令和8年3月10日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。先週末行われた「びわ湖開き」で本格的な春の到来、滋賀・琵琶湖に春の到来ということとなります。観光等、多くの方、安全に誘えるように、楽しく巡っていただけるように、取組を進めてまいります。
また、一昨日行われました第4回となります「びわ湖マラソン」も大変お世話になりました。この中にも挑戦され、完走された方もいらっしゃると聞いておりますが、約7,600人という過去最多の方に御参加いただきました。完走率が94%を超えるという、非常に高評価もいただいているレースでございます。今回、私はスターターと沿道での応援、ボランティアへの激励、そして表彰式という、他の公務との都合でこういう参加の形になりましたけれども、走る楽しさもあるんですけど、応援することの楽しさを実感したレースともなりました。多くのボランティアも、また応援の方も御参加いただける大会として、これからも大事に育てていきたいなと思っております。何より無事にこういう大会ができたことに感謝したいと思います。
明日3月11日で東日本大震災から15年という節目を迎えます。地震・津波・原発事故という、広域にわたる大規模な被害のある、未曾有の大災害でありました。今なお、悲しみに暮れていらっしゃる方、行方不明の方、また避難されている方もいらっしゃいますので、その方々に思いを馳せたいと存じます。この震災の経験と教訓をこれからの生活、生産、社会づくりに生かしていくということが重要だと思いますので、そういう意味で、防災対策を含め滋賀県でできることを皆さんと一緒に積み重ねていきたいと思います。
「すまいる・あくしょん」のキャラクターの名前は「にじはぴ」に決まったそうでございます。また、「びわ湖の春 音楽祭2026」のチケットの販売もスタートするということでございますので、お手元の資料等、御参照いただければと存じます。
今日は資料に基づいて私から一点、新たに設けさせていただきました「滋賀県農畜水産業経営強化緊急対策事業」につきまして、申請される方を募集したいということでございます。気候変動の影響が出ています。生産コストも高くなっている、さらに高くなることも予想される、長期化しているという、こういう厳しい状況下にある農畜水産業において、生産性向上、品質向上に向けた機器の導入、県産食材の販路拡大等、経営強化をしようという皆さんを少しでも応援できればという事業でございます。4月1日から募集をスタートさせます。補助対象となる取組は、先ほども申し上げました生産性向上、品質向上と販路拡大という2種類でございます。補助率は2分の1 、補助上限額は200万円、下限額は10万円とさせていただいております。本日公開するホームページに詳細を公開いたします。事業説明会等詳細につきましては、本日公開された専用のポータルサイトを御確認いただければと存じます。地域未来投資ということで、既に募集を開始している事業と並び立つ事業として、こちらは農畜水産業に主眼を置いた支援策となっております。有効に活用していきたいと思いますので、皆様方の御案内等お力添えいただければ幸いでございます。私からは以上です。
[中日新聞]
冒頭ありました、東日本大震災の発生から明日で15年ということについてですが、改めて15年という月日が流れたことに対する今の受け止めと、滋賀県で力を入れていらっしゃる防災施策について、例えば 24年度当初予算で挙がった災害時の湖上輸送ということの検討状況であったりとか、本年度の12月補正で入ったTKB 、備蓄に関する支援であったりとか、そういった今、力を入れていらっしゃる防災施策について、教えていただければと思います。
【知事】
まず、15年という月日が経ったことについて、もう15年かという思いと、まだ15年かという思いですね。私は当時東京にいましたけれども、東京でも大きな揺れを感じましたし、その後の津波被害、さらには原発事故、様々な対応を当時国会にてやったことを思い出します。何より多くの方が被災され、また避難をされる。今なおその爪痕を残してしまっているという、こういう災害ですね。やはりその経験、教訓をしっかりと生かしていきたいということに尽きます。県としては、今、いつ起こるか分からない地震、近く必ず起こると言われている南海トラフ大震災、こういったものに備えようと、自助と共助と公助の力を上げようと、こういう取組をしています。お尋ねいただいた備蓄の問題も、市町とともに、一定被害、被災、避難を想定いたしまして、トイレ、キッチン、ベッド、 TKBと言われるものの備蓄を着実に増やしていこうということでありますとか、いざというときに物資が届けられる、また避難ができるルートの一つとして湖上輸送の可能性というものもきちんと確かめ、必要な補強等を行っていこうという、こういうことなどをしながら、県としても地域防災力を向上する取組を着実に行っていきたいと思っております。
[中日新聞]
滋賀県は災害が比較的少ない県で、暮らしやすい県だと思うのですが、反面、災害に慣れていないというような面もあります。そういった上で、今本当にどこで災害が起こってもおかしくないような時代にあって、おっしゃった南海トラフ大地震もいつ起こるかわからないという状況の中で、やはりおっしゃっている「防災の日常化」ということがすごく大事だと思います。改めて県民の皆さんにどういったことを訴え、なされたいかお願いします。
【知事】
おっしゃるとおり、社会はおかげさまで日々、高度化、ある意味では便利になっておりますが、建物が高くなったり、また隣人との関係が以前よりも薄くなったりということで、いざ災害が起こったときの脆弱性、脆さというのは、むしろ増している面があるのかもしれません。したがって、そういったことを自覚しながら、いつ、どこで災害が起こっても、自らの命を守れるようにする。そして、特に被災直後、避難の状況下で、家族と離れ離れになったときに、生き長らえるらようにするということ。そのために何をしておけばいいのかというのを、私たちも、みんなで考えていくということが重要だと思います。そういう意味で、「防災の日常化」というのは極めて重要なキーワードだと思いますし、当然、行政としては公助の役割、また共助を強化する役割、自助に向けた行動を促す取組などが求められると思いますので、そういったことのために万全を尽くしていきたいと思います。おかげさまで、これまで災害が少ない県でしたけれども、今後もそうであり続けるかというと、決してそうではなくて、むしろ被災の経験がないがゆえに、弱さもあるのかもしれません。ゆえに、他地域で起こった災害に思いを馳せる、支援に伺う、寄り添うということで、この被災の自分事化を、災害の自分事化をするということも重要だと思いますので、そういう視点に立った取組も、これからも続けていきたいと思います。
[中日新聞]
最初に紹介いただいた「すまいる・あくしょん」について、私も7日にお伺いしまして、「にじはぴ」ちゃんが誕生したということで、結構子どもたちも集まっていました。先日の一般質問でもありましたように、県の中で30種類を超えるキャラクターが既にいるということで、こういったキャラクターをせっかく誕生させたからには活躍させて、よりこの制度が広がるようにということが目標として挙げられると思うのですが、こういったキャラクターを通じた啓発・広報というのにどのような効果を期待されていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
議会でも指摘され、様々な御提案もいただきましたが、キャラクターをつくる、大使をお願いする、アカウントを用いて SNS で発信するというこの3つのツールというのは、行政の様々な施策を社会に知っていただく、一緒にやる、参画をいただく、共感をいただくということにとても有効なツールだと思います。したがって、この有効なツールを最大限活用して、皆様方に親しみを持って、その取組に御参加いただける、御協力いただける、こういう環境をつくっていくことが重要だと思います。ただ、ややもすればつくって終わり、最初はいいけど、だんだん尻すぼみということになるのも問題としてあると思いますので、そういったことにならないように、せっかく誕生した「にじはぴ」というキャラクターが、ちゃん付けなのか、くん付けなのか、さん付けなのか、性別はないということなんですけど、より多くの方に親しまれるようにしたいなというふうに思っています。
[中日新聞]
知事としてはどうやったら人気が出ると思いますか。
【知事】
いろいろなキャラクターといろいろな行事で一緒になることがあるのですが、動きがあると、とても皆さんの笑顔も広がるような気がしますし、音であれ、鳴き声であれ、何か発すると、また違う効果もあるのかもしれません。この「にじはぴ」がどういう動きと、どういうことやメッセージを発するのかということも注目されるでしょうから、そんなところは期待したいなと思います。
[中日新聞]
改めてこういった子育て施策にかける思いというのを今一度お願いします。
【知事】
このすまいる・あくしょんは、御案内のとおり、コロナのときに私たち自身が、知事もそうです、行政もそうです、大人もそうです、どうしていいかわからなかったときに、子どもたちの声を聞いて、このアイコンでもそうですけど、 7つのアクションということで、ある意味、私たちがコロナ禍で生きていく光を見い出した取組であり、存在なので、そういう意味で、このすまいる・あくしょんという取組が、子どものため、子どもとともにという取組に主眼を置きつつも、社会全体の、これからの生き方、暮らし方にとって大事な存在なんだ、取組なんだということに進化していけるように、皆さんにそう思っていただけるように、取組を充実にさせていきたいなと思います。
[日本経済新聞]
冒頭で紹介していただいた農畜産業の経営強化、緊急対策について、緊急というふうに名前がついたり、生産コスト高騰と出ていますが、これは足元の運転資金というよりは、生産性を高めるとか、販路を拡大するとか、構造的な足腰を強化しようという、そのための資金ですね。
【知事】
いろいろな変化、変動にも耐えうる足腰、生産性を高めていただく、強化していただくための一助として、使っていただければと思います。
[日本経済新聞]
イラン問題で、やはり原油は案の定、ニューヨークですけど100ドルを超えて、長期化すると思います。日本の場合、だいたい250日から280日ぐらいの原油のストックがあるので、影響が出てくるのは3ヶ月から6ヶ月後ぐらいです。アメリカはもうガソリン価格が上がってるんですけども、日本は多分これから重油なんかも含めて石油製品の値段が上がってくるので、農家としては厳しいのかなと。影響は農家だけではなく、そういったところを踏まえて、前回の会見では何かあったら必ずやるということでしたけども、例えば、関西広域連合広域連合長として、関西全体で対策を立てようとか、そういう話は今出てないのですか。
【知事】
まず、おっしゃったとおり、米国、イスラエルによるイラン攻撃の影響というのは、原油をはじめ、広範に経済、社会、生活に影響を及ぼしうるということは想定しなければならないと思っています。したがって、県としての経済・雇用対策本部については、状況を踏まえて機動的に対応できるようにしたいと思っております。早ければ来週にもやらなければいけない状況も含めて、対応を指示しているところです。おっしゃったように、いわゆる商工労働分野だけではなくて、例えば原油ということであれば、農業というものの長期的な影響というのも視野に入れる必要があるのかもしれません。そういったことを視野に入れながら、県としてできることを最大限尽くしていきたいと思います。今お尋ねいただいた関西広域連合として、何か構え、備えはあるのかということについて、現時点ではありませんが、もし必要とあれば、広域産業の分野とも協議しながら、必要な対策をとっていきたいと思います。
[日本経済新聞]
関西広域連合のメンバーからは、何かやらないといけないのではないかとか、そんな声は上がっていませんか。
【知事】
現時点、私のところに届くまでは上がってきていませんが、それぞれの分野、分野で、主にこの時点では広域産業の分野になると思いますが、状況は注視してくれていると思います。が、私どももついついそうなんですけど、自県、自分の県にとどまりがちで、広域にその視野が及んでいるかどうかというのは我々、注意深く点検しておきたいと思います。
[日本経済新聞]
知事がおっしゃった来週にも本部というのは、トランプ関税の時にできた本部員会議のことですか。
【知事】
そういうものになると思います。
[日本経済新聞]
新しく立ち上げるということですか。
【知事】
前回は、例えばトランプ関税、もしくはウクライナ情勢ということで立ち上がったとすれば、同じネーミングでやることはないと思いますが、今日的な状況を確認する本部ということになると思います。
[日本経済新聞]
その場合は知事が本部長という可能性が高いですか。
【知事】
本部を立ち上げるならば、本部長は知事ということになると思います。
[日本経済新聞]
来週にもということで、県庁内で調整中ということですね。では、横断的に県内で今後想定されるものに対してどう対策していこうかというのを検討していくものですね。
【知事】
想定しうるものを想定して準備したいと思います。おっしゃったとおり、影響は長期化したり、また広範囲に及ぶということもあると思いますので、1回やって終わり、早くやってそれで、ということではなくて、むしろその先にどういう対策が必要なのかという感度を上げるためにも、そういう場、機会というのは必要なのかもしれません。
[日本経済新聞]
ネーミングはまだ決まってない。
【知事】
はい、これからです。
[日本経済新聞]
もう一つ、石川県知事選について、現職が敗れるという結果で、現職は自民党候補者でもある一方で、今回、金沢市の前市長が、政党の支援を受けずに当選したという結果になりましたが、前の馳知事は北陸新幹線に関して、米原ルートをかなり推していたという背景がありました。しかし、今度の知事は、北陸新幹線に関する対応はいまだ不明ですが、サンダーバードが途中で途切れてしまったので、これをもう一回石川県に繋ぐ、特に和倉温泉まで持っていきたいということを言っていて、今回、石川県でこういった政変がありましたが、滋賀県政に何らかの影響はありますでしょうか。
【知事】
まず石川県知事選挙、大変激戦だったと聞いていますが、当選された山野さん、祝意をお伝えしたいと思います。市議としても市長としても、また民間でのお仕事を含めて経験豊富な、私も少し存じ上げている、大変尊敬する政治家だと思っています。そういう面で、私たちは中部圏知事会議ということで連携する枠組みもありますので、また能登震災に対しては、関西広域連合としても滋賀県としても、カウンターパートで協力している御縁もありますので、これからもいろいろな場面で連携し、切磋琢磨して、地方自治・行政充実のために尽力していきたいと思っています。
今あった北陸新幹線のことを含め、どういう影響が出るのかというのは分かりません。今ちょうど今国会中にもということで、与党の枠組みの中でヒアリング・検討も行われるようでありますので、そういう場で石川県は石川県としての御主張をされるでしょうし、私ども滋賀県は滋賀県としての主張をしながら、最終的には政治の場で予算をつけるためのルート案を示していくということになると思います。
[日本経済新聞]
山野さんには何か連絡をしましたか。
【知事】
まだしていません。御着任される折に祝意のメッセージを送ろうということで準備をしていますが、それは他の当選される知事と同じスケジュールですので、何か特別にメッセージを送るということは今のところ考えていません。
[日本経済新聞]
北陸新幹線の延伸ルートに関しては、これまでの三日月知事のスタンスは変わらず小浜・京都ルートでというお考えでしょうか。
【知事】
私は既に決定された、敦賀以西は小浜を通って、京都を通って、大阪に繋いでいくというこのルートをできるだけ早く環境を整えて、着工条件を整えて、着工にこぎつけていくということが望ましいのではないかと思っています。巷間言われている米原ルートというものは、願ってもいないし、求めてもいないというスタンスに変わりありません。
[日本経済新聞]
通常国会でこれを議論された決定には従うということでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおり、国家プロジェクトで国政を預かる主たる方々が、ヒアリングの結果、検討の結果、こういうルートが良いのではないかということを示された折には、そのことには従っていくことになると思いますが、その際、影響を受けうる自治体の意見は最大限申し上げていくというのが必要な姿勢ではないかと思います。
[読売新聞]
6日に与党の整備委員会があって、そこで7月までに、一応検討中の8ルートを1つに絞り込むという方針が決まったようですが、それについてはどう受け止めていますか。
【知事】
当然、1回決めたけれども状況が変わり、いろいろな意見が出て再集約しないといけない。いつまでもやっていても仕方ないので、期限を1つ区切りを設けながら精力的に検討していこうというのは、これはあるべき、良い方向性かと思っていますが、沿線自治体のいろいろな思いも、この間また様々出てきたり、またいろいろ皆さんも注目されたりしていると思いますので、丁寧に聞いていただいた上で、議論して決めていただくということを望みたいと思います。
[読売新聞]
その時の会合で JR 西日本の社長が、改めて小浜・京都ルート、京都駅を通るルートを改めて主張されたと聞いていますが、知事のお考えを改めて教えていただけますでしょうか。
【知事】
運行主体となる JR 西日本さんは JR 西日本さんの思いを、事情を述べられて、これは当然のことだと思います。私たち沿線自治体としては、かかる整備費用の負担といった問題ですとか、通った場合、並行する在来線がJRから経営分離される。したがって、自治体がそれらを負わなければいけないということをどう考えるのかということ。また、工事の間、トンネルを掘る、工事を行う、その環境に対する影響、暮らしに対する影響というのをどう考えるのかというのが重要になってくると思いますので、そのことをそれぞれの自治体が述べていくということになると思います。
[読売新聞]
京都府内の自治体で独自に誘致活動をされているようなところ、舞鶴市などがありますが、そういった動きはどのように見ておられますか。
【知事】
議論がもう一度行われる、ルートを再検討したいということになれば、我が町にも新幹線をという動きが起こることも、これは想定内ではないかと思いますが、新幹線が通ることによる効果と、通ることに向けての負担と、その後負っていくものをどう比較、考慮するのかということが重要になってくるのではないかと思います。
[読売新聞]
整備委員会の方で、関係府県の知事に対してもヒアリングが行われると聞いていますが、知事にその連絡があったか、いつ実施するかみたいなものが決まっているかどうか、また聞かれたらどんなことを言おうと思っているか、教えていただけますでしょうか。
【知事】
まだ正式な連絡はありませんが、非公式に滋賀県も対象になるということは、関係する議員の皆様方から聞いていますので、その場は滋賀県もあるのだというつもりで、今準備をさせておりますが、この時点で何をどのように申し上げるのかというのはまだ検討中ですので、申し上げられることはありません。以前から申し上げているように、米原ルートというものについては求めてもいないし、望んでもいない、お願いもしていないということは、申し上げることになるのではないかと思います。
[京都新聞]
米原ルートについては会見の中で言及してくださっているのですが、8ルートの中には湖西ルートも入っているかと思います。湖西ルートについて、お考えを教えてください。
【知事】
様々なルートのうちの湖西ルートというものが、湖西のどこをどのような形式で通るのかということについて定かでありません。私たちが国政にいるときに、例えばフリーゲージというもので、湖西線の効果を使って、そのまま通ることなどについても検討してきましたし、例えばそういうことなのか、別線を引いて新幹線を通していくことになるのか、湖西は通るけれども、山の中を通って京都と滋賀のシェアがどのようになるのかなどは、まだ十分に示されているわけではないので、そこはもし検討せよ、考えよというのであれば、もう少し詳しく伺う必要があるのかもしれません。ただ、そういったルートが検討される、俎上にのぼってくるとすれば、当然並行する在来線のことを私たちは問い、考えなければならないということになりますので、そこは念頭において検討したいと思います。
[京都新聞]
冒頭に東日本大震災の中の原発事故のことについても触れられたので、その観点からお聞きするのですが、滋賀県は、福井県に隣接している県として、福井県の原発においては今、再稼働している全国各地の原発の中では最多の数が、震災後再稼働している状況にあるかと思うのですが、隣接する県であり、近畿圏に水資源を供給されている琵琶湖を預かられている滋賀県知事として、この原発に依存した状況が引き続き震災後も続いているかと思うのですが、その原発を巡る動きについて、現在、知事がどのようなお考えなのか教えてください。
【知事】
まず、電気、電力がなければ私たちは生活も生産もできないという状況下にあります。その多くを、例えば原発というエネルギー源に求め、そしてその立地の多くを福井県若狭湾にお願いをしている。住民の皆様方にはそのことをお認めいただき、御協力いただいている。やはり常にそのことは深く思いを致さなければいけないということがあります。また、福島の原発はああいった甚大な事故を及ぼし、今も廃炉に向けた燃料デブリを取り出す作業が鋭意進められておりますが、そういった事態を起こさぬよう、現場で日夜従事していただいている多くの方々がいらっしゃいますので、そういった方々にも感謝の心を届けたいと思います。ただ、この福島事故を半ば忘れたかのような原発をさらに動かしていく、もしくは増やしていくというこの動きが、果たして私たちに可能なのかどうかということについては、よく考えなければいけないと思います。当然、AI含め電力需要が今より増えるので、そのエネルギー源を持続可能なものに求めていくという作業は、政府も国も政治も鋭意していかなければいけないのだと思いますが、静脈の問題、さらには安全確保の問題、そういったことを考えて、真に持続可能なエネルギー源かということについては、私はいささか不安を、いささかどころか大いなる不安を持たざるを得ないと思っていますので、そのことは、例えば住民の命を預かる、また琵琶湖をお預かりする県の知事として、また福井県に隣接する県の知事として、常に申し上げなければいけないのではないかと思います。
[京都新聞]
福島事故が起きた関係で、原発事故は起こりうるということが現実になって15年経つということで、事故後、滋賀県においても住民避難計画を策定されて、毎年訓練なさっているような形が進んでいるかと思うのですが、この原発事故における状況によるかもしれませんが、同様な、たくさんの方が避難されるような事態を当然想定すべき時代に入っているかと思います。改めて、その住民避難計画について、住民の命を守る観点から、課題があるのか、課題があるとすれば、どのような点をまだまだ今後、突き詰めていかないといけないとお考えなのか、改めて教えてください。
【知事】
私たちが福島の事故東日本大震災から学んだことは、想定外を想定しなければならないということであるとか、最悪を想定して、できうる限りの備えをつくり、高めていくということだと思います。その意味で、今、お尋ねいただいた原発事故が起こった場合、とりわけ近い若狭湾等で起こった場合、どのような避難のあり方、避難計画をつくっておくのか、これは先般、 1月15日に行った防災会議においても、原子力防災の再点検ということで、避難計画の実効性向上ということで9項目、これでいいのか、いけないのであればどういう対策を取るのかということについて、今、具体的な検討をしているところです。例えば、屋内退避のあり方、その際の備蓄の在り方、さらには避難のあり方、これは自家用車避難を調整すると言っていますが本当にそれができるのか、高速道路をどうするのか、鉄道はどうなるのか、船は使えるのか、バスで移動すると言っているけれども、運転手は確保できるのか、安全対策をどうするのか、また、汚染検査をやると言っているけれども、ペットはどうするのか、また、安定ヨウ素材の事前配布を求める声がたくさんありますが、事前配布をどうするのかというこの9項目については、今鋭意、様々な事例、また教訓、御要望を踏まえて、どう私たちが計画の中に盛り込むのかということの検討をしているところですので、常にそういったものの実効性を保ち、高めていけるように努力したいと思います。
[京都新聞]
石川県知事選で現職知事が結果的に破れるという事態について、改めて7月の滋賀県知事選において、現職の立場で立候補を表明されている三日月知事として、現職が審判を受けて敗れるという、この石川県知事選挙の結果をどのように受け止めているか教えてください。
【知事】
まず、石川県の知事選挙の結果は結果として、石川県の事情と状況の中で行われ、有権者が選択判断されたことですから、それ以上でもそれ以下でもないと思います。当然、現職の知事が、他の新人の候補の方々と争う選挙戦、戦う選挙戦というのも構図としてあり得るわけで、現職は現職の重荷の中で公約等述べるでしょうし、新人の方は、それとはまた異なる至らぬ点等指摘をされながら、また違う選択肢を示されるという構図になることが多いので、そういう中で審判を仰ぐということだと思います。選挙に出る身としては、もう虚心坦懐に、これまでやってきたことと、これからやろうとすることを、一人でも多くの方に御理解いただけるように訴えることに尽きると思っています。
[NHK]
県のいじめ問題対策連絡協議会の中で、元交際相手の女子高生の非常にプライベートな写真を男子生徒の中で共有するという事案、いわゆるリベンジポルノと言われるような問題があったことについて、これがいじめという意識があったかどうかは分からないのですが、高校生の中でこういうことが既にあるということに対して、知事はどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
今お尋ねいただいた件は、2月4日の県のいじめ問題対策連絡協議会の中で、県が今年度実施しています「いじめ対策マイスター制度のモデル構築推進事業」で対応した事案の一つとして御紹介があったものです。現に今お尋ねいただいたような事態が、教育の現場、高校生の交友関係の中で起こっているんだ、起こりうるんだという、こういう認識を新たにしたところです。まずはそういった人権侵害、SNS等も使ったそういった問題が起こらないようにするということと、この場でも共有されていましたが、やはり早期の対応ですね。このことが分かった時点で、加害の児童・生徒に対してもそうですし、このプロパイダというか、情報通信機関への連絡、警察等への対応を含めて、早期に関係者が連携して拡散を防いでいくということの必要性を再認識いたしましたので、こういったことがこれからも起こらないように努めると同時に、起こった場合に教訓にしなければいけないことではないかなと思いました。
[NHK]
国際女性デーが3月8日ということで、今年が5年目で毎年都道府県版ジェンダーギャップ指数が公表されています。今回、滋賀県は行政分野では全国4位、一方で経済分野が去年と同じ全国44位と、行政が割と進んでいるけれども、非常に経済が課題でという、ジェンダーギャップに向けての過渡期なのかなという印象を受けましたけれども、今回のこのデータの結果を知事はどういうふうに受け止められたでしょうか。
【知事】
まずは私ども女性も男性もギャップのない、とりわけ女性に多くの負担や可能性が十分生かしきれていない課題があるこのジェンダーギャップについて、解消、改善しようということで、今、「パートナーしがプラン」を改定、策定の作業中です。良かったことは糧として、励みにして、課題である他と比べて劣っている点は、奮起の材料として、改善の目標として取り組めるようにしていきたいなと思っています。他と比べて大きく低かったところで、教育とか経済、とりわけ経済の分野は、やはり賃金格差でありますとか、そのことに影響するフルタイムの仕事に従事する人の割合というものの低さ。これは、滋賀県内の産業構造にも影響しているのかもしれませんが、そういったことをどのように改善していけるのか、企業や法人の役員、管理職、また農協や漁協の役員さんといったことも指標にあるようですので、こういう課題についても、関係機関、関係団体とも共有をして、それぞれがどのようにすればより良い社会をつくっていけるのかということを考える材料にしていきたいなと思っています。
[NHK]
先ほどおっしゃってくださった男女間の賃金格差がまさに36位で、非常に課題があって、男女と同じようにフルタイムで仕事をしていても、男性の方が10万円近く給料が多いという状況になっています。一方で、お隣の京都府は全国で3位。そうなると、女性からしたら京都で働いた方が不平等感がないのかなというふうに思ってしまうのではないかとデータ上読み取れ、そのような若い女性の働き手としての流出というのは非常に課題ではないかと思います。今回のこのデータから読み取って、どういう施策につなげていけると思いますか。
【知事】
それぞれ府県同士の比較にはなりますけれども、他府県との比較の中で、劣っている部分を改善する材料を探すというのは、とても大事な作業だと思います。一方で、例えば老後、安心して暮らせる、また、子育て中の方々、親子が安心して住める、育てることができるという環境で選ばれるような視点もあると思いますので、そのあたり一概には言えないところもあると思いますが、今回、この国際女性デーを機に出されたジェンダーギャップ指数を読み解き、さらに県内のギャップ改善のために生かしていく姿勢というのは大事にしたいなと思います。
[NHK]
6月から導入されるジェンダー平等債について、まさにこの経済の部分への意識を変えていくというか、その辺につながればいいかなと思うのですが、改めてこのジェンダー平等債への期待を、この現状を受けて、お伺いできたらと思います。
【知事】
ジェンダー平等債というのは一つのツールです。やはり大事なことは、女性も男性も生まれ、育ち、持っている力を最大限に発揮して輝くということであったり、生きがい、やりがいのある人生を送っていくということだと思います。ただ、それを阻んでしまっている固定的な性別役割分担意識ですとか、知らず知らずの間に「らしさ」というものを形づくってしまっているアンコンシャスバイアスのようなものをどのように取り除いていくのかということだと思います。それらを企業の皆様方や投資家の皆様方の共感とともに動きをつくっていくために、このジェンダー平等債をプランの計画と目標に紐づけて発行しようというものですので、一つの社会的な機運の醸成に役立てることができればというふうに思っております。ただ、資金を調達して終わり、発行して終わりにならないように、全国初の取組を進めていければいいなと思っています。
[中日新聞]
11時半からのインターハイのカウントダウンボードの設置に行ってみようかなと思うのですが、滋賀でも何競技かあると聞いていて、インターハイへの期待といいますか、県としてどういうふうに後押しして、どういうふうに県の活力とかに生かしていきたいかというところを簡単に聞かせてください。
【知事】
インターハイは今回、滋賀県で総合開会式、いくつかの競技が行われます。今年の夏、高校生のスポーツの祭典として、目標として頑張っている生徒の皆さんも多いし、応援する人たちも多いということで、国スポ・障スポのレガシーを体現していく場としても注目、そして期待をしています。また、盛り上げや応援、その実行委員会に高校生が参画をしています。先般のびわ湖マラソンの時にものぼりを立てて、関連グッズを配りながら「インターハイを滋賀でやります」ということを高校生自らが PR するようなところもありましたので、みんなで盛り上げていけたらいいなと思っています。
[中日新聞]
先日、琵琶湖博物館で30周年を記念するナイトミュージアムがありまして、素敵な取組だと思った反面、周辺の交通渋滞がすごくて、 SNS を見ると「行けなかった」という方であるとか、「どうにかしてほしい」というような声も受けたので、まずそういった問題を把握されていらっしゃるのかなというのと、今後もしそういう同様の取組とかをやるときに、どういうふうにしていきたいとか、知事としてあれば簡単にお願いします。
【知事】
湖と人間というものにフォーカスした他の県にはない博物館ですし、生き物の展示、歴史の展示、滋賀の暮らしを展示できる博物館ですので、大事にしようと思っています。また、 30周年の節目ですので、今までできなかったようなことも含めて、展示したり、表現できたりするといいねということもございます。また、夜ならではの博物館の楽しみ方を追求しようということで、ナイトタイムエコノミー、ナイトアミューズメントの一環として、この琵琶湖博物館の夜間の開館というものに挑戦をさせていただきました。大変多くの方がお越しになって、夜ならではの雰囲気、映像、表現、展示、こういったものを大変お楽しみいただけたという反面、今おっしゃったように、駐車場の案内、誘導、そしてそこに至る道路の混雑等々が、我々の想定を超える規模で起こりましたので、これは課題だと受け止めております。すでに私も速報でそういった状況等聞いていますので、次に向けて、これからに向けてどういう改善ができるのかというのを考えていきたいと思います。