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第4回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手滋賀県中小企業青年中央会の皆さん

「滋賀県中小企業青年中央会」の皆さん

 今回は、「滋賀県中小企業青年中央会」の皆さんと対話を行いました。

 滋賀県中小企業青年中央会は、滋賀県中小企業団体中央会傘下の組合に所属する若手経営者で組織された団体です。

 異業種の若手経営者による組織として、業種・業界の枠組みを越えた連携をより一層深め、相互研鑽による活力あふれる経営活動の創造を目指されており、滋賀県および中小企業団体中央会からの事業支援も受けながら、組織化推進事業、交流支援事業、調査研究に関する事業、対外交流・研修に関する事業等を展開されています。

 今回は、こうした取組と滋賀の未来への想い(県基本構想)について知事と語り合っていただきました。

知事から

今回の対話と滋賀の未来への想いについて

  • 現在、県基本構想の原案をつくっている。2040年を展望しながら、この4年間の県の一番大きな目標になるもの。ポイントとして、滋賀の強みは何だろうかということで5つの切り口で見ている。中小企業の皆さんや、地域の消防団など、私たちで地域を支えようという気持ちのある人が滋賀県に多い。人が一つの強み。2つ目は、滋賀ならではの技術、昔から伝わってきた技術で、しかも日本を代表する、世界に誇る企業のものづくりがある。こうした技術力やノウハウなどが滋賀の強み。そして歴史文化、地の利、豊かな自然。こういうものを生かしながら次の時代にどうするか。これからの時代、自分の豊かさだけでなく、今の豊かさだけでなく、単に物の豊かさだけではなく、みんなが感じられる、将来も持続的に実感できる、心の豊かさを追求する滋賀にしませんか、こういうことを今提唱している。行政だけでやったのでは意味がない、今だけ、私たちの世代だけで食いつぶすような滋賀にしたくない。数字で計れる豊かさも必要だが、実感できる豊かさを追求しませんかと申し上げている。こうしたことをあらゆる場面でそれぞれの県民の皆さんが発信することによって、滋賀で物を作りませんか、滋賀に住みませんか、滋賀の大学にいきませんか、こういうことを呼びかけていけるような取組ができないかと考えている。
  • その中で、滋賀の強みを生かした滋賀発の産業の創造ということを考えている。特に来年度は地場産業をしっかり応援しようということで施策をつくっているところ。観光の面でもっと多くのお客様に滋賀に来ていただけるような取り組みを考えている。
  • 滋賀びわ湖ブランドを新たにつくっていくことを考えており、このブランド力をしっかりつくり、高めて発信していきたい。このような大きな7つの柱をもとにして具体的な政策を検討している。本日は、中小企業として地域の中でご活躍中の皆さんから、忌憚のないご意見をいただきたい。

滋賀県中小企業青年中央会の皆さんから

(1) 中小企業青年中央会の取組

  • 近畿ブロック二府四県と福井県の7県で活動している。滋賀県としては、会員15組合で、会員増強を目指して取り組みたいと考えている。現状の会員は、大きく4つの業界に分類すると、繊維関係、工業関係、建設関係、商業・サービス関係と、各分野にわたって様々な組合に加盟していただいている。親組合の組合員数からすると、約300組合の中の5%しか青年部に加盟してもらっていないのが現状。これからもっと会員数増強を図ることにより、幅広い分野の方にご参加いただき、新たな知識や仲間づくりを通じて、いろいろな新たな発見をしていけたらと考えている。
  • 年間事業としては、県の補助もいただきながら、青年部滋賀県大会、総会を毎年実施している。「びわこフェスタ」として、青年中央会祭りをしている。各業界のPRを兼ねた祭りで、来ていただいた市民の皆さんに各業界のことを気軽に知っていただけるような体験型の事業などもしている。例年11月頃にしているが、今年は他団体とのコラボの関係で10月上旬に開催した。親睦事業としてボーリング大会や忘年会をしている。各事業を通じて、各団体の仲間が集まることにより、お互いを知る場として取り組んでいる。その活動を通じてお互いを知る中で、業種の垣根を越えて互いの力を合わせることで、何か新しいものが生み出せないか、そうしたことを考える機会として捉え活動している。
  • 他府県の取組として、福井、兵庫が先進的に取り組んでいるもので、「どうせ買うなら」をキャッチフレーズに、同じ組合、青年部のメンバー同士でいろいろなモノやサービスの調達をお互いしようということで取り組んでいる。大手量販店で買うより場合によっては高いこともあるが、仲間として行き届いたサービスや、安心できるサービスを得られるということで、価格には反映しきれないそうしたところを見直して、仲間同士の商売を広めていこうという取り組みをされている。福井では取組の5年目で、初年度は一、二千万円から始まって、今は二億円を超える程に発展している。滋賀県でも、そうした取組も見習いながらやっていきたい。我々自身が持つ潜在的な力について、我々自身が知らないところがたくさんある。そうした点についても、いろいろ他業種の皆さんと交流する中で見えてくるのではないかと考えながら活動している。今年度は、他の経済団体、商工会とのビジネスマッチングのイベントにも参加する予定としている。

 

(2) 各組合青年部での取組や新たな試み、滋賀の未来に向けた提案

  • 昭和23年12月に醤油工業協同組合ができた。その時は144社が現在は47社になった。後継者を育てる組織として青年部が作られた。主に滋賀県産の醤油のPR、県外の醤油製造業の見学、醤油製造技術の研修会などを行っている。滋賀県は地域に根差した小さい醤油製造業者が頑張っている。地産地消や食育が言われているが、学校給食ではいまだに入札があり、県外の安い醤油が使われていることが多い。学校給食や県庁の食堂、県立学校などで地産地消を推し進めてもらうと地元の業者が元気になると思う。今朝の朝刊で滋賀県の人口が減少傾向になったとあり、これから対策や施策をされると思うが、滋賀県では出生が死亡を上回っており、まだ増えると思う。私の周りでも以前と違い、3~4人の子だくさんの家庭が増えている。新聞では、減っている原因は、転入が少なく転出が多いということなので、転入が増え滋賀県に住む人が多くなれば人口も増える。我々中小企業は地域に根差した商いをしている人が多いので、そうなると潤ってくる。2014年地域ブランド調査の結果、滋賀県は39位で昨年の36位より下がった。魅力度ランキングが上がると観光客が増え、訪問率が増えて、いずれは住みたい人が増え、それにより、経済効果がアップして、県民が潤うと思う。アンテナショップなど、滋賀県をもう少しアピールしてもらって、滋賀県に行きたいなという人が増えるとよい。実際、滋賀県に何があるか知らない人が多い。琵琶湖くらいしか知らない、琵琶湖が滋賀県にあることも知らない人もいる。そのような施策をしていただいて、せめて30位以内を目指してほしい。他県では、高知県や島根県など、一時CМをしていた。そうしたことも必要ではないか。
  • 電気工事工業組合は滋賀県に8支部で82名が所属する団体。大きな事業はないが、年3回の理事会、研修会と年1回の親睦会を開催している。理事会には青年部役員8名と支部の部長8名に親会の青年部担当理事が集まり、その後、メーカー等から講師を呼び、開催地の青年部員も参加して講習会を開催している。昨年度から、親組合の理事長から、障害者の方の施設での廃棄電線のリサイクル向けに、住宅用などの不要ケーブル線を提供していこうということで、青年部に企画推進室を立ち上げ、何かできないか活動をしている。ケーブル線の運送のことなど、まだ話がまとまっていないが、親組合の理事長からこれから進めていきたいとの意向もあるので、青年部でも頑張っていきたい。
  • 信楽陶器卸商業協同組合は信楽焼の陶器の販売をする企業の組合で、青年部はその若手経営者の集まり。親組合は42社。以前の60社から減っているが、皆、元気に全国で販売をしている。信楽焼の歴史は1200年以上ある。観光という面では信楽は全国に発信しており、滋賀県の中では観光に来てもらいやすい町。しかし、滋賀県の信楽焼という言い方をしていないので、滋賀県の焼き物ということが全国に発信できていない。以前に経済新聞で焼き物の知名度調査があり、有田、九谷、信楽という結果だった。清水より信楽の名は全国に通っていると思っている。生産量や商売の大きさでは、瀬戸などの日常で使う器に負ける。私たち卸売業は信楽焼の発信の方をさせていただいている。青年部では、同業者同士なので、競争の中でも共存しながら活動をしている。カレンダーの作成や懇親活動が主なもの。競争する仲間たちが、競争しながら信楽を盛り上げていければと考えている。団結してやっていこうということで、青年部のTシャツを作るなど、仲間意識を高揚しながら日々の活動をしている。
  • 旅館ホテル生活衛生同業組合青年部では、親組合と一緒に陳情活動などをしている。観光の中では、様々な法律の枠からやりづらい部分もあることや、PRに関しては、行政と協力しないとなかなか発信ができない部分があるので、そうした部分で足並みを揃えて陳情活動をしている。県内でも情報発信を各市町と一緒に取り組んでいる。青年部に関しては、滋賀県だけでなく全国的にも、継承が一番の問題となってきている。宿を継ぐにあたり、どう維持していくか、バブルの頃に大きく建てた建物を、耐震も含めて、どのように次の世代につないでいくかが、今、一番大きな問題。その中で数字を使った経営手法を勉強したり、他県の青年部と交流し、先進的な取組などを勉強するなどが主な活動となっている。観光は元手があまりかからない産業なので、これからの日本では、特に力を注いでほしいと思う分野。マンパワーで工夫でき稼げる分野の一つに観光は入ると考えている。特にこれからはインバウンド、外国人旅行者。アジアからの旅行者は増えると考えられるので、マニアックな日本を知ってもらえる欧米の方をターゲットに、焼き物、仏壇、繊維など、外国人はものづくりに興味があるので、そういったところと連携し、勉強しながら、ぜひ一緒にやらせていただきたい。滋賀というと知名度ではどうしても琵琶湖の方があるので、滋賀として売っていくのはむずかしいかもしれない。欧米の方は深いところに来てくれる。香川県の直島は、オランダやイギリスから外国人旅行者がたくさん来ているおもしろいところがあるということで、日本人が注目して観光に火が付いた島。観光の価値観の逆輸入。そうして日本のお客さんも引っ張られてくる。アールブリュットも、パリで成功して滋賀県でも広く知られた。そういったやり方も一つの手法ではないか。こうしたことを考えながら活動をしている。
  • 実家は茶業をしていたが、元々保育士をしていた。全く関係のない世界からお茶の業界に入った。滋賀県茶業青年団は滋賀県内のお茶の販売業者の集まり。年齢は45歳までで、親組合は滋賀県茶商業協同組合となっている。我々が一番の目的としているのは、滋賀県の地場産業であるお茶、近江のお茶を県内外にアピールして、日本全国に広げていくこと。それ以外にも、団員一人一人のお茶を見る技術の向上にも力を入れている。活動内容としては、お茶の入れ方教室を開催したり、今の技術を高めるための練習会をしたり、各種イベントの時のお茶の販売を主な活動としている。
  • 広告美術協同組合青年部は、元々、親組合の次世代の会員が親組合に上がった時にスムーズにつきあいができるようにというコンセプトなので、最初は特に青年部の事業はなかった。その後、歴代の会長が中小企業団体中央会との連携の中で、他業種と共同しての「びわこフェスタ」に参加するなどしてきたおかげで、こういった場にも出る機会に恵まれた。看板がメインなので、滋賀県だと選挙看板のボードの発注から、維持管理と撤去までを全部一括して請け負っている。地元なので、何かあった場合に、取り付けた業者が都合が悪くても、他の誰かが必ずカバーできるところが私たちの強み。景観条例に関しても親組合から提案もしている。看板は何のためにあるかを心に留めておいてほしい。知らない場所で、案内の看板が小さくてどれも同じような色だった場合に、自分で車を運転してスムーズに目的地に行けるかということを心に留めておいてほしい。
  • 彦根仏壇事業協同組合青年部ではいろいろな取組をしているが、その一つとして、仏壇を預かり供養する仏壇供養を年1回している。その他に、仏壇引取事業として、仏壇の処分に困っている人がいるとき、青年部が引取に行くこともしている。11月15日に「七曲がりフェスタ」をやる。昨年は青年部が主催した。彦根に昔から「七曲がり」という通りがある。昔の町家がたくさん残り、観光の名所にしたいところ。そこは仏壇街になっており、昔は鎧の職人が鎧を作っていて、職人さんたちがたくさん住んでいた。今は仏壇もなかなか売れず、仏壇屋さんもどんどんなくなってきている。去年から、仏壇事業のメンバーで盛り上げていこうとしている。そこで仏壇の七職の体験、今回は町家で七職の実演もすることにして、すべての工程をお客さんに見せるような形になっている。県の美の滋賀の補助金を受けてこのようなことができるようになり、ありがたいと思っている。ぜひ来年、再来年と「七曲がりフェスタ」をやり、多くの人に仏壇のことを幅広く知ってもらいたい。このように大きくやるのは去年から。3年ほど前からNPO法人の方がやっていたが、やはり仏壇事業のメンバーがしないといけないということになった。周りの人が協力的で、大学の先生や町家に住んでいる人、町家を活用している団体の人がいて盛り上がっている。彦根の「花しょうぶ通り」のように継続して街全体で盛り上がるイベントになるとよいと思いながら取り組んでいる。もう一つに「ナナプラス」ものがある。青年部の有志でやっている。新しい祈りの形、心豊かな暮らしということで、仏壇もこれからは小型化してくるので、現代空間に合ったものをということで、10月に東京の展示会で発表した。ガラスの位牌、信楽焼の陶器などがある。滋賀のものづくりで、滋賀ブランドを発信していこうということでやっている。
  • 信楽陶器工業協同組合は作り手の方の組合。信楽焼の現状と青年部の取組だが、信楽焼もここ数年不況が続いている。バブルの頃、一番売れた頃には、生産高で約160億円の売上げがあった。去年は約38億円で四分の一以下に下がり、組合員数も減少している。今年も、粘土の生産量も下がっていることなどから、下がるのではと感じている。世間では株価の上昇などが話題になっているが、信楽ではまだ下げ止まりが見えない大変苦しい状況。そのような中で、23名の青年部員で活動しており、異業種の方々との交流や他産地の方々との交流などの取組をしている。先程お話のあった仏壇事業協同組合さんの「七曲がりフェスタ」にも参加させてもらう。東京でも浜縮緬工業協同組合の方と一緒に展示会をしている。その他に青年部員同士での意見交換や今売れているものなどの情報交換なども行いながら、活動をしている。しかし、青年部でも年々活動が難しくなってきている。原因としては、どこでもそうだが、青年部員数が減少していることがある。また、それぞれの青年部員の仕事の内容が多様化してきたことがある。昔から、一つの産地の中で職人が作ったものを問屋さんが販売する形が長く続いてきた。近年は、作り手が直接自分で販売したり、ホームページを開いたり、東京や大阪の大きなフェアに参加するなど多様化している。作る品物にしても産業的に作る人もいれば芸術的な観点で作る人もいて、小さい杯から大きいお風呂までそれぞれに作る。販売の仕方にしても、大消費地の東京などへ行って販売したい人もあれば、信楽に来てもらい信楽を感じてもらいながら信楽の中で販売したい思いの人など、多種多様になってきた。組合の活動として、このようにやりましょうと一つに決めることは難しくなってきた。そのような状況の中で、青年部の中には、この指とまれ方式で、いろいろなグループができてきている。東京に売りに行こうというグループや、デザインを重視して物づくりをしようというグループで集まるなど、青年部の活動というよりも、個々のグループの活動の形に重きを置くようになってきているのが、今の若い人たちの活動。このように最近は活動内容が多種多様になってきているので、県にはいろいろな側面からの支援をお願いしたい。新名神高速道路ができて、京都から信楽インターまで20分くらいですぐ来れるが、これができて信楽がどう変わったかと言われると、なかなか生かし切れていないのではないかと思う。
  • 浜縮緬工業協同組合青年部の活動としては、年1回の京都での展示会に向けて、年間を通して新しい素材の開発や技術の開発を行っている。長浜は着物のイベントが多いので、そのお手伝いや、盆梅展では、今年は古木からとったエキスを使って縮緬を染めて展示し、盆梅のPRとともに浜縮緬もそれにあやかろうという活動をやろうとしている。長浜には年間200万人の観光客が来る。こういう絶好の場が長浜にはあるので、そこで観光客の皆さんに縮緬をPRする場であるとか、滋賀県自体をPRできる場ができればいいと思う。そうした場があれば、地場産業やこのような活動を発信できていくのではないかと思う。
  • 私たちは湖東地区にある麻織物の産地で、ものづくりをしている産地。機織り、布加工、縫製など、麻織物工業協同組合は様々な組合員がいる。4年ほど前から、愛荘町と近江八幡市にアンテナショップを設けて、そこに各組合員が完成品まで作った商品を置いて、地元の方、県外の方にアピールすることで、直接消費者の方に売っている。ある程度リピーターの方にも来てもらえるようになったので、これからは県外、できれば世界まで目指していきたい。
  • 農業機械商業協同組合青年部は17社の集まりで、農家さんを相手に商売をしている。昨今は農業も大規模化されてきており、個人農家や集落営農団体の方々を相手に商いをしている。農家の高齢化も進んでおり、人の米離れも懸念されている。基本構想原案の重点政策編の中の、地域の活力、自然・環境、安全安心などに直結するのが農業ではないかと思う。私たちは、農家さんを下支えしている業界であり、まず農家さんが潤っていないと潤えないので、二人三脚で進んでいる。
  • 滋賀県ブランドの周知徹底という部分がやはり弱い。農業の問題、日本の諸問題は滋賀県にも全部あてはまる。ТPPの問題や減反補助金が3年後に廃止される。今までの農業政策は補助金ありきで、お金を出して後は何とかしなさいというのが国の施策だったと感じている。基礎体力を上げるような滋賀県独自の政策、補助金に頼らない方向性を示してもらうことによって、地産地消も進んでいくと思うし、農業人口、就業数も増えていくと思う。その辺りを念頭に置いて、これからの県政をすすめていただきたい。
  • 滋賀は歴史があり、その歴史の中で育まれてきた様々な産業があって技術の蓄積がある。自然環境にも恵まれている。それらをもっと発信する力があれば、もっと人も呼べるし、よいのではないかと思う。大津駅が今は寂しい状況にある。日本全国から京都に観光に来る。ついでに滋賀に立ち寄ってもらうということが、あまりにも少ないのではないかと思う。一度京都に来た人をちょっと大津駅まで導いて、大津駅に来たら滋賀の良いところがすべてわかるというようになれば、次は滋賀県に来ようかという気持ちになってもらえるのではないかと期待している。そうして来ていただくことで滋賀の良いところが人づてに発信され、日本や世界に向けて更に発信が広がっていくのではないか。そこからまた、我々が知らなかったニーズを求めて来てもらえることにもつながるのではないかと考えている。発信力ということを、もっと検討いただきたい。
  • 「環境こだわり米」のように、農薬や化学肥料の使用を半分にして、草むしりが大変でも苦労して汗水垂らしてつくることで、それがブランドとして評価された後は、それに対する対価が重要になる。つくった手間の分に見合うだけの対価がなければ農家はやっていけない。そうした条件が整えばブランドとして成り立ってくると思う。
  • 昨日、東京の展示会で浜縮緬を知っているか聞いたところ、誰も知らなかった。やはりこちらから発信していく力がないと、これからは厳しいと感じている。
  • 雑誌の調査では、滋賀県は住んでよかった県の10位以内に入るが、観光客の満足度は40番台。住んでいる人と来た人の感覚が全く違う。そこは徹底的に考えないといけないのではないか。
  • 県の中で満足しているのは、県民性もあるのではないか。内向きのアピールはしているが、外向きにはしていない。一点突破の強みがない。ここに来ないと体験できないものや、手に入らないというものがない。例えば、琵琶湖で一点突破して、そこから派生していく方向もあるのではないかと思う。対外発信力が弱い。
  • 不思議と「滋賀」の名称ではあまり発信しない。「滋賀」を東京へ発信するのではなく、当社の商品名もそうだが、どこも「近江」で出している。米も近江米、牛肉も近江牛。もし県名が変えられるなら「近江県」とした方が発信力があるのでは。「近江」の名称は歴史もある。「滋賀」はもう一つ弱い。食品では「近江」、観光では「琵琶湖」が認知度は高いと思う。今、県名を変えるような取組をすると全国から注目されるだろう。
  • 県名を変えるぐらいの大きな取組をすれば、一度に皆が滋賀を知ることになるのではないか。最終的に変わらなくても、相当の効果があるのではないか。
  • 最近では、フェイスブックやソーシャルメディアなどの活用がある。ユーチューブでも再生回数の多いものは更に再生回数が増えていく。これらを使って個人単位で進めるのか、行政や団体単位でやるのかによっても手法が変わってくる。発信先もフェイスブックやユーチューブで流すなどしていくことが必要ではないか。
  • 県の記念日などに、県民全員がツイッターやフェイスブックで滋賀県についてつぶやくというというのはどうか。100万人以上が全員いっせいにつぶやけば、ネット上に大きく拡がり、検索順位も上位に上がるかもしれない。県から提案してもらえば、皆つぶやいてくれるのでは。だめならば、また次の仕掛けをしていく。

 

知事から

対話を振り返って

  • 皆さんが取り組まれていることは、分野や規模は違うが、私たちの滋賀県にとってなくてはならない分野と考えている。それらを強化したり、より多くの人に知ってもらうために何をしたらよいか、一緒に考えていきたい。今の時代に合っているかどうかや、これからの時代で受けるかどうかという視点、発想は、私たちの世代がより強く持っている。皆さんは実業界の中で進めていただきながら、行政の中でそれを下支えできるような制度をつくるために、これからも意見交換をしていきたい。
  • 例えば、最後に言っていただいた農業の基礎体力をつけることは大事であると思っている。そこで農地の集約をしようと考えている。小規模でやっていては大変なところがあるためだが、小規模でしかできない地域もあるので、その二段構えで行く。
  • 滋賀県の場合ほとんど米なのだが、つくってもらったお米をもっと食べようというキャンペーンをしようということで、来年度の施策を今議論している中で、それをぜひ入れたいと思っている。今年は雨が多くて日照りが少なかったので、集約した農家が厳しい状況になっている。国の支援ももらいながら基礎体力の下支えをしたいと思っている。
  • 近江米、近江茶、湖魚、近江牛、この四つのものを「おいしが・うれしが」のブランドで売ろうとしているところ。それに近江の漬物を食の一つに加えて、ぜひ売り出せないかと考えている。「おいしが・うれしが」のキャンペーンで扱ってもらえる店は増えたが、来年度はもう一段高めて、マーケットインの手法を取り入れたいと思っている。お客様が何を求めているのかを生産者に伝える、そして生産者のいろいろな苦労を消費者に伝えるということを、ぜひやりたいと思っている。
  • 先日「みずかがみ」という県産米のPRに行った時に、「これは食味ランキングで特Aをとりました、おいしいです。」と言っても、うなずく人は少なかった。ところが「これは「環境こだわり米」なんです、農薬・化学肥料の使用を半分にして、農家さんは草むしりが大変なのだが、苦労して汗水垂らしてつくったお米なんです。」と言うと「そういうのっていいよね」と食いつきがよかった。そのブランドを確立して、ブランドに見合うだけの価格を維持すること、安売りをしないことが重要。これは平成13年から始めて、ようやく全国でも認知されるようになってきた。ここを大事に育てていって、安売りしないで、今の価格を上げていく、こういう取組を皆さんと一緒にやっていきたいと思っている。
  • こういう手法は、浜縮緬や、麻、高島のちぢみなどにも当てはまると思っている。いろいろな人に、浜縮緬も麻もちぢみも、滋賀の地場の繊維は非常にいいものであるとPRすると、高く評価してくれる。これらを見ることができる場をつくることや、アンテナショップなどもある。これらは東京だけではないと思う。
  • 例えば「七曲がりフェスタ」も、仏壇の技術が中心だが、それだけではない。このような取組が重要だと思っている。同じ切り口で、醤油でも、原料の大豆などにもこだわる取組をPRすることや、発酵の技術などもセットにして、滋賀の醤油を売っていくというような取組もできるのではないか。和食に対する評価も高まりつつあるので、近江米、近江茶、湖魚、近江牛とともに、皆さんと一緒に滋賀の魅力を高めていけたらと思う。
  • 障害者の方の施設での廃棄電線のリサイクル向けに、電気工事の不要ケーブル線を提供していただいていることに関して、なかなか採算が合わないことも聞いており、県の福祉部局でも検討している。
  • 滋賀県では「石けん運動」のように琵琶湖のことを思って流す水のことを考える。進出してくる企業、工場にも少し厳しい排水基準をかけている。それでも滋賀に来てくれている。風景も守ろうとしている。滋賀県には、日本の中でも珍しい、世界の中でも羨ましがられるような取組があるのではないか。そのことが滋賀に住んでみたい、滋賀で働いてみたいということにつながるのではないかと考えている。
  • 電気電力がなければ生活できないし、これまでは原発に頼ってきた。しかしこれまでどおり原発に頼ることは難しいのではないかという思いから、滋賀から原発に依存しない新しいエネルギー社会をつくることを提案している。太陽光発電など再生可能エネルギーにも制度上の難しい面もあるが、新しいエネルギー社会をつくることや、なるべくエネルギーを使わない生活をつくることへの挑戦を提案したい。そのことが、滋賀に住んでみたいという新しい価値観をつくることにつながるのではないか。それを県としてブランド化したいと思っている。そういう滋賀に来ませんか、そういう滋賀のものを食べませんか、そういう滋賀でものづくりをしませんかということを、県基本構想で提案している。これをもとに産業振興ビジョンや子ども子育てに関するプランなどをつくっていくことになる。
  • 住みよさランキングが高い、住んでいる人の満足度も高い、しかし外からは知られていない。これは私たちが県の中だけで満足してしまい、いい所だから来てくださいと外向きに言えていないからではないか。
  • 例えば「滋賀」の名称を考え直すなど、今のあり方を見直すことは大事。最終的に変えることが目的ではなくて、みんなで決めること、もう一度みんなで決めなおしてみることは意味があると思う。そうしてそのことをみんなに知ってもらうなど、そうしたプロセスが大事だと思う。
  • 今、県でも、しが、びわこをテーマにしたムービーをつくっている。インターネットのメディアを意識しながら、ソーシャルメディアネットワークを使った滋賀のブランディングも考えている。