令和8年4月1日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
新年度になった知事からの挨拶につきましては、先ほど新館7階の大会議室でウェブ中継もしながらさせていただきました。その時にお聞きいただいたとおりでございますが、パーパス、「琵琶湖とくらしを守る」、「三方よしで笑顔を広げる」、「豊かな未来をともにつくる」。このパーパスを再確認した後、くらしや社会のあり方、みんなでリ・デザインをしよう。ともいき、ともうみ、ともそだて、ともにいきる「健康しが」をつくろうということで、 6つの柱、そして北の近江振興プロジェクト、広域の視点、さらには業務の棚卸しをしようといったことを申し上げ、 3つの「アイ」を大事にしませんかと呼びかけました。いわゆる愛、ラブですね。人に対する、生き物に対する愛。支え合い、挨拶も大事にしようと。そしてアルファベットのI、「AI」を使おう。同時に使う人間について考えよう。そして「出会い」ですね。こういったことを申し上げました。また、その後行われました新入職員入庁のセレモニーにおきましても、こちらも御取材いただいておりますが、新社会人におくる言葉として、「自分の価値観を明確に大事にしよう」ということ、「変化を楽しもう」ということ、「人とのつながり、出会いを大事にしましょう」ということを自分に言い聞かせるつもりで申し上げました。
資料に入ります前にもう一つ、昨日、滋賀地域交通計画を、長い、深い、広い議論の末、策定いたしました。この計画の策定にあたりましては、多くの県民の皆さんの御意見をいただきましたし、県議会でもいろいろな角度から御議論もいただきました。たくさんのパブリックコメントもいただいたところです。庁内の照会も含めて、いろいろな御指摘もいただきました。地域交通計画となっておりますが、私たちのより良い暮らしについて議論してきましたし、新しいまちづくりということを志向するものにしてきたつもりです。ビジョンに基づく計画でございますので、この計画を、今年度早速実施、実行に移してまいりたい、また、計画の中にも触れておりますが、施策実施のための財源のあり方についても今ある財源、国からの財源等々有効に活用しつつ、新たな財源についても検討を深めていこうということにしております。今年度、早速路線バスなど充実させる取組を支援していきますし、昨年度も行って好評だったEV自動運転の実証実験。これは彦根市で。また琵琶湖文化公園都市エリアでの共同運行バスなど、皆さんに実感していただける形で様々な取組を進めていきたいと思います。
それでは、資料に基づきまして一点、ジェンダー平等債についてでございます。先ほどの訓示でも申し上げましたが、ジェンダー平等と多文化共生を大事にしていきます。そのうち、ジェンダー平等につきましては、パートナーしがプランに基づく取組を進めていきます。全国初となるジェンダー平等債を、男女共同参画週間に合わせた、今年の6月に発行をいたします。アンコンシャスバイアスをはじめ、地域社会、職場、様々な場面で未だジェンダーギャップが存在しています。それぞれ、一人ひとり、自分自身の希望する未来を、性別によって、もしかしたら諦めてしまったり、壁、天井があったりする人たちも多くいるのかもしれません。滋賀県では、性別にかかわらず、誰一人取り残さないジェンダー平等社会の実現を目指し、今年度、「パートナーしがプラン2030」を策定いたしました。このプランでは、男女間の賃金格差の縮小に向けた社会的関心を呼び込んで、理解と共感の輪の拡大を目指した具体的な数値目標を定めましたが、今回、その達成に向けた推進力とするため、地方公共団体では初めてとなる、ジェンダー平等債を発行するものでございます。地方債ですので、法的制約がございます。この法的制約がある中で発行いたしますジェンダー平等債は、目標とその達成状況に応じた対応をあらかじめ設定する「サスティナビリティ・リンク・ボンド」を採用いたします。一昨年から準備、検討してまいりましたが、今般、リンクボンドでの発行に必要な第三者機関からの適合性の確認が、おかげさまで得られたという情報が入りました。今回のジェンダー平等債は、先ほど申し上げたプランに基づきまして、「女性活躍推進企業認証制度」の認証企業数をその目標といたしまして、達成できなかった場合、本県のジェンダー平等に資する事業の財源となる基金に対して追加・拠出をするという条件を設定させていただいております。このジェンダー平等債の発行を機にですね、経済界、投資家の皆さんの共感や賛同と、「パートナーしがプラン2030」の取組を着実に進めることによって、先ほど申し上げた一人ひとりが幸せを感じることのできる滋賀を目指してまいりたいと思っておりますので、報道機関各位の御取材や御報道賜れれば幸いでございます。私からは以上です。
[中日新聞]
最初の訓示、御挨拶の中でありました3つの「アイ」につきまして、アルファベットの I が 「AI」 の I だということなんですが、具体的にはどのようなAIの活用というのを考えておいででしょうか。
【知事】
まず、かなりの範囲で、かなりの頻度で、生成 AI というのが広がってきている、使われているという状況が出てきましたので、いろいろな可能性を広げたり、選択肢を確認したりする作業の中で、活用していきたい。同僚として、時に隣人として、パートナーとして、仲間としてっていう、そういう使い方もあるのかもしれません。最近私の連れ合いも、私としゃべるよりAIでしゃべっている方が、 AIに聞いてみよう、私に聞くよりAIに聞いて、その後私に聞いてくれる、そんな感じもありますけれども、それぐらい多く使われている。ただ、使う人間のことを考えよう。じゃあ全部AIでいいねということだけではない、例えば人間の良さ、人間との付き合い、話すことの良さ、そういったことを再確認したり、充実させたりということにつなげていけたらいいなという思いで申し上げました。
[中日新聞]
いろいろな場面でAIを既にもう導入はされているかと思うんですが、今、県庁の中でのそういったAIの導入状況につきまして、どういうふうに見てらっしゃるのか、もう少し取り入れていこうだとか、まだまだだというところだとか、どうでしょうか。
【知事】
まだ試行と戸惑いの域は多いのかもしれませんが、例えばいろいろな資料をつくったり、また、様々な文章をつくったり、例えば議会の答弁などについても、ベースとなる部分をAIに委ねたり、そういった作業は今もうすでに入ってきています。また、私が知らない事務の場面、場面で活用事例というのもあるんだと思います。だから、相当広がってきている。知事挨拶の原稿なども、そのとおり言うことは少ないんですけど、結構使っているのかな。原稿とか答弁の基になる部分をAIにつくってもらったりするということもあるのかもしれません。
[中日新聞]
その一方で人も大事にするというのはすごく大事な視点だなと思うんですけれども、そういった業務効率化に使いつつ、AIというのは補助的な感じなのか、同僚としてというと、ある程度かなり重用していくのか、今後はどのような。
【知事】
両方でしょうね。まず、どこ行こうか、何しようか、どう答えようか、どんなものがあるのかなといういろいろな調べに対しては、検索ということをしますけど、もうその検索が、入力によって出てくるものが、相当質の高いものが、こんなことまで出てくるのかということまで出てきますよね。なので、大いに活用しながら、例えば業務を効率化したり、充実させたりということにつなげていければいいと思っていますし、おっしゃったように、私たち人間、生きていること、ともに生きることの大事さを今一度再確認するツールとして、そういうAIというもので学んでいく、考えていくという視点も大事にすべきではないかなという意味で、3つのうちの最初に愛を持ってきて、最後に出会い、AIは真ん中の一つという、そういうことで、年明けからずっと4月に何を言おうか考えていました。
[中日新聞]
もう一つ、訓示からなんですが、公共施設の総量を考えていこうというお話がありました。マネジメントについては、いろいろ議会の委員会でも出ていたかと思うんですが、そういった総量についてはどのように今お考えでしょうか。
【知事】
これは、おっしゃったとおり、議会でも、あれもつくる、これもつくる、この規模でつくる、一体どれぐらいつくるんだいということですとか、数多御要望のある、例えば道路などについても、当然、やるべき事業は着実に進めていくのですが、同時に、つくってきたものを持っていく、メンテナンスしていくということもありますし、人口が減少する中で、いろいろなインフラの総量というものにこれまで以上に着目し、考えていかなければならない期間に入っていくと思います。そういう意味で、そこもやっぱりリ・デザインしていこうじゃないかと。橋とか、道とか、こういうものをどれぐらい持ち続けますか。1つつくれば1つなくすということができるのか、できないのか。そういう視点で申し上げました。すぐに全てなるとは思いませんが、新年度、リ・デザインの初年ですので、その問題提起を強くさせていただいたということです。
[中日新聞]
2050年を見据えた次の四半世紀に入っていくということで、やはりますます人口減少であったりとか、施設の老朽化も進んでいくということで、そういった動静を踏まえたところで、公共施設についてもやはり真剣に考えていく時期に入ったという、そういうことでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおり、様々な変化、もしくは人口が減少していきます。人口が減少しても、豊かで幸せな社会、滋賀をつくっていきたいと思っていますが、ただ、限りある資源を有効に活用するという視点。財政もそうですし、いろいろなメンテナンスにかかる人材、仕事の分担というようなことも考えながら、総量についても今一度見つめていこうじゃないかという視座です。
[日本経済新聞]
2つお願いしたいです。1つは、今日の年度初めの知事の挨拶の中でも、四半世紀後になる2050年のリ・デザインについてのお話になっていたかと思うんですけれども、知事としては、将来の滋賀県のあるべき姿として、どういったリ・デザインというものを具体的にイメージされているのかをお伺いしたい。もう1つは、今発表がありましたジェンダー平等債について、これ要するに、認証企業数の目標を定めて、未達であれば、その数字に達するために、この基金のお金を使って支援を強化していくというものかなというふうに思ったんですけれども、いずれにしましても、これは民間企業側の努力にかかっているというところがかなりあると思うのですが、一番いい姿だと、追加の資金拠出がなくて済むというのが一番いいジェンダー平等債の使い方なのかなというふうにも思いました。そういった意味で、この計画を達成するために、民間企業がすべきことを県としてどういったサポート、支援をなさっていくのかというのを具体的に教えていただければと思います。
【知事】
まず後段お尋ねいただいたことから申し上げたいと思いますが、ジェンダー平等に向けて、様々な企業をはじめとする社会の理解と共感を得て取組を進めていくということ。したがって、1つの目標である女性活躍推進企業認証制度、三つ星、二つ星の企業をほぼ倍にしようという。認証条件をクリアして高い取組をしていただく企業数を増やすということは、ジェンダー平等に向けた様々な取組が多くの企業で進むということになりますので、県としても、いろいろな企業の取組を側面的にサポートする。例えば、いろいろな専門資格者を企業に派遣して、中小企業であっても取組しようとするところを応援して、星のないところが一つ星に、一つ星が二つ星に、三つ星にということを応援していくような取組を今年度から本格的に行っていきます。併せて、このジェンダー平等債を発行することで、社会的機運を盛り上げていけるような取組にしたい。あとジェンダー平等債の使途についても、議会でも多く問われていましたので、様々な検討をして、基本的にこの「サスティナビリティ・リンク・ボンド」は資金使途の特定は必要ないとされているのですが、やはりこのジェンダー平等の目標と関連が強い使い方が望ましいんじゃないかということで、女性活躍推進企業認証制度の認証企業が受注されるような工事に調達した地方債の財源を充てるという仕組みを、今考えていますので、これも1つの企業さんの取組のサポートになるんじゃないかなというふうに思っています。
あと1つ目に問われた、2050年、どういう部分でリ・デザインしようとしているのかということについてでありますが、くらし、社会、あらゆる面で、例えば医療もそうでしょう、教育もそうでしょう、今般、新たに計画をつくってスタートする交通などもそうだと思いますし、憩いの空間・機会である公園、滋賀は「THEシガパーク」ということで、今、全体的な底上げをしようとしていますので、例えばそういうこと。縮んだとしても、人が減ったとしても、幸せを実感できる。そういう地域のあり方を志向しようとしています。また、琵琶湖という大きな恵沢を私たちはお預かりしていますので、山、川、里のつながり、また生き物のつながり、そういう意味で持続可能な共生社会をつくっていこうということを申し上げておりますので、そういったことごとについてのリ・デザインを皆さんと一緒に考えていけたらいいなと思っています。
[NHK]
交通計画について、いろいろな議論がある中で昨日策定されたということで、冒頭も少しお話しいただいたんですけれども、策定に当たっての受け止めと、どういった暮らしを計画に基づいて施策を実行することで実現していきたいか、そのあたりを改めて教えてください。
【知事】
誰もが行きたいときに行きたいところに行ける地域、社会、滋賀をつくろうというビジョンがあります。そのビジョンに基づいて、しからば、どの地域でどんな移動交通モードをつくるのか、守るのか、充実させるのかということを記したのがこの交通計画です。私たちの日々の暮らしにとって、一人ひとりの暮らしにとって、とても大切な、なくてはならない交通を、今よりもより良くしていくための計画をつくることができました。議論の末、いろいろありました、いろいろな御意見もありましたけれども、御意見いただいた上でつくることができましたので、これは大きな推進力になると思ってますし、推進をしたいと思います。市町、事業者と連携して、具体的な取組が、「あ、なんか動いてきたな、変わってきたな、ようなってきたな」と感じていただけるようにしようと思っています、受け止めとしては。あと、やはり、守るだけではなくて、新しい取組ですね。デマンド、自動運転などなど、こういったものも、安全を確認しながら実験を積み重ねていって、社会実装できるようにするということですとか、交通については市町が、市民、町民の皆さんとの対話の中で様々な取組をしようとされておられますし、デスティネーションキャンペーンということで言えば、今年度、来年度、大きく人が来られる、また人に来ていただける滋賀をつくっていくという意味で、軸となる交通モードだけではなくて、二次交通、その網としての観光地に行く、様々なところを周遊する、こういったことが改善されるような施策を、この計画に基づいて実施、実行していきたいというふうに思っています。
[NHK]
市町のことで言いますと、先日の市長会で、大津市の佐藤市長をはじめ、交通計画に当たっての負担部分について、いろいろな御意見が出たと思います。原案からこの策定版を見ると、原案のときに書いてあった「市町で賄う財源割合が未決定であることを踏まえ」といった文言が、「県事業の補助率が未定である」と少し変わっています。市町の言葉を削ったのかなというふうに受け止めたんですけれども、市町との連携については、今後どういうふうに進めていくのか、少しやりとりに齟齬があったりしたのかなというふうに思ったのですが、知事としてはどういうふうにお考えでしょうか。
【知事】
市、町もとても強い期待、また、問題意識を持って、この計画を御覧いただいて、ギリギリになってしまったんですけれども、お示しした際に、まだ決まってないこととか、不明確なところを、県の計画であるにもかかわらず、市町のことを規定するかのような書き方ということに懸念が示されたと受け止めていますので、修正してつくらせていただき、掲載させていただいたということです。ただ、日常の暮らし、移動、交通を考えようと思えば、より良くしようと思えば、やはり市町の事業、市民、町民の皆さんの意識や御利用、これはとても重要ですので、当然、いろいろなところで市町との連携はやっていきたいと思っています。早速、担当者にも、これまでやってきた対話の機会を市町ごとにやることも考えようということで、新年度早速ですが先ほど呼んで、検討するように言いました。本当は早くやりたいのですが、選挙のためにやっているのかと言われても少し違うので、そのあたりの時期も含めて、やり方も含めて、慎重に、丁寧に検討させていただきたいと思います。
[NHK]
最後に交通税について、計画とセットで必ず出てくると思いますけれども、交通税については税制審議会でも議論が進んでいくところだとは思いますが、ある意味、知事としては交通税について計画が策定されたにあたって、どういうふうにお考えになっているのか。議論をどういうふうに見直していくのかとか、そのあたりお考えをできればなと思います。
【知事】
まず、この計画に書いてある施策を、私たちが今計上している予算、また、国からいただいている補助、事業者が取り組む事々、これらを有効に使いながら実施していきます。ただ、もっと良くなったらいいね、こんなこともできるんじゃないのということで、そういった財源を上回る費用等が発生する可能性もある。国でも今、この地域公共交通をどうするのかという法律の改正議論が行われておりますので、さらにそこからいただけるものもあるのかもしれない。でも、足りないところがあるとすれば、それらをどうするのかという議論は、不断に、また引き続き丁寧に積み重ねていく必要があると思っています。私たちは、税制審議会というものを設置して、専門家の先生方にもこれまでも御議論をいただいております。例えば公共交通を維持、活性化させていくために、いわゆる交通税というものがあればどうなのか、そういうものをつくるためにどういうことを考えていかなければいけないのかという御議論をいただいておりますので、それを土台に今年度も議論を積み重ねていく。ただ、議会からは決議もいただいて、予断を排して真摯に検討されたしということもいただいていますので、その旨はきちんと踏まえて対応をしていきたいと思っています。
[読売新聞]
ジェンダー平等債について、資金調達のやり方はいろいろあると思いますが、この「サステナビリティ・リンク・ボンド」というやり方は、滋賀県は温室効果ガスの削減という方で、すでに発行されているかと思います。改めて、このジェンダー平等という分野について、この資金調達の手法で、「サステナビリティ・リンク・ボンド」を選んだ理由を御説明ください。
【知事】
お手元の資料にもありますとおり、「サステナビリティ・リンク・ボンド」とは、いろいろな持続可能な社会をつくるために、資金調達の方法として手法があるということなんですけれども、議論、検討させていただいた結果、目標を定めて、その目標に対する共感としてのこの資金調達、地方債の発行をファイナンスする方法がいいのではないかという検討の結果、「サスティナビリティ・リンク・ボンド」の方式でジェンダー平等債を発行させていただくことになりました。おっしゃったとおり、既に「サステナビリティ・リンク・ボンド」という手法でCO2 ネットゼロの取組に共感する地方債、資金調達というものをしてきた経過があります。これまで3回。50億、 50億、 50億という枠をつくりました。ただ、だんだん一般的になってくれば、より多くの自治体等がそういった手法を取られてくると、市場の状況にもよりますが、なかなかCO2ネットゼロということだけで資金調達がしにくくなる環境もあると思いますので、今回はジェンダー平等という新しい社会的な目標に向かって皆さんの御理解、共感が得られることを市場との対話の中で確認をしたいと。そして、私たちも目標達成できなかったらペナルティがありますので、強い覚悟を持って、この取組を進めようということを内外に示すためにも、この手法を取らせていただいたということです。
[読売新聞]
調達した資金の使途について、先ほど言及がありましたが、女性活躍の認証企業を増やす目標があり、その認証企業さんが受注される工事とおっしゃいました。その使途の部分についてもう少し御説明ください。
【知事】
本来、「サステナビリティ・リンク・ボンド」というのは、何に使うという特定は必要ないとされているのですが、せっかくこういう目標で地方債、資金調達するなら少し考えてみるべきではないかという御示唆を議会からもいただきました。ただ、地方債ですので、法律で何に使えるかということも定められていますので、その範囲内で考えたときに、様々な施設の工事というものが対象になるんじゃないか。ただ、どの工事にもという使い方の中に工夫ができるかという中で、女性活躍推進企業、その認証を受けられた企業が受注されている工事という使い方をすれば、「あ、じゃあ私もこの認証企業を目指しましょう」という取組が加速し、両方にとっていいのではないかということで考えています。
[読売新聞]
ジェンダー平等が達成できていない例として、滋賀県内では男女間賃金格差ということがあると書かれていますが、それは今どれぐらいあるのでしょうか。また、今の認証企業が受注した工事に対して、この資金を使うことによって賃金を上げていくと、そういうことをおっしゃっているんですかね。
【知事】
前段聞かれたどれぐらいの賃金格差があるのかというのは、後ほど担当者から現状を御説明させていただきたいと思いますが、この認証企業に対する優遇制度を設けることによって、認証企業を増やしていくという取組を志向していくことができるのではないかと私たちは思っています。どれぐらいこの企業が、市場がそのことに反応するのかというのは、もう少し現状、実態を見てみないとわからないところもあると思います。
[読売新聞]
企業さん側は、こうした枠組みでの資金が、自分たちが工事で獲得することができ、そのことによって賃金の格差を埋めていっていただきたいという動きを期待しているというところですね。
【知事】
そうですね。女性活躍、認証企業の一つ星、二つ星、三つ星の項目の一つに賃金は入っていますので、その認証を受けるためにも企業はクリアしていかないといけないと思っています。その取組中で、男女間の賃金格差が是正されていく。こういう動きも期待されると思っています。
[共同通信]
彦根城について、超党派の議員連盟が設立されましたが、期待や意気込みをお願いします。
【知事】
まず意気込みは強くありますし、いよいよ大事な時期、最終局面に入ってきています。事前評価を受けて、国内推薦をいただくための具体的な課題について文化庁とやりとりをし、今、推薦書の案を彦根市と、県と、文化庁と連携、協力してつくっているところですので、これはもう意気込みは強くあります。その私たちの意気込みを、超党派の国会議員の皆さんが応援しようということで、議連を立ち上げていただいたというのは、これほど心強いことはないです。活動の中にも様々な、時々情勢に応じて要望活動をしようということも書いていただいておりますので、ぜひその後押しを受けて、念願である悲願である彦根城の世界遺産登録が実現できるように取組を進めていきたいと思います。
[共同通信]
先ほどお話の中にあった推薦書案についてですが、昨日、彦根市の定例会見に行きましたところ、田島一成市長が4月中にはなんとか出したいというお話をされていましたが、県もその認識でしょうか。
【知事】
できるだけ早く出せるようにしようということで、今、取組を進めています。具体的にいつまでにということをこの段階で私が申し上げられる状況にはございません。やはり、出したらまたその次の過程に入っていきます。その過程でダメだとか分からないということになると、何のために出したか分からないことにもなるので、その見極めを慎重かつ丁寧に、また学術的な見地からも固く、今、議論していただいていると思っていますので、できるだけ早く出せるようにしていきたいと思います。
[時事通信]
ジェンダー平等債で一点だけ追加でお聞きします。使途について、先ほどからお話に出ているように、認証企業の受注される工事にというお話もありましたが、このほか、脱炭素化を進めるための「サステナビリティ・リンク・ボンド」の中では、再生可能エネルギーの投入倍増だったりとか、脱炭素化施策といったことにも幅広く活用するという方針を当初出されていたと思います。先ほど挙げられたこと以外の県の施策を含めて、他にも考えられている使途がありましたらお願いします。
【知事】
「サステナビリティ・リンク・ボンド」、ジェンダー平等債で調達させていただくのは地方債です。地方債を持って財源に充てることができる使途というのは法律で定められていますので、何でもかんでもというわけにはいかない。特にソフト事業などには当てにくい。ハードですね。後年度負担が伴いますので、後にもその効果を発現し、返済をしていくということに合理性があるものだと理解をしています。したがって、ハード整備が中心になってくるのですが、ただ、そのハード整備だとしても、せっかくジェンダー平等債ということで資金調達するなら、少し工夫ができないかという中で、こういった認証を受けられた企業が受注される工事というものに絞るということを今考えているところです。このことで、こういう条件を持つことによって(男女間賃金格差の是正が)進むとすれば、倍増しなきゃいけないので、ひとつ良い循環が生まれると思いますし、反応が見られないとすれば、少し目標の設定、取組をまた考えていかなければいけないこともあるんだと思います。いずれにしろ、できうる限りのことをして、目標であるジェンダー平等、男女間の賃金格差の是正等、実現できるようにしていきたいと思います。
[毎日新聞]
ジェンダー平等債について、これは投資家にとっては何がメリットなのでしょうか。
【知事】
こういった全国初の地方自治体が発するジェンダー平等債に対して、投資をしていますということを企業の皆さんが、関係する企業の皆さんや市場に対して告知されることで、企業イメージを高められたり、社会貢献度をアピールされたりということもあるのではないかなと思っています。
[毎日新聞]
目標を達成できたら県にとって何かメリットはあるのでしょうか。
【知事】
この平等債を発行することで、何か財政的な貢献度合いがあるかというとありません。かつ、この目標が達成されれば、何か褒賞がもらえるかというと、そういう仕組みにもしようとはしていません。むしろ、「パートナーしがプラン2030」に掲げて、こういった女性も活躍できる企業になろう。そのために様々な条件をクリアしよう。こういった企業さんが増えることは、女性も男性も働きやすい企業が増えること、また働きがいのある仕事が増えることにつながると思いますので、これは広い意味で県にとっていいことだと思います。そういったことが滋賀に住もうとか、こういう取組をされる企業で働こうということにつながるとすれば、選択材料にもなるのかもしれません。
[毎日新聞]
達成できなかった場合のペナルティとは具体的にはどういうことですか。
【知事】
先ほども一部申し上げましたけれども、目標を掲げ、目標年次までに達成できなかった場合は、その取組を行う財源となる基金に一定割合、県が拠出をして、強制的に積み立てることになりますので、そういう意味でのペナルティです。達成できれば、そういったところに予算を振り向けるということをしなくてもいいんですけど、できなければ、そういう取組を後押しする基金に強制的に振り込むことを条件にしようとしていますので、そういう意味でのペナルティです。
[毎日新聞]
交通税、新たな税というのは、いろいろな努力を重ねて、なお、新たな政策のために必要であればという位置づけということですか。
【知事】
誘導尋問には引っかからないように答えないといけないなと思っているんですけど、繰り返し申し上げているように、例えば多くの交通事業は民間事業で行われますので、やはり事業者の収入増につながる取組であるとか、これはまたサービス改善にもつながりますし、国費も当然獲得します。そのためにいろいろな提案や要望をします。そして私たちが今やっている事業を見直しながら、もっと公共交通をより良くする施策等に振り向けられないかということもやります。もう今年度も既にやっていますけれども。計画に書いてある事業を実行していくということにしていますが、やはり新たな税については安定財源だと思いますので、毎年いくらこのことによって得られる、入ってくる、使えるということになるとすれば、安定財源としての新たな税という、この可能性は、この間、税制審議会でも議論されてきた内容だと思いますので、それが目的ということよりも、やはり私たちの暮らしにとって身近な交通が、今よりもより良くなることが目的であって、その財源の一つとして、交通税、新たな税というものは、やはり議論を積み重ねていくという位置づけで今年度以降、進んでいきたいと思っています。
[毎日新聞]
安定財源ということは、一番の基本になるという意味ですか。
【知事】
一つの財源になります。でもそれがなくても、できるじゃないか、回るじゃないか、もう十分じゃないかという議論も、もしかしたらこれから出てくるのかもしれません。今、国が法律の改正をしていますけれども、そういう議論になって、こんなことをやるんだったら、国として新たな財源調達しようということになれば、それを地方に配分しようということになれば、私たちがなにもつくることは必要ないのかもしれませんので。何も交通税をつくることが目的ではないので、そこの誤解はこれから丁寧に解いていかなければいけないと思っています。ただ、反省はこの交通税というものをちょっと全面に私自身も、これまでの議論でも出しすぎたところもあるので、ゆえに、この交通税をつくるための交通計画かとか、税ありきの施策なのかということで、県民を代表する議会議員の皆さんからも強い御懸念を示されたと思っていますので、まず計画に書いてあることを、いろいろな財源を取って、今の予算を使って実行していくということを最優先にしたいと思っています。