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第80回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手滋賀県民生委員児童委員協議会連合会の皆さん

知事から

  • 常日ごろ私たち県民の暮らし、困り事を含め、寄り添ってお世話いただいていること県民を代表して感謝申し上げる。
  • どうしたら児童委員・民生委員になっていただけるのか。そして、皆さんがやりがいを持ってお仕事をしていただけるのか、私も一緒に今日も話して考えたいと思う。

民生委員・児童委員の活動について

コロナ禍における活動について

  • 12月1日には3,407名の定数のうちの、3,247名の方が委嘱状を受けていただき、160名ほど欠員になっている。
  • 民生委員としては、地域に寄り添って住民の皆さまと共に、よりよき生活をしていただくというのが、私たちの使命だと思っている。
  • コロナのとき、一番のもとである訪問がなかなかできなくなったところがあった。
  • 一番困っていらっしゃる方なのに支援をなかなか届けることができなかったというのが、非常に苦労したところ。
  • 地域の民生委員の方は、コロナでお会いはできないときは、お手紙を書いたり、LINEで連絡を取り合うなどしていた。

民生委員のなり手不足について

  • 令和3年度大津市では定員に対してマイナス3人だったが、令和4年度は13人マイナスだった。なり手不足が顕著に表れてきている.
  • 次の3年に向けて大津市民児協連としてはなり手不足を食い止めていくため、担い手不足解消に向けたプロジェクト(NBK)をつくり上げた。
  • 今回新任の方、継続の方、各会長に、それぞれ違った内容で「今回の改選はどうでしたか。」「誰から勧められましたか。」「仕事はどうですか。」など、様々な文言を入れて2月にアンケートを行った。
  • 3月に行政で結果をまとめていただき、4月からそれに基づいて仕事量や私たちの負担軽減などを精査し、次の令和7年で、皆さん苦しむことなくきっちりとできるように、いまから準備を進めていこうと、行政が主体となって大津市社協、民児協連が一丸となってプロジェクトを進めている。
  • 自治会のなかで、もう民生委員も出さない、自治会長会にも入らないというところがあり、そういうことを何とか解消できるようにしてもらいたいし、そういうところが増えてくると困る。
  • 民生委員のなり手や該当者もおられるが、70歳を過ぎても働いているため、民生委員も全然やりたくなく、仕事が優先という方が結構おられる。
  • 元気で長生きはいいのだけれども、われわれの次の担い手がなかなか見つからない。野洲も市役所や県庁の元職員、学校の元職員さんなど、元公務員の方が多い。
  • 全世代型の民生委員をつくっていかなければならないと思う。
  • いったんリタイアした者がやるだけではなく、現役世代がどう民生委員の活動をできるかが重要だと思う。
  • 例えば、消防団員を確保するときに、団員を出される企業には税制上の優遇措置をしてみる。そうした方向にしてほしいという要望が全国でたくさん出てくれば、認識は少し変わると思われる。

活動内容の周知について

  • 民生委員の活動を、地域の皆さんに知っていただくということが非常に大事だと思う。
  • 誤って覚えている方が多く、一番大変なのはお給料をいただいていると思われていることがあるため、正しい知識を皆さんに知ってほしいと思っている。
  • 小学校6年生の社会の教科書に民生委員というのが出るが、囲みでちょっと出るだけで理解が十分進まない
  • 昨年、こちらから出前授業で二つの学校に出向いて6年生を対象に全部で7クラス、1時間授業をした。
  • 「初めてそういうことを聞いた。」「こういう仕事をしているのですか。」「大変ですね。」「僕も大きくなったら民生委員になりたい。」など、子どもから感想をいただいた。
  • 今年の5月1日から1カ月間、草津駅でデジタルサイネージによる広報活動も取り組む。
  • 滋賀県民児協連では、「民生委員さんってこういうことをしている」ということを子どもたちに分かってもらえるよう、主任児童委員を主として紙芝居を制作した。
  • 小学生のお嬢さんは登校時にいつも隣のおじいちゃんとあいさつを交わしているけれど、ある日おじいちゃんの姿が見えなくなってしまう。そのことをお嬢さんがおうちで話してくれたことをきっかけに、民生委員を介して役所の方が具合を悪くしていたおじいちゃんのもとを訪ねたことから元気を取り戻されるというお話。
  • 民生委員は小学校でお話もやらせてもらうので、そうした場面で使わせてもらいたいと思っている。
  • 民生委員の活動は周囲に分からないように訪問し、相談も分かないように受けているため、民生委員のなり手がないのは、無理がないことだと思う。広報紙などを使って、PRをしていかなければならないし、紙芝居も手法の一つ。地道に広報していかざるを得ないと思っている。

民生委員が相談できる窓口の必要性について

  • 民生委員をやっていただく期間が短く、1期、2期ぐらいで交代される方が多いため、個々の民生委員が孤立し、不安になって悩まれている。
  • 本当に大変なケースについては、民生委員が相談できるワンストップの相談窓口をつくらないと、民生委員だけではなかなか難しいところがある。
  • 一つの課題ではなく、重層的で複雑に絡んでいる相談となっているため、民生委員同士など解決するネットワークを地域につくっていかないといけない。

民生委員の推薦について

  • 大津市の民生委員の選任方法は、まず推薦の予備会があり、自治会、学区の推薦委員会を経て、市の推薦委員会となる。
  • 竜王町では、推薦委員会の前に自治会で予備推薦委員会というのをしてもらう。男性と女性、自治会で4、5人の合議の上、民生委員さんの候補者を複数名出してもらい、竜王町の民生委員推薦委員会が推薦するという形で、前期はさせていただいた。2回目ではあるが、合議によるやり方がいいのではないかと思っている。
  • 近江八幡市の場合は、いままで行政が各連合自治会に推薦の依頼をしていたが、現在は推薦する場合、各自治会から市の民生委員協議会に出してもらうようシステムを変えた。

民生委員の負担軽減について

  • 会長職をあずかったら当て職だけでも20ぐらい来るため、民生委員活動を地元でやるのは大変。欠員の出た地域をカバーしていくなど、指導民生委員制度みたいなものがあればいいと近江八幡では議論している。
  • 委員のなかには負担軽減に当て職をやめようと話される方もいるが、それは大事なことであり、いろんなところに行ってお話も聞き、ご意見させていただくことは絶対なくしてはいけないと思う。
  • いままでであれば、空き家になったところについて、人がおらずどうしようとか、つぶれるなど一人で心配していたが、地域の自治会長、組役員、福祉関係者でネットワーク委員会を2カ月に1回し、困ったケースを相談している。誰が何を担当するかをその場で決められるため、全員が自分事になっていただける。
  • こうした活動によって初めていろいろなところとつながることができ、自治会長も一生懸命、行政とお話もしていただける。連携せずに民生委員が一人で丸抱えというのは無理がある。
  • 近江八幡市では、今回退任なさった方で一つのグループをつくっていただき、サポーターになっていただく取り組みを始めた。
  • 全国的には、福祉協力員という制度を採っているところもある。

知事から

  • こうやって2回目の意見交換をするのは、民生委員さん、児童委員さんが初めて。やっぱりコロナもあり、重層的なお困り事とかを、聞くことができてよかった。
  • さっきおっしゃったいろいろな優遇の話とか、いろんな指導民生委員というものがあったらいいんじゃないかとか今日いただいたことを、そしゃくし、県でどういうことができるのか、滋賀県の自治を守っていくために考えていきたいと思う。