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第14回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手長浜市身体障害者福祉協会の皆さん

長浜市身体障害者福祉協会の皆さん

今回は、「長浜市身体障害者福祉協会」の皆さんと対話を行いました。

長浜市身体障害者福祉協会は、会員同士の連携と会員の健康・福祉の増進を図るとともに、地域の福祉の増進を目指して、平成16年に設立されました。

心のきずなと、助け合い支え合う地域の力を育むため、身体障害者の方々をとりまく制度や課題についての研修会や相談活動、スポーツ活動、交流活動などに取り組まれるとともに、地域の福祉向上のための啓発活動や行政との懇談、情報交換など、福祉のまちづくりに向けて積極的に取り組まれています。

今回は、こうした長浜市身体障害者福祉協会の取組などについて、知事と語り合っていただきました。

知事から

今回の対話について

  • いま私は、「新しい豊かさを作っていきましょう」ということを、県職員や県民の皆様に申し上げている。「新しい豊かさ」は、今だけ・モノだけ・カネだけ・自分だけの豊かさではなく、全ての人が将来も持続的に心で実感できる「豊かさ」を指している。この「新しい豊かさ」を県民の皆さんとともに、一緒に作って行きたいと考えている。
  • 様々な課題や困難を抱えておられる方々にも、しっかりと寄り添い、障害のある方もない方も、それぞれが助け合い、力を発揮しながら暮らしていける滋賀県にしていきたいと考えており、本日は長浜市身体障害者福祉協会の皆さんからのご意見を直接お伺いできると楽しみにしている。
  • すぐに解決できる問題ばかりではないかもしれないが、力を合わせて一緒に頑張っていきたいので、皆さんからの率直なご意見をいただきたい。

長浜市身体障害者福祉協会の皆さんから

  • カネやモノの豊かさだけではなく、心の豊かさを大切にしている三日月知事と対話する機会を得られたことをうれしく思っている。ノーマライゼーションが叫ばれる世の中になったが、雇用の問題を始め、日常生活の不自由さや差別の問題など、まだまだ障害者にとっては暮らしにくく、健常者には理解してもらいにくい問題も多い。
  • 草津の障害者福祉センターは遠いので、県北部にも施設を作ってほしいという思いを北部の障害者はずっと以前から感じている。障害者福祉センターから職員に来てもらって単発的な研修会を開催したこともあるが、日常的に通える距離に施設があり、普段から施設が使えたり、専門職員と話ができることには、大きな意味がある。滋賀県では南高北低とよく言うが、県庁所在地が南の端にあることもあり、行政サービスが南に偏っていると感じる。
  • 長浜市には身体障害者手帳を持っている方が約6千人いるが、長浜市身体障害者福祉協会の会員数は約600名程度にとどまっている。近年では高齢化の進行もあって会員数が減少してきており、会員集めが大きな課題となっている。インターネットの活用など新しい取組も進めていきたいが、個人情報保護法の影響もあって広報が不足しており、協会の存在自体をご存じない方も多い現状となっている。
  • 最近の若者の傾向として、一人で家に閉じこもる人が多いように思う。長浜市身体障害者福祉協会は若い世代の会員が特に少なく、協会の中心メンバーに若者が少ないこともあって、若い世代の勧誘がなかなかうまくいかない。
  • 今週末に開催される滋賀県障害者スポーツ大会のフライングディスク競技に知事も来ていただけると聞いて楽しみにしている。障害者スポーツ大会は1年を通じて開催されているが、彦根以南で開催されることが多いので、県全域の各地で開催することにより、大会をきっかけとして各地域の障害者がスポーツに取り組むきっかけになればと思う。
  • 来年施行される障害者差別解消法についての研修会を2月に開催した。誰もが安心して暮らせる社会を作るためにも、滋賀県でも障害者差別解消法の趣旨に基づいた条例を策定するなど、障害者の視点を取り入れた具体的な取組を進めていってほしい。
  • 以前に障害者雇用の先進的事例として、オムロンの特例子会社の工場を見学して、多くの障害者が生き生きと働いている姿に感心した。他にも県外の素晴らしい事例をマスコミなどで目にするが、滋賀県でもそういった取組への支援をしていってほしい。
  • 障害者の中でも、視覚障害者の雇用はとくに厳しい。音声パソコンなどもあるが、それが使える人でもなかなか雇用してもらえない現状があることを知ってほしい。

 

知事から

対話を振り返って

  • 県内の行政サービスが南部に偏っているというご意見はよくお聞きしている。今年の2月に長浜市木之本町の杉野地区へ約1週間の移住体験をさせていただいた。バスと電車を乗り継いで2時間半かけて木之本から県庁まで通うなど、湖北での生活を実際に体験したことを通じて、北部にお住まいの皆さんのお気持ちの一端を身をもって知ることができた。こうした体験を生かして、今後どのようにして、この偏りを解消して湖北地域をより良くしていくかを皆さんと一緒に考えていきたい。
  • 湖北地域には伊吹のホッケーなどの特徴的な競技に強みを持っておられる地域があるが、その多くが前回の国体開催が契機になっていると思う。9年後に国体と全国障害者スポーツ大会を滋賀県で開催するので、この機会に障害者スポーツを含めた様々な競技の強化や施設の整備を進めていきたい。障害者スポーツについては、養護学校でスポーツに取り組んでいた方が卒業後も続けることが少ない状況があるので、養護学校と連携したスポーツ競技の強化にも取り組んでいきたいと考えている。
  • われわれ行政も長浜市身体障害者福祉協会などの団体の皆さんに、啓発事業等の広報などでお世話になっているので、会員集めなどの皆さんの課題も一緒に考えていきたい。色々な機会をとらえて皆さんの活動内容をご紹介するなど、できることから協力していければよいと思う。
  • 障害を持った方が特殊なわけでなく、誰もがいつ障害を持つかわからないのだから、障害者にとって住みやすい社会はみんなにとって住みやすい社会なのだと常々思っている。障害者の視点を生かして、障害者の方々の能力をもっと発揮できる社会を作っていくために、県としてももっとできることがあると考えている。共生社会を実現するための新たな条例づくりについても、昨年度から検討のための会議も開催してきており、今後も研究を進めていくので皆さんにもご協力いただきたい。
  • 障害者雇用については、県庁内の各分野が連携して障害者雇用の推進を図るために設置している「滋賀県障害者雇用対策本部」について、本部長を副知事から知事に変更し、これからは私自身が先頭に立って取組を強化していこうと考えている。特例子会社や様々な事例を研究して、障害者雇用の促進に向けて県として出来ることを検討していきたい。
  • 先日盲学校のグランドで「グランドソフトボール」を体験させていただいた。最初は見える状態で始め、だんだん見えない状態にしてプレーしたが、音だけを頼りにして打ったり守ったりする視覚障害者の皆さんのプレーに感心した。これからもスポーツや雇用など視覚障害者の皆さんのために出来ることを研究していきたい。