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第84回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手滋賀県介護支援専門員連絡協議会の皆さん

知事から

  • 今日は、介護支援専門員連絡協議会の皆さまには、対話の機会をつくっていただき、また、常日頃、介護が必要な方々やケアを必要とする方々のために、日夜、現場でご奮闘いただいておりますこと、感謝申し上げる。
  • 3年を超えるコロナ禍は特に大変で、今もまだ継続している中で、ご奮闘いただいていることに感謝申し上げる。
  • 本日は限られた時間ではあるが、現場のことや、長生きできるようになったことで出てくる悩みや問題がある中で、どうしていこうかということを一緒に話したいと思う。

参加者の皆さんから

滋賀県介護支援専門員連絡協議会の紹介

  • 滋賀県介護支援専門員連絡協議会は介護保険制度が創設された2000年の8月に発足し今年で23年目に当たる。
  • 介護支援専門員の資質の向上と、介護支援専門員同士の連携を図りながら、この自立支援を基本とした質の高い公正・中立な介護支援の業務の推進を設立の目的としている.
  • 専門的知識や技術の向上、倫理の確立や、会員相互の交流、情報交換、また、業務遂行する上で必要となる情報の収集や提供をしたり、介護保険制度が円滑に運営が図れるような社会資源の開発、また、改善等に関することを目的に活動している。
  • 滋賀県の中で介護支援専門員の資格を持っており現場で働いている方々は、今、2000人ほどで、協会の会員としては700人ぐらいである。
  • 日頃の活動の中で、会員だけではなくて、この医療と介護の連携で、どのような自立支援をできるのか、その人らしい生活を送るために何ができるのかということで、私たち介護支援専門員が活動できるような研修等を開催しつつ、また、医療と連携しながら支援の活動をしている。

介護支援専門員の現状について

  • 介護保険制度が始まった頃、介護支援専門員は非常に人気のある職種であった。
  • 2018年度にこの介護支援専門員も試験制度が変わり、以前に比べ、3分の1ほどしか合格者がでていない。
  • 介護保険制度が始まってから20年経ち、活躍された介護支援専門員の方々が定年を迎える時期になってきており、高齢者は増えていくが、介護支援専門員は増えていない。
    また、介護支援専門員の資格を保有しているが、その仕事をされていない方もいる。介護職の方から見ると、業務が忙しい中で役割が増えてきており、しんどそうに見えるのかもしれない。

介護支援専門員の役割について

  • 現在は、一人暮らしの方や、高齢のお二人で生活しているところを、介護支援専門員が支えていることが多く、本当にその役割が大事になってきていると思う。
  • 高齢の方に何かあるとやっぱり介護支援専門員が支援しながら支えているところがあり、本来の仕事ではないけれどもやっている、ということも多く、例えば、一人暮らしや独居の方で、買い物に行けない場合、地域に支援があればそちらにつなぐが、支援がなければ、「何とかしないといけない」という気持ちになる。

滋賀県の平均寿命が延びたことによるケアマネジャー(介護支援専門員)の役割について

  • 滋賀県の平均寿命が延び、全国1位となったが、平均寿命が延びたといいうことは、それだけ高齢者の方がいらっしゃるということ。
  • 高齢者の方が最期の時まで、このまちに住んでよかったな、と思っていただくことが一番だと考えており、そこを支えていくのがケアマネジャーだと思う。
  • アンケートで、「どんな職種の方がいれば最期にご自宅で過ごせますか」という問いに、様々な職種があがっているが、ケアマネジャーがあがっていないことがある。
    できることなら、「ケアマネジャーがいると安心」となるように、ぜひ職種の中に加えていただき、県民の方に「ケアマネジャー」という職種を知っていただいて、「その方がいていただいたら安心につながるのだな」と分かっていただきたい。そうすることで、逆に私たちも責任を持って仕事をして、本当に利用者さんに生活を安心してもらえるようにしないといけない、そこは私たちの役割だなと思っている。

ICTの利用について

  • 介護の仕事は、一概に機械とかICTとかAIを使えば済むものばかりではないが、効率的には使っていきたいと思っている。
  • 実際に機器などを導入し、機械に任せられるところは任せて、あと本当に人でないといけないところができるとよいと思う。特に、若い方は、機械を使いたいという方もいらっしゃる。
  • 機械等をうまく使い、人がいなくてもできるようになっていくと、もう少し現場の介護が楽になるのではないかと思う。

介護の予防について

  • 支援される前に少し支援する側になっていただき、それを生きがいとしていらっしゃる高齢者もいる。
  • 東近江市には、現役をリタイアされた方が「ちょっと社会の役に立ちたい」とか、「自分の力を生かしたい」と集まって、ワンコインで、ご自宅に行って草むしりをしたり、お話し相手をしたりなどしている活動がある。
  • 介護保険制度等でできないことをちょっと応援する事業の輪が広がっており、私たちケアマネジャーも助けてもらっている。
  • 私が勤務する大津の地域では、病院の方も、そういう方に活躍いただけるように、会員証のようなものを発行して、シニア世代の方に活躍いただいている。また、病院に通院されている方が、その方の家族も含めて、病院のイベント情報のお知らせなどをしており、シニア世代の方と私たち職員も、一緒に手伝いながらイベントに取り組んでいる。

ケアマネジャーの魅力について

  • ケアマネジャーだからこそ、いろんな学びが持てたりとか、こういうお困りごとはどこへなどが分かったり、つながる楽しみ、ネットワークができて、信頼がつながって喜んでもらえたり、事業所にも喜んでもらえたり、そのつなぎ役ができるところがすごく魅力だと思う。
  • 介護の現場は大変だと言われるが、楽しいことや、仕事の中で何か幅が広がって、他では経験できないことが体験できるということを職員には伝えている。また、広報誌を年に3回発行することで介護職の魅力を発信している。

知事から

  • 滋賀県介護支援専門員連絡協議会の皆さんは、他の都道府県の方々ともつながっておられ、良い事例についても教えていただいたので、さらに連携しながら勉強していきたい。
  • 本日話した内容は、これからもより重要度が増すテーマであり、改めて直接お話を聞いて、私も認識を深めることができた。本日は来ることができて良かったと思う。