コロナ禍において、児童等への感染リスクを抑えるための工夫や課題、今後の取組、加えて、喫緊の課題となっている保育人材の確保・育成・定着のために必要となる取組等について、知事と意見・情報交換いただきました。
※会場入口での検温・消毒、空気の入替え、フィジカル・ディスタンスの確保等、感染症対策実施のうえで開催いたしました。
●本来であれば、まだ園で子どもさんを保育していただいている時間帯。皆さんの貴重なお時間をいただいて感謝申し上げる。
●私にも3人子どもがおり、3人とも保育園でお世話になった。色々相談に乗ってもらったり、やんちゃしたり、大変でしたが保育士さんのおかげで小学校に入るまで成長させていただいた。
●お世話になった保育園とは、今も妻が行事や運営等に関わらせていただくことがあり、やはり保育士さんは大変だと思うが、子どもたちを目の前に、とてもやりがいのあるお仕事だと聞いている。
●また、それに見合うだけのいろいろな処遇が十分追い付いていないという課題等も聞いている。また、最近、私たちもそうであるように、お父さんやお母さん、お家の方も余裕がなかったりで、色々なことが保育士さんや保育園にぶつけられたり、投げかけられたりというようなことがあるようにも聞いている。
●特にこのコロナ禍においては、マスク等の感染症対策をとりながら子どもたちに対応していただくということで、本当に保育士・保育園の皆さんも、いわゆるエッセンシャル・ワーカーとして、なくてはならないお仕事をしていただいているということに心から感謝申し上げる。
●今日は限られた時間であるが、皆さんのお仕事現場の様々なお悩みの一端をお聞かせいただき、しっかり改善に取り組んでいきたいと思う。以上、お誓い申し上げ、お礼申し上げて、私の言葉とさせていただく。どうぞ、今日はよろしくお願いします。
Aさん
○滋賀県保育士・保育所支援センターに務めている。仕事内容は保育現場の人材確保と継続支援であり、人材確保では就職フェアを年に3回させていただいている。最初からではあるが、人材確保というのは至難の業だと思っている。
○保育現場に対して私どもが支援すべきは、まずは「継続的にお勤めいただく」という部分と思うが、若い方の離職も多く、様々な職場の方に支えていただきながら、こちらとしても頑張りどころかなと思っている。
○今は大学生だけでなく、高校生の頃から保育現場の現状を伝えるため、出前講座で県内の各高校を回らせていただいている。手応えは感じているので、そういった方々をぜひとも保育士の道へと頑張っているところ。
Bさん
○大津市内の民間園で主任保育士をさせていただいており、よく県庁までお散歩に寄せていただいている。
○滋賀の地に生まれ、養成校を出てから、私たちが働きはじめた頃は就職難だったので、保育士になれたことがすごくうれしく、よく「大変やな」と言っていただくが、こんな幸せな仕事はないと思って働いてきた。今の若い人たちも楽しいと思って働いていただけるようになればと考えている。
Cさん
○高島市の認定こども園に勤務している。
○私は公立の保育園、そして制度改正に伴い認定こども園で、長年いろんな子どもたちや保護者の方とお出会いをさせてもらってきた。私が就業した時代は、まだ保母という職名であった。
○高島市も保育士不足であり、中堅職になり、しんどさを抱えて離職される先生もいらっしゃる。日々色々な子どもたちから感動をいただいているので、そこをたくさんの先生方に感じてほしいなと思いながら、今の仕事を続けている。
Dさん
○竜王町の保育園に勤務している。当初出身の京都府で幼稚園に勤めており、7年前に保育園に転職した。保育士としては、まだまだ未熟で勉強の日々を送っている。
○7年目ではあるが、保育園では副主任という大役を授かっている。ということはやはり、それだけ人不足であるのだとも感じている。
Eさん
○草津市内の保育所で副所長を務めている。本日は現場の状況、思い等を聞いていただけるという本当にうれしい機会だなと思っている。
○自分もかつては健康と体力だけでこの仕事ができると思っていたし、子どもが好きという気持ちでこの仕事に就けたかもしれないが、お母さんやお父さん、先生方も色々としんどい状況で、保育現場が回っているのが現状だと思う。
○それらを支える繋がり等について、皆さんと一緒に考えられる時間になるとうれしく、そういうお話を知事にも聞いていただけるとありがたい。
Fさん
○大津市の保育園で働いている。養成校を出てから保育士として働いて15年になる。当時は、自分をはじめ、男性保育士は園で1名いるかいないかくらいの存在だったが、現在は大津市で男性保育士が15人、園に2、3名いるところもある。
○体力面で3~5歳を任されることが多いが、5歳児の男の子が将来の夢を語るときに、「保育士になりたい」と語ってくれ、自分の存在がその子の職業の幅を広げてくれたという点ですごくうれしかった。
Gさん
○彦根の保育所で保育士として務めており、経験年数は7年である。
○勤務先は自分にとって母園であり、私の担任だった職員もまだ現役で働いており、ほとんどがベテラン保育士で、保育士歴20年以上の職員が半数以上を占めているが、それも当園の魅力であると感じている。
Hさん
○近江八幡市の認定こども園に勤務し、経験年数4年である。
○大学がスポーツ大学で、中高の保健体育の教諭を目指していたが、「身体の動かし方は子どものころが大事なんだ」と思い、大学に通いながらも短大に通った。その後、幼稚園免許を取ってから、勉強して保育士の資格を取らせていただいた。現在はすごく楽しみながら保育をさせていただいている。
○子どもたちは、身体の動かし方のこつを少し伝えただけで、もうできるようになっている。子どもの「出来た!」という達成感をそばで感じる機会が多く、子どもたちが意欲的に楽しみ、遊んでいる姿を間近で見ることができており、毎日が楽しい。
Iさん
○大津市内で保育士を務めている。今年3年目でまだまだ未熟なので、毎日が新しい発見ばかりである。
○今年から初めて0歳児の一番小さなお子さんのクラスを持たせていただいている。いままでが2歳、3歳だったので、0歳児は全てが初めての経験をされる子どもさんばかりで、こちらも新しい発見が多く、子ども達の成長をより大きく感じて、毎日楽しく働いている。
Jさん
○大学を卒業し、民間企業で営業として働いた後、男性保育士となり、丸2年となる。
○保育士として子どもと関わりたいという単純な理由で転職してみようかなと思い、当初は資格がない状態で勉強しながら働かせてもらうことになった。
○当然ながら営業と保育園は全く別物であった。営業時代は売れた分給料が上がったが、現在はお金に換えられないような感動を子どもからもらっている。営業とはまた違った感覚で、転職してよかったなと思いながら働いている。
Fさん
○保育士は、いわば「顔面」勝負のところがある。顔面が商売道具で、乳幼児期に言葉の理解とかが難しい子どもたちにとは、笑っているとか、怒っているとか表情を通じてコミュニケーションをとるが、マスクをしながらそういった部分を伝えるのはすごく難しい。
○当園では、マスク等と比べると感染対策として少し劣るかもしれないが、各クラス一人だけマウスシールドをして、保育を進めさせてもらっている。
○(実際にマウスシールドを装着し、)こうして少し話しただけでも飛沫が飛んでいることがわかり、完全な対策にはならないのだろうと思う。ただ、ソーシャルディスタンスは取らなければならないけれど、人と人とが関わる仕事、ましてや子どもであるため、心のソーシャルディスタンスは取ってはならないし、近くで子どもたちと関わってあげたいなという思いから、着用を認めてもらっており、全員が全員こうだと心配される方もおられるので、各クラスごとに保育を進める先生一人だけマウスシールドで対応させてもらっている。
○絵本を読む際も、すごく口を大きく開けたり、声を大きくしたりするが、やはり子どもたちは大人の口を見ていることがわかる。表情は、子どもの成長においてすごく大事なんだということを、このコロナ禍の中で感じた。
知事
●コロナ禍でどう子どもたちと接するかという部分については、他の園でも共通の課題なのではないか。
Eさん
○当園でも、0、1歳の乳幼児のお部屋に行く時だけはマウスシールドを使うようにしている。
知事
●いずれは着けなくてもいいようになるのかもしれないが、他にいい方法を採用されている方はいらっしゃるか。
Gさん
○乳幼児については、子どもとの距離が近い分、触ったりされる機会も増える。マウスシールドについては、プラスチックという面で怪我の恐れもあり、当園では採用していない。
○マスクの状態であるので、絵本の読み聞かせ等は、いかに声量を変えたりして伝えることができるかで頑張っている。
Aさん
○必要ではあるが、保育士が全員マスクをしている光景も奇妙というか、子どもの育ちとして大丈夫なのか、心配になることはある。
知事
●顔の鼻から下が見えない状態でコミュニケーションをとりながら育った子どもと、そうでない子どもとでどういう言語認識をするのか、表情に差が表れるのか、将来的にはそういう研究成果なんかも出るのかもしれないが、心配いただくのももっともであると思う。
○(散歩時のマスク着用について、「保育士は全員着用」「園児は着用せず」「園児は体調不良の場合のみ」といった意見が出る)
Fさん
○0歳~5歳児にはマスクの管理がまだ難しく、逆に不衛生になったりする場合が多い。自分である程度管理できるのが小学校くらいからになるのかと思う。
○夏場は、逆にマスクを着けていたら熱中症の危険性が増すとのことで、3歳から5歳でも外に出るときは外したりしていた。
Jさん
○保育園は節目で行事があり、運動会等の際にも職員全員マウスシールドは着ける。
○子どもとコミュニケーションをとる必要がある際、どうしてもマスクを外さざるを得ないこともあるのが現状。
Bさん
○今年の夏もすごく暑かったので、散歩や外に出ている時はマスクを外してもいいという方針を出したが、自分が感染するというより「移したら困る」「自分が第1号になったらどうしよう」という不安があり、結局暑い中でも、職員皆がマスクを着用していた。
○マスクだけに限らず、正しい知識と情報を速やかに提供いただき、極端な話、滋賀県下の保育園ではここまでオーケーという基準を出してもらえたら、最終は各園の判断にはなるだろうが、もう少し我慢せずに職務にあたれるのではないかとは思う。
○保育園は子どもたち、先生たち、保護者の方たちに加え、地域との関係性もある。
「あそこの先生、マスクを着けんと散歩に行っていた」といった見られ方をするのは怖い。
知事
●保育の協議会や学会等でマスクの着用に関するガイドラインか何かをつくった方がいいかもしれない。感染症禍で先生方が現場でどう子どもたちに向き合えばいいのか、戸惑っておられる先生が多いのではないかと思う。
Eさん
○行事開催の仕方は園によって工夫されているところが多いように思う。
○従来なら0歳~5歳全体とか、3~5歳のみで半日なり1日の運動会をしていたと思うが、今年は学年年齢ごとに入れ替え、スライド方式で1時間ずつの運動会にしたり、平日開催日に変えたり。一家族お二人までという人数制限をされているところも多かったようである。
○従来と違うルールを各園で協議し、保護者の方々にご理解とご協力をお願いをしながらの実施となる。やはり、子どもの運動会を見たいというのが保護者さんの思いとしてある。
Bさん
○これまで当たり前にできていたことが、そうでなくなり、そこでちょっと立ち止まって深く考えてみるという機会にもなったのかなと思う。運動会等に関してはいろいろと工夫をしながら、今までどおりでないやり方で実施させてもらったが、保護者さんからも大きな苦情等はなく、開催されただけでもありがたかったというご意見を多くいただいた。中止だと覚悟を決めておられた保護者さんもいらっしゃった。
知事
●誰も経験したことがない状況における試行錯誤の中で、現場の皆さんにはご苦労やご負担をすごく掛けているのだろうなと思っている。
●色々なことが少しずつ分かってきた段階で、県としての考えや基準をわかりやすくお示しできればよかったかと思う。
Aさん
○そういう意味では「滋賀5分の1ルール」は大いに活用させていただいた。
知事
●「新しい生活様式」という単語がしきりに使われたが、大人でも経験がなく、伝わりにくいものであれば、子どもたちにとってはもっとわかりにくいのだろうと思い、大学生から小学生、また、保育園の親御さんにアンケートを実施したら3万2000件ほど意見が集まった。
●それらを分析し、子どもたちの声による、子どもたちのための生活様式の指標
「すまいる・あくしょん」というものを子ども用、大人用で2パターン作成した。
●これは、コロナ禍において全国で初めて子どもたちの声を聞いてつくった生活様式の指標である。先程のマスクのこともそうであるが、人との距離の保ち方、接し方といったものについても新しいルールを作っていけたらと思う。皆さんも色々なところで活用いただきたい。
Gさん
○運動会等は先ほどから出た形式であったり、YouTube配信に変えたりといった感じで行事を進めてきたが、遠足に関しては他園はどうされるのか気になる部分である。
○当園においては、園内でウォークラリーという形式にしたり、貸し切りにできる施設に行かせていただいたりしているが、例えば5歳児は毎年京都市動物園に行っており、時期を3月に延期させたが落ち着くかわからず、そもそも園外に行って大丈夫かなということでまだ検討中である。
Fさん
○当園はまだ落ち着いている時期だったので、バス内をはじめ基本はマスクを着けながら遠足に行った。記念写真を撮る時だけはと一時的にマスクを外したが、保護者の方からそれに対しての否定的なご意見もいただいた。
○園としてはこういう現状で、表情とか心の距離といった部分は大切にしたいという部分は伝えさせていただきながら、保護者さんの声もしっかり受け止め、食事の際は机を離して食べるとか色々と工夫を進めているところ。
Dさん
○当園では、アクリル板までは設置していない。例年ならば当番制で子どもが配膳するが、それを保育士が実施しているというのが一番の変更点。
○これまで経験できていたことの機会が少なくなる中で、形を変えても経験させたいという思いがある。一つ一つのことを考えさせられるいい機会にもなるが、もどかしさもある。
Dさん
○おもちゃや施設の消毒という大きな仕事が加わったので、そこが毎日の一番のネックである。
○0~2歳児であったら毎日使ったおもちゃ等を降園後に消毒するので、延長保育で18時まで子どもたちを保育した後、勤務時間外に実施することが多い。仕事のボリュームとして一番増えたのはこの消毒部分だと思っている。
Iさん
○当園では、消毒ボックスというのを設けている。特に必要なものについては、そのボックスに入れて分け、時間を見つけて消毒するようにしている。
○精いっぱいやってはいるがどこまでできているか、ちゃんと子どもたちを守れているかという不安はある。
Bさん
○一方で、マスクと手洗いを徹底するようになったおかげでか、病気は流行らなくなった気はする。手足口病がその代表であり、溶連菌とかプール熱にも言えること。
○保護者さんも健康観察を丁寧にされるようになったように思う。園の生活の中での健康管理は今までもしていたが、ご家庭も含め、より丁寧になったという部分はある。
知事
●いつもこの時期に流行り出すインフルエンザも今のところそんなに流行っていないというデータもある。たまたま今年のインフルエンザが弱いのか、皆が対策しているからかはまだわからないが、注視していきたい。
Eさん
○コロナの検査(PCR検査等)対象者に職員の家族がなった場合でも、濃厚接触者と判断された当該職員が出勤できなくなるということが立て続けに(2週間の間に3人ほど)出たという事例がある。本当に園が回っていかないという現状が起こってきている。
○陰性だから大丈夫と言われても疑陽性かもしれないから1週間自宅待機とか、そういう事態が近隣の園でも起こっている。もちろん休んでもらうべきだが、そうなると残りの職員がいつも以上の仕事量とか事務量に追われ、精神的な負担もあり、かなり苦しい状況となる。
○例えば、隣の園からサポートに来てもらうといったネットワークみたいなものを構築できないか、今現在考えているところ。
○きっと現場によって色々な状況があると思うので、どういうところにどういうネットワークを構築できればお互いに助け合えるか、今のうちに構築しておかないと。職員が共倒れという状況は防がないといけないという危機感は持っている。
知事
●それはすごく大事なこと。実は同じ悩みが介護の現場にもあり、地域ごとに、いざというときに助け合うというネットワークを作った。どこかで感染者が出たり、クラスターになったら応援するというシステムを介護現場で作ってくださったので、同様のものを、例えば地域の保育園等で作っておけないだろうか。この機に、例えば保育園と幼稚園もちょっと垣根を越えて付き合えるようになれば。滋賀県でそんなモデルを作れたらいいな。
(「第72回 こんにちは!三日月です 滋賀県内の介護事業者の皆さんとの意見交換」参照)
●コロナに限った話ではなく、ちょっと病気になってもお互い助け合えるとか、ライフイベント、妊娠、出産、家族の介護、そういう時にも滋賀県なら気兼ねなく休めるという雰囲気になれば、一つ仕事の魅力にもなるかもしれない。
Aさん
○インフルエンザの予防接種について、小さい子どもたちにも関わっているし、接種しておくに越したことはない。看護職等には補助金が出ていたりするので、保育士にも出るべきであると思う。当事者としては、半ば義務的のようなものなので。今年はコロナ禍でもあり、予約もできにくく、優先接種や補助金的なものもあってもいいのかなと思う。
○園から補助が出るところもあるが、今年はまだ受けられていない職員も多いようである。
知事
●今年はこれまで以上に公費を投入し、65歳以上の方や持病のある方に予防接種をしてもらうように推奨しているので、ワクチン等も例年以上に足りないという状況にある様子。
●実は、医療・福祉現場でお支払いしたような慰労金を、リスクと戦いながら子どもたちのために仕事をしていただいている保育士の皆さんを対象にできないかと国に対しても求めているところ。
知事
●ただ、コロナに限らずそもそもの処遇の面で様々改善できないかという点は、この前も国に申し上げてきたし、機会があるごとにお伝えしている。やりがいがあるお仕事であり、皆さん子どもたちが好きで、楽しく働いてくださっているということだが、そうはいってもそれに見合うだけの処遇をもう少しもらえないかなと思う。
Aさん
○保育士のイメージは、小学生くらいでは人気ランキングの3位くらいに入るのに、年齢を重ねるうちに徐々に下がっていくのは何故かなと思っている。周りの大人に、あんな大変な仕事に就くのは止めておけ、といった忠告する人もいるよう。
○子どもの成長にずっと関われる、こんなに素敵なお仕事もないので、イメージを上げて、より多くの人が保育士になってほしいなと思っている。
知事
●僕もぜひそうなってほしいと思っている。例えば、さっき申し上げた処遇のこともそうであるが、滋賀県の保育士さんのことを考えてくださっている保育園のため、「ほいく“しが”スマイル♪認定制度」というものも作った。これは行政だけで作ったのでなく、先生方(関係者)にもご協力いただいてみんなでつくった制度。
●これに、さっき言った助け合いの制度とか、さらにもっと何かできないかを一緒に考えて、滋賀で保育士として働く魅力を高めていけたらいいなと思う。
Bさん
○保育士になられたばかりの保育士にも色々と手厚い対応をしてくださっていると思うが、ある程度経験を積み、これから一番頑張っていただきたいという、10年目を迎えようかという人たちの離職率がすごく高い。「少し落ち着いてきてゆっくりしてみたい」「自分探しを」という人がすごく多く、そういった人が現場を離れると、せっかく夢を持って前向きにがんばろうという若手にも負担がかかってしまう。
○そういった方々を、もう少し公的に慰労できる制度があれば、10年目くらいでの壁を乗り越えられたら、やりがい等も背負えるようになると思う。
知事
●それってすごく大事なことだと思いながら今の話を聞いていた。10年目ぐらいというと、大学や短大を出て働き始めた方であれば29歳、30歳ぐらい。ご結婚、ご出産を迎える方もいらっしゃり、改めて人生について考えるという人が多いのかもしれない。
●いま担当の方で保育士さんへの感謝事業というのを色々考えてくれている。どういう方を対象に何ができるのか、詳細を詰めている段階かと思う。
Aさん
○ぜひ知事にも保育園に行っていただき、保育士さんの体験をしていただければ。
知事
●現場に入ってご苦労の一端を感じられるなら、そういうことも大事かと思う。
Fさん
○先ほど、「10年目」についての話があったが、私自身、保育士になって16年目であるが、このポジションの人間は保育のすごくつらいこと、楽しいこと、面白さ、奥深さも知っている。
○現在は、「しんどい」部分が世間的にも先走り、離職率の高さ等が前面に出ているが、私自身はこの仕事に誇りに持っていて、こういう中堅が若手に、「つらさの後にこんな感動がある」といったことを伝えていくことができればと思う。
○そういった部分も、ベテランの保育士さんが若手に伝えると、萎縮される方もいるので、ベテラン・若手のどちらの立場の気持ちも分かる中堅層がパイプ役になり、魅力を伝えていかないといけない立場だと考える。
○「滋賀県保育ダンディズム」という熱い思いを持った中堅の男性保育士が繋がっているプロジェクトもあり、もっともっと保育に関する魅力を発信していこうとしているところ。
知事
●そのような取り組みは本当に素晴らしい。同年代の人が仲間を組み、色々なところに出掛けていったり、機会を通じて発信したりといった輪広がることにより、滋賀県の保育士さんって元気な人が多いな、楽しそうだなと感じてもらうことにも繋がると思う。