今昔写真コーナーでは、県庁舎本館にスポットをあて、現在と竣工時(昭和14年)の姿を写真で紹介します。
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県庁舎全景です。
建物の高さは四階屋根まで20m、搭屋の上部まで35.4m、正面間口は106.4mで戦前の府県庁舎の中では最大となっています。
南側から見た県庁舎本館の全景です。
竣工当時は手前に写っている作業小屋の部分には建物がありませんが、現在は写真の手前部分が増築されています。
竣工当時は正面のジャイアントオーダー(柱部分)に垂れ幕が揚げられていました。
庁舎の中央部は意匠的なアクセントとしての搭屋が設けられ、ミラノ近郊のサンタマリアインコロターナ聖堂のルネサンス建築の影響を窺い知ることができます。現在は屋上に太陽光パネルが設置されています。
正面車寄せは円弧上の溝掘りをしたドリス式の角柱を立て、正面は階段、両側は車廻しのスロープとし、舗石、縁石ともに御影石を用いています。
玄関ホールのつくりは、床が人造石研ぎ出し、壁面は腰壁がテラゾーブロック張り、腰壁上部が白漆喰塗り、天井はコルク吹付け一部白漆喰塗りとなっています。現在は入り口扉が自動扉となり、扉の位置も竣工当時よりも内側に移動しています。
大理石の色合いと力強い柱のデザインの玄関ホールで、天井の縁に沿って綴り型がデザインされています。
現在は、奥が知事執務室、手前が応接室となっていますが、竣工当時は手前が知事執務室、奥が応接室と現在と逆の使い勝手となっていました。
天井のデザインは、構造の梁をそのまま現したのが特徴で、床は寄せ木張り、壁面はチーク材により仕上げられ、奥の知事執務室との境はコリント風ピラスターを備えています。
竣工当時は構造の梁をそのまま現した天井デザインでしたが、現在は空調改修などにより、梁下に天井が設けられています。
かつては大事なゲストしか入ることができなかった部屋で、室内のアクセントとして蛇紋岩の暖炉が設けられています。また天井は花びらの中心飾りが施されて、清楚で高貴な意匠となっています。
2階から4階を貫くコリント式のジャイアントオーダー(柱部分)が特徴の議会正面です。また、車寄せは左右にそれぞれ3本からなる隅柱で支えています。
議場は、本館西側の3、4階に吹き抜け構造で配置され、4階部分に馬蹄形の傍聴席が設置されています。演壇背面はチーク材で本格的な西洋建築の正面構えを思わせるようなどっしりとしたつくりです。
天井中央に取り付けられた円形の照明や、四隅にある換気口の格子にも装飾が施され、天井周囲も漆喰で当時の左官職人の手仕事で造られています。