制度について、任用・勤務形態の多様化の観点から検討する必要がある。
(2) 男女共同参画社会への取組政策・方針決定過程への女性の参画を進めるため、引き続き女性職員の管理職への登用や職域の拡大を積極的に推進していく必要がある。
職員の職業生活と家庭生活の両立を支援し、性別にかかわりなく働きながら安心して子育て等ができるよう、職場における意識啓発等に一層取り組むとともに、今後、関係法令ならびに国や他の都道府県の動向に十分留意しながら適切に対応していく必要がある。
(3) 時間外勤務の縮減と健康管理の充実管理職をはじめ職員一人ひとりの強い自覚のもと、事務の効率化・簡素化や職員間の協力体制の充実を図るなど、引き続き時間外勤務縮減に向けて取り組む必要がある。
メンタルヘルス対策について、近年、職務の複雑化、多様化が進む中で、職員の精神的負担が増大する傾向にあることから、これまでの取組が実効性あるものとなるよう一層の充実に努める必要がある。
職員の心身両面の健康保持と職務への意欲の増進を図るため、引き続き年次有給休暇の計画的・連続的な取得の促進に努めるとともに、夏季休暇の日数について、他の都道府県の状況も参考にしながら検討する必要がある。
(4) 公務能率の増進県政に対する県民の期待と信頼に応えられるよう、職員一人ひとりの更なる資質の向上を図るとともに、より一層の公務能率の増進と行政サービスの向上に努める必要がある。