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第24回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会 しが本人の会なかよし会の皆さん

公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会 しが本人の会なかよし会の皆さん

今回は、公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会 しが本人の会なかよし会の皆さんと対話を行いました。

「しが本人の会なかよし会」は、知的障害のある人たちの社会参加と自立を目指し、滋賀県で開催した育成会全国大会本人大会の企画運営に携わった障害当事者の主体的な経験を契機に、平成22 年に各地域で活動する「本人の会」の主要メンバーが中心になって立ち上げた会で、毎年「県大会本人大会」や「本人の会交流会」を開催するための実行委員会を組織し、障害当事者自らが企画内容や運営について検討されています。

県大会では、本人たちの悩みや思いを本人大会決議として文書化し、県大会式典において発表されており、現在は一部の市町にしかない「本人の会」の活動を、全県域に広げていこうと、活動は年々熱心になっています。

今回は、障害当事者である「しが本人の会なかよし会」の皆さんに、知的障害のある人の仲間づくりと暮らしやすさについて知事と語り合っていただき、対話の最後は全員で輪になって琵琶湖周航の歌を合唱して締めくくりました。

知事から

今回の対話について

  • 今日は、知事になる前からお付き合いのある方にも参加していただいています。かねてから、ぜひ皆さんとお話しする機会を持ちたいと思ってきて、皆さんからも要望いただいていたのですが、ようやく今日実現したことを嬉しく思っています。
  • 知事になる前の国会議員時代には、障害のある人もない人も、一緒に暮らし、働き、学ぶことができる社会や地域をつくりたいと、いろいろな法律の制定に携わってきました。そういった法律が、それぞれの地域でどう生かされているのか、またどんな課題があるのかといったことを、皆さんと一緒に考えることで、より一層よいものにしていくために活かしていきたいと考えています。
  • 今日は何でも気軽にお話しいただいて、どうしたらいいかを一緒に考えていけたらと思っています。対話に参加いただく「本人の会なかよし会」の会員の皆さんだけでなく、会員の方々と一緒に来ていただいたご家族や支援者の皆さんともども、考える機会になればと思っています。

公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会 しが本人の会なかよし会の皆さんから

  • 「しが本人の会なかよし会」の活動について説明します。地域の「本人の会」の仲間の中から21 名が参加し、その中から会長、副会長が選ばれています。「本人活動」は、本人が中心になって活動する会なので、私たちのことは私たちで決めることにしています。支援者の皆さんには、私たちができないところを助けてもらっています。
  • 毎年「県大会本人大会」では、話し合うテーマや、決議文の内容、運営の担当者について、みんなで話し合って決めています。「本人の会交流会」でも、プログラムの検討や、担当者について、みんなで話し合って決めています。
  • 「しが本人の会なかよし会」をつくったきっかけは、滋賀県で、手をつなぐ育成会の全国大会が開催された時に、本人の会の大会があり、実行委員会が必要になり、本人の会をつくることになりました。初めは支援者さんに言われて動いていましたが、全国手をつなぐ育成会連合会の支援者さんに注意され、何とか自分たちがやりたいことを計画して、自分たちでできるように成長しました。
  • 2年前から、知事さんに出会って話をしたいと計画してきました。いつか知事さんに私たちの要望を聞いてもらうことが願いでした。今日は知事さんに出会えて、話ができて、大変うれしいです。滋賀県の広報にも「しが本人の会なかよし会」のことを載せてもらいたいです。
  • 「本人の会交流会」は今年で9年目になります。わいわいと楽しみながら、ビンゴゲームや、ほかのゲームをして楽しんでいます。もっともっと、本人の会を楽しみにして集まれる会にしていきたいと思っています。
  • みんなで、本人の会の広報『みずうみ』という新聞をつくっています。新聞を配ることで、仲間を増やしたいと思っています。『みずうみ』は、去年の5月に作り始めて、今回で2回目になります。作ったきっかけは、もっと他の地域の人たちに、私たちの本人の会のことを知ってほしいからです。これからも『みずうみ』を作っていこうと思っています。
  • 「しが本人の会なかよし会」は、2ヶ月に1回程度集まっています。土曜日に仕事がある人もいるので、日曜日に集まることが多いですが、みんなの都合を合わせるのは難しいです。
  • 療育手帳を持っている人が、免許証を取得しやすくなるように、講習会や試験などを分かりやすくしてほしいです。療育手帳も、毎日使っていると、破れてしまったりするので、カードにしてもらえたらいいかなと思っています。関東などでは、もうカード化をしている地域もあります。
  • 今の療育手帳は、しわくちゃになったりするので、私はクリアファイルに入れて、ぼろぼろにならないように工夫しています。カードであれば、駅などでスッと出せて、ぼろぼろにもならないので、いいと思います。
  • 療育手帳でJRの料金が割引になるが、第2種の手帳では100 kmを超えないと割引にならないので、普段お仕事に通うときは短距離なので、普通の料金を払っています。近いところでも手帳で割引になるようにしてほしいです。
  • 同じ滋賀県内の電車でも、手帳で割引になる会社とならない会社があるので、どこでも割引してもらえるようにしてほしいです。医療費も負担が大きいので、自己負担の割合を今の3割の半分くらいにしてほしいです。
  • 私の乗っている電車は療育手帳で割引にならないので、通勤定期を買うと、給料の半分が通勤費に消えてしまいます。
  • 駅の施設のバリアフリー化をもっと進めてほしいです。バリアフリーになれば、今日ここに来ることができなかった仲間が、支援なしでも自分で来られるようになります。バリアフリー化は最近進んできたけれども、まだできていない駅もあります。
  • 1300cc の普通車に乗っているが、自動車税がもう少し安くならないかと思っています。払わないと駄目なのはわかっていますが、もう少し安くしてほしいです。
  • 私は一般企業で働いているが、障害のある人はなかなか正社員になれず、パートのままという人が多いので、正社員になれると良いと思っています。
  • 休みの日には、趣味のTwitter で、サークルの誘いなどをしています。SNSが便利になったので、いろいろな活動の幅が広がりました。
  • 運動が好きで、よく地元のスポーツ施設を使っていたが、その施設が閉鎖されてしまい、スポーツが出来なくなってしまい、さみしく感じています。

知事から

対話を振り返って

  • 「本人の会なかよし会」の皆さんが作られている新聞『みずうみ』に、お申し出いただいたとおり私も寄稿しますので、載せてください。また、「本人の会なかよし会」のことを、もっと沢山の方に知ってもらえるようにしたいので、県の広報誌『滋賀プラスワン』に載せて、県民の皆さんに「本人の会なかよし会」の活動を紹介させてください。
  • 療育手帳のICカード化は、今の手帳に載っている情報がカードに入れることができるかなどいろいろな課題があるのかもしれないけれども、どんな課題があるのかを調べてみます。どうしたら便利になるのか、また皆さんから教えてください。
  • 駅のバリアフリー化は、鉄道会社に順番に進めてもらっているところです。車いすなどを使っている方など障害のある人も、エレベータを使って電車を利用できるようにしていきたいので、皆さんも県内の駅などで不便なところがあれば、また教えてください。皆さんから伺ったことを改善につなげたり、いろいろな事業をつくったりして、少しでも前進させたいなと思って、今日は、こういう機会をつくりました。療育手帳の鉄道運賃の割引は、滋賀県だけで行なうのは難しいかも知れませんが、県内での扱いは統一できた方がいいので、調べてみます。
  • 自動車税については、確かに負担が大きいかもしれませんが、みんなでいろいろなものを負担し合わなければいけないので、負担できる人には負担してもらおうというのが、いまのルールです。でも、それがどういう状態にあるのかというのは絶えず調べる必要があります。その人それぞれの状況にもよるので、それはきちんと見ていくということが、大事だと思います。
  • 障害者の皆さんの就労については、障害のある人も一緒に働いてもらえるように、県内企業もずいぶん理解してくださって、障害のある方の雇用も増えてきています。また、単に雇うだけでなく、待遇をよくしたり雇用を安定化させていくといった取組を企業の皆さんに進めてもらっており、正規雇用の機会が障害のある方にも広げられるように、これからも県でも呼び掛けていきます。
  • 4年後には東京でオリンピックとパラリンピックが、8年後には滋賀県で国体と全国障害者スポーツ大会があるので、みんなで盛り上げていきたいなと思っており、いろいろな施設を障害のある人や、お年寄りにも使いやすくしたりすることにも取り組んでいきたいと思っています。
    また、スポーツで体を動かすことや応援したりすることも大事ですが、皆さんにも、同じように障害があるけれどもスポーツで頑張っている人を、案内してあげたり付き添ってあげたりするボランティアとして大会の運営を支えていただくなど、みんなで取り組めたらいいなと思っています。