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第85回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手特別養護老人ホーム「アンタレス」の皆さん

知事から

  • 日ごろから、とても大切な仕事を担い、進めていただいていることに感謝申し上げる。
  • スタッフの皆さんがいろんなお気遣い、ご苦労をしていただきながらもその分やりがいのあるお仕事をされているということを自身の経験から知っている。
  • 介護に関するいろんな取組について聞かせていただけたらありがたいと思っている。

参加者の皆さんから

自己紹介など

Aさん
介護老人保健施設の長浜メディケアセンターで係長として看護師をしている。

Bさん
米原にある、介護老人保健施設の坂田メディケアセンターで、介護の係長をしてる。

Cさん
米原市にある、坂田メディケアセンターで、作業療法士をしている。

Dさん
特別養護老人ホーム、青浄苑で介護職員として働いている。

Eさん
居宅介護支援事業所、アンタレスケアプランセンターでケアマネジャーをしている。

Fさん
アンタレスの特別養護老人ホームの入所部門で介護福祉士をしている。

介護現場のICTの活用について

 Aさん

  • 坂田メディケアセンターでは、ICTを導入しており、すべての職員が音声入力の記録機器と、スマートフォン、また、利用者の睡眠時の状態が把握できる機器、それにリンクした利用者の動作を検知するカメラも導入している。
  • 機器を導入することで夜勤の際も、今まで1時間に1~2回見回りを繰り返していたが、部屋まで足を運ばなくても、利用者の状態を把握することができる。
  • 睡眠時の状態が把握できる機器は、眠りの状態や心拍とか呼吸状態も分かるので、働く職員の心身的なストレスも軽減したりとか、音声入力の記録機器を導入することで、普段の記録時間が短くなり、また、職員を呼びに行く手間もなくなったので、業務の時間短縮になって、かなり効果的に使われている。

Dさん

  • 最近では生産性向上について、介護職でも推進されているが、ICT機器利用者の業務改善が推進されているのも大きいと思う。
  • ICT機器が導入されたことで、職員も業務に対する余暇時間ができ、利用者さんと関わることのできる時間が増えるので、利用者さんにとっても職員にとっても、利益は生まれていると思う。

Cさん

  • 従来のアシスト付きの歩行器や車いすは、押したりするだけのものが多かったが、最近のアシスト付きのものは、様々な機能がついている。
  • 技術の進歩に伴って、本当にいろいろな新しいものが出てきているので、すごくそういったものに触れ合って、それをいろいろな人に伝えていける今の仕事というのは、すごくやりがいがあると思っている。

中高生への出前講座について

Dさん

  • 近隣の中学校や高校の生徒に、授業の一環として福祉医療のことや、その魅力を知っていただくような講義を行っている。
  • コロナ禍以前は、実際に車いすを押したり、目隠しをして手を引いて歩くなどの体験もしていただいていた。
  • 講義の前に、中高生に「介護のイメージ」を聞くとほとんどの方は、「介護は大変」というイメージが多いと答えるが、「介護の世界も、ICTの機器でここまで変わっている、力を使わなくても移乗ができたり、記録もICTを利用して、インカムでできる」など、従来と仕事が変わっているということを伝えている。
  • また、何より利用者さんとの関わりの中で、「ありがとう」と言ってもらえることが「やりがい」につながるということをお伝えしてる。
  • 講義の後に学生から「介護のイメージが180度変わりました」などの言葉をいただき、この活動で少しは介護に対するイメージもよくなっているのではないかと思う。

地域の方々との交流について

Bさん

  • 米原市の地域の自治会の方に、認知症サポーター講座で2度ほど行った。
  • 講座に参加されている方は地域のご高齢の方なので、認知症は今後こういうふうに進行して、症状が出ていきますというお話をさせてもらったり、口腔ケアや、歯みがきとといった、口の中のケアがどれだけ大切かというようなお話もさせてもらった。
  • 参加者の方々には熱心に話を聞いてもらい、地域の方との触れ合いや、交流がすごく楽しかった。

Aさん

  • 施設の取組としては施設の中で、年に1回の「健康フェア」を行っている。
  • 健康フェアでは、地域住民の方をお招きして、体力測定をしたり、体の悩みを聴いたり、血圧の測定などの、身体測定をするなどして、地域の方との交流を行っている。
  • また、ご自身のお悩みなどを相談する部屋を設けて相談に乗ったりしている。
  • コロナ期間は開催できなかったが昨年から再開しはじめ、改めて地域住民の方との関わりや、このような機会を設けることの重要さを感じた。

Cさん

  • 介護老人保健施設の、通所のリハビリにプラスして、訪問のリハビリをしている。実際に利用者さんのお宅に訪問し、家の中でリハビリをさせてもらっている。
  • ここ数年は、米原市も協力して、地域におられる元気な高齢者の方、いわゆる要介護・要支援などの介護認定を受けていない高齢の方を対象に、リハビリを担当している職員がご自宅に行き、体力測定であったりとか、運動の指導を行っている。
  • そのような方は、介護認定をまだ受けておらず、「自分はまだ元気だから大丈夫」と思っておられるが、実際にリハビリの職員が介入させてもらったりすると、「もう少しこうした方がいいんじゃないか」というようなところを新たに発見して、利用者さんに指導したり、実際に市の地域包括支援センターなどと連携しながら、適切にサービスを受けていただけるように取り組んでいる。
  • 施設の外に出ることで、隠れて困っている人を見つけたりすることができ、地域活性化には老健施設等が重要な役割を持っているように感じる。
  • コロナ禍では、高齢者が外に出られる機会が減り、以前だと、例えば地域の集まりとか、そういったものに出たりされていた方も、外出されることがなくなり、そういった活動をされている場所自体も、だいぶ少なくなってしまった。
  • いろいろな地域の活動に出席し、業務以外でもリハビリ職として、アドバイスや様々なことを、紹介できるように、積極的に参加している。

高校生の受け入れについて

Fさん

  • 私は長浜市にある長浜北星高校を卒業しており、高校は介護福祉士の養成カリキュラムがある高校で、青祥会(特別養護老人ホーム「アンタレス」)では、高校の実習先の受け入れをしている。
  • 職場見学の際に、卒業生として、仕事内容を高校生に話す際に、仕事で考えていることや、学校で学んだことが仕事に生きていることを話す機会があった。そのような話の中で、在学生の人が将来、福祉の道に進むときのイメージが、つかみやすくなるのではないかと思う。

民生委員や地域の方との交流について

Fさん

  • 私は基本的に、個人さん、利用者さんのケースを担当させてもらっているが、その地域で暮らしていくためには、というところで、民生委員さんとの交流会に参加している。
  • 交流会に参加して、施設の利用者さんからの情報と、利用者の家族から得られる情報、地域の視点で見ていただいている情報は、ボリュームが変わってくるということを感じた。
  • 地域の方との、顔の見える関係を構築していくことは、これから、ケアマネジャーとしてこれまで以上に必要になってくのではないかと思っている。

介護職の人材不足やケアマネジャーについて

Dさん

  • 人材不足は、介護の職場でも言われている。
  • 潜在介護士といわれる、介護福祉士の資格を持っていても、なかなか仕事に復帰できないという方もいるので、そのような方が介護の職場に復帰しやすいような環境があれば良いと思う。
  • ケアマネジャーの資格の合格率が低く狭き門になっているが、これから地域で生活される方を支えていくには、ケアマネジャーの質が向上することで、より利用者さんの支援等につなげていけると思うので、ケアマネジャーの人材の確保が必要だと思う。

Eさん

  • ケアマネジャーの資格は、何かしらの経験が必須なので、福祉の窓口をきっかけにケアマネジャーの資格を知って、取得している方がいらっしゃるが、自分の知識を増やすという意味であったりとか、受講される方、受験される方のご意向というのは様々だと思う。資格を持っていても、実際に働いていらっしゃらない方というのも多くいらっしゃると思うので、ケアマネジャーも人材不足を感じている。