文字サイズ

第3回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手甲賀市小原小学校教育後援会の皆さん

「甲賀市小原小学校教育後援会 」の皆さん

 今回は、「甲賀市小原小学校教育後援会」の皆さんと対話を行いました。

 甲賀市小原小学校教育後援会は、地域の子どもたちを地域で支え育てていくため、平成11年に設立されました。

 小学校と同会を中心とした地域との連携により、子どもたちが地域のサポーターの方々と一緒に、収穫祭に向けて米づくりや野菜づくりに取り組む「小原ワクワク農園活動」や、収穫したさつまいもを淡路島モンキーセンターのサルたちにプレゼントする交流活動などを続けておられます。

 「地域の道を学校の廊下」「地域の施設を教室」「地域の人々を先生」とした「地域まるごと学校」の考えのもと、子どもたちが、地域の人々とともに、生き物の命の尊さや共に働き汗する喜びなどを学んでいく様々な活動を進められています。

 今回は、こうした取組と滋賀の未来への想い(県基本構想)について知事と語り合っていただきました。

知事から

今回の対話と滋賀の未来への想いについて

  • 日頃は、この地域と子どもたちを大切に守り、ご指導いただきお礼申し上げる。県庁だけ、行政だけで県のことを考えていてはいけないということで、こうして県内を巡らせてもらっている。
  • 「基本構想」で、次の4年間をどういう目標で県政経営をしていくか、現在目標を作っている。この基本構想に基づいて、産業、福祉、子育てなどをどうしていくかというプラン、ビジョンをつくるもので、大もとの目標となる。
  • 時代はいろいろと変化する。人口は減る、長生きできるようになったが社会の高齢化が進む、支え手は減る、財政も厳しい。様々な価値観を持つ人があり、まとめることは大変だが一つの方向をつくる必要がある。特に、自然災害、自然との共生ということで、恵みはいただくが、災いももたらすという状況の中で、どう県土を保全していくかという課題がある。その一方で滋賀県は他にない強みがある。地の利、地域をつくり支える人、信楽の陶器の技術などの力がある。水があり、水を湛える山がある。このことは何にも代えがたい、かけがえのない恵み、力だと思う。こういうものを大事にした県政運営をしていきたいと考えている。
  • では、どんなことを理念、目標にしながら県政運営をすればよいのかということで、私は、自分だけじゃない、今だけじゃない、物だけじゃない、新しい豊かさ、心の豊かさ、未来の豊かさ、周りの人も含めた豊かさを、滋賀から作っていきませんかと提案したい。電気電力がなければ私たちは生活できないが、福島の事故があり、万が一の場合にはそうしたことが起こるかもしれない電力源だけに頼っていていいのか、そのため、省エネや節電など原発に依存しないエネルギー社会をつくっていこう、それが未来の豊かさにもつながるのではないか、これらを皆さんと一緒につくっていけないかと考えている。このようにして滋賀の新しい暮らしをつくっていこうということを基本構想に盛り込んでいる。
  • 子どもたちも含めて、行政だけでなく、みんなの力を一つにして、かけがえのない滋賀をよりよく発展させていくために頑張っていきたいと思うので、皆さんから忌憚のないご意見ご提言をいただけるようお願いしたい。

甲賀市小原小学校教育後援会の皆さんから

(1) 教育後援会の取組

  • ワクワク農園活動は、児童の農業体験学習を通して、地域と学校が関わり交流するとともに、児童が命の大切さを学ぶものとして平成11年にスタートしたもの。5年生を中心とした稲作体験学習と、各学年ごとに自主的に決めた野菜栽培があり、その過程を通じて働くことの尊さや、命の大切さを学ぶことを目指してきた。そのため、学校と小原地域の方々とともに、教育後援会がサポーターとして積極的に関わり、児童の作業を見守りながら指導し、米や野菜作りを地域の方々から学び取る学習を進めてきた。児童は、お米や野菜を育てる中で、食べ物の大切さ、命の尊さなどを考えながら、田畑に住む多くの生物の観察など様々な体験の機会に自ら感じ取り、農業に対する理解も深めていると考えている。本日の収穫祭は、感謝をこめて、とれたお米での餅つきや、そのお餅と新鮮な野菜を児童と保護者や地域の方々、サポーターの皆さんに試食してもらう楽しい1日として企画された。
  • 今年の田植は、全校児童76名、教師、PTA、サポーターとの共同作業により、5月14日に田植をし、それ以後草取りや水管理など続けながら、10月3日に総出で刈取りした。今年のもち米収穫量は、夏の天候不順により昨年を下回り4俵だった。野菜はキュウリ、ピーマン、トマト、スイカ、トウモロコシ、大根、冬野菜など学年ごとに植え付けたが、今年はトウモロコシが収穫できず、収穫祭にポップコーンができないと児童が残念がっていた。
  • ワクワク農園の始まりは、早くから虫歯予防に努めてきた学校の取り組みとして「食生活を見直そう」という運動の中で、食品について学習が進められていた。その中で淡路島モンキーセンターにいる生まれつき手足が不自由なサルのコータのことを知り、児童会では、自分たちの手で育てた無農薬で安全なものをコータたちに食べてもらおうと、さつまいもの栽培をしたのがきっかけ。以来、PTAの協力も得ながら、児童と教師が毎年の社会見学旅行で、プレゼントや手紙とともに学校で栽培したさつまいもを淡路島のモンキーセンターに届けている。コータは平成2年に9歳の生涯を閉じたが、精一杯生きたコータの姿に子どもたちは命の大切さを学ぶことができた。それは今も引き継がれ、児童会では毎年命の集いが開かれ、命の尊さや生きる喜びについて考える機会が持たれている。平成4年には、心動かされた小原学区により、校内にモニュメント「命の像」が建てられた。地域でもワクワク農園の原点を忘れることなく、米や野菜を栽培する過程や、実り迎え収穫する喜び、あらゆる命の大切さを学ぶ農園として、学校、児童とともに地域を挙げて関わりながら、この取り組みが続くとともに、その想いが伝え続けられていくよう願っている。

 

(2) 日頃の活動の中で感じていること

  • 地域の自治会長も経験する中で学校の取組に微力ながら協力させていただいている。地域の皆さんから、学校の先生と同じように、地域の子どもたちに食育という形の中で技術など様々なことを教えていただいている。モンキーセンターにさつまいもを届け、命の大切さや、歯を大切にすること、ジュースも健康への影響を考えて選んで飲むなどの形で取り組んできたもの。
  • 平成11年に教育後援会を正式に立ち上げた。その際に、この事業をきちんと続けていこうということで取り組みをした。農業関係の肥料についても、市で生ごみをたい肥にすることをされており、学校の畑にそれらのたい肥を入れるというように、リサイクル的な形も学校で取り入れており、理にかなった環境問題を考える学校教育となっていると考えている。そのように学校の先生方と地域が一体となって、地域の子どもたちを育む姿勢が大事であると思っている。
  • 昭和33年にこの学校を卒業して、平成19年に新校舎が完成した時に校長として勤務した。その後、教育の経験から教育後援会に参加させていただいた。この新校舎改築に関しても地域の方の熱心な力添えがあり、これだけの立派な校舎ができたのも地域の方の尽力のおかげと思っている。地域の方のサポートを受けながら、子どもたちが、この学校で地域の方と交流して、農業の大切さ、食育の大切さを学んでいるが、高校、大学へと進むと小原に戻ってこないという現状がある。これは県全体でも言えるかと思うが、特にこうした山間地には戻ってくる魅力がない、子どもたちが魅力を感じられるものがないのかなという気がしている。小学校の6年間は一生懸命取り組んでいる。私が校長でいた時の児童が今日の行事にもたくさん参加してくれている。行事には参加してくれるのだが、結局、地域に住みつかないというか住みつけない。その辺りが我々大人としての課題ではないかと考えている。
  • 何年か前にこの学校に勤めていた。教育後援会というと、どの学校でも予算面で協力をいただく形がほとんどだが、最初に小原小に来たときには、教育後援会が学校教育にかなり浸透しているので、最初は少し違和感を覚えた。実際に勤めると地域全体が子どもたちを支えてくださっているので改めて見直した。夏休みに、保護者も仕事があって、子どもたちが勉強せず遊んでしまうということで、自治振興会を中心に、夏休みの学習教室ということで、地域在住の先生と学習会を開いた。新しい取り組みだと思っている。現在は低学年と高学年を分担して低学年を中心に勉強を見させてもらっている。
  • 教育後援会の役員をさせていただいている。自分の子どもがこの小学校を卒業して大分経つが、これまでは学校や子どもたちとの関わりがなかった。小原という地域は、学校が中間にあり学校と子どもを中心としたイベントで小原の住民として一つにまとまるので、一緒に楽しもうということでこうした行事が発達してきたと思う。小原として何かやろうとしてもお金がないので、どのように集めるかということで教育後援会ができた面もある。自然の中にいる子どもたちと我々が手足の不自由なサルに無農薬のサツマイモを届けようと取り組みが始まった。当時の状況と今を比べると、その当時この辺りにサルはいなかったが、今はサルが出て悪さをしたり、通学の子どもとの事故が起きている。農業をする人はサルで困っている一方でサルのエサを届けている。そうした現実との矛盾も感じながら、今後どのようなステップを踏んでいくかも模索しつつ取り組みを続けている。
  • 特に感じるのは、少子高齢化の波により、信楽に21区あるが高齢化率40~50のところも出てきたことが心配。私の地元も子どもが少ないことを危惧している。高齢化も含め、一人暮らしや高齢の夫婦の世帯が増えているので、地域として見守りの体制や仕組みをつくっていく必要がある。また、災害対策、特に河川のことで県の協力もお願いしたい。地域社会をつくっていくには人権問題への取り組みも大事。
  • 信楽町全体のことになるが、第2名神のインターチェンジができてありがたく思う。しかし、その後、国道307号線の交通量がかなり多くなり朝夕渋滞する。国道307号線のバイパスの建設がないと朝夕の渋滞が続くので、建設をお願いしたい。また、農業に関して、規模拡大が国の方針だが、この地域は中山間地域で、規模拡大しても田の土手の面積が多くなり草刈りに労力がいることなどから、規模拡大はなかなかできにくい。野菜物はサルの害でほとんど作れないので稲作ならなんとかなるが、平野のような規模拡大はここでは無理があると感じている。
  • 一番危惧しているのはこの地域の後継者について。自治会や自治振興会などの役員を受ける人がいなくなることが心配。自治会役員などは無報酬でなり手が少ない。見守り隊などをやろうと思ってもお金も人もいない。黙っていても人は寄ってこない。3回も4回もお願いするくらいの熱意がないと受けてくれない。
  • PTAとしてまず考えることは子どもの安全。新聞やテレビで子どもが巻き込まれる悲惨な事件、事故がたくさんある。1年くらい経つと事件の記憶も薄れて行くが、それではいけないと思う。事件事故を教訓にして、自分たちで考えられることを考えていくべき。幸い小原学区は、地域の皆さんが協力して子どもたちの安全にも目を配ってくれているので恵まれている地域だと思う。記憶に残っているのが同級生を殺害した事件。ニュースを見ると命の大切さの教育もしっかりしていながらそうした事件が起きてしまったとのことで、これは本当に残念なことだと思う。そうしたことをもっと考えていかなければならない。ワクワク農園や体育祭などを子どもたちが楽しくできるよう支えるのもPTAの役割と考えている。
  • PTAとは別に教育後援会がある。学校の予算はどうしても少ないので、地域の人が寄付をして、学校の予算で足りない分を使ってもらっている。強制ではないが子どもを持つ親以外に一般の家庭からも、学区内の人はほとんど会費として払ってくれている。会費は千円。ワクワク農園や収穫祭で使っている。

 

(3) 子どもたちの生きる力、学ぶ力を育むためには

  • 一時期、詰め込み教育への批判からゆとり教育になり、その後、世界的なテストで日本の得点が低かったため、今度はゆとり教育の見直しが言われ始めた。それよりも、100点よりも50点とった子がどういう努力をしたか、学習に対する取り組みにどれだけ力を入れているかが大事だと思う。それをサポートするのが学校だが、先生にゆとりがない。
  • 30年前からこの学校では、PTAも地域も一体になって食の安全の取り組みをしている。
  • この学校の職員がたまたま旅行で淡路島モンキーセンターに行き手足が不自由なサルを見た。それが食、飼料に起因するのではないかと考え、農薬を使わずにさつまいもを栽培して送ってはどうかと考えたことが取り組みの発端。
  • また、肥満した子どもが見受けられるようになり、子どもたちが食について考える必要性を感じたことなどが、今日のワクワク農園の取り組みにつながっている。
  • キュウリも曲がっているとキュウリ扱いされない。野菜は形で判断されてしまう。学力も点数だけで判断されるところがあり似た部分がある。これを根底から変えていかないと、学習に対する考えも食に対する考えも変わっていかないのではないかと思う。
  • 図書館関係の役員もしている。昔、旧信楽町には図書館がなかったので、図書館をつくろうという仲間に入った。いきなり要望しても作ってもらえないので、各地域に「子ども文庫」を作り、本を寄付してもらい集めていった。この文庫の取り組みからもっと本を揃えようということで、その後、公立の図書館ができた。人の良さは点数ではわからない。我々が生きている間は、地球からすればものすごく短い、その中で良いことを言った人もあれば苦労した人もある。そうしたことを読書で体験できる。基本となるものは読書であることを皆さんに言いたい。しかし、他府県では管理する司書の予算がつかないので学校図書館を閉めているケースも聞いている。
  • ある本に、行政や企業もゲーム化してはどうかといものがあった。仕事などにゲーム感覚を取り入れる。例えば、ミスがなければ表彰するなど。すべての日常業務で、行政、学校などでもゲームの面白さを取り入れたらどうか。
  • 学力は高いにこしたことはないが、学校で教える教育は、様々なことを自分で学んでいく力をつけるための教育だと思う。自分が勉強していく力をどの分野でもつけていけるように学校教育をしていくべきではないか。その結果が学力。学力が高いとされる福井県や秋田県は、様々な条件があると思うが、家族が3世代であるとか、地域の行事に参加するとか、少し都会の子どもたちと違うところがあると思う。民生委員をしているが、老人クラブの方と話をした時に、老人クラブの方は健康寿命を上げるために、外に出て、もっと人と関わりを持ってくださいとお願いした。その時に子どもたちの例を出した。子どもたちも地域の行事に参加して、お年寄りから食や住など様々なことを学んでいく力がつく。お年寄りももっと地域へ出ていけば、子どもや若者と交わることで生きがいを感じられるし長生きにもつながる。まったく別のものではないというお話をした。小原地区は有り難いことに、地域の行事を地域ぐるみでやっている所が多い。子どもたちの学力も高いと聞く。やはり机上の勉強だけでなく、外へ出て畑で作業することが力になっている。ワクワク農園のサポーターの方は地域から出て来て、小学校1年生と2年生と畑の仕事を一緒にして、種の植え方や土の量を教えてくださっている。その中にいろいろな会話があり、学ぶことがある。
  • よく言われるが、氷が解けると水になるという答えは正解になるが、氷が解けると春になるという答えは正解にはならない。このような多様性を認めることも大切ではないか。
  • 私の子は結婚して東京に住んでいる。盆と正月には帰ってくる。東京にいるが、今年は稲刈りに帰れないと連絡してくるところは良いと思う。その季節には帰ってこないといけないという思いがある様子。それはこの学校でやったワクワク農園のおかげかと思う。
  • 田畑に入れる水のことから、水の尊さや、水を汚染してはいけないこと、そのために肥料も考えることにつながる。単に食育ということではなく、自然環境についても、地域の人が学校の先生とは違う地域の教育者として教える、そういうことが育まれてきて、この教育後援会の取り組みが今日まで続いてきたと考えている。知事のお話にもあるように個々の力をバランスよく見ていく教育も必要ではないかと考える。

知事から

対話を振り返って

  • 教育後援会で学校を支援する仕組みは大変心強いものと感じる。
  • 各方面から学力、学力と言われる。小学6年生と中学3年生で全国学力テストをしたところ、滋賀県は正答率が全国平均よりも低かった。私はそれだけが学力なのか、それだけが生きる力なのかと問いかけ、右往左往せずどんと構えましょうと申し上げている。学習状況調査に目を向けると、滋賀県の子どもたちが置かれている状況がわかる。スマホやテレビを見ている時間は全国よりも多い、しかし、地域活動には全国の子どもたちよりも参加しており、非常にいいことだと思う。ただ、気になったことは、小学生、中学生とも、学校の先生は自分のいいところを認めてくれていると答えた子どもの数が少なかったこと。
  • 私は「学力」に「ぶ」を入れて「学ぶ力」がどうなのかという見方をしませんかと協議の場などで問いかけている。こういう視点で見ると、家庭ではどうか、前は30点だった子が50点になった、この努力をどう見るかが大切。算数や国語などの教科に関心があるか、この教科は世の中の役に立つかなどを尋ねる調査でも、関心の度合いが全国平均より低い。そういうことが学校や家庭でも少し教えられていないのではないかと考えている。そういう意味で、皆さんのお話を聞いて、食について、体、命、健康に対する害も含めて、地域、家庭、学校で教えていく取り組みは素晴らしいと思う。こうしたことが県内でも広まればと思う。命とは何か、食べるとは何かは原点だと思う。こうした切り口でいくと、学校だけでなく地域、家庭も重要になる。
  • 滋賀でつくった「みずかがみ」というお米のPRに京都に行った。これはおいしい、食味ランキング特Aと説明しても会場の反応は少なかったが、これは環境こだわり米で、琵琶湖の水を思って農薬や化学肥料を半分以下にしていると説明すると、ほとんどの人がそれはいいと言って、多くの人が買ってくれた。野菜はできるだけ健康に害のないもので、少々虫食いでも、曲がっていても構わない、そういうことが少しずつ見直されはじめている。そういう所に滋賀の農産物の価値を見出してブランド化することは、この信楽でもできるのではないか。
  • 私も図書館は大事であると考えている。学校図書館、地域の図書館を良くするよう頑張ってやりたいと思っている。学校の図書館が十分に使われていない所がある。
  • 来年の県の全国学力テスト結果を平均以上にするための模擬試験を考えたりすることは、本末転倒になる。このように流れず、急がば回れで、子どもたちが地域の人との触れ合い、土を触るなどいろいろ体験をしてみて、興味、関心を持って勉強がおもしろいと思えると、また次につながっていくと思う。
  • これからは農業、食が重要になる。自分で食が作れることは素晴らしいこと。そうしたこれまでと違うものさしを滋賀県が持つことで、子どもたちにとっても良くなっていくのではないかと思う。そのことが、すべての人に居場所があって、認められていることにつながる。
  • これまでは画一的なものを求め、計りやすい数字で計ってきた。これからは数字にならないものさしや、一様でない人々をいかに認め合い、支えあうかが重要。滋賀県は、そういう地域だと思う。糸賀先生はじめ、近江学園での、障害があってもその子の持つ力を活かしてその子らを世の光にしようという運動や、環境を汚さずに生産活動をしようという取り組みなどは、滋賀が誇る市民運動の原点だと思う。
  • この滋賀の知恵と力を、日本と世界の問題の解決につないでいけるとよいと考えている。信楽、小原からも声を上げていただきたい。このワクワク農園の取り組みなどは、子ども達に必ず根付いていると思う。すぐには還ってこないかもしれないが、子どもたちが成長し子どもが生まれ時に、戻ってこようと思う人はこれから増えてくるのではないか。